ONE Championship 1.31 マニラ:佐藤将光、韓国の新鋭を1R葬。和田竜光、8戦無敗のブラジリアンに完勝。MOMOTARO、強豪ペッダムに惜敗
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ONE Championship「ONE: FIRE & FURY」
2020年1月31日(金) フィリピン・マニラ:モール・オブ・アジア・アリーナ
レポート:井原芳徳 試合写真:ONE Championship 中継:AbemaTV
第7試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
×クォン・ウォンイル
○佐藤将光(坂口道場/FIGHT BASE都立大/修斗世界王者)
1R 4’05” 裸絞め
佐藤は10月のONE両国大会でパンクラス同級王者のハファエル・シウバを2Rパンチ連打で粉砕。5月のマーク・アベラルド戦に続きONE 2戦2勝とし、自身の連勝も5に伸ばした。
今回の相手は韓国の新鋭・クォン・ウォンイル。テコンドーの黒帯を持ち、昨年からONEに参戦し3勝2敗。今成正和にはヒールホールドで秒殺され、6月には松嶋こよみに寝技で攻め込まれ判定負けしている。しかしそれ以外の3試合ではアンソニー・エンゲレン、エリック・ケリー、スノトを、いずれも1R2分足らずでKOしている。打撃戦では油断できない相手だったが、佐藤がクレバーな試合運びできっちり仕留める。
1R、ウォンイルは開始すぐから圧力をかけて来ると、佐藤は右ローを放つが、ウォンイルは右ストレートを合わせようとする。すると佐藤は左ジャブのフェイントから右ローにつなげ、ウォンイルに対応する。佐藤は打撃に固執せず、タックルを仕掛け、金網に押し込むが、ウォンイルは突き放す。離れると、佐藤は右ローだけでなく、左インローも絡め、タックルの動作も織り交ぜつつ、右アッパー、右ストレートも当てるように。じわじわ流れを引き寄せると、3分過ぎ、再び佐藤はタックルから押し込み、30秒ほどでテイクダウンを奪うことに成功する。佐藤は素早くバックマウントを奪うと、パウンドを効かせて裸絞めを極め、タップを奪った。佐藤はこれでONE 3戦全勝。いずれもインパクト十分の勝ち方で、タイトル挑戦にさらに近づいたはずだ。
Shoko Sato kicks off the ONE: FIRE & FURY main card with a FIRST-ROUND RNC against Kwon Won Il!@SatoShokoh #WeAreONE #ONEChampionship #FireAndFury pic.twitter.com/gzwCogcjnp
— ONE Championship (@ONEChampionship) January 31, 2020
第6試合 MMA フライ級(61.2kg) 5分3R
×イヴァニルド・デルフィノ[Ivanildo Delfino](ブラジル)
○和田竜光(フリー/DEEPフライ級王者)
判定0-3
和田は昨年9月のマニラ大会でのフライ級GP準決勝で、元UFC王者のデメトリアス・ジョンソンと対戦。1Rにバックを奪い、裸絞めを狙ってDJを追い詰め、判定負けに終わったものの接戦を繰り広げたことで評価を高めた。今回の相手、デルフィノとは、昨年3月の両国大会でのフライ級GP一回戦で戦う予定だったが、デルフィノの怪我で相手が変わっていた。デルフィノはONE初参戦で、戦績は8戦無敗。映像のデータが乏しく、和田はぶっつけ本番に近い試合だったが、レベルの差をしっかり見せつける。
1R、デルフィノが圧力をかけ、和田が回って距離を取る。和田が右ローを蹴ると、デルフィノは蹴り足をすくうが、和田は組み付き、足を掛けて倒して上になる。和田はサイドポジションを一瞬取るが、デルフィノは対処し、和田はトップ、ハーフと動く。和田は肘を連打すると、効いた様子のデルフィノは足のロックを解く。和田はトップに戻りパウンドを的確に当て続け、好印象を残す。
2R、しばらく様子見が続くが、和田は右のカーフキック、右フックを着実に当てて効かせる。和田は組み付いて押し込むが、デルフィノは対処して、なかなか倒れず、クリンチ状態から右肘、右ボディを当て、危険なムードを残す。だが残り1分、ようやく和田がテイクダウンに成功し、金網に押し付ける形で右肘を連打すると、デルフィノは左まぶたをカットする。
3Rは開始すぐから和田が押し込み、足を掛けて30秒足らずでテイクダウンに成功する。デルフィノは立つが、和田は再び押し込んで倒し、サイドで押さえ込む。和田は金網に押し付けつつ、右肘、鉄槌を的確に当て続け、主導権をキープして終了。和田が判定勝ちした。
