K-1 2.9 代々木第二体育館:スーパーバンタム級王者 金子晃大「この試合のテーマは“己”」×カリスティス「大和魂とギリシャ・ソウルの戦い」、フェザー級王者 寺田匠「新美選手に負けて強くしてもらった」×新美貴士「寺田選手の根本は変わっていない」
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K-1 WORLD MAX 2025(2月9日(日)代々木競技場第二体育館)のスーパー・バンタム級タイトルマッチ・金子晃大(王者)vs. マノリス・カリスティス(挑戦者)、フェザー級(57.5kg)タイトルマッチ・寺田匠(王者) vs. 新美貴士(挑戦者)の4選手のインタビューがK-1 GROUPから届いた。
第20試合 K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級(55kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
金子晃大[あきひろ](K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM/王者、K-1 WORLD MAX 2024 -55kgトーナメント優勝、元Krushバンタム級(53kg)王者)※3度目の防衛戦
マノリス・カリスティス[Manolis Kallistis](ギリシャ/NASキャンプ/ソーデッチャパン/挑戦者、WKNフェザー級王者、MAX PAIN -58kg王者、H1 -58kg王者)
スーパー・バンタム級王者の金子は27戦25勝(13KO)2敗の28歳。23年9月のK-1横浜アリーナ大会で1勝1敗のライバル・玖村将史に延長判定勝ちしK-1スーパー・バンタム級王座を防衛。昨年3月のRISEでは鈴木真彦から2ダウンを奪い判定勝ちしリベンジを果たした。7月と9月に行われた-55kg世界最強決定トーナメントではカン・メンホンをKO、璃明武に判定勝ち、大久保琉唯にKO勝ちし優勝。12月のK-1ではONE・RWS出場経験のあるアスランベック・ジクレーブに判定勝ちしている。
挑戦者のカリスティスは37戦28勝(5KO)9敗の31歳。身長は金子より8cm低い163cm。16年1月、RISEで那須川天心に判定負け(その試合でのRISEの名前表記はマノリス・カリシス)。23年にはONE Friday Fightsに参戦し、タイ人のティーヤイに判定負けしている。今回K-1初参戦ながら王座挑戦のチャンスが与えられた。
第18試合 K-1 WORLD GPフェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
寺田 匠(team VASILEUS/王者、ISKAオリエンタルルール世界スーパーフェザー級(59kg)王者)※初防衛戦
新美貴士[たかひと](名古屋JKファクトリー/挑戦者、元Krush同級王者)
フェザー級王者の寺田は24歳。11戦10勝(4KO)1敗で、唯一の黒星は23年6月のKrushでの新美貴士に判定負けした際のもので、今回はベルトを懸けてのリベンジ戦となる。その試合の5カ月後、イタリアで地元の選手を4R KOしISKA世界スーパーフェザー級王座を獲得。昨年2月のRIZIN佐賀大会では冨永武聖を1R KO。7月のK-1では兼田将暉に判定勝ち。9月には軍司泰斗に延長判定勝ちしてK-1王座を獲得した。
挑戦者の新美は29戦18勝(8KO)10敗1分の31歳。斗麗、岡嶋形徒、篠塚辰樹相手にKrushフェザー級王座を3度防衛。22年5月に玖村修平に敗れ王座陥落。23年3月のRISEで門口佳佑に判定負け。6月のKrushでは寺田匠に判定勝ちしたが、10月には稲垣澪に判定負け。昨年3月のホーストカップではSBとRISEの上位ランカーでもある魁斗と延長引き分け。7月のKrushでは竹内将生に2R KO勝ち。11月のKrush名古屋大会で大脇武を1R左ストレートでKOすると、寺田との再戦・王座戦を希望していた。
金子晃大「感動するような試合を見せていきたい」
――昨年12月はアスランベック・ジクレーブ選手からダウンを奪い、判定勝利を収めました。振り返ってみて、いかがでしたか?
