Krush 7.22 後楽園ホール:日中対抗戦は日本の6勝。卜部弘嵩の勝利に婚約者の高橋ユウさんも喜び。左右田泰臣&レオナ・ペタスはKO勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
葛西 キックボクシング ストライブジム
最安4,378円~!通い放題でも7,700円!選手志願者兼インストラクターも募集中!
Krush.90 ~日本vs中国・7対7全面対抗戦~
2018年7月22日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
【編集部注】通常、K-1 JAPAN GROUPの大会では、赤・青コーナーが一般的な大会とは逆ですが、日中対抗戦の中国側のカラーが赤になったため、一般的な大会と同じコーナーになっています。ただし、下記カード表では上の選手が青、下の選手が赤という並びになっています。
第9試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦 -58.5kg契約 3分3R(延長1R)
○卜部弘嵩[うらべ ひろたか](K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元K-1 WORLD GP&Krushスーパー・フェザー級(-60kg)王者/58.5kg)
×シュエ・シェンジェン [Xue Shenzheng](中国/一龍奥宇ジム/CFP/58.2kg)※20歳/161cm/オーソドックス/21戦12勝(1KO)9敗
判定3-0 (岡田30-29/西村30-29/山根30-28)
Krushでの日中対抗戦は昨年7月大会でも行われ、中国勢が4勝2敗で勝ち越し。前回の大将戦で負けた卜部弘嵩xが連続出場するほか、日本は佐々木大蔵、左右田泰臣、レオナ・ペタスら実力者を揃え、中国側もジャオ・チョンヤンら注目の初来日勢が殴り込みをかける。
弘嵩は3月のK-1のスーパー・フェザー級王座決定トーナメント一回戦で皇治に判定負けして以来の試合。57.5kgのフェザー級転向を見据え、60kgから58.5kgに体重を落とす。この試合と同じ時間には、日本テレビ「行列の出来る法律相談所」の企画で、モデルの高橋ユウさん(高橋メアリージェーンさんの妹)への公開プロポーズにも成功し、時の人となっている。
対するシュエ・シェンジェンは3月の朝久裕貴が優勝した武林風の-60kg 1DAYトーナメントのリザーブファイトで裕貴の弟・泰央に判定負けしたが、5月5日の武林風ではKRESTの三輪裕樹をKOしている。
1R、弘嵩は左右のテンカオ(組まない状態からの膝蹴り)主体で先手を取り、次第に左ミドルをヒットするように。弘嵩のテンカオからクリンチにつながる展開も度々見受けられる。シェンジェンは一発右ボディを当てたが、それ以外はほとんど攻められない。
2R、シェンジェンは右ローを強打する場面もあるが、変わらず弘嵩が主導権。左右のテンカオ、左ミドル、左ボディを随所で当て続ける。なかなか攻撃をまとめきれないが、終盤には左ミドルを連打すると、シェンジェンが吹き飛ばされる場面もあり、弘嵩が好印象を残す。
3Rも弘嵩が圧力をかけ続けるが、やや攻めあぐね、シェンジェンも左ボディ、右ローを返し、大差はつけさせない。終盤、弘嵩が上段回転蹴りを決めるが、シェンジェンは追撃をさせず終了。弘嵩が文句無しの判定勝ちを果たすも、山場は少ない内容となってしまった。
マイクを持った弘嵩は「メインをKOで締められず申し訳ありません」と謝った後、「今後の目標、K-1フェザー級タイトルに向けて突っ走ります」と宣言。最後は「個人的なことですけど、AbemaTVで見てる皆さん、『行列のできる法律相談所』をチェックしてください」と、控えめにアピールした。
バックステージで弘嵩は「復帰戦で硬くなってしまいましたけど勝てて良かったです。気負い過ぎもありましたね。大将戦ですし、個人的なこともあって固くなってしまいました」としつつも「60kgでやっていた時よりも動きやすい感じですね」と、一定の手応えを感じていた様子だった。その後は弟の功也と共に、高橋姉妹と記念撮影し、弘嵩はユウさんにトロフィーをプレゼントした。
第8試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦 -64kg契約 3分3R(延長1R)
○佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/元Krushライト級(-62.5kg)王者/64.0kg)
×ワン・ジーウェイ [Wang Zhiwei](中国/星武創新ジム/CFP/63.9kg)23歳(試合時)/175cm/オーソドックス/36戦28勝(7KO)8敗
判定3-0 (西村30-28/岡田30-29/山根30-28)
ワン・ジーウェイは過去に武林風で泰斗、東本央貴をKOし、安保瑠輝也には判定負けしたが、瑠輝也をして「もうやりたくない」と言わしめた強豪だ。佐々木は4月にゴンナパーに敗れKrushライト級王座から陥落。-65kg(スーパー・ライト級)への階級アップを見据え、-64kg契約の試合となる。
