UFC 4.24 フロリダ:ウスマン、マスヴィダルを返り討ちKOし4度目の防衛。ナマユナス、ウェイリーを左ハイ一撃KOし王座奪還。シェフチェンコ、アンドラージを圧倒。ワイドマン、カーフキックで自らの足の骨を折りTKO負け
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UFC 261: Usman vs. Masvidal 2
2021年4月24日(土/現地時間)米国フロリダ州ジャクソンビル:ヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナ
レポート:井原芳徳
ウスマン、マスヴィダルを返り討ちKOしウェルター級王座4度目の防衛
第13試合 メインイベント UFCウェルター級チャンピオンシップ 5分5R
○カマル・ウスマン(王者)
×ホルヘ・マスヴィダル(4位)
2R 1’02” KO (右ストレート)
※ウスマンが4度目の防衛
UFCは昨年春の新型コロナウイルス感染拡大以降、ラスベガスとアブダビで無観客または少人数の客を入れての大会を続けて来た。今回、コロナ対策の規制の緩いフロリダに開催地を移し、客席を制限しない完全有観客の大会を再開した。収容人数は満員の15,259人。運営スタッフはマスクを着けているが、観客の9割はマスク無しで、日本とは別世界の感がある。久々の完全有観客大会ということもあり、観客のテンションが高く、歓声も大き目だ。
大会の目玉は3階級タイトルマッチ。ウェルター級王者のカマル・ウスマンは4位のホルヘ・マスヴィダル相手に4度目の防衛戦。両者は昨年7月のアブダビでのUFC 251のタイトルマッチで対戦し、6日前のオファーで緊急出場のマスヴィダルが判定負けするも健闘し、再挑戦のチャンスが訪れた。
マスヴィダルは試合を挟まず再挑戦。ウスマンは今年2月のUFC 258で元同門のギルバート・バーンズに3R右ジャブからのパウンドでTKO勝ち。ジョルジュ・サンピエールを抜きUFCウェルター級連勝記録1位の13に達している。
選手コールでは地元フロリダのアメリカントップチーム所属のマスヴィダルには大歓声、ウスマンにはブーイングが飛び、試合スタート。1R、マスヴィダルは左右のカーフキックを放つが、まだ当たりは浅い。ウスマンもリーチを活かして左ジャブ、ボディストレートをお返しする。中盤、マスヴィダルはパンチを振るって詰めるが、ウスマンは組み付いて抱えて倒して上になる。マスヴィダルはパウンドは打たせず、金網を背にして立つ。終盤、マスヴィダルはカーフキック、ウスマンはパンチを当てるが、目立つ攻撃は無く終える。記者採点はテイクダウンを奪ってトップキープしたウスマンだが、打撃の面でマスヴィダルを評価するジャッジがいても不思議ではない。
2R、スタンドでお互い慎重に出方を伺う状態が続いたが、1分経過し突如フィニッシュが訪れる。ウスマンが踏み込んで左の前手でマスヴィダルの右手を払うと、とっさに左フックを振ったマスヴィダルに対し、ウスマンが伸びとスピードのある右ストレートを放ち、マスヴィダルのアゴにクリーンヒット。マスヴィダルは意識が飛んで腰から崩れ落ち、ウスマンがすぐさま鉄槌を連打し、ハーブ・ディーン・レフェリーがストップした。
ナマユナス、ウェイリーを左ハイ一撃で1R KOし女子ストロー級王座奪還
第12試合 セミメインイベント UFC女子ストロー級チャンピオンシップ 5分3R
×ジャン・ウェイリー(王者)※2度目の防衛戦
○ローズ・ナマユナス(1位、元王者)
1R 1’18” KO (左ハイキック)
※ナマユナスが王者に
ウェイリーは昨年3月、コロナ禍突入直前に最後に有観客で行われたUFCでヨアンナ・イェンドジェイチェクとの死闘を制し初防衛して以来の試合。
元王者のナマユナスは17年と18年のヨアンナとのベルトを懸けての連戦をいずれも制し、王座奪取と初防衛を果たしたが、ジェシカ・アンドラージに敗れ王座陥落。昨年7月のUFC 251でのアンドラージとの再戦を判定2-1の僅差で制し、今回の王座挑戦につなげた。
1R、スタンドでお互いオーソドックスに構えて距離を取り、ほとんど攻撃を出さない状態が続いたが、いきなり決着が訪れる。ナマユナスが下に目線を向けつつ、左足を軽くステップさせてから、すぐさま左ハイキックを放つと、ウェイリーのアゴにクリーンヒット。ウェイリーは真後ろに倒れ、ナマユナスが鉄槌を連打すると、すぐさまレフェリーがストップした。
