UFC 12.7 ラスベガス:朝倉海、フライ級王者・パントージャは「打ち合ってくれるし、僕にとってはすごく都合のいい相手」。今後は「ゆくゆくバンタムにも行く。どっちの階級でもトップを取る」「来年にUFCを日本に持ってきたい」
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UFC 310: MUHAMMAD vs. RAKHMONOV(12月7日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:T-モバイルアリーナ)でUFCフライ級王者のアレッシャンドリ・パントージャに挑戦する朝倉海が10月17日、東京都内での記者会見で意気込みを語った。大会の模様はUFCファイトパス、U-NEXTで日本時間12月8日に生中継される。U-NEXTでは月額2,189円の料金内で視聴できる。
コーメインイベント UFCフライ級チャンピオンシップ 5分5R
アレッシャンドリ・パントージャ[アレクサンドル・パントーハ](ブラジル/アメリカン・トップチーム/王者)
朝倉 海[かい](JAPAN TOP TEAM/元RIZINバンタム級王者、元THE OUTSIDER 55-60kg級王者)
パントージャは34歳。MMA戦績33戦28勝(8KO/10一本)5敗。16年のTUF準決勝で扇久保博正に敗れたが、17年からUFCに参戦すると、佐々木憂流迦らに勝利。21年からマネル・ケイプ、ブランドン・ロイバル、アレックス・ペレスに3連勝し、昨年7月にブランドン・モレノに判定勝ちし、フライ級王者となる。12月にブランドン・ロイバルに判定勝ちし初防衛。5月にはスティーブ・エルセグに判定勝ちし2度目の防衛をしている。UFC戦績15戦12勝(2KO/4一本)3敗。現在6連勝中で、フィニッシュ勝利は裸絞め、右フックが多い。過去5敗は全て判定によるものだ。
朝倉兄弟の弟・海は愛知出身の31歳(試合時)。兄の未来とともにTHE OUTSIDERで頭角を現し、17年12月からRIZINに参戦し16戦13勝(8KO)3敗。19年8月の5戦目で堀口恭司の相手に抜てきされると68秒KO勝ちして一気に名を上げる。同年大晦日のマネル・ケイプとのバンタム級王座決定戦では2R TKO負けしたが、ケイプがUFC参戦のために返上した同王座を懸けての20年8月の扇久保博正戦で1R TKO勝ちしベルトを巻く。だが20年大晦日の堀口との再戦で1R TKO負けし、初防衛に失敗。21年はバンタム級日本GPに出場し、大晦日の決勝まで進み、扇久保と再戦したが判定負け。22年7月のヤン・ジヨン戦の直前に右拳を負傷。昨年5月の1年半ぶりの試合で元谷友貴に3R KO勝ち。7月のフアン・アーチュレッタとのバンタム級王者決定戦の前に左膝の靭帯を損傷し欠場したが、大晦日の仕切り直し戦で2R TKO勝ちし、王座奪還を果たした。今年に入り、UFCとの契約交渉を進め、6月に契約を発表。8月にパントージャ戦が決まると、タイで約1か月の合宿を行い、米国から寝技の練習パートナーを呼び寄せ、既にUFCデビュー戦に向けての準備に入っていた。フライ級での戦いは17年6月の韓国のROAD FC以来7年半ぶりとなる上、初の米国での減量、ルールへの対応も課題となる。海が今回勝てばアジア人男性初・日本人初のUFC王者となる。(試合発表時の記事はこちら)
朝倉海「あと2週間くらい発表が遅れたら、もう言いそうになってたんで、ギリギリでした」
ようやくUFCのデビュー戦が決定しまして、対戦自体は結構何か月か前から決まっていたんですけど、やっと発表することができてとてもうれしいですし、改めてすごい気合が入っています。
(ファンの皆さんもこの時を待ち望んでいたかと思います)SNSでも本当にUFCと契約したのかとか大丈夫かみたいな心配の声とか多かったんですけど、ようやく正式に発表されて、信じてもらえたんじゃないかな、と思います。
(UFCのアジア太平洋地域統括責任者のケビン・チャン氏からのメッセージVTRが流れ「日本勢の黄金期に入っている」と語ったことについて)すでに日本人のUFCで活躍している選手も結構いますし、僕がチャンピオンになることでまたUFCを日本に持って来られる可能性もあると思いますので、絶対に勝ってUFCを日本に持って来たいな、というふうに思っています。