「練習でやってきたことが、一応は出たって感じですね」
――今回対戦する選手の試合は映像を見ましたか?
「見ました」
――どんな印象がありますか。
「タフなので、しっかりと倒し切りたいなと思っています。とくにタイトルマッチなので、相手からすると目標が明確にある。やっぱり相手のモチベーションだったりっていうのは、すごく高くなってくるので、僕の中の信念だったりっていうのでそれを超えなければいけないと思っています」
――たしかにタイトルがかかると、挑戦者はさらに強い気持ちで試合をする印象がありますね。
「簡単なことではないですね、やっぱり防衛っていうのは。ただのワンマッチと違い、相手は明確に目的がある。その中でベルトを守るというのは、僕は僕自身の信念で戦わないといけない。その信念の強さが、相手のタイトルを獲りたいっていう思いを上回らないといけなくなりますね」
――マノリス選手は、金子選手の方が身長が高いため距離がポイントになると話していました。金子選手は、勝負のポイントをどう考えていますか?
「そうですね、距離は別に次の選手に限らず大事なことなので。ただ、そういう展開に対しても、なんていうんですかね、どういう展開になってもしっかり対応できるように準備をしています」
――マノリス選手は「ローリングサンダー」と呼ばれる胴廻し回転蹴りが得意技です。回転してくるトリッキーなタイプとの試合は?
「うーん、どうだろう。ぼちぼちあるんじゃないですか。この前の選手も、かなり回転していたし。この前、やった感じですね」
――特に問題はないと。
「それも分かんないです。やってみなきゃ、やっぱり。タイミングだったりもあると思うし。だから、警戒していかなければいけないポイントだと思います」
――ちなみに、この試合のテーマを教えてください。
「己っすね」
――己? 自分ということですね。
「己っすね」
――理由は聞くまでもないということですね。前回は「闇のゲーム」をテーマにしていましたが、それは続いていると。
「闇のゲームは続いてますね」
―― 今、何章目ぐらいなんでしょうか、闇のゲームは。
「そういう質問はいいっす」
――失礼しました。2025年の最初に試合になりますが、今年はどういう年にしたいですか?
「本当に毎年、毎年が勝負の年だと思っています。その中で、どういう年にしたいっていうか、毎年が勝負の年。それを乗り越えていくしかないと思っています。ただ、そこに対して応援してくださる人だったり、ついてきてくださる人、そういう人たちに対しても、感動するような試合を見せていきたいと思います」
――昨年で1番良かった試合はありますか?
「1番とかはないですね。試合は、水モノなんで。毎試合毎試合で変化していくもの。その中で毎回課題もあるし、良くなかったなっていう試合もある。ただ、その良くなかった試合は、その日だけが良くなかったわけではなくて、そこまでの過程もあります。それも経験なので、別にこの試合が良かったとか、特に1番とかはないです」
――ファンを感動させられたと思う試合はありましたか。
「それは全体通してなんで、1試合でどうですか?っていうものじゃないです」
――今後、チャンピオンは毎回タイトルマッチをしたいと宮田プロデューサーが言っていましたが、今後の試合に向けてどんなモチベーションがありますか。
「相手も一戦一戦モチベーションを上げてくるし、チャンピオンとしてそれも全然いいと思います。ただ僕は去年の試合っていうのは、防衛戦以上ものをかけていたので、そこに対してはそんなに変わらないですね」
――たしかに海外のONEで活躍した選手とか、他のタイトルのチャンピオンだったりとか、外国人の強豪との対戦が増えてきています。
「K-1に海外の強い選手が結構入ってきていますけど、以前はそういうことはなかった。日本人が勝つことは難しくなってきてると思うので、やっぱり世界には強い選手がいるんだなと思いましたね。これまでは普通に日本人が一番強いと思っていたんですけど、そういうものでもなかったですね」
――スーパー・バンタム級は、金子選手を筆頭に日本人が世界トップクラスと言われています。そういう海外の強い選手が来るのは、自分としても楽しいし、階級も盛り上がると思いますか?
