KNOCK OUT 2.11 大田区総合体育館:日菜太「現状維持は退化してしまう」、栗秋祥梧「僕はぶっちゃけ逃げたいですよ」、鈴木真治「心をある程度コントロールできるようになった」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1(2月11日(火/祝) 東京・大田区総合体育館)に出場する日菜太、駿太、鈴木真治のインタビュー記事が、主催のブシロードファイトから届いた。
第14試合 セミメイン BLACKルール 70kg契約(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
日菜太(クロスポイント吉祥寺/REBELS-BLACK 70kg級王者)
ダニエル・マーシャル[Daniel Marshall](オーストラリア/Muay U/WKBFオーストラリア王者)
第8試合 REDルール 58kg契約 3分5R
駿太(谷山ジム/Bigbangスーパーフェザー級王者、元WMAF世界&MA日本フェザー級王者)
栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/元ISSHINキックフライ級王者、元ムエタイ大和フェザー級王者、元stair king 60kg級王者、元PRINCE REVOLUTION58kg級・61kg級王者)
第7試合 REDルール 65kg契約 3分3R(延長1R)
タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム/岡山ZAIMAX MUAYTHAI 65kgトーナメント2019優勝、SB世界スーパーライト級(65kg)4位、元WMC世界フェザー級王者)
鈴木真治(フジマキックムエタイジム/元J-NETWORKスーパーライト級王者)
※REDルールは肘有り、BLACKルールは肘無し
日菜太「現状維持は退化してしまう」
――昨年は4戦して3勝(1KO)1敗でしたが、1年を振り返るとご自身にとってどういう年でした?
「今年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会出場を目標に掲げて頑張ってきたのですが、8月にジョムトーンに負けたことで強くアピールすることができなくなったのであまり良くなかったですね。勝ち負けが凄く大事なこの世界でいいところで負けてしまい、悔しかったです。その分、11月の再起戦のタイ人(ラーシーシン・ウィラサクレック)は凄く強く、未だに蹴った自分の足が痛かったりとまだダメージが残っていたりするぐらいの相手でしたが、激闘の末に勝利することができました。次の試合ではいい勝ち方をするためにも、いいコンディションを作っていきたいですね」
――ラーシーシン戦を振り返ってもらいたいのですが、自分のやりたいことはやれた試合でした?
「2月に対戦したシップムーン・シットシェフブンタム、そしてジョムトーンも含めて、やはりうまいタイ人や強いタイ人というのは、なかなか自分のペースに持っていくことが難しいなと。5Rかけてどこまで攻めることができるかなと思ったのですが、思ったよりもうまく組まれてしまって自分のやりたいことが終盤はできませんでした。でも昨年に3人のタイ人選手と対戦して感じたことは、相性は悪くないなと。むしろvsタイ人に関しては強いんじゃないかと思いましたね。攻略の難しさを感じたこともあったのですが、僕の攻撃はタイ人に間違いなく効きます。一発逆転を狙ってくるヨーロッパ系の外国人選手と比べると、対タイ人だと試合を作りやすかったとも思いました」
――ジョムトーンへのリベンジに向けて、ラーシーシン戦での収穫はありました?
