GLORY 7.20 ロッテルダム:RISE代表・原口健飛、宿敵ペットパノムルンとの3度目の対戦は「ボコボコ作戦です。とにかく殴り続ける。これだけですね」
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GLORY 93(7月20日(土/現地時間)オランダ・ロッテルダム:トップスポートセントラム)でペットパノムルン・キャットムーカオの持つGLORYフェザー級王座に挑戦する原口健飛が18日、東京都内でマスコミの囲み取材に応じ、試合に向けての意気込みを語った。
コーメインイベント GLORY世界フェザー級(65kg)チャンピオンシップ 3分5R
ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ/王者、元RISE世界スーパーライト級(65kg)王者)※8度目の防衛戦
原口健飛[けんと](FASCINATE FIGHT TEAM/挑戦者、ISKA K-1ルール世界ライトウェルター級(65kg)王者、元RISEライト級(63kg)王者)
ペットパノムルンと原口は過去2度、原口の地元にあたる大阪でのRISEのリングで対戦し、いずれもペットパノムルンが勝利している。21年11月の初対決ではペットパノムルンが3R判定勝ちし、22年8月の再戦ではペットパノムルンが延長判定勝ちし、RISE世界スーパーライト級王座を獲得した。
その後、原口は22年12月にGLORYのランカーのセルゲイ・アダムチャックに判定勝ち。昨年3月のRISE ELDORADOではジェレミー・モンテーリョに4R KO勝ちしISKA世界王座を獲得。7月の大阪大会ではアンバー・ボイナザロフを1R KO。12月の両国大会ではGLORYフェザー級1位のエイブラハム・ヴィダレスと対戦し、1R終盤にダウンを喫するも、2Rに逆転KO勝ちし、ペットパノムルンのGLORY王座挑戦が内定していた。
これまで22年3月のベルギー大会では小林愛三がGLORY女子スーパーバンタム級のティファニー・ヴァン・スーストに挑戦し5R TKO負け、昨年8月のオランダ大会で海人がGLORYライト級王者のティジャニ・ベスタティに挑戦し5Rともポイントを取られ判定負けし、RISE王者のGLORY王座戦での完敗が続いている
ペットパノムルンは2度目の原口戦の後、22年12月の両国大会で山田洸誓に勝利。昨年、GLORYで3試合し、10月にダビド・メヒアに判定勝ちし、GLORY王座の7度目の防衛を果たす。12月のRISE両国大会でチャド・コリンズに判定負けし、RISE世界王座から陥落した。4月27日のGLORYフランス大会で原口を相手に防衛戦を行う予定だったが、コリンズ戦で負傷した左足の手術のためにキャンセルしていた。
以下はRISEから届いた原口の囲み取材での談話。
原口健飛『俺なら勝てるって軽はずみに言えないけど、今回は日本のために勝ちたい』『ボコボコ作戦でとにかく殴り続ける事が今回のテーマ』
―― 約2年ぶり、3度目の対決となりましたが今の気持ちはいかがですか?
原口 2回目の対戦で負けてからペッチと対戦するためだけにやってきたので、ようやく辿り着いたというのとよく辿り着けたなって気持ちです。
―― 約2年という期間は長かったですか?
原口 これまでアダムチャック、ジェレミー、アンバー、ヴィダレスと戦ってきて、全員強敵だったからその時々で集中していたので意外と早かったですね。
―― すべての試合はペッチとの対戦に向けた試練だったと捉えていますか?
原口 ジェレミーはISKAだったので別ですけど、アダムチャックとアンバーとヴィダレスはペッチが倒して来れなかった相手で、その3人をKOすれば少しは辿り着けると思っていたので、その3人はペッチのためにやってきました。
―― あれからペッチの印象は変わっていますか?
原口 強いと思うし変わっていないですよ。試合が近づくとペッチって強いんやろなっていう気持ちも出てきましたし、2年前やからどんな感じかも覚えてないです。でも俺が負けてからチャドに負けているし、洸誓さん(山田洸誓)とも戦ったり、俺に勝ってから色んなタイプの人と戦っている試合を見ているので、いけるかなって感じです。
―― ペッチとの試合映像は1回目も2回目も見返していますか?
