クンクメール 11.15 カンボジア(レポ):重森陽太が判定勝ち。下地奏人が1R KO勝ち。古村匡平・新田宗一朗・篠原賢が敗れKNOCK OUT勢は負け越し
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Kun Khmer x KNOCK OUT
2024年11月15日(金/現地時間)カンボジア・プノンペン
レポート:井原芳徳
クンクメールは隣国タイのムエタイに似たルールの競技で、昨年から日本の大会に積極的に選手を送り込み、KNOCK OUTからも多数の選手がカンボジアに渡って現地の選手と試合をしている。8月のKNOCK OUT後楽園大会ではKNOCK OUTとクンクメールの3対3の対抗戦が行われ、クンクメール勢が2勝1敗で勝ち越していた。
カンボジアは11月9日が独立記念日で、14日から16日は雨季明けを祝う水祭りという大規模な祭りが首都のプノンペン等で行われる。今回その期間にプノンペンの屋外の広場で行われる大会に、KNOCK OUT側が主力の重森ら5選手を送り込み、クンクメール勢との対抗戦を行った。試合はクンクメールのパワフルな攻めが目立ち、KNOCK OUT勢は2勝3敗の負け越しに終わった。観戦は無料とはいえ、KNOCK OUTからの情報によると約3万人の観衆がいたという。大会の模様はカンボジアのテレビ局のYoutubeにて生中継された。
メインイベント 62kg契約 3分3R
×Chan Rothana(カンボジア)
○重森陽太(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDライト級(62.5kg)王者、元WKBA世界同級王者、元新日本フェザー級&バンタム級王者)
判定
重森はムエタイの聖地・ラジャダムナンスタジアムの王座挑戦経験もある実力者。6月のKNOCK OUT代々木大会ではBOM王者レンタ・ウォーワンチャイに判定勝ち。9月のルンピニースタジアムでのONE Friday Fightsでは韓国のシン・ドンヒョンを2R右ストレートで一撃KO。10月12日のKNOCK OUT後楽園大会ではマルコス・リオスに延長判定勝ちし、3カ月連続での試合となる。
対抗戦はこの時点でKNOCK OUT側が1勝3敗で負け越しが確定していたが、大将の重森は一矢報いることに。1R、お互い慎重に見合う状態が続き、蹴りを出し合うが攻撃が少ない。終盤、Chanが圧力を強めるが、長身で懐の深い重森の中に入れず、重森は回って距離を取り続ける。インターバルはタイのムエタイ同様2分。放送の間に冠スポンサーのビールブランドのGANZBERG等の飲料のコマーシャルが何本も入るせいもあってか、3分近くまでインターバルが伸びる試合もあった。
2RもChanが前に出て、重森が回って距離を取る構図が続く。Chanはバックハンドブロー等の技を絡めるが、重森はかわして自分の膝やミドルやローやジャブを的確に当てる、崩しも絡める。重森は攻撃の後に手を上げてアピールし、ジャッジや観客に印象付けようとする。
3R、メインイベンターとして負けられないChanは必死に前に出てパンチを振う。クリーンヒットは乏しいが、パンチを振う都度に場内は歓声に包まれる。重森はかわして、これまで同様に自分の蹴りやパンチを当て続け、組めば膝の連打から崩しを決め、主導権を維持する。現地のカンボジア人のジャッジも重森の攻守の高いスキルを評価し、重森が判定勝ち。対抗戦の成績を2勝3敗とした。
63.5kg契約 3分3R
○Meun Mekhea(カンボジア)
×古村匡平[きょうへい](FURUMURA-GYM/大和ムエタイ・スーパーライト級王者)
判定
古村兄弟の兄・匡平は5月のオーストラリアでのISKAムエタイ世界ライトウェルター級(65kg)王座決定戦でアルフィー・スミスに判定負け。9月のKNOCK OUT福岡大会ではタイ人のムァンコーンを1R KOした。