「ラーシーシンとは5Rかけてやってみようと思い、実際にフルラウンド戦ってスタミナ的にも全然問題なかったので、改めてジョムトーンと5R制でやれば次は絶対に勝てるなと思いましたね。前回ジョムトーントとの初戦は3Rでしたが、もう1Rあれば僕が間違いなく勝っていたと思いますし、1Rに様子見の段階でジョムトーンにダウンを奪われたことが誤算でした」
――ジョムトーンは1月5日にタイ・ラジャダムナンスタジアムのメインイベントでラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王座に就き、4階級を制覇しました。さらにリベンジしがいのある相手になりましたね。
「ネットでそのニュースを見たのですが、タイトルが“日菜太に勝ったジョムトーンが約9年ぶりにラジャ王座返り咲き4階級制覇”でしたよね。ああいう書き方をされたのが嫌だったので(苦笑)、今年は必ずリベンジして、あの負けがなかったことになるような勝ち方をしたいと思います。そそて、僕が考えている世界三強のシティーチャイ、ジョルジオ・ペトロシアン、チンギス・アラゾフの誰かと最後に戦えたら、と思います」
――そんな中で今年初戦の相手、ダニエル・マーシャルとの対戦が決まりましたが、相手の印象を教えて下さい。
「映像を少ししか見ていないのですが、うまい選手かなと。僕がやるべきことは昔から変わらず、相手に合わせてこうやるということではなく、自分の試合を作っていくことに専念するだけです。その上で、今回は3Rしかないのでしっかり倒しにいこうと思います。僕は倒し切った試合はあんまりありませんが、手数は出しているのでそこをしっかりつなげていき、攻める試合をして、誰が見ても確実に“日菜太が勝ったな”と思ってもらえるような勝ち方をしたいですね」
――今後に向けて、今回試したい技はありますか?
「何か新しいことを常にやっていることが強さに結び付くのではなく、ずっと同じことをやり続けていることに強さがあると僕は思っているので、そういう意味での強さを見せたいなと思いますね」
――今年初戦がKNOCK OUTのリングになりましたが、今後KNOCK OUTをどうしていきたいですか。
「満員の観客がいる場所にしていきたいですね。しっかりと僕がいい道を作っていき、早く後輩たちがしっかり会場を埋めてくれるようになって欲しいですね。自分が出る興行にお客さんが入らなかったら意味がないと思いますし、自分が出る場所にお客さんを呼ぶのが選手としてプロだと思います。選手一人一人が300人のお客さんを呼べるような舞台にしていければ、10人の選手が出て5試合だけで大田区総合体育館が満員になります。これから選手たちがみんなそうなれるようになってほしいですね。格闘技をやっているみんながハッピーになるためには、一人が出たら何百人ものお客さんが来て、興行チケットがソールドアウトになること。そういう興行を目指していきたいですし、そんな団体にKNOCK OUTやREBELSになってほしいなと思っています」
――日菜太選手のようにチケットを売るために頑張っている後輩はいますか?
「いないです(苦笑)。でも、これからまだ僕が続けている間は、こういうふうにやっていると全部伝えていきたいですね。自分のように、チケットを購入してくれた人には何か特典を付けるといったことを後輩も少しずつ真似してくれているので何かしらいい影響になっているのかなとも思いますね。こういうことをもう6、7年もやり続けている人は僕以外にいません。途中で止めてしまう人もいますが、やり続けることの強さ、大切さをわかってもらえたらいいなと思います」
――ちなみに今回の日菜太選手のチケット特典は何でしょう?
「アクリルコースターが付いてきます。前回はアクリルのスマホスタンドで、毎回特典が変わってるのでぜひ僕のツイッターをチェックしてください」
――その先には1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会出場が目標ですが、今年観戦に行かれたそうですね。やはり刺激になりました?
「そうですね。あれだけのお客さんを埋めるなんて凄いなと思いました(1月4日、5日の2日間の観衆合計は7万17人)。観戦していて、ますます出たいと思いましたね。満員の中での歓声は凄いですし、雰囲気が凄い。自分が唯一出ていない大会場は東京ドームです。最後にそういう舞台を踏めるように頑張るだけです。ちなみに、上のスタンド席で見ていたのですが、あれだけでかいレスラーが凄く小さく見えたので、東京ドームでキックの軽量級の試合は難しいなと思いましたね。ヘビー級、もしくは最低でも僕のミドル級ぐらいじゃないと迫力は伝わりにくいのかなと」
――日菜太選手のドーム出場アピールに関して、最近のプロレスファンから反応はどうですか?