1R、佐々木が左ミドル主体で攻めつつ、左ミドルから右ストレート、左ローから右ハイといった、上下の散らしを巧みに成功させ主導権。ジーウェイはバックハンドの奇襲を仕掛けるが、佐々木は難なく読んでかわす。
2Rも佐々木が主導権を握っていたが、少し攻めあぐねていると、ジーウェイも少しずつロー、ミドル等を返すように。佐々木が終盤に右ストレートを返し、巻き返して終えるが、差は突くか微妙なところだ。
3R、佐々木は時折スイッチしつつ、左ミドルを随所で強打し攻勢。ジーウェイは雄たけびをあげたり、顔を突き出したりして、効いていないとばかりにアピールする。パンチが交錯する場面あるが、ヒットは少なく、佐々木が主導権を維持。倒せなかったものの文句無しの判定勝ちを果たした。
第7試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦 スーパー・ライト級(-65kg) 3分3R(延長1R)
○左右田泰臣(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/元RISEスーパーライト級(-65kg)王者/64.7kg)※K-1ジム・シルバーウルフから所属先名変更
×モン・グォドン [Meng Guodong] (中国/陝西問心ジム/CFP/64.5kg) ※24歳/174cm/サウスポー/33戦27勝(5KO)6敗
2R 2’55” KO (左ボディフック)
左右田自身は3月のK-1での中澤純との再戦で返り討ちに遭って以来の試合。1R、グォドンはサウスポーに構え、脇を締めてガードしながら細かく動き、左ミドルを時折強打して場内をどよめかせる。左右田も右ミドル、ロー、ストレートを随所で当て続け、五分で対抗する。
2Rもグォドンが左ミドル、左右のボディを強打するが、左右田が右の奥足狙いのロー、テンカオ、ボディを効かせると、じわじわ攻勢に。下がるようになったグォドンに、パンチの打ち合いの展開で、不意打ちになるような形で左ボディフックをクリーンヒットすると、グォドンはダウンしたまま立ち上がれず。左右田はセコンドの塚越仁志にすぐさまマスクを要求し、マスクを着けて勝利を喜んだ。
左右田は自ら独断で決め、結局宮田充プロデューサーから却下された、「敗戦チーム代表者髪切りマッチ」という設定にこだわり、「これで勝ち越しが決まり、なんとか髪を守ることができました」とアピール。最後は次回Krushでの木村“フィリップ”ミノルとのウェルター級王座防衛戦を控えた塚越にマイクを無茶振りして先に退場。塚越が渋々リングに上がると、「左右田さんが髪を守ったんで、僕はしっかりベルトを守ります」と、気の利いたコメントで左右田劇場を締めくくった。
第6試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦 -79kg契約 3分3R(延長1R)
×高木健太(リバーサルジム川口REDIPS/パンクラス・ウェルター級(-77.1kg)7位、元HEAT総合ルール同級王者/79.0kkg)
○フー・ガオフォン [Fu Gaofen](中国/明輝ジム/CFP/78.5kg)※28歳/181cm/オーソドックス/38戦36勝(8KO)2敗
1R 1’18” KO (3ダウン:左フック)
高木はMMA 32戦16勝(14KO)16敗の32歳。近年はパンクラスを主戦場とし、最近では5月20日の大会に出たばかりだが、新鋭の中村邦夫に開始早々右ストレートをもらい、わずか7秒でTKO負けを喫している。キックルールは3戦1勝2敗。元プロボクシング日本王者の鈴木悟に10年前に右フックでKO勝ちした実績もある。対するフー・ガオフォンは2011~16全国武術散打80kg王者で、中国でも知名度の高い選手だという。
試合は開始すぐからガオフォンが圧力をかけて主導権を握り、左右のフックの連打でダウンを奪取。高木はパンチのスピードに反応できない。その後もガオフォンが立て続けに2ダウンを重ね快勝。中国チームに4試合目で初白星をもたらした。
第5試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦 スーパー・フェザー級(-60kg) 3分3R(延長1R)
○レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/英雄伝説アジア-60kg級トーナメント’16優勝/60.0kg)
×ジャオ・チョンヤン [Zhao Chongyang](中国/一龍奥宇ジム/CFP/59.8kg) ※21歳(試合時)/172cm/オーソドックス/28戦20勝(10KO)8敗
2R 2’49” KO (パンチ連打)
今回参戦する中国勢で最も注目されるのがジャオ・チョンヤンだろう。今回来日する中国勢の中では最もKO率が高く、3月の武林風-60kgトーナメントではタイの選手とハビエル・エルナンデスをいずれも1R KOし、決勝では延長Rに朝久裕貴の飛び膝蹴りでマットに沈んだ。最近では大雅が初戦敗退した5月13日のKunlun Fight -61.5kgトーナメント一回戦で、梅野源治に勝ったことのあるタイの強豪・セクサン・ソーマイに判定勝ちしている(準決勝は負傷のため棄権)。
1R、チョンヤンは低めの重心でじわじわ詰め、パンチ主体のファイト。左ジャブ、左ボディストレートに伸びがあり、度々レオナはコーナーに詰められ、バッティングもあり苦しい状況。終盤、レオナも右ボディ、右テンカオを効かせ、詰めてパンチを当てるも、打ち合いでチョンヤンもパンチを返して挽回し、パワフルなファイトで観客を驚かせる。
