UFC 2.12 オーストラリア(レポ):マカチェフ、ヴォルカノフスキーとのパウンドフォーパウンド最強対決で判定勝ちしライト級王座防衛
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UFC 284: Makhachev vs. Volkanovski
2023年2月12日(日)オーストラリア・パース:RACアリーナ
レポート:井原芳徳
第13試合 メインイベント UFCライト級タイトルマッチ 5分5R
○イスラム・マカチェフ(王者)
×アレキサンダー・ヴォルカノフスキー[ボルカノフスキー](挑戦者、フェザー級王者)
判定3-0 (48-47/48-47/49-46)
※マカチェフが初防衛
ヴォルカノフスキーは今大会の地元オーストラリア出身。昨年は4月にジョン・チャンソンに4R TKO勝ちし、7月にマックス・ホロウェイ判定勝ちし、3カ月の間に2度フェザー級王座を防衛し、通算4度の防衛をしている。現在MMA 22連勝、UFC 12連勝中だ。
マカチェフは元UFCライト級王者・ハビブ・ヌルマゴメドフとの3歳差の幼馴染で、同じくロシア・ダゲスタン出身で、現在はアメリカン・キックボクシング・アカデミー所属。15年からUFCに上がり、2戦目でプロ黒星を喫したが、以降は11連勝。ダン・フッカー、ボビー・グリーンを1Rで仕留め、昨年10月のアブダビ大会でチャールズ・オリベイラを2R肩固めで仕留め、ライト級王座を獲得した。
マカチェフの勝利者インタビューでヌルマゴメドフが「次はオーストラリアに行って、パウンドフォーパウンド1位のヴォルカノフスキーと戦います」と話し、マカチェフも同意し、客席にいたヴォルカノフスキーをオクタゴンに呼び寄せると、ヴォルカノフスキーも「やろうぜ」と承諾し、今回の一戦が実現した。パウンドフォーパウンドラキングではマカチェフが2位となっており、UFC最強決定戦的なニュアンスもある一戦だ。
両者が入場すると、場内は地元のヴォルカノフスキーへの大歓声で包まれる。1R、マカチェフはサウスポー、ヴォルカノフスキーはオーソドックスで構え、中央付近でフェイントをかけ合う状態が続く。中盤、ヴォルカノフスキーが右フックを当て、少しマカチェフをひるませる。だがお見合いに戻ると、今度はマカチェフがパンチの打合いの展開で右フックを当て、ヴォルカノフスキーの腰が落ちる。マカチェフはすぐに前に出ると組み付き、ヴォルカノフスキーを背後から金網に押し込む。終盤、抱え上げて倒すと、すぐさま金網を背にしながらバックマウントを奪う。マカチェフは執拗に裸絞めを狙い、フェイスロックまで持ち込む。記者採点はマカチェフ。
2R、ヴォルカノフスキーが左フックを当てると、マカチェフはひるんで下がるが、すぐに組み付き、またも金網際でコントロールし、結果的に流れをまたも引きずり込むことに。マカチェフが一度テイクダウンを奪い、ヴォルカノフスキーが立ち上がり、またも組むが、ヴォルカノフスキーは突き放し打撃戦に戻す。だが終盤、マカチェフが左ストレートを当て、ヴォルカノフスキーを下がらせ優位に。最後は金網際で組み合って終わる。記者採点はマカチェフ。
3R、ようやくヴォルカノフスキーのターンに。マカチェフが金網際で組むが、ヴォルカノフスキーは押し返して突き放す、2Rと似た展開に。終盤、お見合い状態となるが、ヴォルカノフスキーが左右のフックを連打して前に出ると、下がったマカチェフはスリップしてしまい印象を悪くする。記者採点はヴォルカノフスキー。

PERTH, AUSTRALIA – FEBRUARY 12: (R-L) Islam Makhachev of Russia punches Alexander Volkanovski of Australia in the UFC lightweight championship fight during the UFC 284 event at RAC Arena on February 12, 2023 in Perth, Australia. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)
マカチェフはポイントを取られたが、すぐポイントを取り返す。4R、スタンドで見合い状態が続いたが、中盤、マカチェフが打合いの展開からタックルを仕掛けて倒すと、金網際でバックマウントを奪い、またも優位な状態に。終盤になってもバックをキープし、執拗に裸絞めを狙う。ヴォルカノフスキーは何かを叫びながら後方のマカチェフにパンチを当てるが、マカチェフは離れない。記者採点はマカチェフ。
マカチェフにとっては初経験となる5R、逆転を狙うヴォルカノフスキーが前に出るが、マカチェフはかわし、中盤にはヴォルカノフスキーがパンチの連打で前に出たところでタックルを仕掛ける。だがヴォルカノフスキーは突き放し、打撃戦に戻す。その後のマカチェフのタックルもヴォルカノフスキーは切る。すると終盤、ヴォルカノフスキーが圧をかけると、マカチェフのタックルのタイミングで右フックを当てると、マカチェフは前のめりでひるみ、ヴォルカノフスキーは上になる。ヴォルカノフスキーは時折パウンドを落とすが、その先には持ち込めず終える。記者採点はヴォルカノフスキー。合計48-47でマカチェフ。ジャッジも3者ともマカチェフを支持し、マカチェフがパウンドフォーパウンド対決を制し王座防衛を果たしたが、ヴォルカノフスキーも1階級上でも強さを発揮する好勝負となった。

