DEEP 7.10 TDCホール(レポ):大原樹理、石塚雄馬を1R KOしライト級王座初防衛。上迫博仁、北岡悟に辛勝。中村大介&渡部修斗も勝利
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skyticket Presents DEEP 108 IMPACT
2022年7月10日(日)TOKYO DOME CITY HALL
レポート&写真:井原芳徳
第12試合 メインイベント DEEPライト級タイトルマッチ(5ジャッジ制) 5分3R
○大原樹理(KIBAマーシャルアーツクラブ/王者)
×石塚雄馬(AACC/挑戦者)
1R 1’20” KO (右サッカーボールキック)
※大原が初防衛
大原は20年8月以降、鈴木琢仁、矢地祐介、北岡悟ら相手に7連勝中。21年7月に大木良太に3R負傷判定勝ちしライト級暫定王者となる。3月に武田光司が正規王座を返上し、大原が正規の王者に。最近では3月のRIZIN大阪大会でアキラに判定2-1の僅差で勝利している。
石塚は37歳。10年にSRCで徳留一樹に敗れ、11年のオーストラリアの試合で後にUFCで活躍するダン・フッカーに敗れる等、過去には多様な大会に上がり続けていた。7年のブランクを経て、昨年10月のDEEPで突如復帰。ここ1年半で5試合とコンスタントに試合を重ね4勝1敗。鈴木琢仁には敗れたが、佐々木大、ケンヤスキー、大木良太に勝利し、2月のDEEPでは元修斗ライト級世界王者の川名TENCHO雄生を2R右ストレートでKO。王座初挑戦のチャンスが巡ってきたが、国内トップ戦線で戦う大原との差は歴然としていた。
1R、大原が序盤から右ミドル、左ジャブを当て、石塚もパンチで応戦するが、打撃戦での差は大きく、大原が右テンカオを強打して動きを止めると、右ストレートをクリーンヒット。腰が落ちた石塚の顔面に、右のサッカーボールキックを当て豪快にKOした。
マイクを持った大原は「やっと本物のチャンピオンになれました」と喜びを語った。バックステージでも「どさくさに紛れてチャンピオンになった感じだったんで、防衛してやっとチャンピオンになれた感じです」とコメントした。なお、RIZINのライト級王者・ホベルト・サトシ・ソウザへの挑戦に関しては「日本人では俺が一番近い位置なんじゃないですか」と話しつつも、「まだ弱くて、俺、センスが無いんで。ベルト取るのにも10年かかったんで」「やれと言われたらやります」と謙虚な言葉も付け加えていた。
第11試合 セミファイナル ライト級 5分3R
×北岡 悟(パンクラスイズム横浜/元DEEP&戦極ライト級王者)
○上迫博仁(NICE BAD GYM/元DEEPフェザー級王者)※チーム・クラウド/和術慧舟會HEARTSから所属変更
判定1-2 (柴田29-28/橋本28-29/福田28-29)
北岡は42歳。昨年10月大会で鈴木琢仁に3R TKO負けして以来の試合。19年4月のホベルト・サトシ・ソウザ戦以降、1試合の引き分けを含め、6試合連続で勝ち星から遠ざかっている。
上迫は35歳。20年10月のパンクラスで松本光史に判定負けして以来約2年ぶりの試合となる。19年10月のRIZINでのルイス・グスタボ戦、同年末の矢地祐介戦を合わせて3連敗中だ。ブランク期間中、世田谷区用賀に自身のジムをオープンした。かつて王座に就いたDEEPには4年半ぶりの復帰となる。上迫のセコンドには上田貴央がつく。
1R、サウスポーの北岡に対し、上迫は右ミドルを当ててすぐ離れる展開。中盤、北岡が片足タックルを仕掛け、倒しかける場面もあるが、上迫はすぐ立ち、押し込んで膠着ブレイクがかかる。最後は見合って終える。記者採点は蹴りを当てた上迫。
2R、北岡は右フックを当ててタックルを仕掛ける展開を繰り返すが、上迫は切り続け完全に流れをつかませない。北岡は押し込み続けるが膠着ブレイク。その後はお見合いが続き、お互いミドルを当てるが、なかなか均衡を崩せない。記者採点は僅差ながらも組みで主導権を維持した北岡。
3R、北岡が序盤に低空タックルで倒そうとする場面や、猪木アリ状態になる場面もあったが、グラウンドにはならず、終始スタンドの展開。北岡が中央で構え、上迫が回り続け、時折右ミドルを当てるが、その先につながらず、北岡も攻撃につなげられないまま終わる。記者採点は僅差だが蹴りを当てた上迫。合計28-29で上迫。2・3Rが僅差だったためジャッジの採点は割れ、2者が上迫を支持し、上迫の勝利となった。
大会後のインタビューで上迫は「1R目にタックルを切った時に右膝を痛めました。そこからヤバいと思って手堅くなっちゃいました」と試合を振り返り「もっと見せたかったけど出せなかったのが悔しいです。試合の感覚は取り戻せたと思うので、次回はKOを狙いたいです」と話した。
