修斗 9.24 後楽園ホール(レポ):岩﨑大河、韓国の選手に判定勝ち。平川智也、初参戦のライダーHIROの組技封じ判定勝ち。藤野恵実、宝珠山桃花との殴り合い制す
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プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2023 Vol.6
2023年9月24日(日)後楽園ホール
レポート:井原芳徳
計量オーバーの堀内佑馬との試合を回避した石井逸人「最高のコンディションの堀内と戦って勝ちたかった」
第9試合 フライ級 5分3R
―石井逸人(TRIBE TOKYO MMA/世界バンタム級2位・元環太平洋王者)
―堀内佑馬(TANG TANG FIGHT CLUB/チーム・オーヤマ)
中止
石井は前日の公式計量を56.7kgでクリアしたが、堀内は最初の計量で57.3kgで0.6kgオーバーし、最終計量でも57.0kgで0.3kgオーバーした。その後、57.0kgのキャッチウェイトでの試合の合意に至らず中止となった。最初の計量直後、肩を落としてぐったりしている堀内を見て、石井は「この状況で落とすの無理でしょ。今回流して、次100%のコンディションを作ってきた方が、俺も戦いたいと思うし、ここから100%のコンディションを作れるのなら、明日、エグい試合しましょう」と話していた。
計量翌日の大会当日、石井は開会式後にケージに登場した。石井は「今日は試合が無くなってすみません。自分は最悪のコンディションの堀内と戦って勝つより、最高のコンディションの堀内と戦って勝ちたかったです。残り数百グラムを落とすことの厳しさは経験者しかわからないと思います」と、試合を回避した理由を観客に説明し「命あっての格闘技なんで、堀内が自分の体にしっかり向き合って、フライ級までもう一度落とせるなら、近いうちに対戦しましょう」と堀内にメッセージを送り、「今日は修斗を楽しんでいってください」と話してマイクを締めくくった。
岩﨑大河、韓国の選手に判定勝ち「僕が修斗も空道もパラエストラも全て背負って戦います」
第8試合 ミドル級 5分3R
○岩﨑大河(大道塾/パラエストラ東京)
×キム・ウンス[Kim Eunsu](韓国/ウィナーズMMA)
判定3-0 (大内30-26/内田30-27/出合30-27)
石井×堀内のメインイベント消滅という異例の事態により、岩﨑大河とウンスの一戦がメインイベントに格上げとなった。
岩﨑は着衣総合武道「空道」のエースでありつつ、3年前からMMAも並行し9戦8勝(3KO/2一本)1敗。修斗では3戦全勝で、昨年7月の後楽園大会ではイム・ドンジュ(韓国)に1R TKO勝ちして以来の修斗登場となる。昨年末のアントニオ猪木氏追悼興行 では、元ベラトール・ミドル級王者の柔術強豪・ラファエル・ロバトJr.と対戦し、1Rアームロックで一本負けしMMA初黒星。今年5月の空道世界選手権では最重量の270+クラスで優勝し、13年ぶりの日本人同級優勝を果たし、修斗に戻る。
キム・ウンスは韓国特殊部隊出身の39歳。Road FC等の韓国の大会を主戦場とし、15~20年に4連敗し、それから3年ぶりの試合となる。
1R、ウンスが開始すぐに左右のフックを当てて前に出るが、岩﨑は両脇を差して押し込む。中盤、一旦離れ、再び岩﨑が押し込み、またも離れると、今度は岩﨑が突っ込んで左肘を当ててから、タックルを仕掛けて押し倒し、そのままマウントを奪うことに成功する。終盤、岩﨑はバックマウントに移行し、腕十字を狙う。ウンスに脱出されると、岩﨑が上になるが、ウンスは下から首を抱えてリバースし、トップを取って終える。記者採点は岩﨑。
