K-1 12.3 エディオンアリーナ大阪(レポ/ワンマッチ):軍司泰斗、ジュングァンに苦戦も判定勝ち。KANA・金子晃大・玖村将史・江川優生・ジョムトーンがKO勝ち。サッタリKO負け
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K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~初代バンタム級王座決定トーナメント~
2022年12月3日(土)エディオンアリーナ大阪
レポート:井原芳徳 写真:(C)K-1
※初代バンタム級王座決定トーナメントは別記事でお伝えします
軍司泰斗、ワン・ジュングァンに判定勝ちも倒せず「まだK-1の頭にはなれない」
第21試合 フェザー級(57.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/K-1フェザー級王者、K-1フェザー級世界最強決定トーナメント2022優勝、元Krushバンタム級王者、K-1甲子園2016 -55kg優勝)
×ワン・ジュングァン(中国/天津阿福ファイトクラブ/CFP/Enfusion世界57kg級王者)
判定2-0 (箱崎30-29/水谷29-29/梅木30-29)
1R、ジュングァンが積極的にパンチを振うが、軍司もパンチで応戦し、ジュングァンのガードの隙間から右ストレートを当ててひるませる。接近戦で頭を近づけての打合いが続く中で、軍司はパンチの連打から右ローにつなげるパターンも繰り返し、足にもしっかりダメージを与える。だがジュングァンも最後の打合いで左フックを返す。記者採点は軍司だが、まだイーブンもありうる。
2R、ブロックするジュングァンに対し、軍司は顔面、ボディに何発もパンチを当てる。さらにガードの隙間から、またも右ストレートを当て、じわじわダメージを蓄積させる。ジュングァンは次第にフラつき、クリンチで難を逃れるように。終盤、ジュングァンが軍司をコーナーに詰めるが、パンチを振り回すジュングァンに左フックを当てると、ジュングァンの腰が落ちる。あと少しでダウンになりそうな強打だった。だが最後はジュングァンもパンチを返し、ONE等世界の舞台で培った底力を見せつける。記者採点は軍司。だが軍司はコーナーに戻ると、グッタリとした様子を見せて消耗しているのがわかる。
3R、ジュングァンは左ストレートを当て、軍司をのけぞらせる。手数では軍司が上だが、頭を近づけての打合いでもジュングァンは随所でパンチと膝を返し、軍司を手こずらせる。クリンチの展開で軍司が背中を向けたり、ジュングァンが押し倒す場面も。終盤、ジュングァンが顔面への左前蹴り、フック、テンカオを当て、軍司を下がらせて、最後もスリップさせて終える。記者採点はジュングァン。合計29-28で軍司。ジャッジ1者のイーブンもありうる判定だ。2者が3Rのジュングァンにつけなかったのは酷な気もするが、軍司を支持し、軍司の判定勝ちとなった。
軍司は武尊が倒せなかった相手を倒して、6月のTHE MATCH後にK-1がテーマとして掲げる「#K1NEXT」の筆頭になりたいところだったが、思い通りにはさせてもらえなかった。マイクを持った軍司は「試合が決まった時から、KOして時代を変えると言っていたんですけど、KOできなくて、まだK-1の頭にはなれないと実感しました。ここで去年K-1チャンピオンになって、1年間やってきて、防衛戦を1回もやっていないんで、3月のK’FESTAで強い外国人選手と防衛戦お願いします」とアピールし、K’FESTA.6 3月12日 国立代々木競技場第1体育館大会での防衛戦を希望した。
カリミアン、苦戦の末反則勝ち
第20試合 ヘビー級(100kg) 3分3R(延長1R)
○シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY/K-1クルーザー級王者)※POWER OF DREAMから所属変更
×カルロス・ブディオ(ブラジル/ブラジリアンタイ/FIGHT DRAGON -90kg王者、KTK WORLDヘビー級王者)
2R 反則
ブディオはホーストカップで谷川聖哉をKOしたことのある33歳でK-1系初参戦。1R、カリミアンが飛び膝で突っ込んで来るが、小柄なブディオはかわして左フックをヒット。カリミアンはブディオを押し倒してから突っ込んで来るが、立ったブディオはコーナーを背にしつつ左の前蹴りで迎撃し、顔面にもらったカリミアンは吹き飛ばされてしまう。中盤、ブディオが左インローを当てると、カリミアンは少しバランスを崩すように。すると終盤、ブディオは左右のフックを振り回してカリミアンをコーナーまで下がらせると、右フックを連打。カリミアンがひるむと、レフェリーはスタンディングダウンを宣告する。その後もブディオは前に出て終える。記者採点は8-10でブディオ。
