修斗 3.19 後楽園ホール(レポ):SASUKE、飯田健夫を右バック肘で2R KOしフェザー級王座初防衛「UFCに向かって再出発します」。新井丈、階級上の関口祐冬に完勝、ONE帰りの澤田龍人をKOした安芸柊斗を次期挑戦者に指名
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プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2023 Vol.2
2023年3月19日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 メインイベント 修斗世界フェザー級チャンピオンシップ 5分5R
○SASUKE[佐須啓祐](マスタージャパン東京/王者)
×飯田健夫[たてお](フリー/世界1位、環太平洋1位)
2R 1’49” KO (右回転肘打ち)
※SASUKEが初防衛
SASUKEは21年7月の修斗フェザー級世界王座決定戦で工藤諒司に判定勝ちし、今回が初防衛戦。昨年6月、ROAD TO UFCフェザー級トーナメントは初戦で敗退したが、10月のRTUでのワンマッチで中国人選手に判定勝ちしている。
飯田は19年に北海道から上京し、GENスポーツパレスを練習拠点とし、岡見勇信、長谷川賢、平本蓮らと練習。21年から4連勝中で、昨年は山本健斗デリカットに勝利しフェザー級ランキングの圏外から世界1位に一気に浮上する。9月の後楽園大会で論田愛空隆をKOし、タイトル挑戦を希望していた。
両者は15年の全日本アマ修斗選手権決勝で初対戦し、飯田が勝利している。16年のプロでの新人王決定トーナメントの2回戦では引き分けたが、優勢ポイント2-1で飯田が決勝に進んだ。だが飯田は怪我により欠場し、代理出場のSASUKEもデリカットに敗れた上、その後は怪我により長期欠場していた。それから7年、両者が修斗のフェザー級のトップで3度目の対決を迎えた。
試合は高いレベルで戦い続けたSASUKEがしっかり差を見せる内容に。1R、SASUKEが細かくステップしてプレッシャーをかけ、飯田はガードを低くして時折笑顔を浮かべつつ距離を取って回る構図が続く。飯田もカウンターの左フックや右のロングフックを当てる場面もあるが、手数ではSASUKEが上。SASUKEが右フック、右カーフ、ローを的確に当て続け、若干だが優位に試合を運ぶ。記者採点はSASUKE。
2R、SASUKEが変わらずプレッシャーをかけ、右ロー、左ボディをヒットする。接近戦で組むとSASUKEがテイクダウンを奪うが、飯田が立ちながらアームロックを狙うと、SASUKEはすぐ対処して離れスタンド勝負に戻す。SASUKEは変わらず右ストレート、左ボディ等をヒットする。飯田も時折パンチを返していたが、中盤過ぎ、飯田が右フックを放ったタイミングで、SASUKEが右のバック肘をカウンターでクリーンヒット。ダウンした飯田は動けず、SASUKEが追い打ちのパウンドを当てたところでレフェリーがストップした。飯田は意識は戻ったが担架で運ばれた。
SASUKEは「やっと自分らしい試合ができたかなと。今日だけは自分を褒めてあげたいです。日本で試合をするのは久しぶりで、たくさんの方が応援に来てくれて、みんなのサポートで戦えています。ありがとうございます。僕とチームメイトの野瀬翔平が去年(ROAD TO UFCに)落とし物をして帰ってきているので、僕ら2人はやり残したことがあります。今年こそ夢であるUFCに向かって再出発します」とアピールした。
バックステージでのインタビューでSASUKEは「飯田選手の映像を見ていると、打撃をやった後に一旦離れて一呼吸するので、打ち合いできるストレスのかかる近い距離の時間を長くしようと思いました。口が切れたぐらいで、効いた攻撃はあまりなかったです」と作戦や自身のダメージを語り、KO技のバック肘については「ずっと練習していたことが出ただけですね。1回目戦ったアマ修斗の決勝でバックブローを放った時に尺骨が当たって骨折してしまって以来、回転技は頭にありました」と話した。今後のUFCへの道については「どんなルールでも挑戦したいです。ROAD TO UFCでもコンテンダーシリーズでも海外の団体でも、勝ち星を重ね、UFCに行ける可能性があるところはどんどん拾いたいです」と語った。
新井丈、フライ級1位の関口祐冬に判定勝ち。防衛戦の相手に安芸柊斗を指名
第7試合 セミファイナル フライ級 5分3R