「それは思いますね。ずっと同じメンバーで回っているっていうのが、今の現状なので。別に、そんなにたくさんいろんな相手と戦ったわけではないけど、日本人の中でもやる相手がいないっていうのが現状。ただ、例えばONEとか、俺も世界はあんまりよく知らないんですけど、海外でそれなりにチャンピオンの強い選手がいるんだとしたら、入ってきた方が盛り上がるかもしれませんね」
カリスティス「200パーセント自分が勝つ」
――今回、K-1初参戦となります。得意技は何ですか?
「ローリングサンダー(胴廻し回転蹴り)が好きです。パンチも好きなんですが、私は胴廻し回転蹴りで倒すことが一番知られていると思います。なぜならば、最初にタイで試合をした時に、この素晴らしい技でKO勝ちをしたからです」
――ローリングサンダーは、どうやって覚えたのですか?
「7歳から14、15歳くらいまで極真空手を学んでいまして、そこで覚えました。2012年には極真空手の世界大会で、準優勝したこともあります。15歳からは、ずっとキックボクシングをやっています」
――空手を始めたキッカケは。
「7歳の時、お父さんから近くにあった空手道場に連れられていき、勧められて入りました。自分を守るために役に立つと思い始めましたが、次第にはまっていきました」
――極真空手を始めた時に憧れの選手とはいましたか?
「若かったので特に憧れの選手はいませんでしたが、極真空手は素手素足で戦うのでとても大変な競技だと思っています」
――K-1に対しては、どんな思いがありますか?
「K-1を知ったのは子どもの頃で、その時は同郷のマイク・ザンビディスが一番好きでした。私は、彼のスタイルに少し似ていて積極的でパンチが武器と感じています。あとは、アンディ・サワーやジョルジオ・ペトロシアン、アーネスト・ホーストのようなみたいなレジェンドも好きです」
――今回、試合を受けた理由を教えてください。
「K-1は夢の団体で、子どもの頃からずっと出ることを夢に見ていました。ザンビディスみたいなファイターになれると思うと非常に嬉しいですし、キックボクシングというスポーツをやれば、K-1に参戦することが夢です。もちろん、この試合に参戦するのはチャレンジなんですが、今まで那須川天心や強い選手と戦ってきた経験があるので、特別に臆するような気持ちはありません」
――戦いに対するモチベーションは。
「自分の成長のためです。強くなるために武道をやるのは好きで、一つの試合に挑む時の成長やトレーニングを終えた時は、自分が成長している達成感を得られます」
――今回、対戦する金子選手はどんな印象がありますか?
「彼はとても力強くてタフなファイターの印象があります。彼は私よりも少し背が高いため、自分に有利な距離を取って戦うことでしょう。近距離ではなく、やや距離を置いて戦うと思っています。私は相手のミスを見逃さないタイプなので、できるだけ近距離でプレスをかけて戦います」
――どんな試合を見せたいですか。
「KOです。KOをイメージして練習に臨んでいます。金子選手は倒さないと勝てないと思っていますので、KOすることしか頭にありません。しかも、K-1のタイトルがかかっています。今回の試合は、200パーセント自分が勝つ自信があります。リングの上で、ベルトを巻いてる夢も見ているくらい自信があります」
――あなたが金子選手よりも優っている点は、どこですか?