2R、岩﨑がウンスを金網に押し込み、お互い足を掛けテイクダウンを狙うが、立った状態が続く。中盤、岩崎がじわじわとウンスの体勢を崩し、背後からしがみついてコントロールするように。終盤、岩崎は背後からパウンドをコツコツ当て続けて追い詰める。記者採点は岩﨑。
3R、岩﨑が押し込み続け、離れ際に右肘を当てる。打撃戦が続き、お互い慎重な状態が続き、再び金網際での押し合いになり、またも岩﨑が離れ際に右肘を当てる。終盤、打撃戦と組みが繰り返されるが、お互い決め手に欠いたまま終わる。記者採点は打撃で印象を作った岩﨑。合計30-27で岩﨑。ジャッジ3者とも岩﨑を支持し、岩﨑が判定勝ちした。
マイクを持った岩﨑は「僕が修斗も空道もパラエストラも全て背負って戦います。今後とも応援お願いします」とアピールした。
平川智也、初参戦のライダーHIROの組技封じ判定勝ち
第7試合 バンタム級 5分3R
○平川智也(マスタージャパン東京/世界7位、環太平洋7位)
×ライダーHIRO(シューティング宇留野道場)
判定3-0 (片岡29-28/松根29-27/出合29-28)
平川は18年から根津優太、安藤達也、倉本一真、青柳洸志相手に4連敗したが、昨年4月に松下祐介、7月に根津に勝利し2連勝中だ。怪我の療養を経て1年2が月ぶりに復帰した。
ライダーは平川と同じ87年生まれで、50戦以上のMMAキャリアがある。ZST、パンクラス、GRACHANにレギュラー参戦し、昨年はNEXUS、GLADIATOR、KROSS×OVERを転戦し、修斗に初参戦した。
1R、スタンドの攻防が続き、中盤、ライダーが足元へタックルを仕掛けると、平川に対処され、ライダーは下になる。ライダーはすぐに下から腕十字を仕掛けるが、平川は持ち上げて落としてから脱出する。またもライダーがタックルを仕掛け、平川はしばらく抵抗する。だがライダーは終盤、バックを取ることに成功し、足4の字で捕獲する。平川は体をひねって向き直そうとするが、ライダーはバックキープし、パウンドを当てて終える。記者採点はライダー。
2Rもライダーが片足タックルを仕掛けるが、平川は脱出する。ライダーはその後のタックルも切られ、自ら寝転んで下から腕十字を狙う動きを繰り返すが、平川は読んであっさり対処するように。平川はサウスポーで前に出て左フック、左ボディをヒットし、じわじわとライダーにダメージを与える。ライダーは終盤、ようやく上を取ってサイドで押さえるが、バックを狙うと平川は脱出して上に。平川はパウンドを当てる。最後、ライダーは下から膝十字を仕掛けるが、すぐ時間切れに。記者採点は平川。
3R、ライダーはタックルを繰り返し、切られると自ら寝転ぶ動きを繰り返す。平川は変わらずパンチとパウンドを当てて優位を維持する。ライダーは下から腕十字を度々狙うが、平川は極めさせず脱出を続ける。すると終盤、劣勢のライダーは平川との打撃戦に応じるように。ライダーが当てる場面もあるが続かず、平川が左フック、首相撲からの膝蹴り等を当て、ライダーを追い詰める。ライダーは苦しみながらも平川の腕をつかむが、平川は外し、最後は上四方で押さえて終える。記者採点は平川。合計29-28で平川。ジャッジ3者も平川を支持し、平川が判定勝ちした。
内田タケル、大竹陽に1R一本勝ちし返り討ち
第6試合 フライ級 5分3R
○内田タケル(パラエストラ松戸/世界7位)
×大竹 陽(HAGANE GYM/世界10位)
1R 2’46” 裸絞め
内田は21年9月に大竹に一本勝ち。昨年6月のシンガポールでのROAD TO UFCでは、トーナメント以外のワンマッチに出場し、オーストラリアの選手を1R裸絞めで下し、5連続一本勝ちとした。だが9月に修斗で関口祐冬に腕十字で一本負けした。大竹は内田に敗れた後、山内と新井に敗れるも、それ以外の3試合は全てフィニッシュで勝利しており、5月に古賀優平に2R KO勝ちした。
