UFC 5.7 アリゾナ(レポ):チャールズ・オリベイラ、ゲイジーを1Rで仕留めるも計量オーバーでライト級王座はく奪。女子ストロー級王座戦は異例の両者消極試合に
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UFC 274: Oliveira vs. Gaethje
2022年5月7日(土/現地時間)米国アリゾナ州フェニックス:フットプリント・センター
レポート:井原芳徳
第14試合 メインイベント UFCライト級タイトルマッチ 5分5R
○チャールズ・オリベイラ(王者)
×ジャスティン・ゲイジー(1位、元暫定王者)
1R 3’22” 裸絞め
※オリベイラは計量0.5ポンド(227g)オーバー。ファイトマネーの一部を没収。王座は試合開始と同時に空位となる。ゲイジーが勝利した場合のみ王座を獲得
オリベイラは昨年5月に元ベラトール王者のマイケル・チャンドラーに2R TKO勝ちし、空位だったUFCライト級王座を獲得。12月には元暫定王者のダスティン・ポワリエを3R裸絞めで仕留め初防衛を果たすと共に、連勝を10の大台に乗せた。対するゲイジーは20年、トニー・ファーガソンに勝利し暫定王者となったものの、ハビブ・ヌルマゴメフとの王座統一戦で一本負け。昨年11月の再起戦ではチャンドラーとの死闘を制し判定勝ちし、今回の王座挑戦につなげた。

PHOENIX, ARIZONA – MAY 07: (R-L) Justin Gaethje punches Charles Oliveira of Brazil in the UFC lightweight championship fight during the UFC 274 event at Footprint Center on May 07, 2022 in Phoenix, Arizona. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
試合は序盤から激しく動く展開に。1R、オリベイラは序盤から距離を縮め、右ストレートをヒット。さらに首相撲からの膝蹴り、前蹴りを当てる。だがゲイジーは耐え、時折右のカーフキックを返すと、接近戦で右アッパーを当て、オリベイラをダウンさせる。オリベイラはそのまま寝転んだ状態を維持するが、ゲイジーは寝技には付き合わず、オリベイラも立ち上がる。その後の打ち合いでもゲイジーが右フックをヒット。オリベイラは自ら寝転ぶが、ゲイジーは付き合わず、またもスタンドに戻る。オリベイラは早くも左まぶたをカットしている。オリベイラはストップを警戒してか?パンチと膝の攻撃を増やすと、クリンチから引き込むが、これもゲイジーはすぐ立ち、変わらずスタンド勝負を望む。

PHOENIX, ARIZONA – MAY 07: (R-L) Charles Oliveira of Brazil secures a rear choke submission against Justin Gaethje in the UFC lightweight championship fight during the UFC 274 event at Footprint Center on May 07, 2022 in Phoenix, Arizona. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
だが中盤、オリベイラが右フック、ボディへの膝、前蹴りを単発ながら当て続けると、少しゲイジーも消耗した様子で、左右のフックを振るった際に前のめりにスリップする場面も。オリベイラは圧をかけ続けると、ゲイジーが左右のフックを空振りした直後、右ストレートを当て、ゲイジーをダウンさせる。オリベイラは上になろうとするが、すぐにゲイジーの背後に回り込み、首を抱えながらバックマウントに。肘、鉄槌でさらにダメージを与えると、上三角絞めを狙う。これは滑って極まらなかったが、すぐにバックマウントに戻りながら裸絞めを極めると、ゲイジーはタップし、オリベイラの勝利となった。オリベイラは立ち上がると、腹に両手でベルトの形を作るジェスチャーをし、自分がチャンピオンだとアピールした。

PHOENIX, ARIZONA – MAY 07: Charles Oliveira of Brazil reacts after his submission victory over Justin Gaethje in the UFC lightweight championship fight during the UFC 274 event at Footprint Center on May 07, 2022 in Phoenix, Arizona. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
第13試合 セミメインイベント UFC女子ストロー級タイトルマッチ 5分5R
×ローズ・ナマユナス(王者)※2度目の防衛戦
○カーラ・エスパルザ(2位)
判定1-2 (48–47/46-49/47–48)
※エスパルザが王者に
ナマユナスは昨年4月にジャン・ウェイリーに78秒でKO勝ちし、王座を奪還すると、11月の再戦ではウェイリーに判定2-1の僅差で勝利し初防衛に成功した。
エスパルザは14年、ジ・アルティメット・ファイターでの初代女子ストロー級王者決定トーナメントの決勝でナマユナスに勝利し王者に。翌年の初防衛戦でヨアナ・イェンジェイチックに敗れ、その後もしばらく勝ち負けを繰り返したが、19年4月のビルナ・ジャンジロバ戦から5連勝し、王座奪還の機会につなげた。