×関口祐冬(修斗GYM東京/世界1位)
○新井 丈(キングダムエルガイツ・和術慧舟會HEARTS/ストロー級世界王者)
判定0-3 (福田27-30/片岡27-30/柴田27-30)
新井は9月の後楽園大会で猿丸ジュンジを右フックでわずか110秒でKOし、修斗世界ストロー級王者に。11月大会では1階級上のフライ級で出場し、ノーランカーの大竹陽を1R KOした。試合後のマイクでは「フライ級世界1位に関口君がいますけど、彼となら平良(達郎)君の次に新しいチャンピオンを決めるのにふさわしんじゃないですかね」とアピールし、関口も「あんまり誘い乗るの好きじゃないので冷静に。試合が決まるならぜひ」と応答し、新井とにらみ合いを繰り広げていた。関口は9月大会でパラエストラ松戸の新鋭・内田タケルに1R腕十字で一本勝ちし、MMA 5連勝中だ。ストロー級は世界王者の平良はUFCに参戦中で、21年7月に王座奪取以降、防衛戦を行っていない。
1R、新井が右のカーフキックを当てると、関口は足をすくって引き込もうとするが、新井は脱出する。新井はそこからひたすらプレッシャーをかけ、関口が回り続ける構図に。新井は中盤から右ロー、左右のフック、ボディのヒットを増やし、じわじわ関口を追い詰める。終了間際、ようやく関口がタックルで倒すが、新井は金網を背に座って防御し終える。記者採点は新井。
2Rも新井が打撃で主導権。右のカーフキック、ボディを効かせ、関口のタックルも切り、関口を追い詰める。関口も左ジャブを返すが、流れは変えられず。終盤、新井は関口のパンチをスウェーでかわし、自分のパンチを当て攻勢を維持する。記者採点は新井。
3R、新井が右のカーフ、左ボディを効かせ、関口を追い詰める。中盤、関口はタックルで倒し、ハーフで押さえ難を逃れる。終盤になっても関口は押さえ続けるが、その先に持ち込めない。すると終了間際、新井がブリッジで脱出。新井がパンチを振るうと、関口も「来いよ」と叫びながらパンチを返すが、ヒットにはつながらず終える。記者採点は新井。合計30-27で新井。ジャッジ3者も同じ採点で新井が判定勝ちした。新井はこれで9連敗の後の連勝が9に到達した。
マイクを持った新井は「あぶねえ。小っちゃくても気持ちで戦えば格上にも勝てると見せれましたよね。関口君強いね。修行あるのみです。この試合で俺は修斗のフライとストロー統一してチャンプチャンプになるつもりでした。ベルト懸からなかったけど証人ですよね。今の修斗のストロー級、フライ級の代表ですと。さっき安芸柊斗君、勝ってケンカ売ってくれると期待したけど、やんなくていいの?どうしたの?かわいくなっちゃったじゃん。やりたいだろ?ちょうどいいでしょ。修斗ストロー級最高ストライカー対決、決まったらみんな見に来てくれるよね?逆指名」と饒舌にアピール。安芸もケージに入ると、「逆指名してやらせてもらえるなら最高です」と話し、王座挑戦を表明した。
安芸柊斗、ONE帰りの澤田龍人を1R KO
第6試合 ストロー級 5分3R
○安芸柊斗(MMA Zジム/世界1位)
×澤田龍人(AACC/元世界1位)※イヴォルブMMAから所属変更
1R 3’49” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
澤田はAACC出身で、シンガポールのイヴォルブMMAに移籍し、ONEを主戦場としてきたが、17年10月の猿田洋祐とのストロー級世界チャンピオンシップで敗れて以来5年半ぶりに修斗に戻ってくる。ONEでは当初は勝ち星が先行していたが、21年4月以降は3連敗を喫しており、最近では昨年3月、元パンクラス王者の仙三にKO負けしている。
安芸は21年2月のRoad to ONEで、後にパンクラス王者となる山北渓人にKO負けしたものの、以降は修斗で3連勝し、地元徳島の隣の香川大会で2試合連続でKO勝ちしている。
1R、安芸が開始すぐから右のカーフを当てると、澤田はバランスを崩す。安芸はリーチ差を活かし、右ストレート、アッパー、ロー、左ジャブを随所でヒット。中盤、少しずつ澤田にダメージが溜まると、安芸が左ジャブ一発で澤田をダウンさせる。安芸は上になってパウンドを当て続け、福田レフェリーがストップした。
完勝の安芸は「1位なんで、海外から帰った選手相手以上と見せられたと思います。次誰とやるかわからないですけど、上しか目指していないんで、次組まれたら誰とでもやります」とマイクアピールした。
第5試合 ライト級 5分3R
○マックス・ザ・ボディ(カメルーン/BRAVE/世界2位)