2R、クリンチの後ブレイクがかかるが、カリミアンは離される前に右フックを当てる反則を犯し、レフェリーから警告を受ける。お互いやや攻めあぐねる感じとなるが、終盤にまたもアクシデントが起こる。
カリミアンが右バックハンドブローの後の左ハイを空振りし、足がトップロープをまたぐ形で外に出て、さらに背中を向けた状態になってしまうと、レフェリーがブレイクに入る直前にブディオが突っかかり、右フックを後頭部に当てる。カリミアンは押されるようにして、トップロープを超えてマットに落ち、うつぶせのまま動けなくなる。試合はこの時点で終了に。
梅木良則審判部長は「レフェリーのブレイクのコールの後にシナ選手の後頭部を攻撃してしまいました。反則行為で試合続行不可能となっていますので、シナ選手の反則勝ちとなります」と説明した。
KANA、Enfusion王者を1R KO
第19試合 女子フライ級(52kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
○KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1女子フライ級王者、元Krush同級王者)
×オロール・ドス・サントス[Aurore Dos Santos](フランス/カーンズジム/Enfusion女子ストロー級(52kg)王者、IFSA世界女子フライ級王者、WAKO世界女子ミニフライ級王者)
1R 2’55” KO (パンチ連打)
初来日のドス・サントスは45戦35勝(6KO)10敗の31歳。GLORYにも参戦経験がある。1R、KANAが長身のドス・サントスに対しいてプレッシャーをかけて距離を潰し、コーナーに詰めて随所で左ミドル、ボディを当てる。終盤には顔面へのパンチを増やすと、パンチ連打から右フックを当て、左フックでのけぞらせ、さらに連打をまとめたところで豊永レフェリーがダウンを宣告する。
ドス・サントスは自軍コーナーに戻りながらセコンドに何かを話続け、レフェリーがカウントを続けてファイティングポーズを促すも、横を向いたままポーズを取らず、レフェリーがストップした。数十秒経ってからドス・サントスは意識が戻った様子で、セコンドらに声をかけられ、ようやく負けたことに気づいた様子。派手に倒したわけではないが、KANAのパンチの威力の凄さを示す出来事だった。
ヨーロッパのEnfusion王者を撃破したKANAはマイクを持つと「自分の一番の目標はONEにいるアニッサ(・メクセン)選手と戦うことなんで、世界最強を目指して、K-1チャンピオンが一番強いってことを、K-1が世界最強ってことを、女子を先頭に引っ張って行きたいと思います」とアピールした。最後は「K-1最高」と、K-1を離れた武尊のように叫んでリングを降りた。
金子晃大、タイ人選手を3R KO「3月、コンペットとやりたい」。玖村将史もKO勝ち
第18試合 56kg契約 3分3R(延長1R)
○金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1スーパー・バンタム級王者、元Krushバンタム級王者)
×キリルアン・チョーハーパヤック[Kiriluang Chor.Hapayak](タイ/チョーハーパヤックジム)
3R 2’38” KO (左フック)
キリルアンはムエタイ73戦63勝(12KO)7敗3分の21歳で初来日。9月大会で玖村将史を下したコンペットとの対戦を見据え、金子は対タイ人で強さを示したい一戦となる。
1R、プレッシャーをかける金子に対し、キリルアンはサウスポーで構えて回って距離を取る。金子は左ボディを当てるが、キリルアンの左ミドルをすくう反則を犯してからの攻撃となってしまう。離れれば右ミドルを当てるが、キリルアンも左ミドルを返す。記者採点はイーブン。
2R、金子は変わらず圧をかけ、右のインローを当て、違う糸口から流れを引き寄せようとする。だがキリルアンは随所で変わらず左ミドルを返す。中盤過ぎから少しずつ金子の左右のボディのヒットが増えるが、キリルアンはひるまず、ステップですぐ距離を取り、注意されない範囲でクリンチと織り交ぜ攻撃を寸断する。記者採点はイーブン。金子が流れをつかみかけているが、ポイントを振るのはまだ早いだろう。