「会場では特に声をかけられることはなかったのですが、最近SNSではプロレスファンは僕のことを叩いてくるわけでもなく、頑張って欲しいと言ってくれる人もいるので、これも言い続けることによって少しずつ変わってきているのかなと思いました。そして言い続けることによって実現させることが大事だと思いますね。これで僕が東京ドームに上がることになれば、KNOCK OUTとして東京ドームが使えることがあるかもしれませんし、プロレスの試合の合間にキックの試合が1、2試合あってもいいんじゃないかなと思います」
――今後が楽しみですね。
「僕はこの歳になっても色んなことに挑戦し続けたいと思っています。現状維持は退化してしまうので、何か新しいことをしないと終わってしまいます。同じことを続けることも大事ですが、同じことを続けつつ色んなことに挑戦していきたい。あと、年内には地元の湘南に自分のキックのジムをオープンしたいと思っています。色んなところで言っているので、言っている以上はやらなきゃいけなくなります」
――選手をやりつつジムも経営もされるんですね。
「キックをやってそのファイトマネーだけで生活をしていくことと、ジム経営をしてお金をもらうことがクロスする、今はいい時期かなと思うんです。今キックを辞めますといって1年後にジムをオープンするといってもファンは相当離れてしまいます。応援してくれる方がまた応援したいと思ってくれるようなものをずっと提供していきたいと思います。まずは次のダニエル戦。“大田区は日菜太”とずっと去年から言い続けていて、今年大田区大会に僕が出るときには会場を満員になれるように全力を尽くして頑張るので、皆さんはぜひ会場に来て応援して下さい」
栗秋祥梧「僕はぶっちゃけ逃げたいですよ」
――2018年9月の翔貴戦以来のKNOCK OUT参戦が決まりました。
「1年ぐらいKNOCK OUTに出ていないので久しぶりに試合に出る感覚がします。僕はREBELSを主戦場にしていて、他団体のリングに上がる時はREBELSの名に恥ないような試合をしようと思っているので、KOで勝ちたいという気持ちは増しますし、モチベーションは上がります」
――昨年はご自身にとってどういう1年でした?
「福岡から上京して今年で2年目になるのですが、昨年は自分をどう魅せるべきかを考えた1年でした。今年の1年は、自分はどうあるべきかを見つけられる年にしたいと思います。福岡からまだ右も左もわからない中で手探り状態で東京にやってきて、自分でクロスポイント吉祥寺入りを選択し、REBELSで試合を重ねてきたことはやはり間違いではなかったと思いますし、自分自身が少しずつ変わってきたのを感じます。一気に階段を上ってしまうと、足を滑らせたときには落ちるのが早いので、これからも下の土台から着々と作っていこうと思っています」
――試合は6戦して4勝(2KO)2敗の戦績でした。
「6戦では足らないのでもっともっと試合をしたいですね(笑)。九州にいた時は月に2~3戦はしていたので、もっと刺激が欲しいんです。この試合でケガをしてしまうと来週の試合ができなくなるかも!?と思ってしまうぐらいの感覚で試合をやっていきたいのですが、東京の大会は試合間隔を空けないとうるさいじゃないですか。僕的に試合が2カ月とか空いてしまうと、試合の感覚がわからなくなるんです。僕は練習が好きなタイプではなく、試合で自分のスタイルを作っていく感じなので、期間が空いてしまうと対戦相手との距離感が掴めなくなります。今回の試合は約2カ月空いているので、そこだけが不安ですね」
――前戦となった12月3日のシュートボクシングでの試合は、現王者の植山征紀選手にヒジによるカットで2RTKO勝ちでした。
「試合時間が短く、もう1試合したいぐらいでした。僕は足や腕をケガしてても、試合はできると思うんです。負傷箇所があることで、別な攻撃をいっぱい出すことができるので、僕は無理をしてでも試合に出ていきたいですね。山口会長は絶対に出させてくれないでしょうけど(苦笑)」
――実際に負傷した状態の時に、試合に出たいとアピールしたことはあるのでしょうか?
「それはないです(笑)。こっちに来て、万全な状態でないと試合には出させてもらえないなというのは感じてますから」
――栗秋選手は練習嫌いとして有名ですが、そろそろクロスポイント吉祥寺のプロ練には慣れてきました?