「自分にはギリシャ魂があります。ギリシャ・ソウルです。このスピリットは、ギブアップすることはないということ。死ぬか勝つか、それしかないです。自分の盾を持って帰るか、死ぬかです。それが、スパルタ伝説と言われるものです」
――ちなみにスパルタ伝説とは。
「自分より相手の数が多く300対100万人でも勝ち抜いたスパルタの戦いの伝説です。本当に人数が少ないながらも、祖国のため、家族のため、そして自分のためにずっと戦ってきた民族で、諦めない、絶対に降参しないっていうのがギリシャ・ソウルです」
――日本でスパルタ教育の語源にもなったという説がある、厳しい軍人を鍛え育てる“スパルタ”ですね。日本だと、折れない気持ち精神性に“大和魂”というものがあります。
「では、今回のタイトルマッチは大和魂とギリシャ・ソウルの戦いですね。とてもスピリチュアルな戦いになりそうです」
――最後に金子選手へメッセージをお願いします。
「まずは、この素晴らしい機会を与えてくださったことに感謝します。ただ自分は、そんな簡単な相手ではないことをリングで証明します。すべてをこのリングでぶつけてきたいと思いますので、覚悟してください」
寺田匠「めちゃくちゃ強いチャンピオンになりたい」
――寺田選手が所属するVASILEUS GYMが2月15日にグランドオープンします。会見では宇佐美秀メイソン選手と有井渚海選手が、あらたにメンバーとして加わったことが発表されました。刺激を受けているのではないですか?
「2人とも僕の年下なんです。これまで僕が一番下だったんですけど、負けてられないなと思っています」
――仲間ですが、ライバルでもあるんですね。スパーリングは?
「今回の相手がサウスポーなので、まだやっていないです。互いにミット打ちとかを見ながら、それぞれの特長を知っていく感じです」
――ジムの雰囲気はいかがですか?
「練習は厳しいですけど、楽しくやっています」
――与座優貴選手は、寺田選手が練習前に暗い顔でジムに入ってくることを笑って振り返っていました。
「やっぱり練習はキツイっすね。手を抜こうと思えばできますけど、立場が立場ですし、身体が疲れていないと寝れないですね。疲労はめちゃくちゃありますので、毎日が憂鬱です(苦笑)」
――武尊選手を筆頭に、野杁正明選手、松倉信太郎選手、与座選手とトップファイターが揃っていますので、練習がどれほど過酷なのか何となく想像ができます。
「でも、(渡辺)雅和さんとのマンツーマンのパーソナルみたいな感じなので、ミット打ちが一番キツイです」
――それは、量をこなすのが大変ということですか?
「ミットを持った雅和さんが圧をかけてきて、本気で攻撃してくるんです。普通のトレーナーだと、そこまでやったら身体が壊れてしまうのでやらないと思いますけど、雅和さんはすべて本気でやってくれます。自分が何もしていない時は、どこを攻撃してきてもいいよと言ってくれて。雅和さんのミット打ちは実戦的なので、正直、スパーリングをしていなくても試合ができるレベルです」
――三日月蹴りで防具が壊れている姿も見ました。トレーナーが人間サンドバッグになって身を削ってくれているんですね。だからこそ手を抜けないと。
「はい。こっちもキツイですね」
――今回のタイトル初防衛戦は、新美選手の挑戦を受けることになりました。過去に唯一負けている相手です。
「軍司選手とか兼田選手に勝っても、新美選手には負けているとか言われるので。でもタイミング的にレベルが違うとか思っていますけど、負けているのは事実なのでオファーを受けました」
――新美選手に負けているという過去が、心に引っかかっていたのでしょうか。
「正直、そこは見ていなかったんです。でもオファーが来たから受けて。やる相手もいなかったので」
――前回の新美選手との試合は、2回ダウンを奪われての敗北でしたが、トラウマになっていないと。
「あの時は無敗で調子に乗っていて、練習に身が入っていなかったです。でも、あの負けがあって今はめちゃくちゃ練習をしていますし、新美選手に強くしてもらった感じですね」
――もう一回戦ったらどうなりますか?
「勝たないといけないという感じです」
――互いの立ち位置は変わりましたが、圧勝できますか?
「圧勝します」
――苦手意識は?
