ONE Championship 2.11 シンガポール：緊急出場のV.V Mei「あと2年くらいですかね。日本で面白い試合をして印象を残し、引退後も人の役に立つ仕事ができれば」

　ONE Championship「ONE: BAD BLOOD」（2月11日（金/祝）シンガポール・インドアスタジアム）に緊急参戦しMMA女子アトム級でジヒン・ラズワン（マレーシア）と戦うV.V Mei［山口芽生］のインタビューがONEから届いた。
　大会の模様は11日夜7時よりABEMA格闘チャンネルで生中継される。（写真：(C) ONE Championship）

　　

前回はボクシングに偏り自分の良さが出せなかった、バランスよく自分の良さを出すことを意識している

　山口の対戦相手のラズワンは当初、ジェネリン・オルシム（フィリピン）と対戦が組まれていたが、オルシムが負傷欠場。そこで緊急オファーを受けた山口が出場チャンスを手にした。
　山口は2020年2月にデニス・ザンボアンガ（フィリピン）、昨年9月にジュリー・メザバルバ（ブラジル）にそれぞれ敗れ、勝利から離れている。今回、自身のSNSにて「喧嘩に準備期間はいりません」と気合いのメッセージと共にシンガポールへ出陣したが、果たして、マレーシアの新鋭を相手に勝利を掴むことができるか。

　　
― 過去2試合、厳しい戦いが続きました。前戦のメザバルバ戦を振り返ってみての気持ちを教えてください。
「自分の良さが出せなかったので、そこら辺が打撃から寝技につなげる動きをもっと出していきたいなというのは課題かなと思った試合でした。打撃は結構練習してきたので、その部分は色々と自分で出せたかなと思っています。（メザバルバから）そんなに打撃で圧倒されるような強さとかは感じなかったですけど、自分の形にもっていけなかった。組んだ時の体の強さはあったけれども、倒し方を工夫すれば別にもう少しいろんな攻め方があったかなと思います。脅威とは思いませんでした」

― 前回の試合から変わったことは何ですか。
「前回は、ボクシングに偏りすぎていた部分があったので、あの試合の後は、バランスよく自分の良さを出せるように意識していた。普段から体重を戻しすぎないようにしていたことや、年明けたらなるべく早く試合をしたいと思っていたので、練習の強度も落としすぎずに過ごしていたので、今回のオファーがあったときにすぐに受けることができた。練習もバランス良くできるように環境を整えたりとか、前回よりもすごく良い状態で普段の練習もできていました。」

ラズワン最大の武器は身体の強さと下からの攻撃、打撃は自分の踏み込みの方が速い

― 緊急参戦で、若く上昇中のファイター、ジヒン・ラズワンとの対戦。タフな戦いが予想されます。「喧嘩に準備期間はいりません」とコメントをされていましたが。
「私も練習していたとはいえ、試合前のキャンプみたいな形ではなかったので、全力でいきますけど、結構キツイ場面は出てくると思います。それも分かった上で試合を受けたので、そういう試合も見ている側としては面白いと思うので、良いんじゃないかなって思います」

― ラズワンはどんなファイターですか。強み、弱みをどうみていますか。
「体は強そうな感じで、どんな相手でも下からでもガンガン攻める印象があります。MMAで下からでも怖がらずいけるっていうのは、すごいなと思います。ジヒン選手のプラスの部分ですよね。色んな場面で荒さがあるので、自分が攻めていくならそういう部分かなと思います。全体的にバランスの整っている選手だなって思います。荒さは時にはプラスになりますし、マイナスにもなる。それはどこで活かすか。自分はそのマイナスになった瞬間に攻め込まないとなって思っています」

― ラズワンはウーシューのチャンピオンです。彼女の打撃をどう評価しますか。
「そんなに怖がらずに前に出てくるタイプだけど、一発があるようには見えないですね。怖がらずに攻めてくるなって印象ですね」

― 自分と相手と比べて、打撃の面で言うとどちらが優位だと思いますか。理由は。
「身長差はありますけど、自分の踏み込みの方が速いと思います。ジヒン選手は、途中で蹴りや膝を合わせてくるので、そこを気をつけながら攻めたい。お互いに良さはあると思うんですよね。空手ベースの打撃は、ムエタイとかウーシューっぽいスタイルにはない、スピードとか入り方だと思うので、そこを出せたら見ている側も面白いのではと思います」

― ラズワンの最大の武器は。それにどう対応しますか。
「下からの攻撃ですね。フィジカルの強さもあると思うので、思い切った動きに流されないようにしっかりポイントを突いて抑えていきたいと思います」

試合展開は寝技の攻防に、一本を取りに行くのが決め手。今回勝利し、印象に残る試合をし続けたい

― 自分のアドバンテージはどこでしょうか。
「全ての局面での経験値、細かい動きは劣っていないと思う。そういったところ活かして動きたいです」

― この試合の勝利の鍵はなんでしょうか。
「勢いのある動きをする相手ですけど、自分もそれに劣らぬ勢いで一本（サブミッション）を取りに行くっていうのが決め手だと思います」

