ONE 7.15 ルンピニー(レポ):若松佑弥、1R怒涛のパウンド&肘で1年半ぶり勝利も計量オーバーで5万ドルボーナスはお預け。武尊戦にも意欲的なスーパーレックがメインイベントで圧勝
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ONE Fight Night 12: Superlek vs. Khalilov on Prime Video
2023年7月15日(土)タイ・バンコク:ルンピニースタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C)ONE Championship 中継:ABEMA格闘チャンネル
若松佑弥、1R怒涛のパウンド&肘で1年半ぶり勝利も計量オーバーで5万ドルボーナスはお預け
第6試合 MMA 136ポンド契約 5分3R
×シェ・ウェイ(中国/フライ級5位)
○若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA)
1R 2’03” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※若松が計量でフライ級(135ポンド)を0.5ポンド(0.22kg)オーバー
若松は19年3月に元UFCフライ級王者のデメトリアス・ジョンソン戦で敗れた後、21年12月のフー・ヨン戦まで5連勝し、昨年3月にONEフライ級王者のアドリアーノ・モラエスに挑戦し、3Rギロチンチョークで一本負け。9月29日のONEで再起戦が決まっていたが、対戦相手のワン・シュオの体重オーバーで試合が中止となった。11月19日のONEで試合が改めて組まれたが、計量で4ポンド(1.81kg)オーバーし、試合ではウ・ソンフンに1R TKO負けし、ランキングから落ちてしまう。
今回も若松はわずか0.5ポンドではあるが計量オーバーしてしまった。ONEの計量では体内の塩分濃度を測る尿比重検査もあり、激しい水抜きができないため、普通の格闘技の大会よりも計量オーバーする選手が多く、今大会でも18選手中3選手が計量オーバーしている。とはいえ若松の2試合連続のオーバーは、減量方法のより一層の見直しが必要だろう。
シェは19年にONEのトライアウトで5連勝し、20年からONEの本戦に上がり5戦3勝(3KO)2敗。キム・デファンら相手に3連勝後、昨年6月にリース・マクラーレンに一本負けして以来の試合となる。
今大会は普段はムエタイの試合が主体のルンピニースタジアムでの開催のため、試合場はケージではなくリングが使われる。1R、若松の右ミドルをサウスポーのシェが左手でつかんで倒すが、すぐに若松は立ち、シェの脇を差して倒す。だがシェもすぐ立ち、序盤から激しい攻防に。
その後はシェは若松を1分近くロープとコーナーに押し込み続け少し膠着する。だが若松は右脇を差した状態で耐えると、シェが右膝蹴りを放った直後、シェを押し倒し、すぐにサイドポジションで押さえる。すると若松は右の肘打ちを何発も連打し、一気に仕留めにかかる。シェは立とうと動くが、若松は潰してマウントを奪うと、左右のパウンドを連打する。最後はシェが苦しみ、背中を向けた状態でパウンドを浴び続けたところで、モハメド・スライマン・レフェリーがストップした。
Yuya Wakamatsu swarms Xie Wei for a statement-making TKO in Round 1!
