Road To UFC 8.23 ラスベガス(レポ):日本勢4人が中国勢に全敗し準決勝敗退。原口伸・透暉鷹・本野美樹が判定負け。河名マストは逆転KO負け
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Road To UFC Season 3 Episode 5 & 6 (semifinals)
2024年8月23日(金/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:UFC APEX
レポート&写真:井原芳徳
Road To UFC (RTU)は、UFCとの契約を争うアジアの選手によるトーナメント。日本の選手も多く参加し、22年度のシーズン1でバンタム級優勝の中村倫也、準優勝の風間敏臣、23年度のシーズン2でフライ級優勝の鶴屋怜がUFCと契約している。
シーズン3も例年通り4階級・各8人で争われ、一回戦は5月18日・19日に中国・上海のUFCパフォーマンス・インスティチュートにて開催された。
日本からは8名エントリーし、男子バンタム級の(中西)透暉鷹、同フェザー級の原口伸と河名マスト[真寿斗]、女子ストロー級の本野美樹が初戦を突破した(本野は不戦勝)。男子バンタム級の野瀬翔平、小崎連、同フェザー級の安藤達也は初戦敗退し、同フライ級の松井斗輝は計量オーバーで不戦敗だった。トーナメント以外のワンマッチではライト級で雑賀“ヤン坊”達也がKO負けしている。
準決勝はラスベガスのUFC APEXで行われ、日本勢は4選手とも中国勢に敗れ、決勝進出を逃す事態となった。
エピソード6
第5試合 男子フェザー級 準決勝 5分3R
○シエ・ビン(中国)
×河名マスト[真寿斗](ロータス世田谷/GLADIATORフェザー級王者)
1R 4’17” KO (右フック)
1R、長身のビンに対し、河名は回って距離を取りつつ、踏み込んで左フックを当てる。だがビンもパンチが交錯する場面で右フックを返す。すると中盤、河名が右オーバーハンドフックを当ててから、軽めの左フックにつなげて当てると、ビンがダウンし、河名は上から押さえてパウンドで追撃する、河名は背後から押さえるが、ビンは次第に回復し、スタンドの展開に戻す。河名はパンチを振って追いかけるが、空振りが続きガードも甘くなると、セコンドの指示を聞き、圧を弱めて、見合う状態に戻す。終盤、五分の状態となり、ビンは右のミドル、ローを随所でヒットする。河名は前に出て追いかけるが、左フックを振るったタイミングで、ビンが下がりながら右フックをカウンターで合わせてクリーンヒット。河名はダウンし、すぐに立ったが、ビンが再び右フックを当てる。河名はダウンし、後頭部をマットに打ち付ける形で倒れて伸びた状態となり、すぐさまレフェリーがストップした。
第4試合 女子ストロー級 準決勝 5分3R
×ドン・フアシャン(中国)
○シー・ミン(中国)
判定1-2 (28-29/29-27/28-29)
第3試合 男子フェザー級 準決勝 5分3R
○ズー・カンジエ(中国)
×原口 伸[しん](BRAVE/GRACHANライト級王者)
判定2-1 (28-29/29-28/29-28)
原口はシーズン2にも参戦したが、今年2月の結晶でロン・チューに3R裸絞めで一本負けし優勝を逃した。5月のシーズン3一回戦ではホン・ジュニョン(韓国)に判定勝ちしている。
1R、原口は序盤から片足タックルを仕掛けて倒すが、カンジエは背中をマットにつけず、スタンドに戻す。中盤、終盤の原口のタックルもカンジエが切り続けるが、残り40秒、原口はようやくクリーンなテイクダウンに成功する。これもすぐ立たれ、サウスポーの原口に、カンジエが右ミドルを当てる。最後、原口が左の飛び膝を放つが、カンジエが押し倒し、上からパウンドを落としかけて終わる。記者採点は僅差だが打撃戦でやや優位だったカンジエ。ジャッジ3者もカンジエにつける。
2R、カンジエは右ミドルを積極的に当て、タックルを切っての離れ際には左ミドルも当てる。中盤、原口が片足タックルからテイクダウンに成功し、金網際で上から押さえ、背後に回り込む。一度立たれかけたが、原口はすぐにバックを取り戻す。終盤、カンジエはスタンドに戻し、右テンカオ、ストレートを当てる。原口はまたもタックルを仕掛けて倒し、立たれてもまたタックルで倒す。だが原口は倒してからの打撃やサブミッションといった攻めが乏しい。記者採点は原口につけたが、割れても不思議ではなく、打撃を当てたカンジエをジャッジ2者が支持する。
3R、引き続き原口はタックルでのテイクダウンを繰り返し、背後から押さえる等してコントロールを続ける。終盤、原口はサイドやサイドバックで押さえてパウンドを当て続ける。カンジエは防戦一方に。最後は原口が肩から抱え上げて倒し、はっきり差を印象付けて終える。記者採点は原口。合計28-29で原口。ジャッジは割れ、2者がカンジエを支持し、カンジエが判定勝ちした。勝利者インタビューでカンジエは「テイクダウンをして押さえるだけじゃなく男らしく殴り合うべきだ」と勝ち誇りつつ、ジャッジに支持された理由を自己分析した。
第2試合 女子ストロー級 準決勝 5分3R
○フォン・シャオツァン(中国)
×本野美樹(AACC/元DEEP JEWELSストロー級暫定王者)