再戦は前回の対戦同様、内田の完勝に。1R、内田は開始すぐに前に出て、片足タックルを仕掛けてあっさりとテイクダウンに成功する。内田は金網際で上から押さえ続け、中盤にはパウンドを当ててからハーフガードへ。内田はすぐに大竹の上体にしがみついて、足を抜いてマウントを奪う。大竹は防戦一方で、内田がハーフに戻りながら首を抱える。大竹は立とうとしたが、すぐに内田はバックに回り込み、両足で内田の腹を伸ばしながら裸絞めでガッチリと絞め上げタップを奪った。
完勝しマイクを持った内田だが「試合のことで目いっぱいで何にも考えてなかったんですけど、勝てて…、ま、次も頑張ります」と、たどたどしく話すに留まり、上位進出に向けてのアピールは無かった。
藤野恵実、宝珠山桃花との殴り合い制す
第5試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2023 女子ストロー級 5分2R
×宝珠山桃花(赤崎道場A-SPIRIT/勝ち点6)
○藤野恵実(トライフォース赤坂/パンクラス3位・元王者/勝ち点4→6)
判定0-2 (大内19-19/内田18-20/出合18-20)
修斗では5月の女子大会COLORSから、初代修斗女子ストロー級王座を争う5選手によるリーグ戦をスタートし、今回は上位勢による試合が行われる。
宝珠山は29歳。初戦でエンゼル☆志穂に1R裸絞めで一本勝ちし勝ち点4を獲得し、7月も吉成はるかに判定勝ちし勝ち点2を獲得し、合計6点で1位の座にいる。
対する藤野は藤井惠、浜崎朱加ら数多くの日本人強豪と戦った経験のある42歳のベテラン。パンクラスの元王者で、このリーグ戦で修斗に初参戦し、7月の初戦ではエンゼルに1R裸絞めで一本勝ちし勝ち点4を獲得し、現在2位にいる。
1R、スタンドの打撃戦が続き、序盤から藤野が左右のパンチラッシュで先手を取る。中盤、長身の宝珠山が距離を取り、左ジャブをコツコツと当てるように。半分が過ぎ、藤野が詰めて宝珠山を金網に押し込む。終盤になっても藤野が押し込み続けるが、宝珠山は耐え、1分を切ると宝珠山が押し返す。結局グラウンドにならず終わる。記者採点はパンチのヒット数と押し込む時間で上回った藤野。
2R、開始すぐの打ち合いで、宝珠山は右フックと肘を当てるが、藤野も随所で左ジャブ、右ストレートを返し、お互い譲らない展開に。中盤、またも藤野が宝珠山を金網に押し込み、倒せないものの時折パンチや肘を当てる。半分が過ぎたところで離れ、またもパンチの打ち合いに。終盤、藤野が左右のパンチを当ててそのまま前に出て、またも押し込み、優位を印象づける。残り30秒、離れると、今度は宝珠山の左右のストレートが立て続けに当たるが、藤野もひるまず負けじと左右のフックを返し、接戦のまま終わる。記者採点は僅差だ藤野。ジャッジは1者がイーブンとしたが、2者が藤野を支持し、藤野が判定勝ちした。藤野は勝ち点2を追加して6となり、宝珠山と同点で1位に並んだ。宝珠山は敗れたものの、キャリアで勝る藤野相手に五分に近い状態で渡り合い、評価を高める試合だった。
第4試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2023 女子ストロー級 5分2R
○杉本 恵(AACC/女子スーパーアトム級1位/勝ち点2→4)
×エンゼル☆志穂(GSB多治見/勝ち点0)
判定3-0 (片岡20-16/松根20-18/内田20-17)
杉本は5月のリーグ初戦では吉成はるかに判定勝ち。エンゼルはこのリーグでデビューし、宝珠山戦、藤野戦と2連続で1R一本負けしている。