「だいぶ慣れてきたとは思います。それで体つきも上京する前と比べると全然違いますし、昨日も練習動画をジムの仲間に撮ってもらったのですが、撮り終わった後に自分の動きを見たら昔とは全然違っていました。でも僕はそんなに真面目じゃないので、プロ練を1から最後まで練習しているとはまだまだ言えません。一緒にジムの仲間と練習していると、それぞれ出る大会が違っても、みんなで強くなっている感覚はありますし、ようやく楽しさを感じるようになりました」
――クロスポイント吉祥寺のプロ練習は、ほかのジムのものと比べても相当きついと聞いたことがあります。練習嫌いの栗秋選手が続けられている理由はなぜですか?
「僕はぶっちゃけ逃げたいですよ(笑)。でも逃げ出したいと思ったら常に“なんのために東京に来たのか?”と原点に戻る気持ちでいます。ここに来るまでに誰が背中を押してくれたのか?と、毎晩寝る前には考えるようにしていて、練習に行きたくないですけど、明日も一日頑張るしかないと自分を追い込むようにしています。僕と同じ年の人でも結婚している人もいれば、当たり前のように仕事をして安定した生活を送っている人もいます。SNSで同世代の人の投稿を見ると、凄く幸せそうなのが伝わってきて、あ~地元に帰りたいと思うのですが、僕は僕なりに頑張っていれば、何か人の励みになっているんじゃないかなと思うんです」
――上京して良かったと、どういう時に思います?
「飲みが楽しいこと(笑)。あと、東京だとかっこいい服も充実してるんです。地方にも色んなおしゃれな服は売ってるのですが、店舗が小さくて在庫がないといったことが結構あるんです。その分、東京は服がたくさんあるし、かわいい女の子もいっぱい揃っているので東京に来てよかった~と幸せに感じます」
――例えば、辛い練習を乗り越えて試合で勝った後に応援してくれる方の笑顔を見た時とか、そういう感動的な答えを期待していたのに、格闘技と関係ないじゃないですか(笑)。
「僕は勝ち負けにこだわってないんです。その方が気が楽ですし、勝ちにいこうとすると昔からの癖で大振りになってしまうんです」
――このまま福岡に残っていたら今は何をしていたんだろうと考えたことはないですか?
「相変わらず外仕事をしながら格闘技をして……俺は何をやっているんだろうな?と思ってるんでしょうね。僕は地方で記事にもならないような大会に出ていた時に、東京の選手は大舞台で活躍している姿をネットなどで見ると、俺って何をしてるんだろう?と思っていましたから。やっぱり格闘技をやっている以上は多くの人に僕の試合を見てもらいたいですし、東京に来て有名になりたいという気持ちは大きいです」
――今回の相手、駿太選手の印象を教えて下さい。
「凄く真っすぐな方で、人としても凄くいい人ですよね。YouTuberとしも成功されていて、さらに格闘家として頑張っていて凄く尊敬しています。選手としての印象は、手数も多いですし、パンチと蹴りの打ち分け方もうまくて凄く頭を使って戦っているなと思います。あと、気持ちが強くて打たれてもガンガン前に出てくるじゃないですか。どんな精神状態してるんだ!?と思いますね」
――そういう気持ちの強い選手とはやり辛いですか?
「いいえ、瞬殺します(笑)。10秒で終わらせますよ。打ち合いもいいと思うのですが、打ち合いの中でもヒジを出して斬ってもいいかなと。今回は瞬殺しないと、自分の中では嫌なんですよね」
――それはどういう意味ですか?
「九州からお兄ちゃんが来て、今回セコンドに就いてくれるんです。僕が九州時代にお兄ちゃんと練習していた時から、兄弟揃って駿太選手に憧れていたんです。今回このカードが決まった時、お兄ちゃんはすぐに行きたいと言ってくれたので、どうせ来るならセコンドに付いてもらいたいなと。そういう想いのある一戦をパっと超えたいですね。長いラウンドで戦っても意味がないですし、瞬殺しないと次に進めません。駿太選手は僕よりもベテランで、ストイックに練習していたり、試合でもアグレッシブに前に出ていて過去には凄い選手と戦っていたりと、相当格上の選手ですが、一瞬で終わらせて僕の相手じゃないよというところを見せたい」
――いつかやるんだろうなと思っていました?
