Road to ONE 2.22 渋谷O-EAST:平田樹、1年ぶり試合で中村未来に圧勝も「こんなんじゃダメ」。葛西和希、有井渚海、中田大貴、山北渓人、風間敏臣が鮮烈TKO勝ち
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ONE Championship「CLASTY Presents Road to ONE:4th Young Guns」
2021年2月22日(月)東京・渋谷TSUTAYA O-EAST
レポート&写真:井原芳徳
ONE Championshipの日本法人による独自シリーズ「Road to ONE」は昨年9月以来4度目。今回は「日本格闘界、5年後の主役たち」をテーマに、コロナ禍で試合機会の減った若手に試合機会を与える大会となった。メインイベントにはABEMA「格闘代理戦争 3rdシーズン」優勝者でONE本戦でも活躍する21歳の平田樹が登場。大会キャッチコピーには、ABEMA格闘チャンネルの公式YouTubeで年始に公開されたインタビューで平田が口にした「ガキには、未来しかない。」のフレーズが使われた。
※BOUTREVIEWでは【「5年後の主役」を探せ】をテーマに、出場選手5名とABEMAのONE中継解説者・大沢ケンジ氏のインタビュー記事(PR)を掲載しました。(1) 田上こゆる (2) 葛西和希&前田浩平 (3) 中田大貴&風間敏臣 (4) 大沢ケンジ
第9試合 メインイベント MMA 女子アトム級 5分3R
○平田 樹(フリー)※K-Clannから所属変更
×中村未来(マルスジム/修斗女子スーパーアトム級(50kg)6位)
2R 2’34” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
平田は昨年2月のジャカルタ大会で、アトム級のリミットをオーバーしたものの、ナイリン・クロウリーに3R TKO勝ちして以来、1年ぶりの試合。ONE本戦3連勝中で、MMAデビュー時から在籍したK-Clannを昨年末に離れてフリーになっての初戦だ。セコンドにはHEARTSの大沢ケンジ代表がつく。ONE本体では、女子アトム級GP開催がプランされており、平田は大会前の会見で「女子アトム級GPで優勝する目標があるので、勝ち続けます」とコメントしていた。
今回の相手・中村は北海道在住の28歳。プロ修斗を主戦場とし修斗2勝2敗で、12月20日の修斗大阪大会で古澤みゆきに判定負けしている。
1R、平田が金網に押し込むが、中村は離れると、中村がサウスポーからの左ミドル、右ローを当てる。中盤、平田が押し込んで倒すと、サイドで押さえてからがぶり、頭に膝を当てる。その後すぐ立たれるが、平田はテイクダウンを重ね、金網際で押さえてパウンドと肘を当て好印象を残す。
2R、平田が左ジャブを当てると、中村は突っ込んできたが、平田は胴タックルですぐ倒す。中村は立つが、平田は押し込み続ける。すると首投げで上になると、すぐさま袈裟固めで押さえ、腕を両足で挟んで極めつつパウンドを連打。中村は身動きが取れずパウンドをもらい続け、最後はレフェリーがストップした。
完勝の平田だが、試合後は不満げな表情で、マイクを持つと「GPがあるのに、こんな試合していたらいけない。もっと上行きたいのにこんなんじゃダメなんで、もっと練習して強くなります。メインで女子の試合をやってくれたので、女でも世界で戦えるよう頑張ります」と話した。
第8試合 ライト級 5分3R
×長田拓也(BLOWS/修斗世界4位)
○葛西和希(マッハ道場/パンクラス9位)
3R 2’50” TKO (コーナーストップ:グラウンドパンチ)
葛西と第2試合の前田浩平はABEMA「格闘代理戦争 2nd Season」に出演したが、初戦で敗退。番組終了後、葛西はパンクラスでプロデビューし、4勝1敗で昨年ランク入りしている。
1R、長田が押し込んで倒そうとすると、葛西は一瞬金網をつかんでしまう。離れると、長田が右のカーフキック主体で打撃戦でも優位に立つ。葛西も一度組んで倒すが、すぐ長田は立ち、終盤にはテイクダウンを奪い返す。長田はマウント、バックを狙い主導権。最後、葛西が上になるが、反撃に持ち込めない。
