修斗 7.17 後楽園ホール(レポ):若手台頭のフライ級に新風。山内渉、内藤頌貴下しデビュー4連勝。黒部三奈が快勝。激闘王・石橋佳大が引退式
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プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2022 Vol.5
2022年7月17日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
山内渉、フライ級世界5位の内藤頌貴に判定勝ちしデビュー4連勝
第9試合 セミファイナル フライ級 5分3R
×内藤頌貴[のぶたか](パラエストラ松戸/世界5位)
○山内 渉(FIGHT FARM/世界9位)
判定0-3 (柴田28-29/福田27-29/小生27-29)
内藤は20年3月の渡辺健太郎戦以来となる修斗出場。怪我のため長期欠場し、昨年10月のRIZIN LANDMARKで復帰したが、渡部修斗にわずか93秒で一本負けした。しかし大会1週間前の緊急出場で1階級上の試合で、本領発揮が難しい条件だった。
対する山内は昨年7月のデビューからプロ3戦全勝の23歳の新鋭。内藤不在の間、平良達郎が圧倒的な強さでフライ級世界王者となり、1位の関口祐冬、2位の宇田悠斗といった若手も急浮上しており、山内もこの枠に入る期待ができそうな試合を繰り広げる。
1R、序盤の打ち合いで腰の落ちる場面もあった山内だが、以降は終始打撃で内藤を圧倒する。サウスポーの内藤に、低いか前から圧をかけ続け、度々右ストレートをヒット。左右のハイも絡め、内藤を時折ふらつかせる。
2Rも山内が打撃戦で主導権を維持する。途中山内が押し込む場面もあり、内藤は持ちこたえたが、その後も打撃で追い詰められ、終盤にはパンチをもらってダウンし、山内がパウンドでフィニッシュを狙う。
3R、山内が変わらず打撃で優勢だったが、慣れない3R目に入り、少し疲れた様子を見せ、手数が落ちる。すると中盤、パンチの打ち合いの展開で、内藤の右と左フックの連打がさく裂し、山内がダウン。内藤はパウンドで追い詰め、大逆転のチャンスを得る。だが山内は下から組んで難を逃れる。最後、スタンドに戻り、激しい打ち合いのまま終了。結局、山内が逃げ切るような形で判定勝ちした。
山内は「内藤選手、4戦目の僕と戦ってくれてありがとうございます。試合で初めて疲れて、世界ランカーは半端ねえなって思いました。これからフライ級を背負える選手になります。絶対次までにもっともっと強くなって帰ってきます」とアピールした。
黒部三奈、韓国の選手に完勝し2連勝
第10試合 メインイベント 女子スーパーアトム級(50kg) 5分3R
○黒部三奈(マスタージャパン東京/世界3位、元王者、元DEEP JEWELSアトム級王者)
×パク・ソヨン[Park Seoyoung](韓国/GUNSAN ROAD GYM)
2R 1’34” 裸絞め
黒部はDEEP JEWELSで王者となり、19年から修斗に参戦すると、大島沙緒里、杉本恵らを破り女子初代スーパーアトム級王者となった。昨年11月の初防衛戦でSARAMIにリベンジを許しベルトも失ったが、1月の再起戦ではプロ3戦目の宝珠山桃華に判定勝ちしレベルの差を見せつけた。今回戦うソヨンも3戦目で、力量差は大きかった。
1R、スタンドの攻防の後、圧をかけていた黒部が金網に押し込み、テイクダウンを狙う。ソヨンは耐え続けたが、中盤過ぎにタックルで倒すと、黒部がグラウンドでコントロールを続け、バックマウントで裸絞めを狙う。最後ば背後から押さえてパウンドを連打し、追い詰めて終える。2Rも黒部の流れが続き、開始すぐにテイクダウンを奪うと、簡単にバックを取り、裸絞めを極めて一本勝ちした。
