ONE Championship 4.29 シンガポール:青木真也、フォラヤンとの3戦目も一本勝ち。欠場の秋山成勲に「首洗って待っとけ」。元HEAT王者オク・レユン、元UFC&ベラトール王者のアルバレスに判定勝ち
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ONE Championship「ONE on TNT 4」
2021年4月29日(木/祝) シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 写真:(C) ONE Championship (試合ごとの映像はABEMAビデオにアップされる)
ONE Championshipが米国の大手ケーブルテレビ「TNT」を通じて4月の毎週水曜夜(現地時間)に4回に渡り放送する「ONE on TNT」シリーズの最終回。今回は第3試合に青木真也、第5試合にエディ・アルバレスが登場した。
青木真也、フォラヤンに連勝。欠場の秋山成勲に「次はお前だ。首洗って待っとけ」
第3試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
×エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン/元王者)
○青木真也(イヴォルブMMA/4位、元王者)
1R 4’20” 腕ひしぎ十字固め
青木は元UFC選手のセージ・ノースカットと戦う予定だったが、ノースカットが新型コロナウイルスに感染し欠場。フォラヤンと戦う予定だった秋山成勲も、腕の筋肉の断裂により欠場することから、残った同じMMAライト級の青木とフォラヤンが戦うことになった。
両者は3度目の対戦。16年11月の初対決で青木はTKO負けしライト級王座から陥落したが、19年3月のONE初の日本大会(両国国技館)のメインイベントでフォラヤンの王座に挑み、1R肩固めで一本勝ちしてリベンジとベルトの奪還を果たした。
青木はその1か月半後、クリスチャン・リーに敗れ王座から陥落したが、それ以降はホノリオ・バナリオ、江藤公洋、ジェームズ・ナカシマ相手に3連勝中で、ONE MMAライト級ランキング4位に位置する。
対照的にフォラヤンは青木との再戦以降は1勝3敗と苦戦。ツォゴーフ・アマルサナーに判定勝ちした以外は、エディ・アルバレスに敗れ、ピーター・バウシュトとトニー・カルーソ相手に判定負けし2連敗中で、ランキング圏外に落ちている。
青木は米国で知名度の高いノースカット戦が流れたことで、TNTの中継枠ではなく、前半のネット配信枠での試合に。1R、青木がサウスポーで高く構えてプレッシャーをかけるが、フォラヤンは一気に詰めて左フックを振るう。青木も左ミドルをお返し。フォラヤンは右インローを返す。
打撃戦が続く中で、青木がじわじわ詰めてフォラヤンを金網際まで下がらせてから、足元へタックルを仕掛ける。フォラヤンは耐えて、金網に押し返すが、青木は金網を背中にしながらフォラヤンの胴に飛びついて、両足を絡めようとする。だが青木は飛びつきをあくまでフェイントとして使い、完全に絡めず、すぐさま着地すると、両脇を差して組み付き、足を掛けて倒すことに成功する。
青木は両足でフォラヤンの両足を挟んで押さえ、じわじわ足を登らせマウントポジションを取る。青木は右肘を当て続け、フォラヤンにじわじわダメージを与えてから、腕十字を極めると、フォラヤンは悲鳴をあげ、青木の一本勝ちとなった。
青木は「相手が変わって、お互い同い年(37歳)です。5年前にあなたに負けて、苦しいことがあったけど、みんなのおかげで頑張れました。またチャンスがあればやりましょう」とフォラヤンに感謝の言葉を述べた。今回は秋山とノースカットの欠場によりお互いに3度目の戦いを余儀なくされたことで、同世代の宿敵・フォラヤンにも同情している様子だった。
続けてアナウンサーから今後のプランを聞かれた青木や「2人います。1人はノースカット、必ずやりましょう。もう1人は日本の解説席に座っている秋山。秋山、お前、適当なことやってんじゃねえよ。試合に穴開けたことわかってんだろ。次はお前だ。首洗って待っとけ」と、ABEMAで試合を解説していた秋山に、改めて対戦要求した。
中継で秋山は「絶対言ってくると思っていたし」と話して苦笑しつつ、「凄い前から対戦の話がありますけど、憧れの選手ですし、いい意味で彼に挑戦もしたいですし、2人のパフォーマンスがいい試合になると思います。自分も楽しみです」と回答し、対戦に前向きな姿勢を示した。
オク・レユン、全米生中継大会でアルバレスからダウン奪い判定勝ち
第5試合 コーメインイベント MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
×エディ・アルバレス(米国/元UFC&ベラトール王者)
○オク・レユン(韓国/ONE 5位、元HEAT王者)
判定0-3
