DEEP 10.23 後楽園ホール(レポ):神龍誠、元修斗王者・福田龍彌に苦戦も判定勝ち。鈴木琢仁、北岡悟を粉砕。伊澤星花、パク・シウに勝利も悔し涙。鶴屋怜が4連勝
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2021年10月23日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第7試合 メインイベント フライ級(ノンタイトル戦) 5分3R
○神龍 誠(神龍ワールドジム/DEEPフライ級王者)※フリーから所属変更
×福田龍彌[りゅうや](MIBURO/元修斗世界フライ級王者)
判定3-0 (和田29-28/豊永30-27/植松30-26)
神龍は昨年8月のRIZINで伊藤盛一郎にギロチンで一本勝ちして以来1年2カ月ぶりの試合。DEEPには19年6月のフライ級暫定王者決定戦で柴田“MONKEY”有哉に勝利して以来2年4カ月ぶりの出場だ。その後、正規王者に認定されるも、故郷の宮城でのジムのオープンの準備が理由で防衛戦を行わず、今年2月のDEEP TDCホール大会で暫定王座決定戦が行われ、藤田大和が勝利。藤田は既に9月大会で初防衛しており、王座統一戦に向けて神龍はしっかり勝利したい。
福田は7月の修斗大阪大会で平良達郎に1R一本負けし修斗の王座初防衛に失敗して以来の再起戦。DEEPには19年4月の大阪大会で安谷屋智弘に判定負けして以来2年半ぶりの登場だ。
1R、神龍が左フックのフェイントからタックルを仕掛け、押し込むと、福田は耐えて逆に倒すが、神龍は逆らわず下になり、横三角絞めを狙う。だが福田は対処して外し、金網際で上をキープし、左肘、右のパウンドを当てる。神龍は立ち上がり、引き込んでギロチンを仕掛けるが、福田は動いでギリギリで極めさせず、終盤は再び上から押さえる。最後はお互いスタンドでパンチを当てて終える。記者採点はサブミッションでチャンスを作った神龍。
2R、両者サウスポーに構え、神龍が圧力をかけ、右フックを度々当てて優位に。だが福田が右と左のボディフックを連続で当てると、神龍は失速し、パンチを当てられなくなる。バックハンドブローの奇襲も動きが読まれる。福田はその後も右ボディを的確にヒット。最後は神龍が倒すが、その先に持ち込めず時間切れとなる。記者採点は福田。だがジャッジは2者が神龍につける。
3R、神龍は引き込んでのギロチンを狙うが、力が入りきらず、福田は対処して上をキープする。スタンドに戻ると、福田が右ジャブ、右ボディを的確に当て、主導権を握る。だが福田の左ローのタイミングで、神龍が左フックを当てると、福田がダウン。神龍は上からパウンドを連打し一気に反撃する。福田は耐えるも、神龍が上をキープし攻勢を維持し終了する。記者採点は神龍。合計29-28で神龍。ジャッジの採点はバラつくも、3者とも神龍を支持し、神龍の勝利となった。
マイクを持った神龍は「練習し直して、世界のイベントで戦えるよう頑張ります。応援してくれている中野さんという方がコロナウイルスで亡くなりました。これから盛り上げて恩返ししたいです」と話した。
試合後のインタビューで神龍は福田について「修斗のチャンピオンらしくトータルで上手く根性がありました」と評し、「正直、練習不足でした。ジムの指導が終わって自主練をしていましたけど、前の練習量でやっていないです」「今日は才能だけでやっている感じでした」と反省。今後については「練習環境を変えようと思います」「ジムのトレーナーを増やし、海外で1か月ぐらい練習できる状況を作って、練習方法とかを学びたいです」「僕が一番じゃないと盛り上がらないので、しっかり強さを身に着けたいです」と話した。