原口 1回目は初めてあんなにボロボロにされたので見ちゃったんですけど、2回目はちょっとだけ見ました。だけど反省点はありましたね。
―― それは延長ラウンドですか?
原口 延長は逆に頑張ったなと思うんですけど、2ラウンドから4ラウンドまでの途中で印象の悪い部分があって、延長くらいは逆に攻めに行った方が良かったのかなと思いました。
―― そこが課題や修正点になりますか?
原口 今回は前回の試合と全く違うファイトスタイルで、前回やったことを一切しないぐらいの感じで行こうと思っているので、初めて対戦する感じでいきます。
―― 初めてやる感じですか。
原口 向こうもたぶんファイトスタイルをガラッと変えてくるので、3回目やけど前回前々回と違うスタイルで戦います。
―― 打ち明けることはできないと思いますが、ヒントだけでも教えていただけないでしょうか?
原口 ボコボコ作戦です。とにかく殴り続ける。これだけですね。
―― 今回は過去2回と違って、アウェイのオランダ・ロッテルダムでの1戦となりましたが、場所に関してはどうでしょうか?
原口 ロッテルダムの方が良いでしょ。日本でやるよりそっちの方が俺はいける気がしますね。
―― その心は?
原口 昔から「負ける」って言われていた選手と戦うのが好きだったので、そっちの方が自分は強いなと思っています。
―― ちなみに海外渡航経験は今まで何回くらいありますか?
原口 1回もないです。
―― じゃあ今回初めてパスポートを作ったんですか?
原口 そうです。だから何も知らんからいけるって思ってます。アホになった方がいいかなと思って(笑)。
―― 周りからオランダのイメージやGLORYの試合会場についてのイメージを聞くことはありますか?
原口 試合はないですけどオランダに行った人から聞くと、平均身長が高いっていうのと、良い国だよっていうのは聞きますね。
―― 時差とか食生活はどうですか?
原口 僕は食事は気にしないタイプですけど、時差は行ったことがないので分からないですね。話を聞くと人によっては感じないっていう人もいれば、行った日はヤバかったと言う人も多いので分からないです。
―― 原口選手自身は海外での自分を想像した時に、そういったことは全く関係なさそうですか?
原口 こんな性格なのでたぶん余裕やと思うんですけどね。試合は分からないですけど、環境にはすぐ慣れるタイプなので綺麗な国であれば大丈夫です。
―― 今のGLORYについてはどう考えていますか?
原口 GLORYと戦うようになってから見始めたので、過去の印象とかは分からないですけど、やっぱ65kgは強い選手が多い印象です。キックボクシングに関しては65kgはGLORYが1番ですね。
―― 戦い甲斐があるって感じですね。
原口 戦い甲斐があるし大変ですよね。ペッチに勝ってもペッチと同じくらい強いやつが下におるから、まあまあ修羅の道やなって感じがします。
―― 修羅の道を歩むために、今回乗り込んで行く形になりましたね。
原口 歴史的な勝利を持って来れるように、まずは頑張ります。
―― 何か海外に持って行くものはありますか?
原口 何か要りますか?
―― よく日本食を持って行く人は多いですよね。
原口 日本食は一応持って行こうと思っていますけど、特に好きなものとかは無いので白飯は持って行こうと思っています。
―― 初めての海外という事に不安はないんですか?
原口 RISE陣営も来てくれるし、1人で行くわけじゃないので全然不安はないですね。
―― 不自由しそうだという予想はありますか?
原口 気持ちがあればなんでもいけるんじゃないですか。通訳もおるし別に心配はないですね。海外に行きたかったので、自分の仕事というか好きなキックボクシングで行けるというのは凄い幸せな事なので、その気持ちだけです。
―― 敵地のリングという事に関してはいかがですか?
