ONE Championship 2.7 ジャカルタ:松嶋こよみ、韓国の剛腕を粉砕。内藤大樹、打倒ムエタイへの難関突破しONE 3連勝。平田樹も勝利
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
ONE Championship「ONE: WARRIOR’S CODE」
2020年2月7日(金) インドネシア・ジャカルタ:イストラ・セナヤン
レポート:井原芳徳 Photos by ONE Championship 中継:AbemaTV 格闘チャンネル
第3試合 ムエタイ フライ級(61.2kg) 3分3R
×サバス・マイケル[Savvas Michael](キプロス)
○内藤大樹(BELLWOOD FIGHT TEAM/元シュートボクシング日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
判定0-3
内藤は10月のONE初戦から、12月、2月と、比較的ハイペースで参戦。12月6日のマレーシア・クアラルンプール大会ではルイ・ボテーリョを得意の蹴り技で攻略し判定勝ちし2連勝とした。
今回の相手・サバスは地中海の島国・キプロス出身でタイのペッティンディーアカデミーに所属する20歳。WMCとWBCムエタイの世界タイトル獲得実績がある。ルンピニー、ラジャダムナンにも上がりつつ、昨年からONEに参戦し、5月の初戦ではシントンノーイに判定勝ちし、高いスキルを印象付けた。8月のルーシラーとの2戦目は2Rに投げられた際に左腕を負傷しTKO負けしているが、強敵であることは間違いない。内藤は記者会見で「フライ級のムエタイで『内藤、勝てるのか?』とONEに試されていると思う」と今回の試合を位置づけ、しっかり結果を出すことに。
試合場はリングで、両者オープンフィンガーグローブを着用する。1R、サバスは長い手足を活かし、伸びのあるパンチと蹴りを積極的に出す。内藤は距離を取って左右のロー、前蹴りを返すが、ヒット数で差を付けられる。サバスの右のテンカオ、右の前蹴りで吹き飛ばされる場面もあり、印象が悪い。
2Rもサバスが多様なフェイントを駆使しながらパンチを蹴りを出し、主導権を握る。だが内藤はしっかり見えている様子で、ギリギリのところでかわし続け、クリーンヒットを免れる。すると中盤、内藤はサバスの右ストレートに、カウンターで右ストレートを合わせてアゴにクリーンヒットしダウンを奪う。サバスはダメージ自体はさほど大きくなく、立ち上がると圧力を強めるが、内藤は回ってかわし、右のカーフキックを随所で、サバスの足を止める。
Taiki "Silent Sniper" Naito takes out Savvas Michael via unanimous decision! @taikick0113 #WeAreONE #ONEChampionship #WarriorsCode pic.twitter.com/EdPJdpgrPK
— ONE Championship (@ONEChampionship) February 7, 2020
3Rもサバスは逆転を狙って前に詰めて来るが、右ストレートの入り際を内藤は見計らい、で頭を右に振ってかわしながら右フックをクリーンヒットし、再びダウンを奪うことに成功する。サバスはそれでも立ち上がると前に出て来るが、カーフキックのダメージも影響してか、スピードと踏ん張りが落ち、左テンカオで自らスリップする場面も。終盤、サバスの右肘、左フックを内藤は少しもらうが、クリーンヒットは免れ、右カーフ、左インローを随所で当て、最後は下がらせて試合終了。戦前、内藤は「カーフキックをガンガン蹴って、最後は重い一発を当ててフィニッシュしたい」と話していたが、ほぼそのプラン通り遂行して、文句無しの判定勝ちを果たした。
勝利者インタビューで内藤は「右のパンチはチームのみんなと練習していて、自信を持っていたので、チームとつかんだ勝利だと思います」と試合を振り返り、今後の目標を聞かれると「ONEスーパーシリーズ(立ち技部門)に来た目標は一つしかないです。チャンピオンベルトが欲しいです」とアピールした。タイミング次第ではロッタンの王座挑戦も十分ありうるだろう。
第7試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
×キム・ジェウン[Kim Jae Woong](韓国)
○松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)
3R 0’24” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
松嶋は修斗、パンクラスでの活躍を経て、18年9月からONEに参戦し2連勝すると、昨年8月のフィリピン・マニラ大会でマーチン・ニューイェンの持つMMAフェザー級王座に挑戦したが、2R TKO負けした。
王座再挑戦に向けての再起戦の相手はキム・ジェウン。MMA 10勝2敗、4連勝中の26歳。韓国のTOP FCのフェザー級王座を獲得し、昨年11月にONEに初参戦すると、ハファエル・ヌネスに3R、左ボディを効かせてからの膝蹴りの連打でKO勝ちしている危険な相手だ。
大会前の記者会見で、松嶋は「相手は打撃の思いっきりのいい選手ですけど、僕の対策をしてきていると思うので、その中で僕の打撃を当てて、殴り倒すぐらいの気持ちで戦いたいです」「打撃でも一つ一つキレのある打撃を出す練習してきました」と話していたが、その通りのファイトで勝利をつかむことに。
試合場はリング。1R、松嶋は序盤から組み付きテイクダウンを奪う。ジェウンは動いて、松嶋はがぶりの状態で押さえる。ジェウンはスタンドに戻し、右の飛び膝を放つが、松嶋は蹴り足をつかんで片足タックルで倒し、コーナーに押さえ込む。ジェウンは時折ロープをつかみつつスタンドに戻す。松嶋が再び組み付いて倒そうとすると、またもジェウンはロープをつかむが、松嶋は肩で抱えて、リング中央まで運んでから豪快に倒し、場内を沸かせる。終盤はスタンドに戻り、松嶋はスイッチを繰り返しつつジェウンをかく乱し、右フックや左インローを的確に当てる。