第6試合 セミファイナル ライト級 5分3R
×北岡 悟(パンクラスイズム横浜/元DEEPライト級王者)
○鈴木琢仁[たくみ](ボンサイ柔術)
3R 0’20” TKO (レフェリーストップ:右膝蹴り→グラウンドパンチ)
ライト級戦線では2月大会で大原樹里に敗れ4連敗中の北岡悟が、8カ月ぶりに戦列復帰。過去にパンクラスで現DEEPフェザー級王者の牛久絢太郎に勝っている、ボンサイ柔術所属の鈴木琢仁と対戦した。鈴木のセコンドにはホベルト・サトシ・ソウザがつく。
1R、鈴木がサウスポーの北岡に、右ストレート、右インローを当てる。だが鈴木のローの直後に、北岡はタックルを仕掛けテイクダウンを奪う。金網際で上から押さえ、鈴木の立ち際にギロチンを狙うが、鈴木は防御して押し込む。北岡は金網を背にしつつ飛びついてギロチンを狙うが、鈴木は対処して上になる。だが北岡は執拗にギロチンを狙い、首を抱え続ける。極まらないものの、攻勢は印象付けることに成功したか。記者採点は北岡。
2Rも北岡がテイクダウンを狙い、鈴木がパンチを狙う構図が続く。中盤、ようやく北岡がハーフで押さえてポジションキープ。2分ほど押さえ、最後はギロチンを狙って終える。記者採点は北岡。
だが3R、鈴木は1Rのように、北岡に対して右ミドル、右フックを的確にヒット。北岡は反応しきれていない様子。金網を背にした北岡は、打撃戦を嫌ってタックルを仕掛けるが、鈴木は右の膝蹴りをカウンターでクリーンヒット。真後ろにダウンした北岡に、パウンドで追い打ちをかけたところで、和田レフェリーがストップした。
第5試合 ウェルター(ノンタイトル戦) 5分3R
○住村竜市朗(TEAM ONE/DEEPウェルター級王者)
×米田奈央(フリー)
判定2-1 (福田28-29/和田29-28/植松30-27)
6月大会の両者の初対戦では2Rの住村のローブローで続行不能となり、住村がそこまでの判定で勝利したが不完全燃焼に終わっていた。
1R、住村がオーソドックス、米田がサウスポーに構え、蹴り主体の攻防の後、米田が組み付いて押し込むが、住村は耐えて突き放す。終盤は住村が押し込んで終える。
2Rもスタンドの攻防が続き、米田が右フック、住村が左ジャブを時折当てるが、お互い手数が上がらず、攻めあぐねてしまう。
3R、住村がパンチを振るうと、米田は合わせてタックルを仕掛けて倒す。数十秒でスタンドで戻り、押し込んだ後ブレイク。だが再び金網際での差し合いが続き、またもブレイク。最後は住村が押し込んでから倒して終了。このラウンドは確実に住村が取ったか。ジャッジの採点も1Rと2Rの評価で割れた模様で、スプリットの判定で住村の勝利となったが、王者として米田との差をはっきり示すことはできなかった。
第4試合 DEEP JEWELS 49kg契約 5分3R
○伊澤星花(フリー/DEEP JEWELSストロー級王者)※高本道場から所属変更
×パク・シウ(韓国/KRAZY BEE)※TEAM MADから所属変更
判定3-0 (福田28-27/豊永29-26/和田29-26)
伊澤は6月のDEEP JEWELSで本野美樹に1R 腕十字で一本勝ちし、デビュー8カ月・3戦目で王座獲得を果たした超新星。
シウは同じ大会で行われたDEEP JEWELSアトム級GP準決勝で大島沙緒里に1R腕十字で一本負けしていた。シウは大島との初対決では勝っており、過去に富松恵美、青野ひかるにも勝利。昨年末からの日本滞在を継続し、練習拠点であるKRAZY BEEに今回から移籍している。
今回は伊澤が体重を落とし、シウが体重を上げて、49kg契約のため、RIZIN女子スーパーアトム級の今後を占う一戦にもなる。