「ないです。キツイ戦いになるのは分かっています。相手も必死になってくるだろうし、人はそう簡単に倒れないので。キツイ試合になるのは覚悟していますけど、絶対に負けないです」
――新美選手は前に出てきて圧をかけてくると思います。
「それが新美選手の強さなので、違うところで僕が圧勝します。あれしかないですから」
――先ほど、相手がいなかったから受けたと話していましたが、軍司選手はSNSでタイトルマッチは負けていなかったと対戦要求していました。
「ただの負け惜しみです。気にしていないです、俺の勝ちなんで。それにリベンジマッチになったところで、ファンは見たいと思わないです」
――ただ寺田選手は、SNSで受けて立つような発言をしていましたよね。
「あれは、いつでも受けて立ちますよということです。タイミングが来たらということで、あなたとやりましょうとは言っていません」
――たしかに、そうですね。軍司選手は「よし12月にやろう」と盛り上がっていました。
「兼田選手とやりたくないことが、みえみえですね(笑)」
――なぜ、軍司選手が兼田選手とやりたくないと分かるのですか?
「苦手なんじゃないですかね、サウスポーでポイントを取りに来る相手が。分からないですけど。兼田選手は地味に強いので、やりたくないタイプですから」
――兼田選手はやりにくいタイプなんですか?
「僕とやった時は、あまり攻めに来なかったですね。攻めて来ることを想定して、いろいろ用意していたんですけど、使わなかった技が多かったです」
――おそらく寺田選手を警戒していたのでしょうね。今大会では兼田選手と玖村修平選手が対戦しますが、どう見ていますか?
「兼田選手が9.5割の確率で勝つんじゃないですかね」
――残り0.5割は?
「格闘技は何があるのか分からないですから。その確率です」
――つまり、それだけの実力差があると。
「普通に自分からはそう見えます」
――兼田選手が勝った場合、タイトル防衛に成功すれば対戦要求をしてくる可能性もありますね。
「それもタイミングですね。ファンが本当に見たいと思って、K-1がそれを推してくるならば考えますけど、その時の状況次第です。あとは、フェザー級で試合ができなくなってきているので階級を上げることも考えています」
―――毎回、どのくらい減量しているのでしょうか。
「12、13kgですね。水抜きを5kgくらいやっているんで。試合前の体脂肪率は7%なので筋肉がある分、体重は落ちやすいです。フェザー級でやる相手がいなくなれば、タイミングで階級を上げることを考えています」
――体重も含めて相手がいなくなるから、階級を上げると。海外の選手との対戦は?
「やってみたいですね。でも60kg以下になると世界の団体を集めてもK-1が一番強いと思うので、どうしても日本人との対戦になるのかもしれません」
――最後に理想のチャンピオン像があれば教えてください。
「めちゃくちゃ強いと言われたいです。僕は今チャンピオンですけど、もう一回、軍司選手とやったらどうなるか分からないと思われるのは嫌なので、そこの壁を越えたいです。VASILEUS GYMは、みんなめちゃくちゃ強いチャンピオンばかり集まっているので、自分も早くそのレベルまで行きたいです」
新美貴士「今回はKOで勝つ」
――直近2試合は連続KO勝ちを収めていますが、ご自身の中で勢いに乗っている理由は何かありますか?
「蹴りとかパンチを大振りせず、コンパクトに打っていくことを心掛けているため、それが結果に出ているのだと思います。KOは常に狙っているんですけど、変に力を入れないことで、スピード、タイミング、距離、すべてがうまく揃っている実感はあります」
――以前は、強引にKOを狙いにいく感じだったのでしょうか。
「そうでもないんですけど、以前よりも流れの中で自然とKOが生まれている感じです」
――そんな中、今回、寺田選手とのタイトルマッチが組まれました。寺田選手とは1年半前に対戦し2回ダウンを奪い判定で勝利しています。現在の寺田選手の活躍をどう見ていますか?
「軍司(泰斗)選手や兼田(将暉)選手にしっかり勝っているので、僕と戦った時よりも強くなっているなと思っています」
――前回、戦った時の寺田選手はいかがでしたか?