「それは全然なかったですね。KNOCK OUT大阪大会に出たときに、駿太選手も出ていたので兄弟で一緒に見ていて、僕が苦手なタイプなのでやりたくないなと思ってましたね。でもこっちに来てからはその考え方が変わって、あの選手を超えたいと思うようになったんです」
――ちなみにお兄さんがセコンドに付くと無敗というジンクスはないですか?
「それはないですけど、凄くリラックスしてできます。僕の格闘技人生は兄弟愛でできたものです。今回お兄ちゃんを呼びたくなったのは、1年前のKNOCK OUTでの翔貴戦がドローだったからです。あの時は僕が九州時代ラストの試合となり、お兄ちゃんがセコンドに付いてくれて臨んだ試合だったんです。そこから上京して1年経ってKNOCK OUTに帰ってきました。ここからまた再スタートを切りたいという想いもあり、セコンドをお兄ちゃんにお願いしました」
――他に超えたい選手はいますか?
「那須川天心選手です。今、世界のトップ選手といえるのは天心選手と武尊選手の2人です。どちらと戦いたい?と言われたら僕は迷わず天心選手なんです……」
――それはなぜ?
「武尊選手はガンガン前に出てくるタイプなんで僕はやりたくないんですよ(笑)。天心選手は自分から攻めるときもあれば、カウンターもうまい。あの人が持っている距離感を僕は味わってみたいですね」
――昨年の大晦日のRIZINでKNOCK OUTの現チャンピオンの江幡塁選手に天心選手は圧勝しました。ああいう姿を見てもやりたいと?
「そうですね。同じ格闘技をしているのになんであんな試合ができるんでしょうか。どこまで頑張れば彼のところに辿り着けるんだろうと考えてたらかなりショックで落ち込みましたね。天心選手はどの試合でもレベルの高い内容を見せていますし、倒して当たり前と思われている中でも魅せる試合をしてますよね。僕らがボクシングをしていて、誰と戦いたい?と言われてメイウェザーとは言えません。それと同じで、天心選手は自分の中で届かない存在と決めたくないのですが、いつか僕らごときが名前すらも出せない選手になるんでしょうね。そういう中でも“栗秋なら倒せる”と思わせる試合をしていきたいですね」
――今年の目標はありますか?
「特にないですけど、チャンピオンたちと戦っていきたいですね。僕は自分自身のことや生活に満足しているわけではありませんが、一試合一試合を終えるごとに達成感を感じています。こっちに来たことで他団体のチャンピンやREBELSのチャンピオンといった選手とずっとやらせてもらっています。そこで結果を出しているので、ベルトの価値というものがわからなくなってきました。ベルトを獲らなくてもチャンピオンとやらせてもらえますし、ベルトを持ったところでどうなるのかなとも思います。なので、僕は逆にそういうベルトを持っている人たちをどんどん狩っていきたいですね」
――無冠のままチャンピオン狩りをすると。
「そうですね。僕はベルトに全く興味がないんです」
――会場に来てくれるファンにメッセージをお願いします。
「僕が戦っている以上、見ている人に夢や希望を与えていくのは選手として当たり前のことなんです。僕の試合だけじゃなく全試合を見て、いい刺激をもらって帰ってほしいですね。そして、それを自分だけじゃなく、周りの人に伝えていってほしいです」
鈴木真治「今で一番良いところは心をある程度コントロールできるようになったこと」
――前回、昨年8月のKNOCK OUTでの宮越慶二郎戦を振り返っていただきたいと思います。
「映像を見返したところ、自分の思い描いていた通りの試合はできて、相手にダメージを与えることはできたのですが、3Rにヒジで切られてしまいました。格闘技は一瞬の勝負なのでそれを逃さないで制した宮越選手は一枚上手でしたね。それは宮越選手が今まで積み重ねてきたものであり、実力かなと思います」
――宮越選手とは2010年12月1日に対戦していて、その時は鈴木選手の2RTKO負けでした。9年ぶりの再戦でしたが、あの時の宮越選手とは違いました?