3R、キリルアンは序盤から左ミドルを連打するが、金子も負けじと前に出てパンチを連打する。だがキリルアンはステップで距離を取り、金子に連打を許さない。それでも金子は随所で右インロー、ミドルをコツコツと当て続ける。キリルアンは左ミドルを返せなくなり、金子のローを嫌ってか、少しだけオーソドックスに切り替える場面も。すると終盤、金子は右ボディストレートの後、左フックをヒット。キリルアンが少しぐらいついた隙を逃さず、左フックでダウンを奪う。キリルアンはうずくまったまま動けず、梅木レフェリーがストップした。
マイクを持った金子は「3月、さっき玖村君にやりたいと言われて、いつでもやっていいですけど、僕は今、コンペットとやりたいんで。あれを倒さないと強いって証明できないんで、そんな感じでやっていこうと思っています」とアピール。9月大会で玖村将史を下したコンペットとの防衛戦を希望した。
第17試合 56kg契約 3分3R(延長1R)
○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/元Krushスーパー・バンタム級王者)
×イスマイル・アル・カディ[Ismail Al Kadhi](キプロス/アレクシィ・ムエタイ・キプロス/KOK世界フライ級王者、MTGPインターコンチネンタル-55kg級王者、ISKAキプロス-60kg級王者)
2R 1’42” KO (左三日月蹴り)
初来日のアル・カディは7戦5勝(1KO)2敗の21歳。イラン出身で地中海の島国・キプロスに住む。1R、パンチを振り回すアル・カディに対し、玖村兄弟の弟・将史が距離を取りブロックしつつ、カウンターの左フックを的確にヒット。中盤には左ボディ、右カーフも効かせる。終盤にはロープに詰め、左フック、ボディを度々当て追い詰め、残り10秒に左ボディでダウンを奪う。記者採点は10-8で将史。
2R、アル・カディは挽回を狙いパンチを振り回し、時折ヒットさせ場内をどよめかせる。だが将史はラッシュを耐えると、終盤、左の三日月蹴りを効かせてからの右ストレートでダウンを奪う。そして左の三日月蹴りを当て再びダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。
将史は「大阪で3年ぶりぐらいに試合をして、初めてのK-1大阪大会で、KOで勝てて良かったです。9月、コンペット選手に負けてしまって、タイトルから遠のいたんですけど、金子選手は敵なんですけど、今日は勝ってもらって、3月のK’FESTAで金子選手とタイトルマッチお願いします。コンペット選手に権利があるのわかっていますけど、3月に金子選手にやり返して、タイトルマッチでもう一度(コンペットにも)リベンジします」とアピールした。リングを降りると、恋人でタレントのゆうちゃみさんとツーショットに収まった。
ルーマニアの20歳・ラテスク、K-1初戦でサッタリを2R KO
第16試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
×マハムード・サッタリ(イラン/TEAM ŌTA/ICF/K-1無差別級トーナメント2022優勝、Krushクルーザー級(90kg)王者、M-1世界ヘビー級王者)
○ステファン・ラテスク[Stefan Latescu](ルーマニア/スコーピオンズ・ヤシ)
2R 1’38” KO (左フック)
ラテスクは14戦12勝(6KO)2敗の20歳。K-1初参戦でいきなりインパクトを残す。
1R、体格で勝るラテスクがプレッシャーをかけ、パンチを振うが、サッタリは防御しつつ、右ボディ、ストレート、ローをお返しする。終盤、ラテスクはサッタリをロープに詰め、左ボディをヒット。少しサッタリは嫌がる様子を見せる。記者採点はイーブン。
2R、ラテスクは圧をかけ続け、左フックをヒット。左ハイはサッタリがブロックしたが、それでも効き目がありそうなほど威力がある。するとラテスクは右フックをサッタリの左手にクロスさせて当てつつ、続けての左フックをクリーンヒット。サッタリは横に倒れダウンする。サッタリはダメージが大きく、ラテスクが再びロープに詰め、左フックをヒット。サッタリは腰から崩れ、ロープに座る形になり、ラテスクがさらにパンチを連打したところでレフェリーがストップした。
江川優生、島野浩太朗を1R KO
第15試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○江川優生(POWER OF DREAM/元K-1&Krushフェザー級王者)
×島野浩太朗(菅原道場/WMAF世界スーパーフェザー級王者、元Krush同級王者)
1R 1’58” KO (右フック)
