ONE Championship 6.15 上海:松嶋こよみ、ONE 2連勝。19歳・平田樹は1Rで快勝。43歳・秋山成勲は激闘も判定負け
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ONE Championship「ONE: LEGENDARY QUEST」
2019年6月15日(土) 中国・上海・宝山(バオシャン)アリーナ
レポート:井原芳徳 Photos By ONE Championship
第13試合 コー・メインイベント ウェルター級(83.9kg) 5分3R
×秋山成勲(チームクラウド)
○アギラン・ターニ[Agilan Thani](マレーシア)
判定0-3
秋山は現在43歳で、15年11月のUFCのONEでのアルベルト・ミナ戦以来、3年半ぶりの試合となる。ONE初戦の相手・ターニはMMA 8勝3敗の23歳。柔術をベースとし、プロMMAでの11試合は全てONEでのもの。6連勝の後、17年5月に当時ONEウェルター級王者のベン・アスクレンに挑戦し、1R肩固めで敗れている。その後2連勝したが、最近2試合は現同級王者のゼバスチャン・カデスタム、5月に岡見勇信をKOしたキャムラン・アバソフに敗れている。秋山はインタビューで、年齢・ブランクへの不安を口にし、試合では激闘を繰り広げるも、若いターニのパワフルなファイトに苦戦する。
\ 秋山 ONE初陣白星ならず/
< 第13試合 >
43歳レジェンド秋山成勲、
若きマレーシアの戦士アギラン・ターニ と死闘
全身全霊の真っ向勝負をするも悔しい判定負け!@akiyamayoshihir #WeAreONE #上海 #武術 pic.twitter.com/FhpHW2eXl7— ONECHAMPJP (@ONECHAMPJP) 2019年6月15日
試合場はリング。1R、ターニが開始すぐに組みに来るが、秋山は腰投げを決め、場内を沸かせる。ターニはすぐ立ち、パンチ、タックルを繰り返し、主導権を維持する。秋山は背中をつけないが防戦一方だ。3分半過ぎ、ターニの左膝がローブローとなり、秋山に5分の回復時間が設けられる。再開後、ターニも体力回復しており、左ストレート、左ミドル等を当て続け、最後は豪快に秋山を抱えて倒し、差をしっかり印象づける。
2Rもターニが左右のパンチ、左ミドル、テイクダウンで攻める展開が続く。中盤、ターニは攻め疲れると次第に後退しはじめ、秋山がパンチ、右ミドルを当てるが、カウンターを警戒してか深入りができない。
3R、両者疲れは見えるが、体力の残量は同じぐらいという印象。パンチを当て合い、なかなかお互い引かない。秋山は打たれ強さを発揮するが、とはいえターニのほうがヒット数では上。終盤、ターニが左のヒットを増やし、最後はタックルで倒して上になる。記者採点はターニ。ジャッジ3者もターニも支持し、秋山のONE初戦は黒星に終わった。
第10試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
○松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)
×クォン・ウォンイル(韓国)
判定3-0
松嶋 ONE2連勝
< 第10試合 >
松嶋こよみの豪快なテイクダウンで
神速ストライカー クォン・ウォンイルの打撃を完封し
見事 判定勝利!フェザー級トップ戦線に存在感を示した@TUF108 #WeAreONE #上海 #武術 pic.twitter.com/49YRy2Jthl— ONECHAMPJP (@ONECHAMPJP) 2019年6月15日
松嶋は現在26歳。幼少期に極真空手を習い、レスリングの特待生として東洋大学に入学したが、3年で中退し、MMAに転向。15年に修斗新人王を獲得し、16年から参戦したパンクラスではタイトル戦線で活躍した。17年夏から北岡悟率いるパンクラスイズム横浜に在籍。昨年9月にONEに初参戦。元ONEフェザー級王者のマラット・ガフロフとの試合に抜擢され、1Rからやや劣勢のムードも漂ったが、右フックでTKO勝ちし、大きなインパクトを残した。その試合で痛めた拳の手術と療養を経て待望の戦線復帰を果たす。