第10試合 フェザー級 5分3R
○中村大介(夕月堂本舗/元DEEPライト級王者)
×ユータ&ロック(秋本道場jungle junction)
判定3-0 (柴田29-28/内田29-28/橋本29-28)
中村は2月のDEEPで小見川道大の引退試合の相手を務め3R腕十字で一本勝ち。3月のRIZIN大阪大会では山本空良に判定1-2で惜敗している。
対するユータは35歳。12年に修斗で斎藤裕に勝利しており、15年から19年に上がったパンクラスでも中原由貴、牛久絢太郎、中島太一に判定勝ち。MMA 9戦1敗の好成績を残していたが、19年7月の中島戦から3年ぶりの試合となる。DEEPには初登場だ。
1R、蹴りの攻防の後、ユータがタックルで倒して上になる。だが中村は下からアームロック、三角を狙って主導権を握り、終盤にはリバースに成功すると、最後はマウント、バックと移ってユータを追い詰める。記者採点は中村。
2Rもユータが上になるが、中村は下からアームロックを仕掛けてリバースし、上になってもアームロックや腕十字を狙い、主導権を維持する。記者採点は中村。
3R、疲れの見えて来た中村は序盤からパンチをもらい、ユータが倒して上に。だが中村はまたもアームロックを狙い、その後も執拗にアームロックを狙い、主導権を維持する。ユータも疲れており反撃の糸口をつかめず終了する。記者採点は中村。合計30-27で中村。ジャッジ3者も29-28で中村を支持し、中村の判定勝ちとなった。
第9試合 バンタム級 5分2R
○渡部修斗(ストライプル新百合ヶ丘/元Fighting NEXUS王者)
×内山拓真(ボンサイ柔術)
判定3-0 (柴田20-18/橋本20-18/福田○19-19)
渡部は4月のRIZIN TRIGGERで須藤拓真に判定2-1で惜敗して以来の試合。最近はRIZINの試合が続いており、DEEPには約3年ぶりの出場となる。内山は2連勝中で、2月のRIZIN TRIGGERで原虎徹に判定勝ちしている。
1R、渡部がタックルで倒すと、内山はギロチンで迎撃するが、渡部は防御して外し、その後は金網際でトップキープしてギロチン等を狙い続ける。記者採点は渡部。
2R、内山のワンツーや右フックが当たりだし、打撃戦では優位に。だが中盤、渡部はタックルで倒して、またも金網際でトップキープする。内山も下からアームロックを狙って脱出するが、渡部は立ち際に飛びついてギロチンを仕掛けて反撃する。内山は防御し、最後は倒して上で押さえて終える。記者採点は打撃で評価し内山。合計19-19で僅差だが渡部。ジャッジ3者も渡部を支持し、渡部の判定勝ちとなった。
第8試合 フライ級 5分2R
×本田良介(CAVE)
○杉山廣平(SPLASH)
判定0-3 (橋本18-20/内田18-20/柴田18-20)
1R、杉山が右ストレートで本田をダウンさせ、バックを取って裸絞めを狙って追い詰める。本田は防御すると、立ち際にギロチンを狙い、終盤には左ストレートをお返しする。記者採点はダウンを取った杉山。
2R、お互いテイクダウンを奪うも、なかなかその先に攻め込めなかったが、本田がやや主導権を握る時間や、打撃を当てる場面が目立つ展開で終了。記者採点は僅差だが本田。合計19-19でマスト判定は杉山。ジャッジは3者とも18-20とつけ、杉山の判定勝ちとなった。
第7試合 DEEP JEWELS ストロー級 5分2R
×ケイト・ロータス(KING GYM KOBE)
○ARAMI(フリー)
判定0-3 (松宮18-20/福田19-19○/橋本19-19○)
1R、両者サウスポーで構え、ロータスは距離を取って左右のミドルやカーフキックを当てる。中盤以降、ARAMIがタックルからテイクダウンを3度取り、立たれても押し込んで主導権を握る。
2Rも同様にARAMIがテイクダウン、押し込みを繰り返し主導権を維持する。ケイトは離れてパンチと蹴りを当てた場面もあるが、大半の時間捕まり続け終了。記者採点は18-20でARAMI。打撃を当てたロータスにもポイントがついたが、順当に3者ともARAMIを支持しARAMIの判定勝ちとなった。
第6試合 メガトン級(体重無差別) 5分2R
○赤沢幸典(Tristar Gym日本館/チーム・クラウド)
×アンディ・コング(レンジャージム)
1R 4’40” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、赤沢が中盤にタックルから抱え上げて倒し、ハーフで押さえ続けながら、左のパウンドを当て続ける。途中から右の肘、パウンドに切り替えると、ヒットがじわじわ増え、当て続けたところでレフェリーがストップ。赤沢の完勝だった。試合後はチーム・クラウドの秋山成勲が赤沢の勝利を祝福した。
第5試合 バンタム級 5分2R