― この試合はどんな展開になると思いますか。理想の終わり方は。
「寝技の攻防になるのではと思います。向こうも寝技得意で動いてきてくると思うので、この試合は良いマッチアップだと思います」

― どの試合も大切な試合とは思いますが、今回の試合での勝利はどんな意味がありますか。もしこの試合で負けたら引退など考えていますか。
「もう一度良い形で勝って、ランカーや、まだ対戦していない選手と試合をしたい。とにかく面白い試合をして、観客のみんなを楽しませたりとか、印象に残る試合をしたい。格闘技面白いなって、コロナの時期で色々大変なこともあると思うんですけど、格闘技を見ながら元気になってもらえたらいいなって思います。そういうことが自分にはできるんじゃないかなって思います。なので、そのことを意識して試合をしたいです」

憧れるのは嬉しいが試合では殴り合う、あと2年くらい面白い試合をしたい

― 昔のインタビューに遡るのですが、ラズワンはメイさんを尊敬する憧れのファイターだといい、いつか戦いたいと話をしていました。それを聞いてどう思いますか。
「それは、すごい嬉しいですね。まあ、そうやって言ってくれることは嬉しいですし、自分もそうやって色々と目標にしてくれたりしてくれるのは嬉しいです。ただ、自分はそれよりもさらに進化できるようにしないとと思います」

― 尊敬されている選手と戦うことは何か違和感を感じたりしますか。
「全然そういうのはない。試合は試合なので。私も常に相手選手のことは尊敬していますし、だからと行って何があるってことはない。試合は試合で殴り合います」

― 今後の目標について教えてください。
「3月にタイトルマッチとか大きな大会がありますけど、絶対そういうところに絡んでいきたいとか言った方が周りは嬉しいのかもしれないですけど。自分の可能性とか、これはいけるんじゃないのってのが見えてきたら、そういうのに絡んでいきたい。あとは、ONEと言ったらMei Yamaguchiというくらい、面白い試合をしたいですね。つまらない試合をしないように、どの試合も面白いねっていうのを最後やりたい。初心忘れるべからずじゃないですけど、そういうのを表現して悔いなく残りの試合をやっていきたい。ONEとの契約が終わるまでにできるだけ試合をして、見てくれている方に恩返しというか、面白い試合をして皆んなに元気になってほしい。それがONEでの目標。できればONEの日本大会があったらいいなと思います。あと2年くらいですかね、やったとしても。みんな生で見たいって言ってくれるので、そういう気持ちにも応えたいですし、日本でしっかり面白い試合をして印象を残して、引退後も人の役に立つ仕事ができればと思っているので、良い意味で知名度をしっかり残して、次の活動につなげられたらと思います」

3月開催「ONE X」アンジェラvsスタンプ戦について、レスリング技術上のアンジェラが勝つ

― 過去2度戦ったアンジェラ・リーが、スタンプ・フェアテックスとの防衛戦を行います。彼女の打撃についてはどう思いますか。スタンプの打撃をサバイブできると思いますか。
「アンジェラが先に組んじゃって、打撃の時間を短くして、それをスタンプもフィジカルが強いので頑張って切ってきたり蹴りまくっていくんじゃないかなと。寝技はアンジェラが強いので、くみもすごい上手なので。そんなにスタンプの打撃で綺麗にKOしている印象はない」

― アンジェラの弱点はなんだと思いますか。
「弱点は、家族のサポートが亡くなった時にパワーがゼロになる。お嬢様の心の弱さがどっかで出ると思います。」

― この試合の展開、勝敗予想を教えてください。
「アンジェラじゃないですか。レスリングの技術はアンジェラの方が上。手足長いし」

対戦カード

【メインカード】

メインイベント　ONE MMAバンタム級タイトルマッチ　5分5R
ビビアーノ・フェルナンデス（王者）
ジョン・リネカー（1位）

コーメインイベント　ONE MMAヘビー級暫定王者決定戦　5分5R
アナトリー・マリキン
キリル・グリシェンコ

ムエタイ　フライ級　3分3R
ジョナサン・ハガティー（2位）
モンコルペット・ペッティンディーアカデミー（4位）

MMA　ストロー級　5分3R
猿田洋祐（2位）
グスタボ・バラート

MMA　バンタム級　5分3R
チェン・ルイ
マーク・フェアテックス・アベラルド

MMA　ストロー級　5分3R
デェダムロン・ソー・アミュアイシルチョーク
ダニエル・ウィリアムス

【リードカード】

MMA　フライ級　5分3R
ヨッカイカー・フェアテックス
ウ・ソンフン

MMA　女子アトム級　5分3R
V.V Mei［山口芽生］
ジヒン・ラズワン

MMA　ヘビー級　5分3R
ダスティン・ジョインソン
ウーゴ・クンヤ

MMA　女子アトム級　5分3R
リン・ホーチン
ビー・ニューイェン

MMA　ヘビー級　5分3R
トーマス・ナーモ
オーディ・デラニー

MMA　バンタム級　5分3R
スノト
ティアル・サン