今回の相手・ウォンイルはMMA 7勝1敗。14年のDEEPで宮川博孝に1R KO勝ちし、今年からONEに参戦。2月の2戦目では今成正和に53秒ヒールホールドで秒殺負けしているが、初戦のアンソニー・エンゲレン戦と3戦目のエリック・ケリー戦は1R KO勝ちしており、松嶋もインタビューで「そこ(打撃戦)に上手く当てはめられると僕もやられてしまうと思うので、いかにそこで戦わないかが勝負になる」と警戒していた。
1R、開始すぐから松嶋はタックル、テイクダウンを繰り返す。パワーで勝るウォンイルはすぐ立ち続け、鉄槌、右ストレート、飛び膝を随所で当てるが、松嶋はひるまず前に出続ける。
2Rも序盤から松嶋が倒し、ウォンイルが立とうとするが、コーナー際で捕まえ続け、なかなか離さない。中盤にようやく離れると、再び松嶋はタックルで倒す。ウォンイルはカウンターで変形のギロチンを仕掛けるが、極まりは浅く、松嶋は外すと、最後まで2分近くトップコントロールを続ける。
3Rも松嶋がタックルで倒し、コントロールを続ける。松嶋はなかなかウォンイルの背中をつけさせることができず、パウンドも当てられないが、ウォンイルが防戦一方なのは確かだ。ウォンイルはロープの外に逃げようとする場面もあり、上海の観客からは不満の声が飛び始め、松嶋が豪快に抱えてグラウンドに戻せば、拍手が起こる。結局そのまま最後まで松嶋が主導権を維持し終了。記者採点は松嶋。ジャッジ3者も同様で、松嶋がレスリング力の差を発揮しONE 2連勝とした。
第2試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
○平田 樹(K-Clann)
×アンジェリー・サバナル[Angelie Sabanal](フィリピン)
1R 2’19” アームロック
昨年末、新旧トップ選手が未来のエースの原石を発掘し争わせるAbemaTV「格闘代理戦争」の3rdシーズン・女子MMA編で、韓国のパク・ボヒョン、シュートボクシング日本王者・MIO、DEEP JEWELSでプロ経験のある古瀬美月に一本勝ちし、ONE Championshipとのプロ契約(契約金1000万円)と賞金300万円を獲得した19歳の新鋭・平田樹[いつき]。小学1年生から柔道を習い、高校時代には全国大会に出場したほどの高い格闘センスの持ち主で、昨年春の高校卒業後に元DEEP 2階級王者・横田一則のジム・K-Clannの門を叩き、MMAを初めてわずか1年で海外デビューを果たした。インタビューは浅倉カンナとの練習など、この半年での充実したトレーニングについて語っていた。
\平田 一本勝ちONE鮮烈デビュー/
< プレリム第2試合 >
AbemaTV 人気番組 "格闘代理戦争"から飛び出した超新星 平田樹がONEデビュー戦で見事 一本勝利!
1R2分19秒 V1アームロックでアンジェリー・サバナルを下した@_itsuki_h_ #WeAreONE #上海 #武術 pic.twitter.com/YP1CPhouoL— ONECHAMPJP (@ONECHAMPJP) 2019年6月15日
初戦の相手、サバナルはムエタイをベースとする選手。体格は平田が上だ。1R、サバナルはサウスポーに構え、ジャブを突いて距離を取る。平田は慎重だったが、中盤、じわじわ圧力を強め、右フックを振りながら組み付いてすぐ押し倒す。すぐにパスガードし、袈裟固めで押さえてから、鉄槌を連打すると、力いっぱいアームロックを極めてタップを奪い、無傷でONE初戦をクリアした。
第14試合 メインイベント ONEムエタイ・アトム級チャンピオンシップ 3分5R
○スタンプ・フェアテックス(タイ/王者)
×アルマ・ユニク[Alma Juniku](オーストラリア/挑戦者)
判定3-0
※スタンプが防衛
第7試合 ムエタイ(オープンフィンガーグローブ着用) バンタム級(65.8kg) 3分3FR
○ロートレック・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
×リアム・ハリソン(英国)
判定3-0
第3試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
○ユン・チャンミン(韓国)
×Trestle Tan(フィリピン)
1R 4’05” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)