原口 ペッチもオランダ人ではないしGLORYに所属しているというだけで、俺が東京に住むみたいな感じだと思うんです。だからペッチのホームかと言われたら別にそうでもないと思うし、ペッチはペッチで時差があると思うし、そこは言い訳にしないです。
―― この数年間ペッチのために戦ってきたと仰っていましたが、それはこれまで戦ってきた相手に関してもペッチを想定していたという事ですか?
原口 それはしていないです。アダムチャックがサウスポーでしたけどファイトスタイルが全く違うので。ペッチは唯一無二というか、あんなやつみたことないですね。キックボクシングをさせてもらえない選手というか、ペッチはペッチとして割り切ってやっていました。とにかく辿り着くために勝つだけでした。
―― ちなみにチャドとの試合は参考になりましたか?
原口 参考になりましたね。チャドみたいに手数を出せるかと言われたら分からないですけど、チャドよりも俺の方が当て勘はあります。チャドは無駄なパンチがすごく多くて、その分めちゃめちゃ体力はありますけど、僕は無駄なパンチは出さないし、出したパンチは全て当てる能力を持っているので、参考にはなりましたね。
―― 日本だと試合内容を意識しているかと思いますが、海外ではそれを意識せずに勝負に徹していきますか?
原口 それはもちろんファンを獲得できるようなファイトスタイルでいきたいと思っているんですけど、ペッチに勝つ事自体が歴史的なので、とにかく勝てばいいかなって感じですね。
―― KOは考えていないですか?
原口 狙ってはいないですけど、KOできる技も練習しています。GLORYはタイトルマッチでも5ラウンドで終わりなので、しっかり動ける体を作っています。
―― GLORYのベルトを獲った後のことは考えていますか?
原口 トーナメントがあるので考えたくないですね(笑)。考えないとあかんけど、まずは休みたいというか自分を褒めたいと思います。
―― GLORYとRISEの2つのベルトを持ってトーナメントに参戦するっていう形になると良いですね。
原口 それをRISEとしても望んでいる事だと思うし、トーナメントに出て優勝できるかはワンデーなので分からないけど、その形で出れるようにしたいです。
―― 日本からは試合の何日前から行く予定ですか?
原口 7月13日着で1週間前に行きます。
―― 1週間あったら完全に調整できそうですか。
原口 ほんまに分からんす。もしかしたらめちゃめちゃ体調悪いかもしれないし(笑)。そういう色んなことを踏まえて1週間前に行きます。
―― 先ほど「綺麗な国なら大丈夫」と仰っていましたが、汚い国だと心配ですか?
原口 僕めちゃくちゃ潔癖症なんですよ。なので海外に行かなかった理由の一つが潔癖症なので、タイとかも行ってみたいですけど、映像で見る分には苦手かなという感じがあります。
もちろん綺麗なところもあると思いますけど、僕が見ている中では行きたいけど行かれへんのかなって感じでした。オランダは行ってみないと分からないけど、綺麗なイメージがあります。
―― 先日の大阪大会ではリング上で「勝手ながら日本の総大将という気持ちで行きます」と仰っていましたが、そういう気持ちの方が自分の力を発揮できそうですか?
原口 現役のキックボクサーの中では、世界のトップと戦ったのが1回目の僕とペッチだったと思ってるんですよ。1番初めに戦わせてもらって、負けてはいるんですけど。その中で武尊くんや野杁くんや海人くんとか、日本の強い選手が負けてしまっていて、僕はひと足先に強い人を体感しているので、人よりも経験があります。みんなが負けたからとか言ったらアレですけど、負けたからこそ自分しかいないという気持ちが出てきたし、だからこそ「自分が勝手に総大将だと思っている」と発言させてもらって、だから人よりも経験値があるという意味を込めてそういう風に言わせてもらいました。
―― トップどころが最近負けているっていうのは気になっていましたか?
原口 僕も日本でやって負けているから気持ちは分かりますね。なので俺なら勝てるっていう発言は軽弾みにはできないですけど、だからこそ今回は日本のためにも勝ちたいなって思いはめちゃめちゃあります。
―― ペッチに勝ちたいということと、GLORYのベルトを獲るということではモチベーションの大きさに違いはありますか?