Tatsumitsu Wada finishes off the lead card in style with a dominant unanimous decision win over Ivanildo Delfino! @tatsumitsu13 #WeAreONE #ONEChampionship #FireAndFury pic.twitter.com/KNxMqWu0tf
— ONE Championship (@ONEChampionship) January 31, 2020
第8試合 ムエタイ フライ級(61.2kg) 3分3R
○ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ/元ONEキックボクシング・フライ級王者)
×MOMOTARO(OGUNI GYM/元WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者)
判定2-0
MOMOTAROは昨年3月に中国のケニー・ズィーに判定勝ち、4月に元ルンピニー3階級王者・ルーシラーに判定負けしたが、9月の元ルンピニー王者・シントンノーイ戦では左のバックハンドブローを開始すぐから効かせ、肘とパンチの連打でわずか41秒でKO勝ちし、インパクトを残した。その後、11月にホームリングのNJKFに上がり、琢磨に3R判定勝ちしている。
今回の相手はペッダムは18年からONEに上がり、ジョシュ・トナー、工藤政英らをKOし、昨年5月にはエリアス・マムーディに勝利しONEの王座を獲得したが、8月のイリアス・エナッシとの初防衛戦で3R左フックでKO負けし王座陥落した。
1R、両者サウスポーに構え、MOMOTAROが中央から圧をかけると、ペッダムは左ローを強打してくるが、すぐMOMOTAROは距離を詰め、左右のストレートを連打する。ペッダムは首相撲から膝を放つが、MOMOTAROは足をつかんで倒す場面も。MOMOTAROはスイッチも織り交ぜるが、その先の攻めにはつなげられず。終盤、ペッダムは首相撲から肘を当て、危険なムードを残して終える。
2R、ペッダムは圧力を強め、左ミドル、首相撲からの左膝を当てる。MOMOTAROは崩しを2度決めるが、中盤からはペッダムの首相撲で捕まる時間が長くなる。ペッダムは金網にも押し付けつつ、左膝を的確にヒットし、終了間際にはパンチもまとめる。MOMOTAROは鼻血を出す。2Rはペッダムが巻き返し、これでポイントはイーブンか。
3Rもペッダムがじわじわ圧力をかけ、左ミドル、左膝を的確に当て続ける。MOMOTAROはひるむことなく、パンチを時折当てるが、ダメージを与えるほどにはならない。僅差だがペッダムが優勢か。記者採点は1RがMOMOTARO、2Rと3Rがペッダムで29-28でペッダム。ジャッジは1者がイーブンだったが、2者がペッダムを支持し、ペッダムが判定勝ちした。敗れはしたがMOMOTAROの健闘も光った。
第11試合 メインイベント ONE MMA ストロー級(56.7kg)チャンピオンシップ 5分5R
○ジョシュア・パシオ(王者)
×アレックス・シウバ(挑戦者、元王者)
判定2-1
※パシオが防衛
第10試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
×エドゥアルド・フォラヤン
○ピーター・バウシュト[Pieter Buist]
判定1-2
第9試合 MMA フライ級(61.2kg) 5分3R
○ダニー・キンガド
×シェ・ウェイ[Xie Wei]
判定3-0
第5試合 ムエタイ 女子アトム級(52.2kg) 3分3R
×アルマ・ユニク
○アン・リン・ホグスタッド[Anne Line Hogstad]
判定0-2
第4試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
○リト・アディワン
×ポンシリ・ミッサティット
1R 3’02” アームロック
第3試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
○ジーナ・イニオン[Gina Iniong]
×アシャ・ロカ[Asha Roka]
判定3-0
第2試合 ムエタイ バンタム級(65.8kg) 3分3R
○ロートレック・PKセンチャイムエタイジム
×クリス・ショー
判定3-0
第1試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
―ジョマリー・トレス
―ジェニー・ファン
無効試合