判定3-0 (30-27/29-28/29-28)
両者は昨年10月に中国で対戦し、シャオツァンが3R腕十字で一本勝ちしている。RTU初戦でシャオツァンは1Rで勝利し7連勝中。本野は不戦勝だった。今回の本野のセコンドにはRENAと渡辺彩華がつく。
1R、両者サウスポーで構え、長身のシャオツァンがプレッシャーをかけ、伸びのある右ミドルや左ローを当てる。中盤、シャオツァンの右ミドルを本野がすくって倒す。シャオツァンは下から本野の顔を蹴り上げる反則を犯し一時中断する。本野がこれから攻めようという状況だったが、レフェリーはなぜかスタンドで再開する。シャオツァンは変わらず前に出て、右フックを当てる。本野も長身のシャオツァンの中に入れず、お互い攻撃が少なく終わる。記者採点はシャオツァン。
2R、シャオツァンが随所で左ローを当てていると、本野は足取りが鈍くなる。中盤にはシャオツァンが前に詰めてパンチを立て続けに当て、右ハイも当て、差をはっきり示すように。本野は組んで足を掛けて倒そうとするが、シャオツァンは対処し離れる。終盤、静かな攻防に戻るが、シャオツァンは右フックを当てるなどして優位を維持する。記者採点はシャオツァン。
3R、シャオツァンがパンチを当ててから左ミドルを放つと、本野は蹴り足をつかんで倒そうとする。シャオツァンは耐え、本野が押し込むと、シャオツァンが押し返してきたが、本野が柔道仕込みの大外刈りで倒し、トップで押さえ、ようやく主導権を握る。だがすぐシャオツァンは立ち、スタンドに戻す。終盤、本野は片足タックルで倒し、上で押さえる。本野は立った状態から、寝ているシャオツァンの長い足のガードをすり抜け、ハーフで押さえて中に入ると すぐにギロチンチョークを仕掛ける。本野は大逆転のチャンスをつかんだが、わずかにポイントがずれ、シャオツァンが耐えて終える。記者採点は本野。合計29-28でシャオツァン。ジャッジ3者もシャオツァンを支持し、本野は準決勝敗退となってしまった。
第1試合 非トーナメント戦 ウェルター級 5分3R
×ジョナサン・ピエルスマ(米国)
○サマンダー・ムラドフ(タジキスタン)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
※ピエルスマが計量3ポンドオーバー
エピソード5
第5試合 男子バンタム級 準決勝 5分3R
×[中西]透暉鷹[ときたか](ISHITSUNA MMA/パンクラス・バンタム級王者・元同フェザー級王者)
○バーエゴン・ジェライスー(中国)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
1R、開始すぐのジェライスーの右ストレートで透暉鷹はひるんでしまい、ジェライスーが金網に押し込んで倒して上になる。ジェライスーはバックを狙うが、透暉鷹は完全に取らせず、返して上になる。中盤、透暉鷹は金網際で上から押さえ、時折パウンドを当てる。動いたジェライスーに対し、透暉鷹はがぶりからアナコンダチョークを狙う。これは失敗したが、終盤、透暉鷹はバックを取り、裸絞めを狙い続けて終える。記者採点は透暉鷹。
2R、透暉鷹が序盤からパンチを振るって前に出て、タックルを仕掛けてテイクダウンを奪う。透暉鷹はトップキープするが、中盤、ジェライスーは立ち上がって金網に透暉鷹を押し込む。やや膠着したところでジェライスーの膝蹴りがローブローとなると、レフェリーはブレイクをかける。パンチが交錯すると、ジェライスーの右フックで透暉鷹は少しひるんでしまう。終盤、ジェライスーが透暉鷹を金網に押し込み、左肘と膝を時折当てて印象を作る。右フックで既に差をつけたジェライスーは、テイクダウンは無理に狙わず、ブレイクにならない範囲で、細かい打撃を当てる戦略のようだ。最後は離れて終える。記者採点はジェライスー。
3R、ジェライスーはがぶりの状態で押さえ、アナコンダチョークを狙う。中盤、透暉鷹は引き込むような形で下になり、オモプラッタを狙うが、ジェライスーは対処する。透暉鷹が解除せずに膠着していると、残り1分、レフェリーがブレイクをかける。透暉鷹はすぐに右ミドルを蹴るが、ジェライスーはタックルを合わせて倒し、抱え上げてバックを奪い、攻勢を印象付ける。最後、透暉鷹が返して上になったがすぐ終了する。記者採点はジェライスー。合計28-29でジェライスー。ジャッジ3者も同じ採点で、ジェライスーの判定勝ちとなり、透暉鷹は準決勝敗退となってしまった。勝ったジェライスーは「ワンツーで右のパンチを当てるのは狙っていた。相手は疲れず攻めてきたのに驚いた」とコメントした。
第4試合 男子フライ級 準決勝 5分3R
○チェ・ドンフン(韓国)
×アンガド・ビシュト(インド)
判定2-1 (29-28/28-29/29-28)
第3試合 男子バンタム級 準決勝 5分3R
×ダーエミィスウ・ザウパースー(中国)
○ユ・スヨン(韓国)
判定1-2 (27-30/29-28/28-29)
第2試合 男子フライ級 準決勝 5分3R
○キルー・シング・サホタ(インド)
×ルエル・パニャレス(フィリピン)
判定3-0 (30-27/30-27/29-28)
第1試合 非トーナメント戦 女子フライ級 5分3R
×ヤン・チーフイ(中国)
○ダニー・マコーマック(アイルランド)
判定0-3 (27-30/27-30/27-29)