UFC 6.10 バンクーバー(レポ):2階級王者アマンダ・ヌネス、女子バンタム級王座を完勝防衛し引退表明。チャールズ・オリベイラ、再起戦で1R勝利しライト級王座奪還宣言
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UFC 289: Nunes vs. Aldana
2023年6月10日(土/現地時間)カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー:ロジャーズ・アリーナ
レポート:井原芳徳
第11試合 メインイベント UFC女子バンタム級チャンピオンシップ 5分5R
○アマンダ・ヌネス(王者、フェザー級王者)
×アイリーン・アルダナ(5位)
判定3-0 (50-44/50-44/50-43)
※ヌネスが2度目の防衛
ヌネスはブラジル出身の35歳。16年7月にミーシャ・テイトを破りバンタム級王座を獲得し、19年12月まで5度防衛。18年12月にはクリス・サイボーグを破りフェザー級王座も獲得し、その後2度防衛した。21年12月、ジュリアナ・ペーニャとのバンタム級王座6度目の防衛戦で2R裸絞めで一本負けしたが、昨年7月のリターンマッチではペーニャからパンチで度々ダウンを奪って圧倒の末に判定勝ちし王座を奪還した。それから約1年を経て、2度目のバンタム級王座防衛戦に臨んだ。
アルダナはメキシコ出身の35歳。女子大会インヴィクタでの活躍の後、16年からUFCに上がり11戦7勝4敗。20年10月にホーリー・ホルムに判定負けしたが、最近2試合はヤナ・クニツカヤ、メイシー・チアソンにKO/TKO勝ちし、初の王座挑戦につなげた。
1R、静かに見合う状態が続き、王者ヌネスがタックルを仕掛けると、アルダナは倒れたが、すぐスタンドに戻す。中盤、ヌネスが左ジャブ、右ボディ、前蹴り、ロー等を次第に増やす。アルダナは攻撃が返せない。ヌネスに強打は無いが攻勢の印象を作る。終盤、ヌネスが左ジャブをきっかけに前に詰めパンチを振うが、打ち終わりにアルダナも右ストレートを当て、場内をどよめかせる。ヌネスはその後手数は減るが、反撃は許さずラウンドを終え、手堅くポイントを取る。記者採点はヌネス。
2Rもヌネスは手堅くコツコツ随所でパンチや蹴りを当て、主導権を維持する。中盤過ぎには右カーフを効かせて少しアルダナをぐらつかせる。終盤には右アッパーをヒット。アルダナが苦し紛れな様子で右ハイを放つと、ヌネスはかわしてからタックルで倒し、最後はスタンドに戻って終える。記者採点はヌネス。
3R、ヌネスはギアを上げ、序盤から左右のパンチを連続でヒットする。その後も圧をかけ続け、中盤にはタックルで倒し、中央付近でハーフガードで押さえる。終盤、アルダナは立つが、ヌネスは金網際で倒しながら、すぐさま背後に回って、バックマウントを狙いつつ腕十字を狙う。アルダナは外し、スタンドに戻すが、最後もヌネスがパンチと膝を連打し、差をはっきり示して終える。記者採点はヌネス。
4R、ヌネスは右肘を当て、パンチも的確に当て続ける。中盤には両足タックルでテイクダウンを奪い。終盤も左ジャブ、右ストレート、右前蹴り、左右のフック等を的確に当て続け圧倒する。記者採点はヌネス。
5R、ヌネスは序盤からテイクダウンを奪い、上をキープして中盤にはマウントを奪う。パウンド、肩固めでプレッシャーをかけ続ける。最後はパウンドを連打し、フィニッシュ寸前まで持ち込み終了する。記者採点は10-8でヌネス。合計50-44でヌネス。ジャッジ3者も当然ヌネスを大差で支持し、ヌネスが判定勝ちした。
勝利が告げられると、UFCのデイナ・ホワイト代表にバンタム級とフェザー級のベルトを肩にかけられたが、勝利者インタビュー中に2本のベルト、グローブをマットに置いた。ヌネスは「ベルトを防衛したので、引退するには最高の夜です。まだ若いですが家族とゆっくり過ごしたいです。デイナと大会を作ってくれたスタッフに感謝します。ブラジルのためにも十分戦いました」と話し、最後は娘を抱きながら、昨年引退したパートナーのニーナと共にビールをオクタゴンの中で飲んで喜んだ。