難なく勝利の黒部は「格闘技始めたころはチャレンジャーでガムシャラだったんですけど、ベルトを取ると守りに入ったりして、いつもと違って、強さって何かなって考えてしまいます。強くなるって難しいですね。一つ確かなことは、ミーナはディズニーシーでデートがしたい。誰かいませんか」と、恒例になりつつある彼氏募集のアピールを繰り広げ、観客を楽しませた。
平川智也、根津優太に4年越しリベンジ
第8試合 バンタム級 5分3R
○平川智也(マスタージャパン東京/世界10位、環太平洋10位)
×根津優太(&MOSH/元環太平洋王者)
2R 4’40” 裸絞め
根津は現在40歳。14年に環太平洋王者となり1度防衛した実績があり、一時はROAD FCに上がっていたが、18年から修斗に復帰。だが19年に倉本一真に敗れて以降、再び修斗を離れ、コロナ禍でのRoad to ONEの今成正和戦以来2年ぶりの試合となる。平川は18年に根津に敗れて以降4連敗したが、今年4月に松下祐介をKOし連敗を止めた。
1Rは平川ペース。サウスポーで圧力をかけ、積極的にパンチと左インローを当て、中盤過ぎには左ストレートでダウンさせる。根津はすぐ立って持ち直し、時折パンチを返すものの、ほとんど攻撃を当てさせてもらえず、守勢に回り続ける。
2R、中盤こそ根津が左右のテンカオのヒットを増やすものの、平川優勢は変わらず。平川が積極的に動き続け、左右のフック、ロー等を当て続ける。すると終盤、金網際に詰め、左ストレートを当ててまたもダウンを奪う。根津はダメージが大きく、平川がグラウンドでコントロールを続け根津を追い詰めると、バックマウントで捕獲し裸絞めを極め見事一本勝ちした。
平川は「4連敗のはじまりの根津選手と組んでもらって、ここで負けるわけいかないでしょ。一本取れないと言われ続けたので、取れてうれしいです。残りのキャリアも長くないですし、時間もないので、タイトル戦線に絡めるよう、いいカードを組んでください」とアピールした。
激闘王・石橋佳大が引退式
第8試合の前には石橋佳大(ZEEK GYM/元修斗環太平洋バンタム級王者)の引退式が行われた。石橋は16年に安藤達也、岡田遼に連勝し環太平洋バンタム級王者に。佐藤将光とは1分1敗で、世界王座を争ったこともある。17年にはRIZINに1度出場。ベルト返上後も修斗に上がり続け、藤井伸樹らとの死闘でも印象を残したが、今年3月の石井逸人戦で敗れ、引退を決意した。
3分間の引退エキシビションマッチでは長年の練習仲間・小林聖人を相手に、実戦同様に激しい殴り合いを繰り広げ、最後はダウンしても立ち上がり続け、場内を沸かせた。
石橋は「11勝7敗2分と、いい戦績じゃないですけど、環太平洋のベルトを巻いて、年間MVPにもベストバウトにも選んでいただきました。激闘はやりたくなかったんですけど、いつしか修斗の激闘王と呼ばれるようになり、役を与えてくれたおかげでここに立っています。さっき舞台裏で根津選手と会って、内容は覚えていないけど、ここで殴り合ったこと、一生忘れないよなと話していました。1試合1試合が糧になっています。何もない僕に激闘王という名を作ってくれて、僕も修斗が好きですけど 修斗ファンが僕を愛してくれていると感じます。昔なかなか勝てなくて格闘技を離れようと思った時もありましたが、今はやってて良かったとあの時の自分に上から目線で言えます。主役を取った人のことをポジションゼロと言いますが、間違いなく僕が今、主役としてここに立っています。皆さんがここまで連れてきてくれました。ありがとうございました。これからも修斗をよろしくお願いします」と引退の挨拶を述べ、10カウントゴングを聞いてケージを後にした。
第7試合 ミドル級 5分2R
○岩﨑大河(大道塾/パラエストラ東京)