(UFCファイターとして初めて公の場に出る今の気持ちは?)今日が初めてなんですね。自分のYouTubeとかでは発信してるんですけど、メディアの前で話すのは初めてなんで、本当にこの瞬間を待ってました。僕もあと2週間くらい発表が遅れたら(自分で)言いそうになってたんで、ギリギリでした(笑)。こうやって発表できて、SNSの反響とかもすごくて。日本人がタイトルに挑戦するっていうのは、10年ぶりくらいで、久しぶりだと思います。あと日本人で今までチャンピオンになっている人がいないっていうところで、そこに僕に賭けてくれてる人も多いと思って、そこに応えられるような結果を残したいですし、パフォーマンスでも世界中に衝撃を与えられるような戦いを見せたいなと思っています。
(初めてUFCからオファーされた時は、どんなお気持ちだったんでしょうか?)その契約の件も本当に色々あったので、決まった瞬間とかはその辺ははっきり覚えてないんですけど、いろんな沢山の人の協力があって、それこそRIZINの榊原(信行)社長もそうですし、本当に沢山の人がサポートしてくれたおかげで、この契約を取ることができたので、まずはみんなへの感謝が大きかったです。
(6月にUFCとの契約を発表してから試合が発表されるまでの4か月間はどういう気持ちでしたか?)この4ヶ月の中で、対戦相手が変更になったり決まりそうで決まらなかったり、戦う予定の大会も2~3回変わったりとか、そこで結構常に試合をするつもりで準備をしていたので、気持ちを保つのが難しかったりもしたんですけど、その分、常に追い込めたので、いい準備ができました。
(そしてようやく発表されたのが年内最後のペイパービューイベントです)うれしいです。結果的に年内最後のみんなが注目する大会のタイトルマッチができるということで、こんなチャンスはなかなかないな、ということで、勝つのはもちろん、試合内容にこだわって、めちゃくちゃいいインパクトを与える予定です。
(そもそもUFCで戦いたいと思ったきっかけは?)数年前から僕の中でUFCのチャンピオンになることが格闘家としての目標であって、それもずっと言い続けていたと思うんですけど、UFCが世界のトップなのは、みんな認めていると思うので、やるからには世界一になりたいと思っていたので、その場所で僕はトップを取りたいなと思います。
「ゆくゆくバンタムにも行く。どっちの階級でもトップを取る」
(これまでより1階級下のフライ級でのコンディションは?)フライ級でやるって決めてから何ヶ月か経っているので、しっかり体重の調整もできています。久しぶりの階級なのでちょっと不安はありますけど、格闘技に詳しい栄養士の方にも協力してもらったりとか、そのプラン通りに進んでいるので問題ないかなと思っています。
(バンタムで戦いたい、フライ級で戦いたいといった希望はUFCに伝えた?)どっちでもいいですと、いい条件がもらえる方で戦いたいと伝えました。最初はフライでとお願いされたので、ゆくゆくバンタムにも行くと思いますし、どっちの階級でもトップを取るつもりでいます。
(先日、平良達郎とブランドン・ロイバルが大変な戦いをしました。年間ベストバウトとも称される戦いでしたが、ご覧になりましたか?)そうですね。ちょうどその日、BreakingDownオーディションに(審査員として)参加していて、めちゃくちゃ見たかったのに見れなくて。オーディション中こうして(隠して)スマホを置いて見ようかなと思ったぐらい見たかったんですけど、我慢して。夜の9時半とかにオーディションが終わって、帰ってすぐU-NEXTで見たんですけど、すごい戦いでしたね。ロイバルはさすがの経験値だし、ゲームの作り方だったり、本当に素晴らしいなと思いましたし、達郎選手、達郎君もすごいなと思いました。若いのにめちゃめちゃ強いなと思いました。
(格闘技の本場ラスベガスで、満員のT-モバイルアリーナでのデビュー戦となりますけれども、どんな戦いをしたい?)KOで勝つことしか考えてないですね。どれだけインパクトを残せるかだと思うんで。UFCでも今まで衝撃的な記憶に残るKOシーン(の総集編)ってあると思うんすけど、そこに載るような衝撃的なKOを見せたいなというふうに思っています。
パントージャの同門の堀口恭司と戦った4年前とは「別人くらい強くなってる」