原口 ペッチに勝つことの方が大きいです。ペッチがベルトを持ってくれているだけで、GLORYのベルトを獲りたいなと思っていたので、僕からしたらめちゃくちゃ良いですよね。ペッチが例えばGLORYで負けたとしても、僕はペッチを選んでいるので、やっぱりペッチに対する思いが強いかなと思います。
―― オランダは昔から色んな選手が日本で試合をしていますが、好きな選手や印象に残っている選手はいますか?
原口 好きな選手はいないですけどオランダで言ったらピーター・アーツですかね。セーム・シュルトもインパクトはあるなと思いました。
―― レミー・ボンヤスキーはどうですか?
原口 レミー・ボンヤスキー好きっすわ。フライング・ニーを小さい頃に真似していました。
―― レミー・ボンヤスキーが好きな理由ってあるんですか?
原口 フライング・ニーってインパクトがあるじゃないですか。ジャンプして蹴るって子供の頃からしたら凄いなって思うし、身体能力があるんだろうなと思ったので、子供の頃は試合内容を見ていないから「すげえ!」みたいな感じでした。
―― じゃあ今回はオランダで原口選手のフライング・ニーが見れそうですね。
原口 かましてきますわ。『新フライング・ニー』を。
―― 実際GLORYにはエクセレントファイトという大技を出すとポイントになる特別ルールがあるじゃないですか。
原口 そこは俺に有利なルールじゃないですか、その代わり首相撲も長かったり不利な部分もあるけど、いかに自分の有利な部分を出せるかで、相手も俺も決まってくると思うので、出したもん勝ちですね。
―― 結構大技を使おうと思っているんですね。
原口 自信持ってやろうかなと思っています。1回目も2回目も大技に反応はできていなかったけど、俺もビビりながら蹴っていたから当たっても効いていなかったし、そこがあかんかったとこやと思うので、しっかり蹴っていこうと思います。
―― ペッチに対して苦手意識はありますか?
原口 もうないですよ。別に2回目も苦手だと思っていないし、自分はどんな相手でも対応できると思っているから、今はもう全くないです。
―― 今回は1回目、2回目と比べて調整方法は変えているんですか?
原口 調整方法は変えていないんですけど、変えるのはファイトスタイルだけですよね。とにかく殴り続けるのが今回のテーマなので殴り続けられるように練習しています。あとは俺もペッチと一緒で、何個か攻撃を無視しようかなと思っています。全部に反応しすぎて攻撃に対してカウンターだったから印象が悪かったんですよ。だから無視するところは無視して、自分のやりたいことだけやろうと思っています。
―― わがままなファイトスタイルを貫くということですね。
原口 そうですね。ある意味やったことのないファイトスタイルですね。できるか分からないですけど、その気持ちで戦います。
―― 先日の大阪大会のメインの解説をしていた時に「俺もこんな試合がしたい」と話をされていましたが、あの試合を見て心を動かされたところはありますか?
原口 やっぱ殴り合うって良いですよね。ペッチはそこができないように組んでくるし殴らせてくれないので、うらやましいなと思います。ヴィダレスの方が組んでこなかったので、やられた部分もあったけどああいう感じでKOもできたし、チャドとかミゲールやったら殴られてくれそうやし、ペッチだけは殴らせてくれないですからね。だから次戦うのがペッチだからポロッと出てしまいました。
―― ボコボコ作戦でいったら展開はちょっと違いますかね?
原口 組まれることは間違いないので、組まれながらでも殴れるようにしています。
―― 最後に応援してくださるファンの皆さまにメッセージをお願いします。
原口 2年ぶり3回目の再々戦です。俺はもう正直これが最後だと思っています。次ここにいる時はGLORYのベルトをここに持って来れるように頑張ってくるので、朝早いですけど皆さん応援をお願いします。マジで期待していてください。