RWS 8.12 ラジャダムナン(レポ):吉成名高、終始相手を圧倒し4Rレフェリーストップ勝ちでラジャ王座初防衛。福田海斗、2R左縦肘でKO勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
ラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)
2023年8月12日(土)タイ・バンコク・ラジャダムナンスタジアム
レポート:井原芳徳 写真提供:BOMプロモーション
2階級制覇からわずか1か月、吉成名高がタイでラジャ王座初防衛
第4試合 メインイベント ラジャダムナン認定フライ級タイトルマッチ 3分5R(インターバル2分)
○名高・エイワスポーツジム[吉成名高](エイワスポーツジム/王者、プロムエタイ協会・WPMF世界・BOM同級王者、WBCムエタイ・ナイカノムトム・スーパーバンタム級王者、元ルンピニー&ラジャダムナン認定ミニフライ級王者、元WBC・IBF・WMCムエタイ世界同級王者)
×ルンヴィッタヤー・ルークジャオメイサイトーン[Rungwittaya Lookjaomaesaithong](タイ/5位、バングラスタジアム王者、イサーン地区王者)
4R 2’17” TKO (レフェリーストップ)
※名高が初防衛
名高は7月9日のBOM東京渋谷O-EAST大会で王者のウェウワー・ウォークリンパトゥムに判定勝ちし、ラジャダムナンスタジアムのフライ級王者となる。名高はミニフライ級に続く王座獲得で、タイ人以外初のラジャダムナン2階級制覇を達成した。3階級制覇を目標に掲げており、試合後の談話でもタイでの防衛戦やスーパーフライ級王座戦に意欲を示しており、早速実現した流れだ。これまでにラジャダムナンナンスタジアムで防衛戦を行った日本の選手の中で防衛に成功したのは16年10月のスーパーウェルター級王者・T-98の1人だけだ。
RWSは昨年からスタートした、ムエタイの世界配信を目的とした新シリーズ。派手な舞台演出が特徴で、タイ人と他国の選手の交流戦が主体。アグレッシブな攻防の推奨される3R制が基本ルールだが、これまでにも5R制のラジャダムナンのタイトルマッチも組み込まれてきた。名高は今年2月のRWSに参戦経験があり、パタックシン(元オームノーイ認定フライ級王者)を最終3Rに左ハイキックでKOしインパクトを残しており、RWSでの防衛戦は興行的にも自然な流れともいえよう。対世界を意識し2月のRWSから取り入れた、相手を刀で切るジェスチャーを織り交ぜたワイクルー(戦いの師匠に捧げる踊り)は、日本に帰ってからの試合でも継続し、今回も披露して観客を楽しませる。セコンドにはジムの中川夏生会長、トレーナーで元ラジャ&ルンピニー王者のパコーンがつく。
挑戦者のルンヴィッタヤーはラジャのフライ級5位で戦績95戦80勝15敗。試合は終始、名高が圧倒する内容に。
1R、両者サウスポーで構え、中央付近で見合う中で、名高が右三日月蹴り、左ローを当てると、中盤にはルンヴィッタヤーが下がりロープを背負うように。終盤にはコーナーに詰め、左ストレート、右ジャブ、左ロー、右三日月蹴り、右ハイを的確に当て続ける。ルンヴィッタヤーも左ミドルを時折出すがほどんど攻められない。記者採点は名高。ジャッジ3者も名高。通常のラジャの試合なら1Rはポイントを振らない傾向が強く、ジャッジの採点も不明だが、RWS式のマスト判定・オープンスコアリングシステムが採用されている。
2R、名高が左ローを当て続けると、ルンヴィッタヤーは早くもバランスを崩すように。ルンヴィッタヤーも左ミドルを返すが、名高は左ハイをお返しする。終盤も名高は執拗に左ローをヒット。ルンヴィッタヤーの左ミドルをつかんでは崩しも決める。記者採点は名高。ジャッジ3者も名高。
3R、離れれば左ミドル、組めば膝が激しく交錯する。ルンヴィッタヤーが左ミドルを放ちかけると、名高は左ストレートを当ててスリップさせる。日本のK-1やRISEならダウンを取りそうな倒れ方だ。中盤も名高が左ミドル、ローを的確に当て主導権を維持する。終盤、ルンヴィッタヤーをコーナーに詰め、膝、ミドル、肘を自在に当て続ける。ルンヴィッタヤーはダメージが全身に溜まって来た様子で、かなりしんどうそうだ。記者採点は名高。ジャッジ3者も名高。
4R、名高は変わらず左ミドル、ロー、肘を当て続ける。中盤過ぎ、名高が入ろうとしたタイミングでルンヴィッタヤーが左フックを当てるが、力が入りきらず威力は不十分で、名高はジャブを突いて距離を取ってから、組んで左肘をお返しする。するとルンヴィッタヤーはじわじわ後退する。名高は右三日月蹴りを当てロープに詰め、左ローをヒット。これでルンヴィッタヤーの足が止まり、名高がパンチを連打して左ストレートを当てた直後、ルンヴィッタヤーが試合続行不可能とレフェリーは判断したようでストップをかける。名高のTKO勝ちでの王座防衛となった。
福田海斗、2R左縦肘でKO勝ち
第2試合 フェザー級 3分3R(インターバル2分)
×ペットソンポン・バンチャメーク(タイ)
○カイト・ウォーワンチャイ[福田海斗](キング・ムエ/IMSA世界スーパーバンタム級王者、元タイ国プロムエタイ協会フライ級王者、元True4Uスーパーフライ級&バンタム級王者、元WPMF世界フライ級王者)
2R KO (左肘打ち)
福田は7月18日にランシットスタジアムでチェップカート・ポンーポンサワンと対戦し判定負けしてから3週間隔での試合。ペットソンポンはアカーオ・バンチャメークの一番弟子。RWSには5月大会、7月大会と連続出場し、外国人選手を相手に2試合ともKO勝ちしている。
福田はワイクルーをじっくり躍ると、最後はドラゴンボールのかめはめ波ポーズを対戦相手に向けて行い、観客を楽しませる。
1R、サウスポーのペットソンポンが左ハイやミドルを当てるが、福田は圧力をかけ続け、中盤には右ボデイストレートを当てると、右膝も当ててから崩しを決める。するとペットソンポンは首相撲に持ち込み、肘を当てるが、福田は対応し崩しを決める。終盤にはペットソンポンの蹴り足をすくって離してから、右の縦肘も当てる。記者採点は僅差だが福田。ジャッジ3者ともペットソンポンにつける。
2R、序盤から肘膝の応酬となり、福田は右膝を当ててから崩しにつなげる。さらに福田は膝を連打してから、左の縦肘も額にヒット。これが少し手応えがあったか?その後も膝や右ミドルを絡めつつ、左の縦肘を連続で出す。2発を額に向けて放った後、3発目をアゴに当てると、ペットソンポンはダウン。ペットソンポンは大の字になって倒れ、すぐさまレフェリーがストップした。勝ち名乗りを受けた福田は再びかめはめ波ポーズを決め、喜びを表現した。