PHOENIX, ARIZONA – MAY 07: (R-L) Carla Esparza attempts to take down Rose Namajunas in the UFC strawweight championship fight during the UFC 274 event at Footprint Center on May 07, 2022 in Phoenix, Arizona. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
試合はUFC史でも1番と言えるぐらいに両者揃って消極的な内容に。1R、エスパルザが中央で構え圧をかけ、ナマユナスが回る構図で、どちらもなかなか攻撃を出さない。中盤から少しずつお互いパンチを振るうようになるが、距離が遠く空振りが続く。エスパルザの攻撃が時々かすることはあるが、ダメージを与えるような打撃にはならない。両者消極的で、エスパルザが若干積極的だが、ほとんど差が無い。記者採点はイーブン。
2Rも同様で、お見合いが続く。1分過ぎ、ようやく動きが生まれ、エスパルザが片足タックルを仕掛け、倒しかけるが、ナマユナスは切って脱出する。お見合い状態に戻り、時折ブーイングも飛ぶ。レフェリーは注意せず、ただただ時間が過ぎていく。これまで2Rとも点を割り振らないといけいならエスパルザだが、記者採点はイーブンとした。
3Rもお見合いが続く。1分過ぎ、エスパルザがまたもタックルで倒すが、ナマユナスはすぐに立って離れる。その後もエスパルザが片足タックルを繰り返すが、倒せないと判断するとすぐに離れる。ナマユナスは時折右ストレートを放つが、空振りが続く。記者採点はイーブン。振らないといけないならエスパルザ。
4Rもお見合い状態で変わらず。エスパルザが時折タックルを仕掛け、倒してバックを取るが、すぐにナマユナスが立つ展開が2度繰り返される。ナマユナスは立ち際に右フックを当てる場面もあるが、自分から仕掛けていく試合をしていない。記者採点はやや積極的に仕掛けたエスパルザ。
5R、1分過ぎにようやくパンチの打ち合いとなり、お互い単発で当てるが、元のお見合い状態に戻る。残り10秒を切り、ようやくナマユナスがタックルを仕掛けて倒したが、すぐにエスパルザは金網を背にして立って終わる。記者採点はイーブン。振らないといけないならナマユナス。合計49-50でエスパルザ。全ラウンドマスト判定なら46-49でエスパルザ。ジャッジは割れたが、2者がわずかに積極的だったエスパルザを支持し、エスパルザが新王者になった。エスパルザは手を上げて喜んだが、場内はブーイングに包まれた。

PHOENIX, ARIZONA – MAY 07: Carla Esparza reacts after her victory over Rose Namajunas during the UFC 274 event at Footprint Center on May 07, 2022 in Phoenix, Arizona. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
第12試合 ライト級 5分3R
○マイケル・チャンドラー(5位)
×トニー・ファーガソン(7位)
2R 0’17” KO (右前蹴り)
1R、チャンドラーがオーソドックス、ファーガソンがサウスポーで構える。1分過ぎに長身のファーガソンの左ストレートが軽く当たり、チャンドラーがスリップする。このパンチ自体でのダメージは小さい様子だが、チャンドラーが立て直す前にファーガソンはパンチラッシュでコツコツ当て続け、チャンドラーは劣勢に陥る。中盤、チャンドラーは持ち直すと、パンチを軽く当て返してから、片足タックルを仕掛けてテイクダウンを奪う。しかしファーガソンは金網際で足を登らせ、三角絞めや腕十字を狙う。チャンドラーは防御し、少しずつパウンドと肘のヒットを増やす。ファーガソンは左のまぶたを切られ、押さえ込まれて印象が悪くなる。記者採点は後半反撃したチャンドラー。レスリング仕込みのフィジカルで巻き返す。

PHOENIX, ARIZONA – MAY 07: (R-L) Michael Chandler knocks out Tony Ferguson in a lightweight fight during the UFC 274 event at Footprint Center on May 07, 2022 in Phoenix, Arizona. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
すると2R、1R序盤同様にファーガソンが圧をかけ、チャンドラーが右に回ってステップするが、ファーガソンがスイッチを繰り返し一瞬圧が弱まると、チャンドラーは前に出て、右の前蹴りでファーガソンのアゴを蹴り上げる。ファーガソンはこれ一発で頭からマットに突っ伏すようにダウンし、チャンドラーのKO勝ちとなった。大歓声に包まれる中、チャンドラーは何度も宙返りして喜びを表現した。試合後のマイクではオリベイラ、ケイジー、マクレガーとの対戦を熱望した。
第11試合 ライトヘビー級 5分3R
×マウリシオ・フア
○オヴィンス・サン・プルー
判定1-2 (28–29/29–28/27-30)
第10試合 ウェルター級 5分3R
○ランディ・ブラウン
×ケイオス・ウィリアムズ
判定2-1 (29–28/28–29/29–28)
【プレリム】
第9試合 ウェルター級 5分3R
○フランシスコ・トリナウド
×ダニー・ロバーツ
判定3-0 (29–28/30–27/30–26)
第8試合 女子フェザー級 5分3R
○メイシー・チアソン(11位)
×ノルマ・ドゥモン(15位)
判定2-1 (30–27/28–29/30–27)
※ドゥモンは計量0.5ポンドオーバー。チアソンにファイトマネーの30%を譲渡
第7試合 フライ級 5分3R
○ブランドン・ロイバル(6位)
×マット・シュネル(9位)
1R 2’14” フロントチョーク
第6試合 ヘビー級 5分3R
○ブラゴイ・イワノフ(15位)
×マルコス・ホジェリオ・デ・リマ
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第5試合 ウェルター級 5分3R
○アンドレ・フィアリョ
×キャメロン・ヴァンキャンプ
1R 2’35” KO
第4試合 女子フライ級 5分3R
○トレイシー・コルテス
×メリッサ・ガト
判定3-0 (29–28/29–28/29–28)
第3試合 フライ級 5分3R
×クレイドソン・ホドリゲス
○C.J.ベルガラ
判定1-2 (29–28/28–29/28-29)
第2試合 女子ストロー級 5分3R
×アリアネ・カルネロッシ
○ルーピー・ゴディネス
判定0-3 (27-30/26-30/26-30)
第1試合 バンタム級 5分3R
○ジャーニー・ニューソン
×ファーニー・ガルシア
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)