1R、江川は序盤からプレッシャーを強め、左フックを立て続けにヒット。さらに追いかけ島野をロープに詰めて左フックを当てると、後ろに崩れた島野は、ロープの間から外に首が出た状態で、江川のパンチの連打をもらってしまう。水谷レフェリーが直後にブレイクしたタイミングは妥当な範囲だろう。だが江川の勢いは止まらず、すぐに島野をロープに詰め、左フックを2連打。1発目から効いていた様子で、2発目は空振り気味だが、島野は半ば押される形にもなりつつ、腰から崩れ落ちダウンする。ここまで1分足らず。島野は立ち上がるがダメージが大きい。江川は島野を追いかけ続け、最後は島野の右フックのカウンターで右フックを当てて再びダウンを奪い、腰から崩れ落ちたところでレフェリーがストップした。
マイクを持った江川は「久々でこうやってKOで倒せて凄くうれしいです。K-1は倒さなきゃいけないけど、不甲斐ない試合ばっかりですみませんでした」と話すと涙を流し「これからもっともっと強い選手になって行きたいので応援よろしくお願いします」とアピールした。
江川はフェザー級で椿原龍矢に連敗後、4月のスーパー・フェザー級への階級アップ初戦で大岩龍矢に判定負けしたが、8月のマキ・チャーチャイ戦で判定勝ちし、今回は島野を1R KO。スーパー・フェザー級王者・レオナ・ペタスへの挑戦に向け、より近づくKO劇だった。
第14試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○林 健太(FLYSKY GYM/元K-1ライト級王者、元Bigbangスーパーライト級王者)
×不可思(クロスポイント吉祥寺/元KNOCK OUT・WPMF日本・REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者、元RISE・Bigbangライト級王者)
判定3-0 (箱崎30-27/豊永30-27/吉田30-28)
両者は昨年12月の大阪大会で対戦し林が判定勝ちしている。1R、両者近づいてパンチを振うが、30秒過ぎ、林の右ストレートで不可思は吹き飛ぶようにしてダウンする。それでも不可思は前に出るが、林が右ストレートでひるませる。それでも不可思は前に出るが、随所で林がパンチを的確に当てる。記者採点は10-8で林。
2R、林はガードを固め不可思のパンチを防御しつつ、自分の左右のストレート、左ボディ、膝を的かkに当て続け主導権。不可思は空振りが増える。記者採点は林。
3R、接近戦が続き、不可思は右ロー、膝のヒットを増やすが。林をひるませるほどにはならず、林も随所で右のアッパー、フック等を返し、不可思の反撃を封じて終了する。記者採点はイーブン。合計30-27で林。林が判定勝ちで不可思を返り討ちした。
ジョムトーン、森田奈男樹をパンチで粉砕。次は和島大海戦?
第11試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○ジョムトーン・ストライカージム(タイ/ストライカージム/元ラジャダムナン4階級王者、元WBCムエタイ世界3階級王者、クンルンファイト70kgトーナメント2016準優勝、プロボクシング元東洋太平洋スーパーフェザー級王者)
×森田奈男樹(エイワスポーツジム/全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)2017軽重量級(85kg)優勝)
2R 0’29” KO (左フック)
1R、サウスポーのジョムトーンに対し、森田が右のインローを当てると、ジョムトーンは少しバランスを崩す。ジョムトーンは左ミドルを放つが、少し軸足がフラつき気味に。中盤、森田は引き続き右インローを当てるが、ジョムトーンは左ミドルを立て続けに当てて森田を下がらせるとロープ際に詰め、ワンツーでの左ストレートをクリーンヒットしダウンを奪う。軌道修正に成功したジョムトーンは前に出続けて森田の蹴りを封じ、左右のパンチで再三フラつかせる。東洋太平洋王者になったボクシングでも強さを発揮すると、終了間際にも左右のストレートを当てダウンを奪う。記者採点は10-7でジョムトーン。
すると2R、ジョムトーンは序盤から左ミドルを連打すると、左ストレートでのけぞらせ、コーナーに詰め左ボディも絡めパンチを連打する。最後は左フックで累計3度目のダウンを奪ったところで、水谷レフェリーがストップ。ジョムトーンが完勝した。
マイクを持ったジョムトーンは「次回はぜひタイトに挑戦したいです」とアピール。リングサイドに座っていた和島大海がカメラに映されると、カメラに向け拳を上げて笑顔を見せ、受けて立つ姿勢を示した。
与座優貴、元ラジャ王者・エークピカートを蹴りで圧倒
第10試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/極真会館世界ウェイト制2017軽量級(70kg)優勝)