2R、葛西は声を上げながら圧力をかけて左ミドルを多用し、左ハイ、右のロー、カーフもお返し。だが中盤から長田が右のカーフを返し挽回する。葛西もある程度カットできているが、自分の攻撃が減ってしまう。
それでも3R、葛西はしぶとく前に出続け、長田は回る展開。お互い攻めあぐねるが、緊張感は途切れず、消耗戦にもなってくる。長田も随所でカーフを当てるが、力は入りきらず。すると葛西が左ジャブを当て、圧をかけ続けていると、マッハ仕込みの首相撲で頭を下げさせてからの右膝蹴りをクリーンヒット。葛西がパンチラッシュをかけ、長田は背中を半分向けて後退する。
最後は葛西が倒してがぶって制し、パウンドで攻めかけたところで、長田のダメージが大きいと判断したセコンドの中蔵隆志代表がバトンを投入し試合をストップ。葛西がABEMA里帰りマッチできっちりフィニッシュし、番組から3年間の成長を印象付けた。
第7試合 フライ級 5分3R
○小川 徹(TRIBE TOKYO M.M.A/パンクラス2位)
×山中憲次(FREEDOM@OZ/パンクラス11位、ネオブラッドトーナメント2020同級優勝)
判定3-0 (太田=小川/山崎=小川/出口=小川)
1R、サウスポーの小川に中盤、オーソドックスの山中の右フックが炸裂し、小川がダウンする。その後は金網に押し込み合う展開で、小川は回復する。
2R、山中が右ハイを当てるが、小川は蹴り足をつかんで倒し、金網際で押さえて、パウンドと膝を随所で当てて反撃する。山中も時折離れるが、小川はしつこくテイクダウンを繰り返し、最後もサッカーボールキック、左ハイで好印象を残す。
3R、スタンドの打撃戦が続くと、山中は少し疲れが見え始め、小川が左ストレートを当ててやや優位に。終盤、小川が押し込むと、山中はギロチンで引き込むが、小川は対処して上から押さえ続ける。最後は立つが小川がパンチで攻め終了。ジャッジは2R以降反撃した小川を支持し、パンクラスでの上位ランカーとしての威厳を保った。
第6試合 キックボクシング(肘無し・組むと早めのブレイク) 54kg契約 3分3R
○有井渚海(及川道場)
×平松 侑(岡山ジム/INNOVATIONバンタム級王者)
2R 2’25” TKO (3ダウン:右バックハンドブロー)
今大会唯一の立ち技マッチ。有井はRoad to ONEにレギュラー参戦している選手。ABEMAの恋愛バラエティの出演でも知られる。平松は1月17日のINNOVATION岡山大会で白幡裕星に判定勝ちしINNOVATIONバンタム級王者になったばかりだ。
1Rは蹴り主体の攻防。平松はサウスポーからの左ミドル主体で、有井は右ローを返し、蹴り足をすくう場面も多い。終盤、パンチの比重が上がり、最後、平松が左インローの連打から左フックを当てるが、すぐゴングが鳴る。流れは少し平松に傾くがまだ差は小さい。
すると2R、有井が序盤から圧力をかけて手数を上げると、クリンチが繰り返されるが、ペースをつかみ、左ボディを効かせ、左ストレートも当ててから左膝蹴りでダウンを奪う。有井はさらに右テンカオでダウンを奪うと、最後はパンチの連打で金網に詰めてから、右ハイキックを空振りさせてからの右バックハンドブローで豪快にKOした。
第5試合 フライ級 5分3R
○吉野 光(フリー)
×野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
判定2-1 (太田=吉野/山崎=吉野/出口=野瀬)
1R、吉野が柔道仕込みの投げや野瀬の蹴り足をつかんで倒すなどして、テイクダウンを繰り返し、サイドを奪う場面も。野瀬もギロチンや腕十字で対抗するが吉野は対処する。
2Rも吉野がテイクダウンを繰り返し、3分半過ぎにはバックを奪いキープする。最後、野瀬もギロチンを狙いながらリバースしパウンドを落とすが、すぐ時間切れに。