「試合中にあそこが変わったなどといったことはわかりませんが、もちろんお互いにうまくなってました。でも前回と比べてめちゃくちゃ強くなったという印象は正直ありません。宮越選手の持ち味が出ていた試合の中で、前回と同じくヒジで切られるという結末になってしまったので僕の負けですね」
――昨年は2戦して1勝(1KO)1敗でしたが、ご自身にとってどういう1年になりました?
「試合数は少なく負けた試合もあって悔しかったのですが、6月にタイで試合をしたり、8月にはKNOCK OUTの大きな会場でたくさんのお客さんの前で試合をさせていただいたので自分にとっては濃い1年になったと思います」
――2試合で自分にプラスになったものはありますか?
「自分の悪い癖を確認できたことが収穫になりました。あと、タイという慣れない場所で初の試合をやらせていただき精神的な成長ができたのかなと思います」
――KNOCK OUTのリングに上がった印象を教えて下さい。
「試合になってしまうとどんなリングであっても周りが見えず、対戦相手とレフェリーしか見えなくなってしまうので、リング上からの景色を楽しむことはできませんでした。試合前に会場内を見たら、こんなにたくさんの方が来てくれているんだと思ったら、ありがたい気持ちでいっぱいでしたね」
――周りが見えなくなるというのは、いつからスイッチが入るのでしょう。
「入場してリングインしたらもうスイッチが入って限られた範囲しか見えなくなります(笑)。応援してくれる方の応援や、セコンドの声は時と場合によりますが、聞こえる時は聞こえ、聞こえない時はかなり聞こえません。プロキャリアは43戦あるに、そこは安定しないですね」
――スイッチが入ったらどういうことを考えています?
「自分のやるべきことをやって、淡々と相手にダメージを与えて、ただ倒すということだけですね。カッとしてしまうと僕的にはマイナス効果で良くないと思うので、なるべくそうならないように押さえてます」
――今までにカッとなって失敗した試合はありました?
「タイ人選手との対戦では、こっちが熱くなってしまい、焦れば焦るほど、淡々とやってくるのでひたすら空回りした展開になり、結局は判定で印象を取られてしまったことが何試合かありました。タイ人によって戦い方はそれぞれ違ってきますが、総じてタイ人は冷静によく見て相手をコントロールしてくるイメージはあります」
――今回はまさにタイ人選手との対戦になりました。タップロンにはどのような印象がありますか?
「僕よりも年齢が上で、強い選手たちに勝っていますし、タイから日本に来てあれだけ身体を保っているのは凄いこと。黙々と継続してトレーニングをし続けないと無理なことなので、真面目な性格の方なのかなと思います。僕は前戦で負けているにも関わらず、昨年には強い選手ばかりが集まった岡山の賞金トーナメントで優勝したばかりのタップロン選手といきなりやらせていただけるなんて、なかなかないことです。試合を組んでくださったKNOCK OUTの関係者、山口元気プロデューサー、相手のタップロン選手には感謝いたします。もちろん、試合では思いっきりぶつからせていただき、お客さんには観に来て良かったと思われるような試合をして勝つことが僕の仕事だと思います」
――タップロンは日本滞在歴は長いですが、いつか対戦相手するんじゃないかと意識したことはありました?
「強い選手だとは知っていましたが、RISEさんを主戦場にしていてヒジなしのルールでやっていたイメージがあり、僕とやることはないのかな?と思っていたので、そこまで意識したことはありませんでしたね」
――ファイトスタイルの印象を教えてください。
「一般的なタイ選手に通ずると思うのですが、相手のことをよく見て、なおかつ、相手にはこれがはまるな、こうやって戦えばいいなとわかって、すぐにそれができてしまう引き出しの多さは凄いなと。冷静に相手を分析して頭の中で考えた作戦をすぐに具現化するうまさ、強さはキャリアのある選手ならでは、ですよね」
――日本での戦いにも順応していると思いますか?
