ONE Championship 12.3 シンガポール(レポ):秋元皓貴、中国強豪チュー・ジェンリャンを圧倒。若松佑弥、寝技成長見せ5連勝。スタンプ、女子アトム級GP優勝
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ONE Championship「ONE: WINTER WARRIORS」
2021年12月3日(金)シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 写真: (C)ONE Championship
秋元皓貴、中国強豪チュー・ジェンリャンを下馬評覆し圧倒
第4試合 キックボクシング バンタム級 3分3R
×チュー・ジェンリャン(中国)
○秋元皓貴(イヴォルブMMA/3位)
判定0-3
秋元は昨年10月、ジャン・チェンロンに判定勝ち。接戦だったため2月が再戦が組まれたが判定勝ちで返り討ちにした。
今回の相手、チュー・ジェンリャンは中国のGlory of Heroesを主戦場とし、17年にKrushに参戦し、小宮由紀博に判定勝ち。ONE公式サイトによると、17連勝の快進撃を続けた後、イギリス・ロンドンのラフバラ大学でスポーツマーケティングの修士号を取得するため試合から遠ざかっていたが、修士課程を終え、31歳でキックに復帰するとともにONEと契約。今回がその初戦で、いきなり3位の秋元との試合が組まれたことからも、ONE側の期待の高さが伝わってくる。
1R、秋元はガードを固めつつ、左右のローをヒット。ジェンリャンも左ミドルを当てるが、すぐ秋元はローやミドルを返し、蹴り数で上回る。ジェンリャンはパンチを当てるが、秋元はブロック。終盤には左右の伸びのあるハイもジェンリャンの顔面をかすめるように。秋元はパンチからローのコンビネーションも速く、復帰戦のジェンリャンは秋元の動きについていけていない感がある。記者採点は秋元。
2R、秋元が変わらず積極的に蹴りを出す。ジェンリャンも1Rより攻撃をを返すようになるが、秋元が執拗にローを当てていると、ジェンリャンはステップがぎこちなくなる。記者採点は秋元。ジェンリャンが時折秋元をコカすが、採点に反映されることはないだろう。
3R、秋元は右ロー、左ミドル等を随所でヒット。ジェンリャンはひるみはしないものの、なかなか攻撃が返せない。中盤には秋元が右ハイをヒット。終盤も左ボディ、左フック等を当て、手数差を維持し終了する。記者採点は秋元。合計30-27で秋元。ジャッジ3者も順当に秋元を支持し、秋元の判定勝ちとなった。
勝利者インタビューで秋元は「相手は中国最強と言われ、『お前負けるんじゃないか』みたいなインタビューめっちゃされましたけど、今までやってきたことを信じてやれば結果が出ると改めて実感しました。強敵ですが勝てて良かったです」と話した。
若松佑弥、寝技でも成長見せ5連勝。「次、アドリアーノ、やらせてください」
第1試合 MMA フライ級 5分3R
×フー・ヨン[Hu Yong](中国)
○若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA/3位)
判定0-3
若松は4月、リース・マクラーレンとのランカー対決を制し連勝を4に伸ばすと「トップランカーを倒したので、アドリアーノ・モラエスを倒して、日本人のフライ級チャンピオンになります」とアピールしていた。5月から6月の間の1か月、米国・フロリダ州の名門・サンフォードMMAで練習した成果も発揮したいところ。王座挑戦に向けて落とせない大事な一戦だ。
今回の相手、フー・ヨンは19年、ONEの中国でのトライアウトで4連勝。今年2月にONE本戦に初登場し、ヨッカイカー・フェアテックスに判定勝ちし、2戦目でランカーとの試合が組まれた。
1R、若松が右のカーフキックを当ててから、プレッシャーをかけると、パンチを振りながら胴タックルを仕掛け、両脇を差してから足を掛けて、1分足らずでテイクダウンに成功する。だがすぐにヨンを立たせ、右のカーフキックを当て続けると、早くも効き目を発揮する。ヨンはバランスを崩し、踏み込みが弱くなるが、表情を変えず耐え、時折前に出てプレッシャーをかける。若松は右フックを当てると、再びタックルを仕掛け、テイクダウンを奪い、今度はトップをキープ。終盤になるとハーフで押さえる。最後はヨンが立って若松を押し込むが、その先に持ち込めず終わる。
若松は戦前のインタビューで「今回は寝技で圧倒できるんだぞってところを見せたい」と話していたが、スタンドだけでなく、寝技でも色々試そうとしているのが伝わって来る。
2R、ヨンは右ローを返すが、若松はカットすると、またも組み付いてテイクダウンを奪い、トップをキープする。その先に持ち込めず、中盤には立たれるが、すぐに若松はタックルで倒し、今度はすぐサイドを取る。終盤、スタンドに戻るが、その後も度々タックルでテイクダウンを奪い、寝技が苦手なヨンを翻弄する。
3R、若松は序盤からテイクダウンを奪い、サイド、バック、ハーフと動いてポジションコントロールを続ける。立たれてもすぐ倒しコントロールを続ける。終盤、スタンドに戻り、若松はワンツーからの右ストレートをヒット。若松はパンチでKOを狙うが、フーもカウンターを狙い続け、スタンドでも危険なムードを最後まで残し続け終了する。記者採点は若松。ジャッジ3者も順当に若松を支持し、若松の判定勝ちとなった。