○雅 駿介(CAVE/元ムエタイオープン・スックワンキントーン・WMC日本ライト級(61.2kg)王者)
×海飛(和術慧舟會HEARTS)
判定3-0 (柴田20-18/松宮20-18/福田20-18)
1R、押し込みと打撃戦が繰り返され、サウスポーの海飛に対し、オーソドックスの雅が随所で右ストレートをヒット。中盤過ぎにもクリーンヒットしたが、直後の海飛の膝がローブローとなり、一時中断する。再開後も右ストレートを当て、最後は足を掛けて倒して終える。
2R、雅は変わらず右ストレートを当て、終盤にはテイクダウンにも成功し、トップキープする。最後は立たれてもオンブを狙い、組みの面でも攻めの幅を見せ終了する。記者採点は20-18で雅。ジャッジも同様で、雅が判定勝ちした。
第4試合 フライ級 5分2R
×原 虎徹(CAVE)
○風我(フリー)
判定0-3 (福田18-20/橋本19-19○/柴田19-19○)
1R、原がスタンドで随所で右フックを的確にヒット。金網への押し合いが続くが、終盤に原がテイクダウンに成功して押さえて終わり、好印象を残す。
2R、開始すぐに風我が左フックで原をダウンさせると、グラウンドでアナコンダチョーク、レッグシザース、ギロチンチョークで執拗に攻め続けて反撃するが、極めには至らない。記者採点は19-19でマスト判定で2Rにはっきり差をつけた風我。ジャッジも3者とも風我を支持し風我の判定勝ちとなった。
第3試合 バンタム級 5分2R
×山本有人[ありひと](リバーサルジム東京スタンドアウト)
○濱口奏琉[そうる](パラエストラ和泉/DEEPフューチャーキングトーナメント2021バンタム級優勝)
判定0-3 (柴田18-20/福田18-20/橋本18-19)
濱口は極真会館(中村誠総帥)国際親善空手道選手権大会高校生の部で18年と19年に優勝。大阪体育大学に進学し、レスリングでも昨年の西日本新人戦グレコローマン63kg級優勝、全日本学生選手権グレコ5位と好成績を残しつつ、昨年秋からMMAも並行。今年3月のDEEPフューチャーキングトーナメントのバンタム級で4試合勝ち抜き優勝している期待の19歳だ。
1R、濱口が序盤から積極的にパンチや飛び膝を放つ。だがパンチやローのタイミングでタックルを合わせられ倒され続けてしまう。終盤スタンドに戻し、両者パンチで一進一退の展開になり、濱口はもらって少しだけひるんでしまう
2R、開始すぐに濱口が右フックで山本をひるませ、パウンドで山本を追い詰める。スタンドに戻ってもパンチと膝を当て、押し込む展開を繰り返す。時折右フックを被弾しひるむが、最後まで積極的に打撃で攻め終了。記者採点は18-20で濱口。ジャッジ3者も濱口を支持し判定勝ちした。まだ攻守ともに粗さは目立ったが、派手な攻めで今後に期待を持たせた。
第2試合 ライト級 5分2R
×泉 武志(FIGHTER’S FLOW)
○野村駿太(BRAVE)
判定1-2 (内田20-18/橋本19-19○/福田18-20)
泉はレスリング全日本選手権のグレコで14年と16年に優勝。17年にはアジア選手権で優勝し、同年の世界選手権にも出場した。20年からMMAに転向し、4月のRIZIN TRIGGERでプロデビューしたが、グラント・ボグダノフの寝技につかまり3R TKO負けしている。現在33歳。
野村は伝統派空手の全日本選手権6位の実績があり、昨年9月にGRACHANでMMAプロデビューし2勝1敗。11月のVTJでは宇佐美正パトリックに判定負けしている。
1R、スタンドの打撃戦の後、泉が金網に野村を押し込む展開が繰り返される。泉は背中をつけさせるところまでは持ち込めないものの、押し込みながら膝や肘を当て、主導権を維持する。
2Rも泉が押し込み続け、中盤にテイクダウンに成功する。野村の三角も防御し、上からパウンドを当てる。立たれてもすぐ押し込み続け、主導権を維持し終了。記者採点は20-18で泉。だがジャッジは割れ、2者は離れた際の野村のパンチを評価した模様で、野村の判定勝ちとなった。
第1試合 フェザー級 5分2R
○劉獅[りゅうじ](KIBAマーシャルアーツクラブ)※高塩竜司 改め
×鷹辰[たかたつ](和術慧舟會HEARTS)
1R 2’44” TKO (ドクターストップ:額のカット)
今回から改名した劉獅が、開始すぐからパンチ、右ハイ、テイクダウン等で鷹辰を圧倒する。途中、鷹辰が額をカットし、1回目のドクターチェックでストップがかかった。
オープニングファイト アマチュアSPルール DEEP JEWELS フライ級 3分2R
○万智(フリー)
×角田光優(禅道会 中信支部)
2R 0’41” 裸絞め
JMOC(日本MMA審判機構)派遣の審判団は、左手首に喪章をつけ、大会2日前の8日に銃撃され死去した安倍晋三元首相に哀悼の意を表した。