「そんなに脅威になるような技はなかったなと思いました。今は、武器がその時よりも増えている印象です。あとは、ポイントの取り方もうまくなっています」
――では、別人と戦うイメージを持っているのでしょうか。
「うーん、別人ではないです。根本は変わっていない気がします」
――いいイメージでタイトルに臨めると。
「そうですね。寺田選手がチャンピオンになった時に、勝てると思っていましたので、そこは自信があります。寺田選手も成長していると思いますが、自分もここ最近の仕上がりがいいので、負ける気がしません」
――新美選手は、常に前へ出て勝負するファイトスタイルが定着していますが、今回もそれで行くのでしょうか?
「はい。そのスタイルで行きます」
――事前に、相手に何をするのか伝わってしまうと勝率が下がるのでは?
「何も変わらないと思います。僕のやることは何も変わらないので、相手が研究してきたところで、まったく問題ないです」
――違うスタイルで戦うことは考えないと。
「できないことはないですけど、今のスタイルが一番自分に合っていますので、それで戦います」
――試合で常にプレッシャーをかけていくと、スタミナが心配になりませんか?
「そこはスパーリングを重ねていますし、あとは気持ちですかね。自分のペースで試合をすればスタミナは問題ないです。前へ出ると打たれているように見えるかもしれませんが、クリーンヒットしないように外していますし、相手がカウンターを狙って来たら、逆にカウンターを合わせるようにしています」
――今のファイトスタイルは、小森(次郎)会長の指導ですか。
「会長の教えと、あとはアマチュアボクシング時代も同じようなスタイルだったので、うまく噛み合った印象です」
――前回の寺田選手との試合では左のパンチで2回ダウンを取りましたが、今回も再現できそうですか?
「前回はダウンだけで終わってしまったので、今回はKOで勝ちます」
――どんな展開を予想していますか?
「終盤までもつれる激しい展開になると思います。カーフキックを蹴ってきても対策はしているので大丈夫です」
――ちなみに寺田選手と軍司選手のタイトルマッチは、どう見ましたか。
「寺田選手は、軍司戦も兼田戦も同様なんですけど、途中までは接戦だったんですけど終盤にポイントを取って勝っているので、そこがうまいなと思いました」
――K-1フェザー級は選手が揃っていますが、過去に負けている軍司選手へのリベンジの意識はありますか?
「特別な思いはないですが、今回、僕がチャンピオンになれば、自然と軍司選手へのリベンジの機会が巡ってくるのではないでしょうか」
――軍司選手は寺田選手とのタイトルマッチは負けていないとSNSで主張していました。
「僕は軍司選手が負けていたと思いました。本人からしたら、そんなにポイントを取られたとは思っていなかったのかもしれませんけど、カーフキックが仮に効いていなかったとしても、そこはジャッジの判断なので」
――今回、新美選手がタイトル挑戦になりましたが、軍司選手や兼田選手からしたら“なぜ?”と思ったかもしれません。
「自分は、それに対しては何も思わないです。ようやくタイトルに挑戦する時が来たと思っていましたので」
――関係ないと。
「自分が勝ってベルトを巻くことしか考えていません」
――K-1のベルトについての思いを聞かせてください。
「キックボクシングを始めた時からK-1のベルトを目指していましたので、いよいよその目標が叶う時かなと思っています」
――ここまで新美選手の原動力になっていることはありますか?