3R、野瀬が右ストレート、左フックを立て続けに当て追い詰める。中盤過ぎにはダウン寸前まで追い詰め、倒してバックへ。吉野は上になろうと体をひねるが、野瀬はギリギリで正対させず、肘と鉄槌を当て続けてストップ寸前まで追い詰める。記者採点は野瀬。ジャッジの難しい試合のため採点は割れたが、野瀬が2票を獲得し勝利した。
第4試合 フェザー級 5分3R
×岩本達彦(BLOWS/パンクラス15位、パンクラス・ネオブラッドトーナメント2020同級優勝)
○中田大貴(和術慧舟會HEARTS)
1R 3’33” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
1R、パンチが序盤から交錯すると、空道出身の中田の左フックが炸裂し岩本がダウン。中田は上になるが、間もなくスタンドに戻る。中田は右ロー、岩本は長身を活かした左右のフックと膝蹴りを放つ攻防。一旦金網際で組み付く状況が続くが、離れるとすぐ、中田の右ストレートが炸裂。岩本がダウンすると、すぐさまレフェリーがストップした。
第3試合 ストロー級 5分3R
×安芸柊斗(MMA Zジム/修斗世界8位)
○山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We/パンクラス8位、ネオブラッドトーナメント2020同級優勝)
2R 2’21” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、打撃狙いの安芸に山北が組み付き寝技狙いの構図。山北が2度テイクダウンを奪うが、その先の攻めには持ち込めず、安芸もまだ打撃のヒットは乏しい。
2Rも山北が組み狙いの展開で、テイクダウンを奪った後、安芸が立とうとする。だが山北はがぶって押さえると、ルールで認められる頭への膝蹴りを連打する。肩や腕に当たる膝も多いが、じわじわダメージを与えることに成功。最後は亀になって防戦一方の安芸に、パウンドを連打したところでレフェリーがストップした。
第2試合 バンタム級 5分3R
×前田浩平(GRABAKA)
○風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)
1R 3’04” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、風間が開始すぐから組み付いて金網に押し込み、バックを伺い、テイクダウンを奪うとそのままバックマウントをキープする。風間は裸絞めを狙いつつ、前田がひねって正対しようとしたところでツイスターを仕掛け、捕獲したままパウンドを当て続けレフェリーストップ。風間の完勝に終った。
第1試合 ストロー級 5分3R
○田上こゆる(BLOWS/修斗世界7位)
×リトル(GUTSMAN)
判定3-0 (太田=田上/山崎=田上/出口=田上)
プロ修斗4戦全勝の期待の19歳・田上が第1試合から登場。1R、田上がプレッシャーをかけ続け、右ローを随所でヒット。リトルは組み付き、下から足関や腕十字を狙うが、田上は脱出し、スタンドで主導権を維持する。
2R、田上が右ローを効かせ、リトルは足を引きずるようになり、厳しい状況となる。だが中盤、田上がバックハンドブローを空振りしてしまうと、リトルが組み付いて潜り込み、足関で田上を追い詰める。田上は間一髪で逃れるが、最後まで足をつかまれた状態で終える。ニアフィニッシュで田上が好印象を作る。
3R、リトルは足を引きずり、田上の圧力に押され、防戦一方に。田上もなかなか詰められないが、リトルのタックルを切り続け、膝蹴りをボディに当てて効かせ、終盤には裸絞めでもフィニッシュに近づき好印象を残す。ジャッジは3者とも田上を支持し、手こずりながらもプロ連勝を5に伸ばした。
なお、大会の冠スポンサーのCLASTYが提供する「Next Young Guns Award」の賞金10万円が、有井、吉野、中村に授与された。安蒜貴紀CLASTY代表が2名、中継解説の青木真也が1名を選ぶ賞で、青木は中村を選んだ。中村は「勝ってここに立ちたかったですけど、こういった賞をいただけて光栄です」とコメントした。