女子フライ級絶対王者シェフチェンコ、アンドラージに何もさせず5度目の防衛
第11試合 UFC女子フライ級チャンピオンシップ 5分5R
○ワレンチナ・シェフチェンコ(王者)
×ジェシカ・アンドラージ(1位、元ストロー級王者)
2R 3’19” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※シェフチェンコが5度目の防衛
女子フライ級絶対王者・シェフチェンコは昨年11月のUFC 255でジェニファー・マイアを圧倒し判定勝ちして以来の防衛戦。元ストロー級王者のアンドラージは昨年10月のフライ級初戦で同級1位のイトリン・チョケイジアンに1R TKO勝ち。2階級制覇を目指す。
1R、シェフチェンコがサウスポーに構え、アンドラージがオーソドックスに構え、しばらくお見合いが続く。アンドラージが蹴って来ると、すぐにシェフチェンコが組んで倒すが、アンドラージは攻めさせず立つ。だが中盤にもシェフチェンコが再び組み、倒して金網際で上になる。すると背後に回り込み、裸絞めを狙う。終盤、立たれてもまた倒し、シェフチェンコがサイドをキープする
2Rもシェフチェンコがテイクダウンを軽々と繰り返す。体格・技術の差もあるかもしれないが、アンドラージの足腰に力が入りきっていない感もある。シェフチェンコは中盤、サイドポジションで固めつつ、両足でアンドラージの左足を挟んで動けなくするマット・ヒューズ・ポジションに持ち込み、パウンドを肘を連打する。アンドラージは出血し、防戦一方になったところでレフェリーがストップした。
ワイドマン、カーフキックで自らの足の骨を折りTKO負け
第10試合 ミドル級 5分3R
○ユライア・ホール(9位)
×クリス・ワイドマン(11位、元王者)
1R 0’17” TKO (レフェリーストップ:右足の負傷)
1R開始すぐ、ワイドマンが右のカーフキックを当てるが、ホールが左足を踏ん張りつつ、前面の硬い骨の箇所に当てさせてカットすると、ワイドマンの右足の骨が折れ、悲鳴を上げて倒れ試合終了。場内は大きくどよめいた。骨に当てさせるのは以前からよく指摘されてきたカーフキック対策で、大晦日のRIZINでの朝倉海戦で幅広く認知させた堀口恭司も、1月に公開したカーフキック解説動画の中で実演していた。ホールもおそらく対策をした上での勝利ではあるはずだが、ずっと正座をし、悔しそうな表情を浮かべた。ワイドマンは担架で運ばれた。
第9試合 ライトヘビー級 5分3R
○アンソニー・スミス(6位)
×ジム・クルート(13位)
1R 5’00” TKO (ドクターストップ:右ローキックによる左足の負傷)
1R、スミスが右のカーフキックを当て続けるなど、打撃で優勢。終盤、スミスの右ローが左膝の裏に当たると、クルートの踏ん張りが効かなくなる。クルートは組んで倒して上になり、パウンドを当て挽回したものの、ラウンドが終わって自軍に戻る際、左足を引きずっている。インターバル後、ドクターがクルートを歩かせるが、ふらついたためストップがかかった。
第8試合 ウェルター級 5分3R
×アレックス・オリベイラ
○ランディ・ブラウン
1R 2’50” 裸絞め
第7試合 ウェルター級 5分3R
○ドワイト・グラント
×ステファン・セクリッチ
判定2-1 (28-29/29-28/29-28)
第6試合 ミドル級 5分3R
×カール・ロバーソン
○ブレンダン・アレン
1R 4’55” アンクルホールド
第5試合 フェザー級 5分3R
○パット・サバティーニ
×トリスタン・コネリー
判定3-0 (30–27/29–28/29–28)
第4試合 バンタム級 5分3R
○ダナー・バットゲレル
×ケビン・ナティブダド
1R 0’50” TKO
第3試合 ライト級 5分3R
○カズラ・バーガス
×ロン・チュー
判定3-0 (29-28/29–28/29–28)
第2試合 フライ級 5分3R
×アオリ・チロン
○ジェフリー・モリーナ
判定3-0 (30-27/29–28/30–27)
第1試合 女子ストロー級 5分3R
○リャン・ナ
×アリアネ・カルネロッシ
2R 1’28” TKO