×菅原和政(マスタージャパン福岡)
1R 1’18” KO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
1R、菅原がサウスポーからの左ストレートを当てるが、マックスはタックルから押し込む。菅原は突き放して脱出しかけたが、マックスは右フック、右膝を当てる。菅原を反対の金網際まで後退させると、マックスは右フックをヒット。ダウンした菅原にパウンドをまとめたところでレフェリーがストップした。圧勝のマックスは「Who’s next ?」とアピールした。
インフィニティリーグ2023 フェザー級開幕も注目株CHAN-龍が計量オーバーで不戦敗
第4試合 epsomsalt sea crystals Presents インフィニティリーグ2023 フェザー級 5分2R
△竹原魁晟(パラエストラ松戸/勝ち点0→1)
△上原 平(リバーサルジム横浜グランドスラム/勝ち点0→1)
判定0-0 (長瀬19-19/片岡19-19/豊永19-19)
修斗恒例の約1年かけてのリーグ戦、インフィニティリーグ。今年はフェザー級で5選手が参加し、1位と2位の選手同士で空位の環太平洋王座を来年争うことになる。それまで王座は空位が続くことと、リーグ戦に参加しないランカーの心情も気になるところではある。
竹原×上原の1R、サウスポーの竹原が左ミドルを放つが、オーソドックスで長身の上原の伸びのある右ストレートがさく裂し、竹原はダウンする。竹原はすぐ立つが、その後はお見合いが続き、反撃に持ち込めない。最後も上原が右ストレートを当てて終える。記者採点は上原。
2R、竹原がタックルを仕掛け、上原はカウンターの右膝を当てるが、竹原は倒す。竹原は金網際で背後からしがみつき、中腰の上原を押さえ続ける。だがその先には持ち込めず、上原はスタンドに戻す。終盤、竹原はタックルから投げを放つが、パウンドが乏しいまま終わる。記者採点は竹原。合計19-19でイーブン。ジャッジ3者も同様でドローとなった。
第3試合 epsomsalt sea crystals Presents インフィニティリーグ2023 フェザー級 5分2R
○浜松ヤマト(T・GRIP TOKYO/勝ち点0→3)
×CHAN-龍[チャンリュウ](MMA Zジム/世界10位、環太平洋6位、2022年度同級新人王/勝ち点0)
不戦勝
徳島の21歳・CHAN-龍は1月の新人王決勝で椿飛鳥の腕をスラムで負傷させて1R KO勝ちし、デビュー以来6連勝4連続一本KO勝ちの注目株だ。ところが前日の1回目の公式計量で65.8kgのリミットを2.3kgオーバーし、当日の再計量でも1.7kgオーバーし、ルールにより試合が中止となった。計量を65.8kgジャストでクリアした浜松が不戦勝となり勝ち点3を獲得している。ケージに登場した浜松は「何とも言えない気持ちです。5月も試合も決まっているので、明日から調整して、5月、いい姿をお見せできればと思います」と話した。
第2試合 バンタム級 5分2R
○野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
×新井拓巳(ストライプル新百合ヶ丘/2022年バンタム級新人王)
1R 2’53” アームロック
野瀬は昨年のROAD TO UFCに参戦し、準決勝で敗退して以来の試合。1R、序盤から新井は倒されつつ下からギロチンを狙うなど動きのある試合を展開する。だが、野瀬が中盤、足関を狙った新井を潰して上で押さえると、バックを取りつつ、チキンウィングアームロックを極めタップを奪った。
第1試合 バンタム級 5分2R
×榎本 明(リバーサルジム東京スタンドアウト)
○スソン(KRAZY BEE)
1R 4’52” 裸絞め
1R、スソンがサウスポーにもスイッチしつつ、右のカーフを的確にヒット。榎本は足を引きずるように。スソンは右フック、左ハイ、バックスピンキックも絡め追い詰める。終盤、榎本は打撃を嫌ってタックルに来たが、スソンは逆に抱え上げて倒すと、すぐさまバックを奪って裸絞めを極めタップを奪った。
オープニングファイト第2試合 キッズ4 28kg契約 3分1R
×杉本 越(AACC)
○吉村柚咲(X-TREAM EBINA)
0’31” 腕ひしぎ十字固め
オープニングファイト第1試合 キッズ1 25kg契約 2分1R
○杉本 開(AACC)
×遠藤千帆(心技館)
1’29” 腕ひしぎ十字固め
※当初のキッズ2 24kg契約 3分1Rから変更