2R、序盤からチョンヤンがレオナを詰めて右ストレートを当ててぐらつかせ、チョンヤンが押し気味な状況が続く。だが、レオナが右テンカオをまたも効かせ、少しずつパンチを当てていると、チョンヤンが後退。その隙を逃さず、パンチの連打をまとめると、チョンヤンはダウン。大の字で倒れ、立てないと判断したか?芹沢レフェリーがKOを宣告した。
価値ある白星を手にしたレオナは「僕以外のタイトル挑戦は無いと思います。その前に去年5月28日、僕がやられた選手ともう一回やらないといけないと思います」とアピール。レオナに勝った後にKrush王者となった安保璃紅との再戦を希望した。
第4試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦 -64kg契約 3分3R(延長1R)
○鈴木勇人(/K-1ジム五反田チームキングス/63.9kg)
×ジン・イン [Jin Ying](中国/鄭州順遠ジム/CFP/63.7kg)※20歳/175cm/オーソドックス/32戦20勝(3KO)12敗
判定3-0 (豊永30-27/西村30-28/岡田30-27)
大沢文也の負傷欠場で、鈴木が代役として大会16日前に出場が発表された。鈴木選は8戦目にして外国人と初対決となる。ジン・インは2015年の武林風の新人王で、16年に武林風で中村圭佑に判定勝ちしている。
1R、鈴木がサウスポーに構え、左ミドル主体に攻め、ジンは散打的な前蹴りや回転蹴りを主体にしつつ、右ミドル、ローも随所で当て、テクニシャンぶりを印象付ける。
だが2Rに入ると、鈴木の左ミドルがジンに右腕に効いてきたか?ジンは下がり気味になり、鈴木は左ストレートも当て、やや押し気味の展開となる。
3R、下がり気味のジンに対し、鈴木が左のテンカオをクリーンヒットすると、ジンをロープに詰め、左右の膝を連打。ジンが立ったままうずくまったところで芹沢レフェリーはダウンを宣告。結局これで差をつけ、鈴木が代役出場で結果を出した。
第3試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦 スーパー・フェザー級(-60kg) 3分3R(延長1R)
○山本直樹(優弥道場/60.0kg)
×ワン・ジュンユー [Wang Junyu](中国/星武創新ジム/CFP/59.7kg) ※29歳/170cm/サウスポー/12戦8勝4敗
4R 判定3-0 (岡田10-9/梅木10-9/西村10-9)
3R 判定0-1 (岡田29-30/梅木29-29/西村29-29)
ワン・ジュンユーは、3月の武林風のトーナメントの一回戦でハビエル・エルナンデスに延長判定負けした選手。山本優弥の弟・直樹は3月のKrushスーパー・フェザー級王座挑戦者決定戦で島野浩太朗に1R KO負けして以来の試合だ。
1R、サウスポーのジュンユーに対し、直樹が右ミドル、インロー主体で若干優位に攻めていたが、2Rになると、ジュンユーが真っすぐ詰めながら当てる左ストレートのヒットが増える。3Rも直樹の蹴り、ジュンユーのストレートの構図で、均衡は崩れず延長へ。両者接近戦で打ち合う場面が増え、おそらくバッティングで直樹は右まぶたをカットしたが、終盤に右フックでぐらつかせ、若干優位となり、苦しみながらも勝利をもぎ取った。なお、対抗戦は日本側の6勝1敗で勝ち越しに終わった。
第2試合 スーパー・ライト級(-65kg) 3分3R(延長1R)
○松下大紀(K-1ジム川口TEAM SIRIUS/64.9kg)※NPO JEFAから所属名変更
×ジョージ(CLUB-E.D.O/RISE RISING ROOKIES CUP 2016 ウェルター級(-67.5kg)優勝/64.6kg)
2R 2’13” KO (右ストレート)
第1試合 ライト級(-62.5kg) 3分3R(延長1R)
○瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス/62.3kg)
×中野滉太(POWER OF DREAM/62.4kg)
判定3-0 (29-28/29-27/30-28)
プレリミナリーファイト第3試合 フェザー級 3分3R
○三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/57.5kg)
×安達元貴(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/57.5kg)
判定2-0 (28-28/30-28/29-28)
プレリミナリーファイト第2試合 ライト級(-62.5kg) 3分3R
○関川和将(DTS GYM/62.2kg)
×山下和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/62.5kg)
判定3-0 (29-28/30-29/30-29)
プレリミナリーファイト第1試合 ウェルター級 3分3R
○加藤虎於奈(TEAM TOP ZEROS/67.4kg)
×竹腰一麻(Club TOSHI/67.3kg)
1R 1’29” KO (3ダウン:パンチ連打)