1R、伊澤が開始すぐから圧をかけ、シウの右のローをすくって倒し、その後も押し込んで倒すが、シウも下からの蹴り上げ等で抵抗し、スタンドに戻し続け、中盤以降はテイクダウンを許さなくなる。シウはサウスポーに切り替えての左ミドルを当てるが、伊澤も右ストレート、左インローを返し、打撃でも渡り合おうとする。記者採点は主導権で伊澤。
2R、伊澤が組み付いて押し込み、テイクダウンを狙うが、シウは耐える。シウは山本美憂との練習で、組み技の対応力が大きく向上した感がある。突き放すと、猪木アリ状態になるが、立った状態からシウが出した蹴りが伊澤の顔に当たってしまい、一時中断する。シウには減点2が科される。後のなくなったシウは積極性を増し、左フックをヒット。パンチを振るうとテイクダウンを許し、伊澤が腕十字を狙おうと素早く動くが、シウは対処し、スタンドに戻す。終盤もシウが右のカーフキックを効かせ、打撃で印象を残す。記者採点はシウだが別に減点2もある。
3R、開始前に伊澤の右まぶたのドクターチェックが入るがすぐ再開。伊澤は片足タックルから押し込み続け、テイクダウンに成功する。だがシウも寝た状態からまたも蹴り上げを狙う等して対処。シウが立つとすぐしがみつき、残り1分で離れるが、終盤にもテイクダウンを奪い、最後は押し込んで終える。記者採点は伊澤。合計29-26で伊澤。伊澤は判定勝ちしたものの、追い詰めきれなかったこともあってか、勝ち名乗りを受ける前から涙を流した。
第3試合 ライト級 5分2R
×大木良太(KRAZY BEE)
○石塚雄馬(AACC)
判定0-3 (福田18-20/豊永○19-19/和田18-20)
1R、サウスポーの大木が前に出る石塚を右回りでかわし続ける構図。大木が左インロー、石塚が右ミドル、フックを時折当てるが、均衡は崩れない。石塚は大木の蹴り足をすくって倒そうとするが、大木は耐え続ける。2Rも同様の構図が続き、中盤、石塚が蹴り足をつかんで倒し、金網際でオンブになるが、その先には持ち込めない。最後はようやく両者足を止めてパンチを振るい合うが、決め手のないまま終了する。
大木のインローの的確さ、石塚のアグレッシブさで判定が割れたか?石塚が2票を獲得し、7月に大原樹里と暫定ライト級王座を争った大木に勝ったものの、ライト級王座戦に進むには課題の多い試合内容だった。
第2試合 フライ級 5分2R
×久保健太(グラップリングシュートボクサーズ)
○鶴屋 怜(パラエストラ柏)
1R 3’55” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
パラエストラ千葉ネットワーク・鶴屋浩代表の息子・怜がプロ4連勝を目指し、DEEPとパンクラスで4連勝中の久保と対戦した。
1R、鶴屋が開始すぐからサウスポーに構えてプレッシャーをかけ、左ストレートをヒット。タックルや腕を巻いてのテイクダウンを繰り返し、金網際でバックマウントを奪うと、最後は上から右のパウンドを当て続けてレフェリーストップ。完勝後は宙返りでアピールした。
第1試合 フェザー級 5分2R
×高橋辰也(和術慧舟會HEARTS)
○木下尚祐(和術慧舟會GODS)
判定0-3 (豊永19-19○/福田18-20/植松18-20)
1Rは終始スタンドの打撃戦。木下がサウスポーからの左ストレートで高橋をダウンさせる場面もあったが、高橋のパンチ等のヒット数がやや上で、終盤には木下が左まぶたから出血する。
2R、打撃戦の後、高橋がテイクダウンを奪ってもその先を許さず立つ。その後、高橋がパンチで詰める場面もあったが、木下が何度か押し込み終了。ジャッジは3者とも木下を支持した。