RISE FIGHT CLUB 2.16 新宿フェイス(レポ):RISE初のOFGマッチ大会。山口裕人、東修平に判定勝ち。木村“ケルベロス”颯太、山口侑馬に勝利しYA-MANに対戦要求
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RISE FIGHT CLUB(ライズ ファイト クラブ)
2022年2月16日(水)新宿フェイス
レポート&写真:井原芳徳
※全試合オープンフィンガーグローブ(OFG)着用のRISEルール戦
第6試合 65kg契約 3分3R
○山口裕人(道化倶楽部/WPMF世界スーパーライト級暫定王者、元WBCムエタイ日本&INNOVATION同級王者、元DEEP☆KICK -63kg&-65kg王者)※山口道場から所属変更
×東 修平(AACC)
判定3-0 (佐藤30-27/長瀬29-27/秋谷30-26)
山口兄弟の兄・裕人は昨年5月のRISE on ABEMAでのRISE初のOFGマッチで松本芳道にダウンを奪われ時間引き分けとなるも、9月の横浜・ぴあアリーナMM大会の2戦目では稲石竜弥から2度のダウンを奪い判定勝ちしている。今回のRISE初のOFGマッチオンリーの新シリーズ「RISE FIGHT CLUB」で、常連の裕人がメインイベンターに選ばれた。
OFGの立ち技マッチは、近年ではONE Championshipでのムエタイの強豪たちの試合の影響もあり、テクニカルで華麗な攻防のイメージが強まっている感がある。RISEは映画「ファイトクラブ」のような地下闘技場のイメージを大会に反映させたいようで、会場に流れる音楽、映像でもダークなイメージを強調する。試合中は毎ラウンド残り1分になるとBGMが場内に鳴る演出もあった。
なお、山口兄弟は今回から山口道場を離れ、道化倶楽部(ピエロクラブ)という新チームで出場する。東はMMA 14勝5敗3分で、バンデージだけをつけた拳で殴るラウェイでも9戦2勝1敗6分の実績がある。
1R、東はMMA式にパンチを振りながら前進し、右のローや飛び膝も絡めるスタイル。次第に近距離のパンチ主体の攻防となると、中盤過ぎ、近距離で東のガードが甘くなった隙に裕人が右ストレートを当ててダウンを奪う。その後も裕人が右フックで腰を落とさせスタンディングダウンを奪う。最後、打ち合いに応じた東の頭が当たり一時中断。その後も裕人がパンチで攻め込むが、東は偶然とはいえ反則があったことで休めたためもあってか時間いっぱい耐える。
2R、東は左右のミドルを随所でヒット。裕人もパンチ、ミドルを当てるが、東はひるまず、終盤には右フックで裕人を一瞬ぐらつかせ挽回する。
3Rも東がパンチを積極的に打つ展開。裕人もパンチを返し、一進一退に。両者時折声を出し、打ち合いを楽しんでいる様子だ。だがお互い精度は落ち、クリーンヒットにはつなげられず終える。判定の結果、1Rに3ポイント差をつけた裕人が勝利した。
裕人は「2R目から右手が動かなくなってめっちゃ痛いです。もっと打ち合いたかったんですけど。山口兄弟、もっと人気出ていいと思うねんけどなあ。東選手、気持ちが出てて楽しかったです。右手ましやったら、4月のRISEの大きい大会でオープンフィンガーあれば出たいです」とアピールした。
第5試合 66kg契約 3分3R
×相内 誠(K26)※フリーから所属表記変更
○安彦孝真(Executive Fight 武士道)
1R 1’51” KO (左膝蹴り)
相内は元プロ野球の投手で西武で21試合一軍登板したが勝利をあげられず、不祥事が続き20年に戦力外通告を受けた。昨年2月のRISE ELDORADOでのキックプロデビュー戦でDelgermuru拳信王に1R KO負けして以来のRISE登場。昨年11月には朝倉未来プロデュースの1分MMA大会「Breaking Down」でKO勝ちしている。現在27歳。
安彦は元プロサッカー選手でJ3リーグのY.S.C.C.横浜に19~20年に在籍し13試合に出場したことがある。昨年は小比類巻貴之プロデュースで富裕層や芸能人の出場するアマチュアキック大会「EXECUTIVE FIGHT武士道」で3勝し、44歳でプロ格闘家デビューする。セコンドには小比類巻氏がつく。
両者の実力や経験を考えれば、第1試合かセミプロ相当のカードだが、野球やサッカーが主力コンテンツの多くのスポーツ新聞が両者の経歴に注目して取材した反響もあってか、セミファイナルに抜擢された。