試合後のインタビューでは、王者・モラエスへのメッセージを求められると「倒すのが自分のスタイルですけど、今日は新しい自分が見たくて、寝技でもコントロールできるんだぞと見せたかったです。(ONEの代表の)チャトリさん、どうですかね?次、アドリアーノ、やらせてください」とアピールした。
女子アトム級GP決勝、スタンプが一本勝ちで優勝
第5試合 コーメインイベント MMA 女子アトム級GP決勝 5分3R
○スタンプ・フェアテックス(2位)
×リトゥ・フォガット(4位)
2R 2’14” 腕ひしぎ十字固め
産休中の女子アトム級王者・アンジェラ・リーへの挑戦者を争う8選手参加のトーナメントが決勝戦を迎えた。
1R、両者のお見合いが続いた後、中盤にフォガットが片足タックルを仕掛けて金網に押し込む。なかなか倒せなかったものの、押し込み続けた後に一度倒す。スタンプは背中をつけず、すぐに立つが、フォガットはすぐに押し込む。フォガットが今度は肩から抱え上げようとすると、スタンプは首を抱えギロチンを狙う。フォガットはそのまま倒すと極められると判断し、テイクダウンに行かず、再び押し込んで終える。ここまでフォガットペースだが、スタンプはテイクダウンディフェンスで進化を示す。
2R、フォガットは序盤から片足タックルでテイクダウンに成功する。スタンプは背中をつけるが、足を登らせ三角絞めを極める。フォガットは必死で防御したが、スタンプは腕十字に移行すると、これがガッチリと極まり、レフェリーがストップした。
スタンプはムエタイ仕込みの打撃ではなく、寝技での一本勝ちで、MMA選手としての成長を印象付けて優勝。勝利者インタビューでスタンプは「まさか腕十字が極まるとは思いませんでした。アンジェラからベルトを奪いたいです」と話した。
アーセル、圧力で追い上げ3度目防衛
第6試合 メインイベント ONEキックボクシング・ライト級タイトルマッチ 3分5R
○レギン・アーセル(王者)
×イスラム・ムルタザエフ(挑戦者)
判定2-1
※アーセルが3度目の防衛
ムルタザエフはダゲスタン出身でONE初参戦ながら王座挑戦権を獲得した選手。1R、アーセルが圧力をかけるが、ムルタザエフは左の前蹴り、ジャブで距離を取りつつ、左ミドルをヒット。アーセルはなかなか攻撃が出なかったが、終盤は圧力を強めて距離を縮め、ムルタザエフの攻撃を封じる。記者採点はムルタザエフ。
2Rもその流れで、アーセルが前進を続け、ムルタザエフの蹴りをある程度封じ、自分の右ローを当てる。それでも終盤、ムルタザエフは左ミドル、ハイを当て、好印象を残す。記者採点はムルタザエフ。
3R、アーセルはしつこく前に出続け、随所で右ロー、右ストレートをヒット。ムルタザエフはまだひるまないが、ほとんど蹴りを当てられなくなってしまう。記者採点はアーセル。完全に流れは変わった。
4R、アーセルは前に出て、組んでの左膝の、左ボディのヒットを増やし、ムルタザエフの体力を削る。ムルタザエフは蹴りに力が入らなくなり、空振りも多い。記者採点はアーセル。
5Rもアーセルが圧を掛け続け、随所でパンチ、蹴りをヒット。ムルタザエフは口が開き苦しそうだ。アーセルは顔面狙いの右前蹴りも当て、最後まで主導権を維持して終了する、記者採点はアーセル。合計48-47でアーセル。ジャッジは割れたが、2者が順当にアーセルを支持し、アーセルが判定勝ちで3度目の防衛に成功した。
MMAライト級ランキング戦線はダギが激戦制す
第3試合 MMA ライト級 5分3R
×ティモフィ・ナシューヒン(5位)
○ザイード・フセイン・“ダギ”・アサラナリエフ(3位)
3R 0’49” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
1R開始すぐから、両者パンチを振るう展開で、ナシューフィンがカウンターの左フックを当てて、ダギをダウンさせる。ダギはすぐ立ち、タックルで押し込む。ダギの膝がローブローとなり、ブレイクがかかり、再びパンチの攻防に。中盤、ダリが左フックを度々当て、ナシューヒンを苦しめる。肘をもらったか?ナシューヒンは左目の下を深くカットし、ドクターチェックが入る。再開後の時間は少しで、ダギが圧をかけたまま終わる。
2R、ダギは序盤から右ストレートを当ててナシューヒンをひるませる。両者のパンチが交錯するが、ダギはかわし、タックルで倒して上に。ハーフで押さえ続け、膠着すると、再びドクターチェックが入り、グラウンドから再開する。中盤、ナシューヒンは立ち上がるが、すぐにダギはタックルを仕掛け、抱え上げてテイクダウンを奪う。最後はナシューヒンが立つが、ダギは金網に押し付けて終える。
3R、ダギは序盤から右ストレートをヒット。ナシューヒンは少し動きが止まるも耐え、前に出て左右のフックを振り回すが、ダギはかわす。そしてダギが右ストレートをクリーンヒットすると、ナシューヒンは足がよろめく。再びダギが右ストレートを当て、ナシューヒンが倒れたところでレフェリーがストップした。
第2試合 MMA ヘビー級 5分3R
×カン・ジウォン
○マーカス・アルメイダ
1R 2’27” 裸絞め