×イム・ドンジュ[Lim Dongjoo](韓国/ザ・ジムラップ)
2R 0’00” TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる左眉カット)
岩﨑は20年のMMAデビュー以来7戦全勝。最近では4月のPOUND STORM両国大会で三上ヘンリー大智と対戦したが、サミングによる負傷判定勝ちに終わっていた。5月には空道全日本では前年度の優勝者を下し優勝している。イムは修斗初参戦。韓国の試合で6戦1勝4敗1分だが、ライトヘビー級以上で戦っており、今回は階級を下げての試合となる。
1R、グラップラーのドンジュは開始すぐから距離を詰め、度々金網に押し込んでテイクダウンを狙うが、岩﨑は防御を続ける。離れると岩﨑は左ミドル、ローをヒット。終盤、セコンドの北岡悟の「肘も行けるぞ」という声を聞くと、右肘をクリーンヒットし、ドンジュの左眉を切り裂くと、ドンジュは大量に出血する。その後も岩﨑はパンチ、膝等を当て続け優位を維持しラウンド終了。インターバル後にドクターチェックが入ると、一発でストップとなった。
岩﨑は「修斗3連勝で、お願いが2つあります。まずは宣材写真を撮ってもらいたいです。100kgぐらいあった頃の写真でブクブクで恥ずかしいです。もう1つは修斗を背負わせたもらいたいです。次はランキング戦かタイトルマッチでお願いします」と、ユーモアも交えつつ真剣にアピールした。
第6試合 バンタム級 5分2R
○齋藤奨司(FIGHT FARM)
×高岡宏気(FORCE GYM)
判定3-0 (片岡20-18/内田20-17/柴田20-17)
齋藤は4月のPOUND STORMで、現在ROAD TO UFCに出場中の風間敏臣に飛び膝蹴りで逆転KO勝ちしインパクトを残した。高岡はFighting NEXUSでは2勝しているが、修斗ではここ3年間、3敗3分と勝ち星から遠ざかっている。
1R、齋藤がスタンドでプレッシャーをかけて、高岡を金網際に詰め続け、左右のフック、右ボディ、左ロー等を当て続けて圧倒する。2R、中盤に高岡にテイクダウンを許し、しばらく押さえられたが、スタンドに戻す。それ以外は齋藤が変わらず打撃で高岡を圧倒し判定勝ちした。
第5試合 フェザー級 5分2R
×児山佳宏(パラエストラ松戸/元環太平洋ライト級王者)
○木下タケアキ(和術慧舟會HEARTS)
1R 1’43” KO (左ハイキック)
1R、41歳のベテラン・児山が、序盤からタックルで倒すが、木下はスタンドに戻すと、プレッシャーをかけ続ける。すると左の三日月蹴りを効かせて動きを止めてから、左ハイをクリーンヒット。児山がダウンするとレフェリーはすぐさまストップし、木下のKO勝ちとなった。
第4試合 女子49kg契約 5分2R
○永尾音波(AACC)
×北野きゅう(高田馬場道場)
判定3-0 (小生20-18/片岡20-18/福田20-17)
1R、永尾がサウスポーの北野に右ミドル等の蹴りを当て続け、中盤にはパンチの連打で追い詰める等、終始優位を維持。2Rも永尾がスタンドの打撃で攻勢。終盤、テイクダウンを奪うが、下になった北野が三角を狙いながら右肘を何発も当てて挽回する。結局2R目も永尾がポイントを取り判定勝ちした。
第3試合 2022年度新人王決定トーナメント一回戦 女子ストロー級 5分2R
○柳 仙香[りゅう のりか](ALLIANCE)
×ソルト(マルスジム)
2R 2’06” 腕ひしぎ十字固め
第2試合 フライ級 5分2R
○大竹 陽(HAGANE GYM)
×佐々木駿友(T・GRIP TOKYO)
1R 2’24” フロントチョーク
第1試合 ジュニア 56kg契約 4分1R
○宇都宮千空[ちそら](直心会/中学3年)
×中山流歌[るか](STF/中学2年)
1’30” 腕ひしぎ十字固め