1R、お互いパンチ主体の攻防が続く中で、安彦が圧をかけ続けると、コーナーに詰めた状態で右フックでダウンを奪う。さらに安彦が組んだ状態から左膝蹴りをボディに当てると、うずくまってダウンした相内は立ち上がれず、安彦のKO勝ちとなった。この日は安彦とウェブ媒体での対談をきっかけに親交を持った乙武洋匡さんも観戦に訪れ、乙武さんも勝利を喜んだ。
第4試合 63kg契約 3分3R
×山口侑馬(道化倶楽部/元INNOVATIONライト級王者、元DEEP☆KICK -60kg王者)※山口道場から所属変更
○木村“ケルベロス”颯太(心将塾/DEEP☆KICK -65kg王者)
判定0-3 (佐藤28-29/長瀬28-29/和田28-30)
山口兄弟の弟・侑馬は昨年5月のOFGマッチでYA-MANから先制ダウンを奪うも逆転KO負けを喫している。対する木村は11戦7勝(2KO)3敗の21歳。昨年11月のDEEP☆KICKでの4人トーナメントを制しDEEP☆KICK -65kg王者になると「2022年には、RISEのオープンフィンガーマッチに参戦したい」「まず手始めに山口裕人さんと殴り合いたい」と話し、まずは侑馬との試合が用意された。
1R、侑馬が右のカーフキックで先手を取るが、長身の木村も右のカーフを返し、左ジャブを当て始めると主導権。左右のパンチで苦しめつつ、右のカーフで終盤にはフラつかせる。
2R、侑馬がパンチで先手を取れば、木村のパンチを返し、一進一退の展開。両者笑顔で打ち合い、場内がどよめく一幕も。その後も打ち合いが繰り広げられるが、木村が右のローを効かせると、侑馬は勢いが止まってしまう。
3R、後の無い侑馬が最初からパンチラッシュを仕掛けると、木村は2Rのように返せず防戦一方に。木村も随所で当て返し、侑馬も終盤は意識朦朧とした様子に。お互い力を出し切っての殴り合いに、終了後、場内は拍手に包まれる。判定の結果、2Rまでのポイントを取った木村が判定勝ち。木村はマイクを持つと「YA-MAN、無視ばっかりしやがって。4月、次どう?逃げんなよ」とアピールした。
第3試合 64kg契約 3分3R
△稲石竜弥(TEAM OJ/RISEライト級(63kg)8位、元Bigbang&MA日本ライト級王者)
△ユウト(TEAM-OSC/WARDOG CAGE FIGHTバンタム級(61.2kg)王者)
判定1-0 (長瀬29-28/和田29-29/豊永29-29)
ユウトはMMA 19戦12勝7敗、キック1戦1勝の選手。大阪のMMA大会・WARDOG(ワードッグ)のベルトを持つ。
1R、序盤こそユウトもパンチを当てていたが、中盤過ぎから稲石が左ミドル、インローを増やし、バックハンドブローや左フックも絡めてやや優位に。
2Rはお互い左ミドル主体の攻防。稲石の蹴り数が多いが、ユウトもひるまず随所で蹴り返す。
3R、ユウトも右ローやバックスピンキックを当てる場面もあるが、稲石が左ミドル、左フックを多く当て続け、主導権を維持し終了する。ジャッジは蹴り主体だった稲石をさほど評価せず、ドローに終わった。
第2試合 59kg契約 3分3R
×YU-YA(魁塾/元RKSライト級王者、元double clutchライト級王者)
○田上健太(フリー)
2R 1’21” TKO (レフェリーストップ:右フック)
田上はTHE OUTSIDERで朝倉海とも戦い敗れている32歳。1R開始すぐから打ち合いを仕掛け、左フックで2ダウンを奪う。お互いサウスポーで、YU-YAも打ち合いに応じるが、終始下がり続ける状態だ。2Rも田上が前に出続け、右フックでひるませたところで秋谷レフェリーがストップした。試合後のマイクで田上はYA-MANとの対戦を希望した。
第1試合 51.5kg契約 3分3R
○Novo(TARGET SHIBUYA)
×長舩☆ライオン(心将塾)
1R 1’37” KO (右ストレート)
1R、長身のNovoが開始すぐから距離を詰め、パンチを連打。途中「効いてんのかコラ」などと叫びつつ挑発し、ロープに詰めると、組んで右膝蹴りを胸元に当ててからの右ストレートでKOした。
RISEを主催するRISEクリエーションの伊藤隆代表は大会後の総括で「今日は戦いの原点を見た気がしました。MVPは安彦孝真です。中年の星で、多くの人が希望を持ったと思います。第2弾はO-EASTとかのクラブの規模で、3~4か月後ぐらいにやりたいですね」と話した。