×エークピカート・モークルンテープトンブリー[Aikpikart Mor.Krungthepthonburi](タイ/志村道場/元ラジャダムナン認定スーパーライト級王者)
判定3-0 (吉田30-27/杉村30-27/島村30-27)
1R、与座がプレッシャーをかけ、エークピカートはガードを固めて距離を取りつつ、右のカーフキックを随所で当てる。中盤、与座は左ボディから右ローにつなげ、足裏でのヴァレリーキックも使う。さらに左のパンチの連打から右ローにつなげると、終盤に差し掛かり左三日月蹴りをヒット。少しエークピカートは下がる。与座はその後も左ミドル、右カーフを当てて主導権を維持する。記者採点は与座。
2R、与座は左ミドル、左右のローを的確に当て、左ボディ、三日月も連打し追い詰める。中盤、エークピカートも右ストレート、右カーフを返し少し巻き返すが、与座は崩れず、左のミドルを当ててからの左ハイでダウンを奪う。与座は変わらず左ミドル、ハイを当て、バックスピンキックでも吹き飛ばし攻勢を維持する。記者採点は10-8で与座。
3R、与座は自在に左のミドル、ハイ、膝、ロー等の蹴りを当て続け主導権を維持。左の飛び膝も当てるとエークピカートは右まぶたから出血する。残り1分を切り、豊永レフェリーはドクターチェックを要請したが、残り時間を考えれば、これ以上傷が広がる可能性もそれほど無いため、続行させても良かったように思えた。与座は攻撃を寸断される形になってしまい、再開後も与座は蹴りを当て続けるが、倒せず少し悔しそうに苦笑いを浮かべた。記者採点は与座。合計30-26で与座。
第9試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○篠原悠人(DURGA/元Krushスーパー・ライト級(65kg)王者)
×弘輝(WORLD TREE GYM)
判定3-0 (吉田30-27/鶴和30-27/杉村30-26)
1R、弘輝はサウスポーで構え、序盤からカーフキックをヒット。篠原はオーソドックス主体で時折スイッチしつつ、右ストレート、左ジャブを当てる。終盤のヒットでは篠原がやや目立つが、まだ差は小さい。記者採点はイーブン。
2R、弘輝がプレッシャーをかける側の状態が続くが、カウンターを警戒してか攻撃は少ない。篠原も慎重ながら、ジャブやテンカオを随所で返す。すると終盤、左ジャブを連続で当てて弘輝を下がらせると、右ミドルを当ててから、ワンツーでの左フックを当て、弘輝を苦しめ、最後はコーナーに詰めてのパンチ連打で好印象を残して終える。記者採点は篠原。
3R、前に出る弘輝に対し、篠原が的確にパンチを当て続け主導権を維持する。中盤には篠原が左フックで弘輝をひるませてから、ロープに詰めてのパンチ連打で苦しめる。すると終了間際、右ストレートでダウンを奪い、きっちり差をつけ判定勝ちした。記者採点は30-27で篠原。
第8試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
×加藤久輝(West A/ALIVE/元HEAT MMAミドル級王者)
○AKIRA Jr(フィリピン/若獅子会館総本部/RKSクルーザー級王者、元蹴拳スーパーミドル級王者)
2R 1’40” KO (3ダウン:右ストレート)
1R、加藤がサウスポーで構え、中盤、少し頭を沈めてから、ノーモーションの左ストレートを当ててダウンを奪う。AKIRA Jrは反応できていない。ダメージの残るAKIRA Jrに対し、加藤は左フックを当て再びダウンを奪取する。だがAKIRA Jrもパンチを返し、加藤の荒くなったパンチもブロックして耐え抜く。
すると2R、加藤の左テンカオのタイミングで、AKIRA Jrが右フックを当てると、加藤はひるみ、さらに右フックを当ててダウンを奪う。さらにAKIRA Jrは右フックでダウンを奪取。最後は右ストレートで加藤がのけぞり目が飛んだところで、豊永レフェリーがストップした。
フェザー級トーナメント準優勝の斗麗、玖村修平から2ダウンを奪い判定勝ち
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/Krushフェザー級王者、元NJKFバンタム級王者)
○斗麗(WIZARDキックボクシングジム/K-1フェザー級世界最強決定トーナメント2022準優勝)
判定0-3 (福永25-30/加納25-30/水谷26-30)
1R、お互い蹴り、パンチを細かく出すが、均衡状態が続く。斗麗は両スネにサポーターをつけており、度々スイッチする。やや踏ん張りが弱いようにも見えるが、終盤、オーソドックスで構え、修平の左右のミドルをブロックした後、距離を詰め右ストレートをヒット。ひるんだ修平にパンチをまとめダウンを奪う。斗麗はサウスポーで玖村を詰め、左のテンカオ等を当て続け追い詰める。記者採点は8-10で斗麗。