1R、距離を取りお互いフェイントをかけ合い攻撃が少ない状態が続く。中盤、Meunが右ローを当ててから、左前蹴りで古村をスリップさせる。終盤、Meunが圧を強め、右ロー、左ミドルの蹴り数を増やし、やや優位で終える。
2R、Meunが圧を強め、蹴り数を上げ、組めば膝、肘を当て、崩しも決め、はっきり差を印象付ける。古村が前に出れば、Meunは左前蹴りや右ミドルで突き放す。
3R、Meunは圧力が落ち、やや逃げ切りモードに移り、前に出る古村に前蹴りを当て、組んで膝を当て、反撃を封じる。そのまま流して終わるかと思われたが、終了間際、前に出た古村に対し、Meunが右のバック肘を放つと、Meunの頭が古村のアゴに当たり、古村は倒れる。大歓声にも惑わされたか?カンボジア人のレフェリーはダウンを宣告する。残り10秒を切っていたため、そのまま終了する。Meunの判定勝ちとなったが、ダウンが無かったとしても、勝敗は変わらなかっただろう。
60kg契約 3分3R
○チョット・サレイヴァントン[Chhut Sereyvanthong](カンボジア)
×新田[あらた]宗一朗(クロスポイント吉祥寺/INNOVATIONスーパーフェザー級王者)
3R 1’41” TKO (右膝蹴り)
新田は4月のカンボジアのクンクメールの大会で1R KO勝ち。5月と8月のONE Friday Fightsでは黒星を喫している。今回は8月のKNOCK OUTで久井大夢の胴廻し回転蹴りの餌食となったチョット・サレイヴァントンと対戦する。
1R、チョットがプレッシャーをかけ続け、右ストレート、ローを随所で当てる。新田は回って距離を取る状況が続く。すると終盤、チョットが新田の右フックのカウンターで右フックを当ててダウンを奪う。
2Rもチョットが前に出続け右フックを振う。新田はチョットの気迫に押されている様子で、中盤にはチョットが左ミドルを当てると、新田はまたもダウンしてしまう。チョットは首相撲で捕まえて膝を当て、最後も左テンカオを当てて新田を追い詰める。
3Rもチョットの攻勢が続き、右ミドルでダウンを奪う。チョットはその後も左ミドル主体で攻め続け、最後は首相撲から左右の膝蹴りを連打し、累計4度目のダウンを奪ったところで、レフェリーがストップした。
63kg契約 3分3R
×Thy Varith(カンボジア)
○下地奏人[かなと](RIOT GYM)
1R 2’22” KO
下地は3月のクンクメールとの対抗戦でダウンを獲って判定勝ち。8月のKNOCK OUTでは元新日本キック王者の髙橋亨汰に延長判定勝ちしている。
試合は下地の圧勝に。1R、Thyが前に出て来るが、下地はかわすと、左ジャブからの右ストレートでダウンを奪う。下地はさらに右ボディを効かせ、右ハイでダウンを奪う。ダウンの都度、Thyはマウスピースを吐き出し、時間稼ぎをしていたが、流れは変わらず。最後は下地が右ストレートを当ててから、後退したThyが倒れ、下地のKO勝ちとなった。
54kg契約 3分3R
○Phaneth Kun Khmer(カンボジア)
×篠原 賢(クロスポイント吉祥寺)
判定
篠原はカンボジア生まれ、カンボジアと日本のハーフの17歳。タイで練習し、タイで2試合経験している選手。
試合はPhanethがレベルの違いを終始示す内容に。1R、Phanethがプレッシャーをかけ、左前蹴り、ボディフックを効かせつつ、右ストレートも当て、やや優位に進める。
2R、Phanethが右ミドルを篠原のボディと腕に執拗に当て、終盤には肘も当てる。
3RもPhanethが右ミドルを当て続けると、終盤、篠原は顔をしかめて後退するように。Phanethが右テンカオを当ててからコーナーに詰め、右ボディストレートを当てたところでレフェリーはスタンディングダウンを宣告する。最後もPhanethが攻め続け終了。Phanethが判定勝ちした。