「K-1やアマチュアボクシングを始めた時もそうだったんですけど、周りにチャンピオンになると伝えると『無理だからやめた方がいい』と言われて悔しい思いをしてきました。そういう人たちを見返したい思いで、ここまでやってきた部分もあります。やらないで後悔するのだけは嫌だなと。そうした反骨心も、根っこの部分にありますね」
――反骨心は、リングで戦う姿から伝わってきます。
「でも一番は会長、家族、仲間にK-1のタイトルをとって恩返しがしたいという、強い思いがあります。自分の中では、それが一番大きいですね」
対戦カード
第20試合 K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級(55kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
金子晃大[あきひろ](K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM/王者、K-1 WORLD MAX 2024 -55kgトーナメント優勝、元Krushバンタム級(53kg)王者)※3度目の防衛戦
マノリス・カリスティス[Manolis Kallistis](ギリシャ/NASキャンプ/ソーデッチャパン/挑戦者、WKNフェザー級王者、MAX PAIN -58kg王者、H1 -58kg王者)
第19試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級(65kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
ヨードクンポン・ウィラサクレック[Yodkhunpon Weerasakreck](タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/王者、トップキング&MXムエエクストリーム-70kg級王者)※初防衛戦
鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/挑戦者、元Krushスーパー・ライト級王者)
第18試合 K-1 WORLD GPフェザー級(57.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
寺田 匠(team VASILEUS/王者、ISKAオリエンタルルール世界スーパーフェザー級(59kg)王者)※初防衛戦
新美貴士[たかひと](名古屋JKファクトリー/挑戦者、元Krush同級王者)
第17試合 77kg契約 3分3R(延長1R)
松倉信太郎(team VASILEUS/K-1ミドル級(75kg)王者、WPMF世界スーパーミドル級王者、元KNOCK OUT-BLACK同級王者、Krush YOUTH GP 2012 -70kg優勝、K-1甲子園2009 -70kg優勝)
パク・チュンイル[Park Chung il](韓国/フリー/KBAライトヘビー級(80kg)王者)
第16試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
ティアン・ターザン[Thian “Tarzan” De Vries」(オランダ/Luc Verheije Fight Club/Enfusionライトヘビー級(93kg)&クルーザー級(88kg)王者)
カルロス・ブディオ[Carlos Budiao](ブラジル/ブラジリアンタイ/FIGHT DRAGON -90kg王者、KTK WORLDヘビー級王者)
第15試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
ダリル・フェルドンク[Darryl Verdonk](オランダ/ファイトチーム・リンガー/元Enfusionライト級(70kg王者)
ジョムトーン・ストライカージム[Jomthong Strikergym](タイ/ストライカージム/元ラジャダムナン4階級王者、元WBCムエタイ世界3階級王者、クンルンファイト70kgトーナメント2016準優勝、元ボクシング東洋太平洋スーパーフェザー級王者)
第14試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
モハメド・ブタザ[Mohammed Boutasaa](モロッコ/サウスポージム/元Enfusionスーパーフェザー級(67kg)王者)
璃久[りく](HIGHSPEED GYM)
第13試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
デング・シウバ[シルバ][Dengue Silva](ブラジル/スクアドン・タイ・ブラジル/K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント3位、SFT COMBAT -70kg級王者)
小田尋久[じんく](TEAM3K/Krushスーパー・ウェルター級王者)
第12試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場/ISKA K-1ルール・インターコンチネンタル・スーパーウェルター級(70kg)王者、HEAT KICKミドル級(70kg)王者)
白須康仁(PROTAGONIST/元WMAF世界スーパーウェルター級王者、元MA日本ウェルター級王者)
第11試合 58kg契約 3分3R(延長1R)
大久保琉唯[るい](K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/元Krushフライ級王者、K-1甲子園2021 -55kg優勝)
竹見浩史郎(JAPAN TOP TEAM)
~休憩~
第10試合 K-1 WORLD GP女子アトム級(45kg)王座決定トーナメント決勝 3分3R(延長1R)
準決勝(1)勝者
準決勝(2)勝者
