ONE Championship 12.25放送 シンガポール:仙三、激闘の末ONE 3戦目で初白星。MOMOTARO、不完全燃焼のTKO勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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ONE Championship「ONE: COLLISION COURSE II」
2020年12月18日(金)(25日(金)放送)シンガポール・インドアスタジアム
レポート:井原芳徳 写真&選手コメント提供:(C) ONE Championship
第1試合 MMA 60kg契約 5分3R
○仙三(パラエストラ松戸/パンクラス・フライ級王者)
×リャン・フイ(中国)
判定3-0
仙三は昨年3月の両国国技館でのONEデビュー戦でダニー・キンガドと好勝負を繰り広げるも判定負け。続く昨年10月の両国大会ではリト・アディワンにアームロックで右腕を破壊されTKO負け。療養とコロナ禍を経て今回が復帰戦となる。
対するリャンは中国のクンルンファイト、武林風といった人気大会で経験を積み、6月のONEのトライアウトマッチを経てONE本戦初出場する22歳。Tapolofyのデータでは3連敗中の選手だ。
1R、小柄なリャンが右フックを振りながら組み、仙三が首相撲からの膝を連打して突き放す。リャンは片足タックルを仕掛け、仙三は切って組み付くが、膝蹴りがローブローとなってしまい一時中断する。離れて再開後、リャンが右と左のフックをヒット。そこからテイクダウンを繰り返す。仙三はその都度立ち上がり、首相撲からの膝蹴りをお返しする。リャンのパワフルさが目立つラウンドに。
2Rもリャンがタックルでのテイクダウンを繰り返す。仙三は切ってバックを狙う場面もあるが、リャンは対処し離れる。仙三は執拗に首相撲からの膝蹴りで削り続けると、リャンは口が開き、疲れが見え始める。仙三はさらに左ボディフックを当てると、リャンの表情が変化。リャンの苦し紛れのタックルを仙三が切り上になると、バックマウントを奪い、パウンドを当てて裸絞めを狙い追い詰める。最後はがぶって膝を当てて、好印象で終える。
3R、仙三が左ジャブを当て続けて主導権を維持する。中盤、リャンがタックルで倒すが、仙三はすぐ立つ。仙三が左ボディを当てると、左フックも当たり、リャンは後退。リャンはまたもタックルで倒すが、仙三はすぐ立ってがぶると、ギロチンを狙う。その後も仙三が膝、ジャブを当て続け優位を維持。最後もリャンが倒すが追撃は許さず終了する。
記者採点は仙三。ジャッジ3者も同様で、仙三がONE 3戦目で初白星をもぎ取った。
◆仙三「『気持ちで絶対に負けるな。前に出るんだ』と自分に言い聞かせました」
かなり厳しい試合でした。1Rの1分?始めに打ったワンツーで拳が折れてしまい、痛みで感覚がなくなりヤバイと思い、ちょっと考えていたらペースを持って行かれました。1Rが終わり『やられたな。このままじゃ負ける』と思いました。
2Rから行くしかないと思いましたが、体と足に力が入らなくて『これは本当にヤバイ』と思い、そこからは気持ちで行くしかないと思い、必死に戦いました。自分のやりたい事、仲間と練習してきた事ができなかったし、想像していた展開にもならなかったし、何とか勝った、ギリギリの試合だったと思います。反省点ばかりです。終わった直後はうれしさより悔しさがかなりありました。今回負けたら終わりだと、引退だと思っていましたので、今は勝った事、次に繋げられた事を褒めてあげたいと思っています。
(リャンの印象は?)ケージに上がった時、顔を見て全体を見て強そうだと感じましたが、1R戦ってその通りだと感じました。タフだし力が強い。また気持ちも強い。勝ちに来ている。この試合に懸けて来ている。強いなと感じました。
(勝因は?)気持ちだと思います。2Rからは体も足も動かなくて、気持ちで押されたら負けると思い、必死でした。『気持ちで絶対に負けるな。前に出るんだ』と自分に言い聞かせました。苦しかったですが、絶対に勝つんだと思い前に出続けた事が勝利に繋がったと思います。