アルバレスは4月8日の「ONE on TNT I」でユーリ・ラピクスと対戦したが、開始まもなく、後頭部へのパウンドの反則を犯し無効試合となり、母国のファンに健在ぶりを示すことができなかった。開催地が同じシンガポールということもあり、シリーズ最終回で仕切り直しの一戦が組まれた。
対戦相手のオクは日本のHEATの元ライト級王者。15日(放送は22日)の「ONE on TNT III」でONEデビューし、ONE MMAライト級5位のマラット・ガフロフに判定勝ちし、5位にランク入り。2週間間隔という過酷な状況ながら大物との対戦チャンスが訪れ、見事ものにする。
1R、アルバレスは中央で構え、右のカーフキックを放つ。左のジャブから右ストレートを振るい、オクを下がらせてから、片足タックルを仕掛けて、金網に押し込む。オクは耐え続け、中盤、アルバレスが倒すが、すぐオクは立ち、元のアルバレスが押し込む形に戻る。
しばらくして離れると、オクが距離を取りつつ、右のカーフキックを連続でヒットする。アルバレスが少しバランスを崩すと、パンチの交錯する場面で、リーチで勝るオクがカウンターの右フックを当て、アルバレスはダウンする。オクは上になり、パウンドを連打し、レフェリーストップ寸前まで追い込む。アルバレスは耐え抜くと、スタンドに戻り、オクが左テンカオをヒット。アルバレスは少し下がるが、最後は右フックを返して終える。
2R、アルバレスは開始すぐに詰めて、1R同様に片足タックルを仕掛けて金網に押し込む。この間にダメージ回復を図っているようにも思える。度々離れ、アルバレスがタックルから押し込む展開が繰り返される。アルバレスは左膝を時折ヒット。オクは口が開き、少し疲れて来た様子だ。アルバレスは1Rのダウンから回復したように見える。
3R、アルバレスはタックルを仕掛けつつ、離れれば左右のフック、アッパーを振り回す。オクも右ストレート、左ハイを随所でお返しするが、押し込まれる時間が長く印象が悪い。アルバレスもなかなかテイクダウンを奪えず、攻めあぐねている感がある。終盤、離れた展開で、、アルバレスは右のカーフキック、左フックをヒットするが、オクは耐えて終了する。
記者採点は1Rに追い込んでフィニッシュに近づいたオク。ジャッジ3者も同様で、オクの判定勝ちとなった。
ライニアー・デ・リダー、アウンラ・ンサンとの再戦も完勝。もう一本のベルトも奪う
第6試合 メインイベント ONE MMAライトヘビー級(102.1kg)タイトルマッチ 5分5R
×アウンラ・ンサン(ミャンマー/王者、元ミドル級王者)
○ライニアー・デ・リダー(オランダ/挑戦者、ミドル級王者)
判定0-3
※デ・リダーが王者に
両者は昨年10月のミドル級タイトルマッチで対戦し、デ・リダーが1R裸絞めで一本勝ちし王座奪取。ンサンはビタリー・ビグダシュとのライトヘビー級王座防衛戦を予定していたが、練習拠点の米国からシンガポールに渡る途中でビグダシュの欠場を知らされ、デ・リダーとのライトヘビー級ベルトを懸けての再戦が組まれた。
柔道が盛んなオランダ出身のデ・リダーは5歳から柔道をはじめ、柔術は黒帯。今回も寝技スキルを活かして優位に試合を運ぶ。1R、デ・リダーは開始すぐにタックルを仕掛け、得意の寝技に持ち込むと、中盤にバックマウントをキープする。裸絞めを狙うが、固執せず上になると、肩固めを極めて追い詰める。ンサンは耐え、上からパウンドを放つが、デ・リダーは防御し強打を許さない。
2Rもデ・リダーがすぐに組み付き、倒して金網際でコントロールを続ける。中盤過ぎにはマウントポジションを奪取。終盤にはバックマウントをキープ。ンサンは防戦一方だ。
3R以降もデ・リダーが再三マウント、バックを奪って主導権を維持。5R中盤、ンサンがトップを奪い、ようやくチャンスらしいチャンスが訪れるが、デ・リダーは下から密着して反撃を許さず終了。デ・リダーが文句無しの判定勝ちで、もう一本のベルトもンサンから奪い取った。
第4試合 MMA ヘビー級(120.2kg) 5分3R
×オマール・ケイン(セネガル)
○キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)
2R 5’00” TKO
2R最後、グリシェンコが右フックを放つと、ケインの喉元に当たる。ケインはブザー後の攻撃だとして抗議しつつ倒れ込む。ケインは起き上がれず、そのまま終了。グリシェンコの攻撃は有効打と判断され、グリシェンコのTKO勝ちとなった。米国のテレビ中継枠の冒頭、3週間前のアルバレス戦のようなすっきりしない決着となり、ONE首脳陣は頭を抱えたのではないだろうか。
第2試合 ムエタイ 女子ストロー級(56.7kg) 3分3R
○ジャッキー・ブンタン(米国)
×エカテリーナ・バンダリーヴァ(ベラルーシ)
判定2-1
第1試合 MMA 女子60.6kg契約 5分3R
○コルビー・ノースカット(米国)
×コートニー・マーティン(オーストラリア)
1R 2’28” 腕ひしぎ十字固め