2R、スイッチを繰り返す斗麗に対し、修平は右ミドル、ストレートをヒットし、少し盛り返す。だが斗麗も随所で左右のミドルを返していると、残り10秒、右ジャブと左ボディの連打で下がらせつつ、右ストレートを当ててダウンを奪う。記者採点は8-10で斗麗。
3R、修平は前に出て反撃を狙うが、斗麗も前に出て、流れを作らせず。お互いヒットは減るが、斗麗が左フック、右ハイを的確に当て、若干優位なまま試合を終える。記者採点はイーブン。合計26-30で斗麗。ジャッジ2者が3Rの斗麗にもポイントを付けたのは意外だったが、2ダウンを取った斗麗が判定勝ちした。
兼田将暉、前K-1フェザー級王者・椿原龍矢から2ダウンを奪い完勝
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×椿原龍矢(月心会チーム侍/元K-1フェザー級王者、K-1甲子園2017 -55kg優勝)
○兼田将暉(RKS顕修塾/RKS&ACCELフェザー級王者、元RKSスーパーフェザー級王者、元HEATライト級王者、K-1甲子園2017 -60kg優勝)
判定0-3 (水谷26-30/加納26-30/福永26-30)
1R、前に詰めたいサウスポーの兼田に対し、椿原はいつも通り回って距離を取る。お互い細かくパンチを当てるが、ひるませるほどのクリーンヒットにお互いまだつなげられない。記者採点はイーブン。
2Rもなかなか均衡が崩れなかったが、中盤、兼田が右の前蹴りで椿原を下がらせてから、前に出てきた椿原に対し、ガードの隙間から左ストレートをアゴに当ててダウンを奪う。終盤、椿原も前に出るようになるが、兼田はかわし反撃を封じる。記者採点は8-10で兼田。
3R、椿原は逆転を狙い前に出て来るが、兼田はパンチと蹴りをかわし続ける。中盤過ぎ、椿原の左テンカオが当たりだすが、飛び膝を放つと力が入りきらず空振りしてスリップする。すると立ち上がった椿原に対し、兼田がコーナーに詰め、左ストレートを連打して苦しめると、またも左ストレートを当ててダウンを奪う。最後は椿原の左ハイをかわし、ノーガードでの挑発も見せて終了。記者採点は8-10で兼田。合計26-30で兼田。2度のダウンを奪った兼田が、K-1本戦初戦で前K-1王者を撃破した。
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○新美貴士(名古屋JKファクトリー/元Krushフェザー級王者)
×國枝悠太(Never mind)
判定2-0 (豊永30-28/加納29-29/福永30-27)
1R、新美はサウスポーで構え、いつものように前に出続け、度々國枝をコーナーに詰めて左ストレート、ミドルを積極的に放って主導権を握る。國枝は耐え、終盤になると、詰められながらも少しずつ右ストレート、ボディ等のパンチを返すようになり、新美も攻撃が減る。記者採点は新美。
2R、新美は変わらず前に出るが、細かくパンチを当てている数で上回るのは國枝。しかし中盤、新美は國枝をコーナーに詰め続けつつも、パンチより蹴りの比重を上げ、左ミドルのヒットを増やす。蹴りを打つために少し距離ができるため、國枝のパンチをもらわなくなり、好印象を残すことに成功する。記者採点は新美。
3R、新美はこれまで同様、圧をかけて左ミドルを的確に当て続け主導権を維持する。國枝は立っているのがやっとの状態で終了。記者採点は新美。合計30-27で新美。新美が持ち味を活かして完勝した。29-29とつけたジャッジがいたのは疑問だ。
プレリミナリーファイト第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○石田龍大[りょうた](POWER OF DREAM/K-1甲子園2019 -60kg優勝)
×田中 聡(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
3R 1’08” KO (パンチ連打)
プレリミナリーファイト第2試合 クルーザー級(90kg) 3分3R
○山口翔大(TEAM 3K/RKS&AJKNクルーザー級王者、JFKO全日本フルコンタクト空手道選手権’18 ’19重量級優勝)
×佐野勇海[いさみ](拳之会)
1R 1’48” KO (左ミドルキック)
プレリミナリーファイト第1試合 ライト級(62.5kg) 3分3R
○三宅祐弥(Hacker GYM)
×新太(K-1ジム心斎橋チームレパード)
1R 1’38” KO (右ストレート)