第9試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushスーパー・ライト級王者&ライト級王者)
稲垣 柊[しゅう](K-1ジム大宮チームレオン/Krushスーパー・ライト級王者)
第8試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
ヴィクトル・アキモフ[Viktor Akimov](ロシア/ブラジリアンタイ/元RKSウェルター級王者)
近藤拳成(TEAM3K/AJKNスーパーライト級王者、K-1甲子園2016 -65kg優勝)
第7試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
里見柚己[ゆずき](team NOVA/元Krushライト級王者)
トーマス・アギーレ[Tomas Aguirre](アルゼンチン/ドージョー・セルピエンテ/WGPスーパーライト級(64.5kg)王者)
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
兼田将暉(RKS顕修塾/RKS&ACCELフェザー級王者、元RKSスーパーフェザー級王者、元HEATライト級王者、K-1甲子園2017 -60kg優勝)
玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元Krushフェザー級王者、元NJKFバンタム級王者)
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
石田龍大[りょうた](POWER OF DREAM/Krushフェザー級王者、K-1甲子園2019 -60kg優勝)
永坂吏羅[りら](K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
第4試合 女子フライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
池内紀子(POWER OF DREAM/Krush女子フライ級王者)
ベセラ・ロガスカ[Vesela Rogaska(ギリシャ/ダイアモンドキャンプ/ギリシャ・ムエタイ選手権2023優勝)
第3試合 K-1 WORLD GP女子アトム級(45kg)王座決定トーナメント準決勝(2) 3分3R(延長1R)
松谷 綺[きら](ALONZA ABLAZE/Krush女子アトム級王者)
マフィア・ペットモンコンディー[Mafie Petchmongkoldee](タイ/Petchnongki Gym)
第2試合 K-1 WORLD GP女子アトム級(45kg)王座決定トーナメント準決勝(1) 3分3R(延長1R)
ルシール[Lucille Deadman](オーストラリア/テイラーメイド・ムエタイ/WBCムエタイ世界女子ミニマム級(45.35kg)王者、WBCムエタイ豪州女子ミニフライ級(47.62kg)王者、MTL女子ミニマム級(45kg)王者)※ルシール・デッドマンから日本語表記変更
末松 晄[あき](K.I.K team BLADE)
第1試合 K-1 WORLD GP女子アトム級(45kg)王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R(延長1R)
チョン・ユジョン[Jung Yujung](韓国/ペバン・カンスンジム/Refresh女子-50kg級王者)
大西日和(K-1ジム福岡チームbeginning)
プレリミナリーファイト5 ライト級(62.5kg) 3分3R
川越亮彦(K-1ジム総本部チームペガサス)
中野大輝[ひろき](TAD/全日本空手道連盟全日本体重別選手権2023男子個人組手-67kg準優勝)
プレリミナリーファイト4 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
龍生(ALONZA ABLAZE)
遥心[はると](K-1ジム総本部チームペガサス/K-1カレッジ2023 -60kg優勝)
プレリミナリーファイト3 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
内田竜斗(チーム・タイガーホーク/K-1カレッジ2021 -55kg優勝)
大地(ZEBRA GYM/K-1甲子園2024 -60kg優勝)
プレリミナリーファイト2 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R
石川優斗[まさと](K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
浜名颯斗[はやと](日本/K-1ジム大宮チームレオン)
プレリミナリーファイト1 51kg契約 3分3R
大久保世璃[せり](K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/K-1甲子園2024 -55kg優勝)
龍希(K-1ジム五反田チームキングス)
概要
大会名 K-1 WORLD MAX 2025
日時 2025年2月9日(日) 開場・11:00 プレリミナリーファイト開始・11:30 本戦開始・13:00
会場 国立代々木競技場第二体育館 [HP]
中継 ABEMA(無料)、 GAORA(当日16:00~22:00生放送/2月10日(月)19:00~28:00再放送)
チケット料金 ロイヤル 70,000円(完売) アリーナSRS 50,000円(完売) アリーナRS 30,000円(完売) アリーナS 15,000円(完売) スタンドS 15,000円 スタンドA 10,000円 スタンドB 7,000円(完売) ※当日500円増し ※小学生からチケットが必要
チケット販売 チケットぴあ イープラス ローソンチケット K-1.SHOP グッドルーザー K-1ジム各店舗 出場選手・所属ジム
お問い合わせ グッドルーザー 03-6450-5470 https://www.k-1.co.jp/contact/