(減量に関して、今の体重は?)今は64kgです。(※上写真は昨年大晦日のRIZINバンタム級タイトルマッチの前日計量時の海)
(今までのバンタム級での通常体重は?)68kgくらいでした。
(どのような感じで体重を落としていますか?)練習量を増やすのと、あとは食事も少しずつ抑えていくという感じですね。
(10月に試合が決まるかもしれないとYouTubeでおっしゃっていましたけど、10月に向けてある程度体重を下げていた?)そうですね。でもマックスで64kg切るくらいまでしか落としていなかったですね。(8月に)タイに修行に行ってたんですけど、その前ぐらいにもしかしたら10月になるかもしれないってので、準備を始めて。タイにいる途中ぐらいから12月で決まりそうだ、っていう話だったんで、その時はちょっと減量して63kgぐらいまで落としたのがマックスで、12月で決まった瞬間にまた戻した感じですね。
(フライ級仕様の朝倉海はどんな感じになりそう?)どうなんでしょうね。でも普段僕あんまり減量してなかったんで、減量もいつも2週間とかで、最後水抜きをするぐらいだったんで、実際試合当日の体重はそこまで変わらないのかなって思います。若干筋肉量だったりとかは落ちると思うんですけど、体重自体はそこまで変わらないので、近いコンディションでできるのかなと思います。
(5分5R戦う可能性がありますが、スタミナの不安は?)ずっとその予定で準備しているので全然大丈夫です。毎日5分7ラウンドやったりとか。5分の中で相手が途中でフレッシュな状態で入ってくる練習だったりとかもしていますので、そこは全然大丈夫です。
(ラスベガスで試合前はどういう調整をしていく予定?)11月の末ごろに日本を出発して、ラスベガスの多分、UFC PI(=UFCが運営する大型トレーニング施設のUFCパフォーマンスインスティチュート)で調整する予定です。
(日本からメンバーを引き連れたり、向こうのスパーリングパートナーを呼ぶ?)すでに呼んでいるトレーニングパートナーもいるんですけど、日本にトータル3人くらい呼ぶ予定で、そのメンバーにも来てもらうのと、あとはアメリカでも手伝ってもらえる予定の人もいます。
(パントージャの所属するATTのチームメイトの堀口恭司選手から情報が入ると思うんですけど、堀口選手と戦った4年前と一番違うところはどこですか?)いや、もう変わりすぎて、比べられないですね。打撃にしてもレスリングにしても寝技にしても、もう別人くらい強くなってるんで。やっぱり海外のコーチが日本に来てくれたことがすごく僕の中で大きくて。1回怪我して1年半離脱して、久しぶりに(昨年5月)元谷選手と試合をしたんですけど、その試合から僕全然違うと思うんですけど、本当にあの頃と全然違うぐらい成長してるんで、その分析は意味がないのかなっていう風に思います。
鶴屋怜の挑発には「知名度を上げるのに必死なんだろうな」
(平良選手がコツコツ勝って世界王座を目指していたところで、海選手が一発で挑戦することを歓迎をしない声もありますが、どう思いますか?)そういう声も出てくるだろうなとはもちろん想像はしていましたけど、結局UFC側が決めたことで、UFCが評価することなんで。僕がUFC以外のRIZINで今までやってきたことだったり、YouTubeで活動してきたことだったり、その全てがUFCの社長に届いたわけなんで、それは僕がやってきたことは間違ってなかったなと思っています。
(鶴屋怜選手が昨日のXに「勝っても負けてもこの階級からすぐ逃げるなよ!フライ級日本人最強は俺だ」と投稿していました。今後チャンピオンとして日本人の挑戦を受けるのもアリですか?)まあ、知名度を上げるのに必死なんだろうなと思いましたし、彼もすごいポテンシャルがあると思うので、頑張ればタイトルを挑戦する位置に行けるんじゃないですかね。
(11月4日のDEEPに出るマンド・グディエレス選手は海選手と一緒にタイで練習していた選手ですよね)彼とはタイのトレーニングキャンプで一緒に練習してたんですけど、本当は(日本に)来てもらう予定だったんですけどビザを取るのに結構時間がかかってしまっていて、まだ来れてないという状況です。たぶん来週の始めぐらいには来れるのかなと思います。
(今どういった人たちと一緒に練習していますか?)海外から練習に来てくれているのと、あとは神龍(誠)君が来てくれてます。
(海外の選手の名前は?)まだちょっ言とえないですね。