2R、松嶋は左インロー、右フックを当て、ジェウンの飛び膝に再び合わせて組み付き、またも倒す。ジェウンは1分ほどでスタンドに戻すと、左ストレートを立て続けに当てて挽回する。松嶋は鼻血を出し、少し疲れて来た様子たが、中盤、右フックを首元に当て、ジェウンをダウンさせて反撃する。松嶋はすぐ上になるが、その先の攻めは無く、終盤にスタンドに戻る。松嶋はテイクダウンを狙うが切られ続け、ジェウンががぶって膝を当てる場面もあり、まだわからないムードだった。
しかし3R、ジェウンが前に出て来ると、松嶋は2R同様に右フックを当ててひるませる。松嶋はこのチャンスを逃さず、前に出てパンチを畳みかけてダウンさせ、コーナー際で押さえて鉄槌を連打。ジェウンは動けなくなり、レフェリーストップ。松嶋が見事なTKO勝ちで王座再挑戦に向け好スタートを切った。
Koyomi Matsushima SWARMS Kim Jae Woong with a devastating ground-and-pound finish!@TUF108 #WeAreONE #ONEChampionship #WarriorsCode pic.twitter.com/yR0iLUaXGY
— ONE Championship (@ONEChampionship) February 7, 2020
第6試合 MMA 女子53.4kg契約 5分3R
×ナイリン・クロウリー[Nyrene Crowley](ニュージーランド)
○平田 樹(K-Clann)
3R 3’27” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
平田は10月の両国国技館大会でリカ・イシゲに一本勝ちし、ONE 2連勝として以来の試合。今回の相手、クロウリーはMMA戦績3勝2敗でONE Warrior Seriesで2勝2敗、本戦には初登場だ。
なお、平田は計量でアトム級の52.2kgのリミットを1.2kgオーバーし、53.4kg契約に変更となっている。ONEでは15年12月に減量中の選手が死亡する事件が発生して以降、水抜き等による急激な減量を規制するルールが設けられ、通常の大会よりも1階級分重い階級設定になっており(アトム級は通常47.6kg)、尿比重(尿中の水分と、水分以外の物質の割合)の検査も設けている。平田は減量に苦しみ、前々日と前日の計量で体重は落とせたものの、尿比重検査で基準値の1.0250を超えた。当日朝の検査でも超えたため、最後は水を飲んで1.0018となり検査をクリアしたが、契約体重も飲んだ水の分増えることにクロウリーが了承した形だ。今大会では松嶋こよみも前々日の尿比重検査で基準値を超え、前日と当日はクリアし試合ができたが、他の1試合で当日に尿比重と体重が大幅に超過した選手がおり、その試合は中止となっている。
1R、細かくフェイントをかけるクロウリーに対し、平田は圧力をかける。1分過ぎ、平田が組み付くが、クロウリーは突き放す。中盤、クロウリーが左フックを当てるが、平田はすぐ組み付いて、首投げで倒すことに成功する。クロウリーは背中をつけず、平田のバックを取ろうと動くが、平田は振りほどき、再び首投げで倒す。平田は袈裟固めで押さえるが、これもクロウリーが体をひねって脱出してスタンドに戻す。
クロウリーはここまで平田のテイクダウンに対処を続けていたが、終盤、平田は三度倒すと、すぐにマウントを奪い、ハーフガードに戻ってからもパウンドを連打し好印象を残す。
すると2Rは平田が攻め続ける展開に。序盤こそクロウリーが右フックを当てるが、すぐ平田は組み付き、小手投げで倒して上になる。コーナー際の動きにくい場所だが、平田は横三角絞めを仕掛け、2分近くその状態をキープする。クロウリーは完璧には極めさせず、ようやく脱出してスタンドに戻したが、消耗が激しい。平田はすぐに組んで膝を連打してから、再び倒して袈裟固めへ。両足でクロウリーの右腕を挟んでアームロックを仕掛けつつ、パウンドを当て続け、クロウリーを圧倒する。ラウンド終了のゴングが鳴ると、平田はスタンプ・フェアテックスのようなダンスを踊って、観客を煽る。
3R、平田は30秒ほどでタックルを仕掛け、テイクダウンに成功すると、すぐサイドを奪う。平田は逆サイドに回りながらアームロックを狙う。クロウリーは立つが、平田はがぶった状態から頭に膝を連打し、再び倒してすぐにマウントを奪う。平田はサイドに戻りつつ、クロウリーを動かしてからバックを奪う。最後はバックマウントになると、パウンドを連打したところでレフェリーがストップした。
Itsuki Hirata remains UNDEFEATED with a third-round TKO of ultra-tough Nyrene Crowley! @_itsuki_h_ #WeAreONE #ONEChampionship #WarriorsCode pic.twitter.com/ChjttD73LU
— ONE Championship (@ONEChampionship) February 7, 2020
これでONE 3連勝の平田は「まずは体重が落ちなくて、対戦してくれた対戦相手に感謝を伝えたいです。グラウンドで極めようと思ったんですけど、(クロウリーは)グラウンドもできるんで手こずりました」と勝利者インタビューで話した。
第11試合 メインイベント ONEムエタイ・フェザー級王座決定戦 3分5R
○ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー
×ポンシリ・PK センチャイムエタイジム
判定3-0
※ペットモラコットが王者に
第10試合 コー・メインイベント MMA ミドル級 5分3R
×レアンドロ・アタイデス[Leandro Ataides]
○ライニアー・デ・リダー[Reiner de Ridder]
判定0-3
第9試合 MMA ライト級 5分3R
○ユーリ・ラピクス[Iuri Lapicus]
×マラット・ガフロフ
1R 1’07” 裸絞め