(試合前のインタビューで相手のことはあまり知らないとおっしゃっていましたが、実際に試合に入って、どんな戦略で戦いましたか?)1Rは足を使って、後半は自分からガンガン倒しにいこうと思っていましたがやられて全部吹っ飛びました。2Rからは力が入らなくなっていたので、左のパンチとジャブをとにかく出して行こうと思って、あとは強いパンチも打てなかったので、前に出て肘や膝を使って戦おうと思っていたと思います。途中ボディを打たれて相手が嫌な感じを出したような気がしたので、ボディを攻めようと思ったような気がします。組み、寝技に関しては、ティクダウンも強かったので、倒されたらいいポジションを取らせず、すぐ立ち上がり削ろうと思っていたような気がします。自分がいいポジションを取れたら攻めて決めに行こうと考えていたと思います。
(次は誰と戦いたいですか?今後の目標は?)いつでも誰とでも戦います。あとどれくらいできるかわからないので、全てを懸けていこうと決めています。自分の中で40歳までにONEでチャンピオンになろう、ベルトを取ろう、そう決めています。そのために全てを懸けようと思っています。来年は全勝して、再来年にONEのベルトを取る、そう思っています。
第4試合 ムエタイ フライ級 3分3R
○MOMOTARO(OGUNI GYM/元WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者)
×ヴォルター・ゴンサルベス(ブラジル/ONEキックボクシング・フライ級3位)
2R 0’30” TKO (レフェリーストップ:左足の負傷)
MOMOTAROは昨年3月からONEに上がり、2勝1敗の後、今年1月のマニラ大会でペッダム・ペッティンディーアカデミーと対戦。元ONEキックボクシング・フライ級王者相手に敗れたものの、判定2-0の接戦を繰り広げ評価を高めた。
対するゴンサルベスは昨年10月の両国大会でロッタン・ジットムアンノンのONEムエタイ・フライ級王座防衛戦の相手に抜擢され、5R判定負けに終わったものの、蹴り足をすくっての右フックや、右ハイやバックスピンキックといった蹴り技で好印象を残した。今回はムエタイルールだが、ONEキックボクシング・フライ級3位にランクインしている。
MOMOTAROは試合前の公式インタビューで「ロッタンとあそこまで良い試合をした選手、どのくらい自分の実力が通用するのか楽しみ」「お互いに距離を取るタイプの選手なので、見合う展開が多くなるかもしれません。お互いの足技や回転技に注目して頂きたいです」とコメント。ムエタイの本場タイ以外のトップ選手同士の高度な技術戦が期待されていた。
試合場はケージで、両者オープンフィンガーグローブを着用する。1R、MOMOTAROはサウスポー、ゴンサルベスはスイッチを繰り返し、ミドルを打ち合うが、蹴りをつかんでから崩す場面も多い。まだどちらも慎重で攻撃は少ない。
すると2R、勝負はこれからという状況だったが、突然フィニッシュが訪れる。両者サウスポーに構え、蹴りを打ち合った際、ゴンサルベスの左ローがMOMOTAROの太腿に当たった後。ゴンサルベスは左足首を痛めた様子で、右手を前に出してストップのジェスチャーをして片足立ちで後退する。レフェリーはゴンサルベスの負傷を確認しストップ。MOMOTAROの勝利となったが、不完全燃焼で終わった。
◆MOMOTARO「とても複雑な気持ちですが、次戦に向けて切り替えます」
(1Rを終えて、2R目はどんなプランで戦おうとしていましたか?)1R目の後半から自分の攻撃が当たりだしたので、ローや変則な攻撃で距離を詰めながら、パンチの距離を探って当てに行く予定でした。1R目で距離を詰めた時に、パンチの打ち合いでも首の展開になっても大丈夫だと思ったので。
(ゴンサルベスの印象は?)ミドル、三日月蹴りの攻撃力には面食らいました。
(ゴンサルベスと試合の前後に会話は?)話すことは無かったのですが、戦う前に向き合った時や、ラウンドが始まって手を合わせに来る時の彼の礼儀正しさは素敵でした。
(この試合を終えての気持ちは?)1Rに鼻血を出してしまい、印象の悪いまま試合が終わってしまったので、とても複雑な気持ちですが、次戦に向けて切り替えます。
(次は誰と戦いたい? )ジョナサン・ハガティーです。
その他の試合の結果
第6試合 ムエタイ フェザー級 3分3R
○ジャマール・ユスポフ(ONEムエタイ・フェザー級2位)
×サミー・サナ(ONEムエタイ・フェザー級4位)
判定3-0
第5試合 MMA 62.2kg契約 5分3R
○カイラット・アクメトフ(ONE MMAフライ級3位)
×キム・デファン
判定3-0
第3試合 MMA ライト級 5分3R
×アミール・カーン
○パク・デソン
判定1-2
第2試合 MMA ウェルター級 5分3R
○レイモンド・マゴメダリエフ
×エドソン・マルケス
1R 1’52” KO (右ストレート)