1R、開始すぐから杉本が右のスーパーマンパンチを当ててからタックルで倒して上になって押さえる。エンゼルは鼻血を出す。杉本はすぐにバックを取り、パウンドを当て、裸絞めを狙って追い詰める。
2R、開始と同時にエンゼルにドクターチェックが入る。再開後、すぐに杉本がパンチを当て、タックルで倒して上になる。杉本がコントロールを続け、中盤過ぎにバックマウントを奪い、再び裸絞めを狙い続ける。最後、エンゼルがようやく脱出して上になりパウンドを当て、両者立って終了。杉本が大差の判定勝ちを果たしたが、フィニッシュに持ち込めず、勝ち点は2しか獲得できなかった。
第3試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2023 フェザー級 5分2R
○上原 平(リバーサルジム横浜グランドスラム/勝ち点5→7)
×磯部鉄心(パラエストラ松戸/勝ち点0)
判定3-0 (小島20-18/大内20-18/出合20-18)
1R、上原が磯部を押し込むと、磯部は払い腰を仕掛けるが、一回転して上原が上になる。すぐスタンドに戻り、お互い攻撃が少ない状態が続く。終盤、磯部がタックルで倒すが、上原は金網を背にして座った状態でパンチを当てる。スタンド戻り、最後は上原が磯部を金網に押し込み、左肘を当て、倒して終える。上原がジャッジ3者から支持される。
2R、スタンドの攻防の後、中盤、上原がタックルで倒してサイドを奪い、バックに回り込む。終盤になってもバックキープし、裸絞めを狙い、2Rフィニッシュ勝利の勝ち点3を狙うが、磯部が耐えて終了する。上原がこのラウンドも取り判定勝ちし、勝ち点2を獲得し、現時点で1位になった。
第2試合 フェザー級 5分2R
○児山佳宏(パラエストラ松戸/元環太平洋ライト級王者)
×メイヘム和也(パラエストラ小岩)
判定2-0 (小島19-19/内田20-18/出合20-18)
1R、メイヘムが序盤から右ストレートを当てて児山をダウンさせる。児山はすぐ立ってタックルを仕掛けて倒して上で押さえる。下のメイヘムはクロスガードのまましがみついて防戦一方で、児山は時折パウンドを当てて主導権を維持する。
2R、序盤から児山がタックルで倒し、ハーフで押さえる。トップと行き来し、長時間押さえ続け、最後はバックを取って終了する。序盤のダウンの影響でジャッジ1者はイーブンとしたが、2者は児山を支持し、児山が判定勝ちした。
第1試合 バンタム級 5分2R
×谷井翔太(大道塾/ロデオスタイル)
○杉野光星(ALLIANCE)
判定0-3 (大内17-20/松根17-20/出合18-20)
1R、杉野が序盤からタックルで組み付き、背後からコントロールを続ける。終盤、ガードの低い谷井に対して、杉野が右ストレートを当ててダウンを奪う。
2R、杉野がパンチを当て、しがみついて度々倒してコントロールを続け、裸絞めや腕十字も狙って終始圧倒し判定勝ちした。
オープニングファイト 2023年度新人王決定トーナメント フライ級2回戦 5分2R
×大石航輔(トライデントジム)
○神里昭吾(Theパラエストラ沖縄)
2R 4’07” 裸絞め
1R、スタンドで距離の遠い状態が続くが、終了間際、神里が押し込んで足を掛け倒し、金網際でパウンドを落として好印象で終える。
2R、大石が押し込み、タックルで倒すが、すぐ新里は立ち、離れ際に右肘を当てる。大石は左の側頭部を切って出血し、ドクターチェックが入るが、すぐ再開する。新里は大石を押し込みつつ左肘も当てる。大石は払い腰を狙うが、神里は対処してその隙に背後に回り込む。神里は大石を金網に押し込むと、後ろから片足タックルを仕掛けて倒し、すぐに背後から裸絞めを極めタップを奪った。