パントージャは「打ち合ってくれるし、僕にとってはすごく都合のいい相手」
(パントージャのどういったところに警戒していますか?)まあやっぱ全部上手いですよね。打撃も寝技もレスリングも、とにかく寝技の極めが強いですね。1Rだとしても、どの局面だとしても、本当に全力で極めに来るタイプなので、そこでのフィニッシュも多いですし。あとは競った試合でも勝ちきる精神力というか、彼の一番強さはハートの部分だと思います。でも、技術が飛び抜けてすごいとは思わないですし、打ち合ってくれるし、僕にとってはすごく都合のいい相手だなと思っています。
(1R・2Rあたりのフィニッシュはあり得る?)全然あると思いますよ。何パターンか、本当にKOできるイメージがあるんで、倒せると思います。
(逆に向こうの裸絞めとか右フックとかでのフィニッシュ能力については?)フィニッシュ能力は高いですね。特にバックキープやバックのチョークがすごい上手いですよね。でもパントージャとの試合は3ヶ月前とか結構前から決まっていたので、ずっとその対策をしていますし、パントージャに似ている選手ともずっと練習をしてきたし。グラッグリングで(柔術の強豪の)石黒翔也さんともずっと対策をしてきて、彼の技術もすごいので、そこでいろんなエスケープの仕方だったり、対応の仕方をめちゃくちゃ学んでるんで、結構自信はあります。
(ラスベガスでは相手の応援の方が多いと思います)リング、ケージに入ったらそんなに気にしないですね。倒すことしか考えていないのであんまり関係ないというか。僕からすると今まで日本でRIZINでメインイベントをやることが多くて、僕がたくさんのお客さんを呼んで試合をしていたんですけど、そっちの方がはるかにプレッシャーがかかるので、気持ち的にはすごい楽な気持ちで臨めるかなと思います。
「僕の活躍によって、また兄貴にやる気がやる気の火がついてくれたら」
(今回パントージャ選手との対戦が決まった時にお兄さんの未来さんから何か言われましたか?)だいぶ前なんで覚えてないですけど、いけるっしょみたいな感じだったと思いますね。でもマジでいきなりタイトルマッチなの?って、珍しく驚いてました。なかなか驚かない兄貴を久しぶりに驚かすことができました(笑)。
(今回のUFC挑戦に関しては、未来選手もかなり動いて、色々お願いして回ってくれたみたいですね?)そうですね。表では自分では言わない性格だと思うんですけど、影でそういう契約のことだったり、RIZINの榊原さんのことを説得してくれたり、すごい感謝してますね。
(海選手がUFCに挑戦するにあたって、お兄さんの夢も一緒に背負って戦う部分はありますか?)まあ、それもありますし、僕はまた復帰してほしいなって思ってる派なので、この僕の活躍によって、また兄貴にやる気がやる気の火がついてくれたらいいなっていう風に思ってます。
(セコンドにお兄さんがつく可能性は?)今話しているところですね。そこは来てくれるような気がしますけど、BreakingDownが一緒の日なんですよね。日本時間で同じ12月8日にBreakingDown 14があるので、厳しい戦いになるかと思いますけど、なんとか説得して連れていきたいなと思います。
(海選手としては未来さんに来てほしい?)もちろんですね。やっぱり兄貴のセコンドの指示っていうのはすごいですし、いてくれることで安心感っていうのもすごいあるので来てほしいですね。
「来年にUFCを日本に持ってきたい」
(先ほどフライ級とバンタム級も条件次第と言ってましたが、その条件は相手がランカークラスとか、金銭面とか、どちらでしょう?)どっちもですよね。あとは、いかにUFCで僕が有名になっていけるかというか、その辺も考えた中で、先にプライ級でタイトルを取りに行くのが一番いいのかな、という風に思いました。
(あと何試合契約ですか?)決まってるんですけど、たぶん言っちゃいけない。すみません。後で怒られるので。
(来年あたり日本大会を持ち込みたいとか、今後のビジョンは?)まだそういうのが決まってはいないんですけど、僕がチャンピオンになればそういう交渉する力が出てくるかなって思いますし、僕がUFCチャンピオンになれば、日本でUFCをやったとしても本当に盛り上がると思うので、今回しっかり勝って、僕の目標は来年にUFCを日本に持ってきたいな、というふうに思っています。