PERTH, AUSTRALIA – FEBRUARY 12: Islam Makhachev of Russia reacts after his victory over Alexander Volkanovski of Australia in the UFC lightweight championship fight during the UFC 284 event at RAC Arena on February 12, 2023 in Perth, Australia. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)
第12試合 コーメインイベント UFCフェザー級暫定王者決定戦 5分5R
○ヤイール・ロドリゲス(2位)
×ジョシュ・エメット(5位)
2R 4’19” 三角絞め
※ロドリゲスが暫定王者に
今大会ではフェザー級王者のヴォルカノフスキーが1階級上のライト級王座に挑戦し、フェザー級の暫定王座決定戦が組まれた。
ロドリゲスは14年のTUFラテンアメリカで優勝し、UFC 12戦9勝2敗1無効試合の好成績を残し、最近では昨年6月にブライアン・オルテガに1R TKO勝ちしている。エメットは16年からUFCに上がりUFC 11戦9勝2敗とこちらも好成績で、ここ4年で5連勝中だ。

PERTH, AUSTRALIA – FEBRUARY 12: (R-L) Yair Rodriguez of Mexico kicks Josh Emmett in the UFC interim featherweight championship fight during the UFC 284 event at RAC Arena on February 12, 2023 in Perth, Australia. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)
1R、長身のロドリゲスがスイッチをしつつ、サウスポーになってからの左ミドルを当てつつ、ストレートにつなげ、エメットを少し苦しめる。それでもエメットは前に出続けると、終盤の打合いで右フックをヒットする。ロドリゲスがひるむと、エメットが組み付いて倒し、上から押さえてパウンドを当てる。だがロドリゲスも下から三角絞めを狙い、肘も当てて抵抗する。記者採点はエメットだが、ジャッジは1者がエメット、2者がロドリゲスとなる。
2R、開始すぐにエメットが左右のフックを当てるが、ロドリゲスは左ミドルをお返しすると、エメットは体が曲がり苦痛の表情を浮かべる。エメットはロドリゲスの蹴り足をつかんで押し込むが、ロドリゲスは突き放す。エメットはダメージが溜まっており、ロドリゲスは右肘、右ハイ、左ミドルを的確に当て、エメットを追い詰める。終盤、ロドリゲスが左の飛び膝を当てると、エメットがひるみつつもすぐ足をつかんで倒して上になる。エメット挽回のチャンスだが、ロドリゲスは下から肘を当て、主導権を維持。するとロドリゲスは足を登らせ腕十字を狙いつつ、三角絞めに移行すると、これがガッチリと極まり、エメットはタップ。ロドリゲスが見事な一本勝ちでフェザー級暫定王者になった。

PERTH, AUSTRALIA – FEBRUARY 12: Yair Rodriguez of Mexico reacts after his submission victory over Josh Emmett in the UFC interim featherweight championship fight during the UFC 284 event at RAC Arena on February 12, 2023 in Perth, Australia. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)
第11試合 ウェルター級 5分3R
○ジャック・デラ・マダレナ
×ランディ・ブラウン
1R 2’13” 裸絞め
第10試合 ヘビー級 5分3R
○ジャスティン・タファ
×パーカー・ポーター
1R 1’06” KO
第9試合 ライトヘビー級 5分3R
△ジミー・クルート(2位)
△アロンゾ・メニフィールド
判定1-0 (29–27/28–28/28–28)
第8試合 ライトヘビー級 5分3R
×タイソン・ペドロ
○モデスタス・ブカウスカス
判定0-3 (27-30/28-29/28-29)
第7試合 フェザー級 5分3R
○ジョシュ・クリバオ
×メルシック・バグダザリアン
2R 2’02” 裸絞め
第6試合 フライ級 5分3R
×シャノン・ロス
○クレイドソン・ホドリゲス
1R 0’59” TKO
※ホドリゲスが計量1ポンドオーバー。ファイトマネーの20%をロスに譲渡
第5試合 ライト級 5分3R
○ジェイミー・ムラーキー
×フランシスコ・プラド
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
第4試合 フェザー級 5分3R
○ジャック・ジェンキンス
×ドン・シェイニス
判定3-0 (30–27/30–27/29–28)
第3試合 女子ストロー級 5分3R
○ローマ・ルックブーンミー
×エリース・リード
2R 0’44” 裸絞め
第2試合 フェザー級 5分3R
×シェーン・ヤング
○ブレイク・ビルダー
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)
第1試合 ライト級 5分3R
×ズバイラ・ツフゴフ
○エルブス・ブレナー
判定1-2 (29–28/28–29/27-30)
※ツフゴフは計量1.5ポンドオーバー。ファイトマネーの30%をブレナーに譲渡