「そうですね。ヒジなしルールでもあれだけ強いということは、日本人選手のファイトスタイルなどを熟知しているからでしょう。タップロン選手は今までに凄い試合ばかりやってますが、印象的な試合は“ブラックパンサー”ベイノア選手との一戦目(2019年3月10日)です。あのベイノア選手を一発で倒す凄い勝ち方をしてましたよね」
――タップロン戦に向けて強化していることはありますか。
「新たなことをやるというのは限られた時間では難しいことなので、しっかりいつものことをやるだけです。あと、追い込みでもう身体が動かないと思った時に、タップロン選手の顔を思い出すと『これじゃダメだ!』と思って、高いモチベーションを持ってもう一歩踏み込んだ練習ができ、質も量も向上して自分を高めることにつながっています。そういう選手と戦わせてもらえるので、ありがたく思います。年齢もキャリアも上の先輩に胸を借りるつもりで頑張ります。前回の試合でもっとこうすれば良かったと思う部分があったので、それを直した試合ができるので今回の試合が楽しみです。前回のような失敗は繰り返しません」
――タップロン戦をクリアーして、今年はどういう1年にしたいですか?
「毎年同じことになってしまうのですが、ただ単に強い選手と戦って勝つことを目標にしていて、僕は自分をどこまで高められるか、自分の満足のためにキックボクシングをやっています。それで自分の力が落ちたと感じ始めたらもう引退だと思うので、その時が来るまで全力で練習してキックボクシング、ムエタイを追及し続けたいと思います」
――次が44戦目ですね。20代の頃よりも今の方が強くなっているという実感はありますか?
「20代前半と比べて、若干の反応、スピードは落ちたと思う気はするのですが、今で一番良いところは心をある程度コントロールできるようになったことです。あと、一発の威力も備わったと思うので、その2つがあることで総合的に20代よりも強くなっていると思います」
――今年は何戦したいですか?
「4~5戦はしたいですね。タイ人はもちろん、日本にも強い選手はたくさんいます。そういう選手とやらせていただけたら、自分を高めてられます。一人では気づけないことが、相手が強ければ強いほど、試合のやり取りでこういうことがやりづらい、こういうことがいいのかと気づくことがたくさん出てきます。そして、周りが見たいと思わなかったら組む必要のないカードなので、周りが見たいと思ってもらえる試合をしていきたいです」
――ファンにメッセージをお願いします。
「お忙しい中、応援に来ていただきありがとうございます。ファンの方の応援があってこその競技ですし、ファンの方の応援があればあるほど興行も大きくなり、レベルも上がってさらにいい物になっていくと思うので、ファンの皆さんに感謝の気持ちしかないです。キックボクシングをやらせていただきありがとうございます」
対戦カード
第15試合 メインイベント 無法島GRAND PRIX 決勝 BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
第14試合 セミメイン BLACKルール 70kg契約(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
日菜太(クロスポイント吉祥寺/REBELS-BLACK 70kg級王者)
ダニエル・マーシャル[Daniel Marshall](オーストラリア/Muay U/WKBFオーストラリア王者)
第13試合 REDルール 61.5kg契約 3分5R
良太郎(池袋BLUE DOG GYM/REBELS-REDライト級王者)
スアレック・ルークカムイ(タイ/STURGIS新宿ジム/REBELS-REDライト級暫定王者)
第12試合 REDルール 58kg契約 3分3R(延長1R)
安本晴翔(橋本道場/WPMF世界&REBELS-REDフェザー級王者)
ダウサヤーム[ダウサイアム]・ノーナクシン(タイ/ノーナクシンムエタイジム/元ラジャダムナン認定スーパーフライ級6位)
第11試合 BLACKルール 女子46kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)
祥子JSK(治政館)※祥子 改め
~休憩~
第10試合 無法島GRAND PRIX 準決勝(2) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
一回戦(3)勝者
一回戦(4)勝者
第9試合 無法島GRAND PRIX 準決勝(1) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
一回戦(1)勝者
一回戦(2)勝者
第8試合 REDルール 58kg契約 3分5R