第10試合 コーメインイベント ライト級 5分3R
○チャールズ・オリベイラ(1位・元王者)
×ベニール・ダリウシュ(4位)
1R 4’10” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
オリベイラは今年5月にジャスティン・ゲイジーとのライト級王座2度目の防衛戦に臨んだが、計量0.5ポンド(227g)オーバーにより王座をはく奪され、1R裸絞めで勝利したものの王者として認められなかった。昨年10月の王座決定戦でイスラム・マカチェフに2R肩固めで一本負けし、連勝が11で止まって以来の試合となる。
ダリウシュは14年からUFCに上がり、18年から8連勝中で、最近ではトニー・ファーガソン、マテウス・ガムロット相手に2連勝中だったが、元王者の壁は高かった。
1R、サウスポーのダリウシュに、オリベイラはプレッシャーをかけ、開始すぐから右ハイを当てる。ダリウシュは左ミドルを放つが、オリベイラが両手でブロックすると、ダリウシュは後ろにスリップする。ダリウシュはすぐ立ったが、オリベイラは前に詰め、金網際での押し相撲になる。するとオリベイラは引き込み気味でグラウンドに持ち込んで下になる。ダリウシュはパウンドを時折当て、ハーフガードとなるが、オリベイラは足をつかんでヒールフックを狙い、ガードの中にダリウシュを戻す。
オリベイラはしばらく下で防御する状況が続いてしまうが、終盤に差し掛かり、ダリウシュを蹴り離してスタンドに戻す。するとオリベイラはまたも右ハイをヒット。フラついたダリウシュにさらに右のストレートを連打すると、ダリウシュは崩れ落ちる。ダリウシュはタックルで防御しようとしたが、オリベイラは足を引き抜いてバックを狙い、最後は金網際でハーフで押さえながら鉄槌を連打し、ダリウシュの目が飛んだところでレフェリーがストップした。
勝利者インタビューでオリベイラは「デイナ。わかっただろ。俺は準備も覚悟もできている。誰が王者だ?」と、王座挑戦を希望した。オリベイラを昨年下したマカチェフは今年2月、アレクサンダー・ヴォルカノフスキーに判定勝ちし初防衛を果たしている。
第9試合 ウェルター級 5分3R
○マイク・マロット
×アダム・フューギット
2R 1’06” フロントチョーク
第8試合 フェザー級 5分3R
○ダン・イゲ(13位)
×ネイト・ランドワー
判定3-0 (29–28/29–28/30–27)
第7試合 ミドル級 5分3R
○マルク・アンドレ・バリオー
×エリク・アンダース
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第6試合 ミドル級 5分3R
―ナッソーディン・イマボフ(12位)
―クリス・カーティス(14位)
2R 3’04” 無効試合 (偶発的なバッティングによりカーティスが続行不可能)
第5試合 女子フライ級 5分3R
×ミランダ・マーベリック(15位)
○ジャスミン・ジャスダビシアス
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第4試合 バンタム級 5分3R
○アイマン・ザハビ
×アオリ・チロン
1R 1’04” KO (スタンドパンチ連打)
第3試合 フェザー級 5分3R
○カイル・ネルソン
×ブレイク・ビルダー
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)
第2試合 フライ級 5分3R
×ダビッド・ドボジャーク(10位)
○スティーブン・エルセグ
判定0-3 (28-29/28-29/27-30)
第1試合 女子ストロー級 5分3R
○ディアナ・ベルビタ
×マリア・オリベイラ
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)