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若松にとっては約1年半ぶりの勝利だったが、ストップ直後、若松はすぐに四方に手を合わせて頭を下げ、シェにも頭を下げ、計量オーバーへの謝罪の意を示した。勝ち名乗りを受けた後も、その気持ちもあってか、すぐに退場したが、フィニッシュ勝利したことでインタビューがあるため、スタッフに呼び止められた。
若松は「まず先日亡くなったコム・トレーナーにご冥福をお祈りいたします。体重オーバーをちょっとしたのは申し訳ないと思っていて。でもそれが強くしてくれて。それで前回負けたんで。これ乗り越えたんで。殺してやるって気持ちでやりました」と話した。続けてリングアナウンサーから「計量オーバーしたため5万ドルのボーナスは無いですが素晴らしい試合でした」と話しかけられると「若松佑弥、復活です。以上。楽しみにしてください、今後。サンキュー」と答えた。さらに次に戦いたい相手を聞かれると「誰でもかかってこいって感じです。DJ(=デメトリアス・ジョンソン)でもいいんじゃないですか」と笑顔を浮かべつつ答えた。
武尊戦にも意欲的なスーパーレックがメインイベントで圧勝
第9試合 メインイベント ムエタイ 136ポンド契約 3分3R
○スーパーレック・ギャットムーカオ[キアトモー9](ムエタイ1位、キック王者)
×タギール・カリロフ
2R 1’42” TKO (レフェリーストップ)
※スーパーレックが計量でフライ級(135ポンド)を0.25ポンド(0.11g)オーバー
スーパーレックは27歳。12~13年にルンピニーでスーパーフライ級とバンタム級で王者となり、19年から上がったONEでは11戦10勝1敗。21年2月にイリアス・エナッシに敗れて以降は6連勝中(他のプロモーションを含めれば8連勝)。昨年は内藤大樹、ボルター・ゴンサルベス、パンパヤックに勝利。今年2月には武尊が戦ったことのあるダニエル・プエルタス(ピュータス)とONEキックフライ級王座決定戦を行い判定勝ちした。3月にはロッタンを相手に防衛戦を予定していたが、ロッタンの負傷欠場により流れ、代役のダニエル・ウィリアムスを相手に防衛に成功。6月23日にはナビル・アナンをKOしたばかりだが、3週間隔で次戦を迎える。ONE同級ムエタイ王者・ロッタン同様、ONEの立ち技部門の主力選手の一人だ。Amazonプライムを通じて北米にも放送される今大会ではメインイベントに登場した。今大会前のONEの公式インタビューでは、打倒ロッタン目指しONEと契約したK-1 3階級制覇王者の武尊との対戦に意欲を示していた。
1R、スーパーレックが左ジャブで距離を取りつつ、左の縦肘を度々放つ。さらに右カーフ、右肘、左ボディも絡め、積極的に攻める。中盤には肘でカリロフの右まぶたを切り裂き、終盤も左右の肘、右ミドル等で圧倒する。
2Rもスーパーレックが右肘、右膝のラッシュでダウンを奪う。タギロフは左まぶたからも出血する。スーパーレックは攻め手を緩めず、肘を放って前に出続けると、防戦一方のタギロフが背中を向けて逃げたところで、オリヴィエ・コスト・レフェリーがストップした。
Superlek styles on Tagir Khalilov en route to a second-round TKO in our Muay Thai main event! #ONEFightNight12#WeAreONE #ONEChampionship pic.twitter.com/9XgOVdJQku
— ONE Championship (@ONEChampionship) July 15, 2023
完勝のスーパーレックはまず「計量オーバーを謝罪します」と話し「ロッタンに勝ってムエタイでナンバーワンになりたいです。ハガティともやりたいです」と今後について語った。
第8試合 コーメインイベント MMA フェザー級 5分3R
○ゲイリー・トノン(2位)
×シャミル・ガサノフ(5位)
2R 2’26” 膝十字固め
第7試合 MMA ヘビー級 5分3R
○アミル・アリアックバリ
×ダスティン・ジョインソン
1R 1’48” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第5試合 MMA フェザー級 5分3R
×アーロン・カニャルテ
○アクバル・アブドゥラエフ
1R 0’41” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第4試合 ムエタイ 女子アトム級 3分3R
×ララ・フェルナンデス
○ペッディージャー・ルクジャオポーロントン
1R 0’26” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
第3試合 MMA 136ポンド契約 5分3R
×ボルター・ゴンサルベス
○バンマ・ドゥオジ
判定0-3
※ゴンサルベスが計量でフライ級(135ポンド)を0.75ポンド(0.34kg)オーバー。
第2試合 グラップリング 女子ストロー級 10分1R
○タンミ・ムスメシ
×アマンダ・アレキン
判定3-0
第1試合 キックボクシング ライト級 3分3R
×コンスタンティン・ルス
○ボグダン・シュマロフ
3R 1’33” TKO