駿太(谷山ジム/Bigbangスーパーフェザー級王者、元WMAF世界&MA日本フェザー級王者)
栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/元ISSHINキックフライ級王者、元ムエタイ大和フェザー級王者、元stair king 60kg級王者、元PRINCE REVOLUTION58kg級・61kg級王者)
第7試合 REDルール 65kg契約 3分3R(延長1R)
タップロン・ハーデスワークアウト(タイ/ハーデスワークアウトジム/岡山ZAIMAX MUAYTHAI 65kgトーナメント2019優勝、SB世界スーパーライト級(65kg)4位、元WMC世界フェザー級王者)
鈴木真治(フジマキックムエタイジム/元J-NETWORKスーパーライト級王者)
第6試合 REDルール 61kg契約 3分3R(延長1R)
シラー・Y’ZD(タイ/Y’ZD GYM/元ラジャダムナン認定バンタム級王者、元ルンピニー認定フェザー級2位、元オムノーイ認定フェザー級王者)
雅 駿介(PHOENIX/ムエタイオープン・スックワンキントーン・WMC日本ライト級王者)
第5試合 REDルール 67kg契約 3分3R(延長1R)
喜入 衆(NEXT LEVEL渋谷/元LPNJ(ルンピニー日本)ウェルター級王者、元J-NETWORKスーパーライト級王者)
峯山竜哉(ウィラサクレック・フェアテックス西川口/J-NETWORKウェルター級王者)
第4試合 無法島GRAND PRIX 一回戦(4) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺/パンクラス・ネオブラッド・トーナメント2018フライ級(56.7kg)優勝)
与座優貴(橋本道場/極真会館2017全世界ウェイト制軽量級(70kg)優勝)
第3試合 無法島GRAND PRIX 一回戦(3) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
小川 翔(OISHI GYM/WBCムエタイ日本ライト級王者、元REBELS RED同級王者、ホーストカップ日本&蹴拳ムエタイ・スーパーライト級王者)
西岡蓮太(龍生塾/シュートボクシング日本ライト級(62.5kg)王者)
第2試合 無法島GRAND PRIX 一回戦(2) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
丹羽圭介(TEAMニワールド/REBELS BLACK 63kg級王者)※TEAM KSKから所属名変更
古村匡平[きょうへい](FURUMURA-GYM/アマチュアムエタイ世界大会2016年優勝)
第1試合 無法島GRAND PRIX 一回戦(1) BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
バズーカ巧樹(菅原道場/MA日本スーパーライト級王者)
橋本 悟(橋本道場/INNOVATIONスーパーライト級王者)
【第1部】
第5試合 無法島GRAND PRIX 一回戦リザーブマッチ BLACKルール 64kg契約 3分3R(延長1R)
一輝(OGUNI GYM/元NJKFライト級王者)
大谷翔司(スクランブル渋谷)
第4試合 REDルール 57.5kg契約 3分3R
浦林 幹(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKバンタム級王者)
龍聖(TRY HARD GYM)
第3試合 BLACKルール 55.5kg契約 3分3R
大川一貴(青春塾)
森岡悠樹(北流会君津ジム)
第2試合 REDルール 57.5kg契約 3分3R
千羽裕樹(スクランブル渋谷)
渉生(アントジム)
第1試合 BLACKルール 女子48kg契約 2分3R
荒井穂乃香(DRAGON GYM)
山上都乃(ウィラサクレック・フェアテックス湖北)
概要
大会名 テレ・マーカー Presents KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1
日時 2020年2月11日(火/祝) 開場・13:00 第1部開始・13:15 第2部開始・15:00(予定)
会場 大田区総合体育館
チケット料金 柵内VIP 50,000円(完売) アリーナS 15,000円(完売) アリーナA 10,000円(完売) 1FスタンドA 9,000円 2FスタンドB 7,000円 2FスタンドC 5,000円(完売) ※当日券は各1000円アップ。
チケット販売 チケットぴあ(Pコード:844-919)
お問い合わせ ブシロードファイト https://knockout.co.jp/inquiry/