ONEと契約の与座優貴、キック・バンタム級王座に照準「今年取りたい」、野杁正明「3本ベルトを並べたい」、武尊「正明の試合と優貴の参戦が僕の精神にもう一回火をつけてくれた」

　ONE Championshipと「独占複数試合契約」を結んだ元K-1ライト級（62.5kg）王者の与座優貴が、契約発表から3日後の25日、東京・用賀のVASILEUS GYMで記者会見し、同門の先輩の武尊、野杁正明も同席した。
　武尊は3月のONE日本大会でロッタンに1R左フックでKO負けした直後、「先のことはまだ考えていない」と、現役続行について明言を避けていたが、今回の会見では現役続行を表明。野杁のキック・フェザー級王座獲得と、与座のONE参戦が「僕の精神にもう一回火をつけてくれた」と話した。

与座優貴「誰とやってもキャラが濃いんで面白い試合になる」「今年ベルトを取りたい」

左から野杁正明、武尊、与座優貴、渡辺雅和VASILEUS GYM会長（24年7月のK-1で撮影）

　ようやく念願のONE Championshipに参戦させてもらえるということで、本当にワクワクしてます。戦いたい選手もたくさんいるし、先輩たちの世界と戦う背中を見てきたんで、やっと自分もそのリングで戦えるっていうのが本当に楽しみなんで、これからいろんな奴を倒してONEのベルトを取ろうと思っています。
（ONE参戦の決め手は？）一番の決め手は、先日の日本大会にセコンドとして自分も一緒に参加させてもらって、会場の雰囲気とか演出もそうですし、シンプルに選手のレベルもみんな高いので、当然、それを近くで見てたら自分もこの舞台で挑戦したいなって強く思いました。
（いつ試合がしたい？）いつチャンスが来てもいいように準備しているので、なるべく早めに試合をしたいなと思います。
（階級は？）バンタム（65.8kg）です。65kgに実質上げる形です。
（戦いたい相手は？）バンタム級なので、チャンピオンの（ジョナサン・）ハガティ選手は一番狙ってますし、スーパーレックもやりたいし、長身のナビル（・アナン）選手とか、誰とやってもキャラクターが濃いんで、面白い試合になると思うので、名前と実力のある選手たちとバンバンやっていきたいですね。
（レベルの高い階級だが？）それがONEだと思うので、覚悟はしていたし、もちろん負けに対するプレッシャーとかもありますけど、全部ひっくるめて楽しみだなと思います。
（ONEのルールやマスト判定について）意外と自分には向いてるのかなと思います。空手で培った受け返しというか、自分で（攻撃を）始めて自分で終わるっていうのは、自分の大事にしているところの一つなんで全然問題ないです。ただ、階級が少し上がるんで、外国人選手のフィジカルは試合してみないとわからないんですけど、それに向けてもオランダでスパーリングも積み重ねてきたので大丈夫かなと思っています。
（ONEムエタイのオープンフィンガーグローブや肘有りの試合は？）肘はちょっと怖いですね。もらうのはいいんですけど（傷を）縫うのが怖いです。とりあえずキックに集中しておきます（苦笑）。
（野杁の獲得したONEのベルトを見て）かっこいいな、欲しいなと思って。シンプルな重さもすごいし、いろんな意味の重さもすごいし、次はこれが欲しいなと思って、今の自分の夢に変わりました。
（秋元皓貴（同階級で4位）との日本人対決は？）やるときはあると思うんですけど、そこまで意識はしていないです。勝っていけばいつかそういう日があるのかなと思ってます。
（ベルトまでどれくらいでだどり着きたい？）今年取りたいです。

武尊「正明の試合と優貴の参戦が僕の精神にもう一回火をつけてくれた」

（与座のONE参戦について）やっと優貴が参戦できることになって凄くうれしいです。優貴の強さは、練習でもK-1での戦いでもわかっているので、世界中に知られてほしいなと思っています。
（与座にアドバイスはしていた？）ずっと強い奴と戦いたいって言ってたし、今はONEにすごい強い選手が集まってるんで、そこに行きたいって言われてたんで。僕が使ってたONEのグローブを優貴にプレゼントしました。K-1時代から（練習で）使って、ちょっと怒られてました（笑）。
（後輩が新たにONEで戦うの決めた姿とかを見て、今後について決めた部分もある？）この前の試合は、僕は不甲斐ない結果になってしまって、申し訳ないなって気持ちだったんですけど、僕の1個前の試合で、正明が最高の勝ち方でベルト取ってくれて。正直、あの姿を見たら、辞めるなんて言えないなっていう。正明が2連敗してすごい苦しい時期を過ごしていたのを近くで見ていたので、あそこから復活して一気にベルトまで取った姿を見せられたら、これぐらいで心折れていたらダメだなって思わされたし。また新しく優貴がONEに参戦してくれて、試合は個人競技なので別々ですけど、ONEと戦う心強い仲間がチームの中に増えて、余計にジムの士気が上がっているので、2人に負けないように僕ももうちょっとだけ頑張ろうかなと思います。
（現役続行と捉えていい？）そうですね。
（そのきっかけは野杁の活躍と与座の参戦？）そこがめちゃくちゃデカいですね。どうなってたかわからないですけど、正明が負けて、僕負けてってなってたら、僕はそのまま気持ち折れてたかもしれないし、無理なのかなって思っちゃってたところがあったと思うんですけど、僕以上に不利な状況っていうか、フェザー級がすごい熱くて、強い選手ばっかりで。その階級でベルト取ったんで、こいつは。やってしまったんで（3選手揃って笑う）。そんなんやられたら、心折れてられないなっていうのもあるし、僕自身も前回、すごく悔しい負け方でもあったし。今まで日本格闘技界を背負わせてもらって、この前の大会をメインでやらせてもらって、みんなに武尊さんについて行きますって言ってもらって、世界で戦えたっていうのはすごいありがたいことだったし、うれしかったんですけど、僕はそんな大きいことも言うつもりもなくて、ファンの人に期待してもらえればうれしいんですけど、僕自身としてはただ、僕が現役ファイターとして悔しい気持ちを晴らしたいという気持ちだけなので、今は2人にパワーをもらって、ロッタンを倒すことしか考えていないので、ダイレクトリマッチで戦ってもらいたいなと思います。
（怪我の状況は？）蓄積したダメージや怪我もあるんですけど、精神は肉体を凌駕するという言葉があるから、その精神をくれたのはこの2人だなと思っています。この前の正明の試合と優貴の参戦が僕の精神にもう一回火をつけてくれたなっていうのはあるんで。前回の試合前の怪我とかはだいぶ良くなってて、あと蓄積した部分もあるんですけど、そういうのも含めて自分の体なんで、このチームでやれば絶対勝てるんで、次は倒します。

野杁正明「フライ、バンタム、フェザーで3本ベルトを並べたい」

3月のONEで勝利後の記者会見での野杁正明

（与座のONE参戦について）純粋にうれしく思います。K-1時代、なかなか相手もいなくて、僕も対戦相手がいなくて困っていて、優貴もそういう状況だったんですけど、やっと胸を張って、堂々と世界と戦える舞台を選んでくれたので、優貴の強さを証明してほしいなと思っています。
（武尊の現役続行表明を聞いて）うれしいです（笑）。僕がVASILEUSに来た理由もONEに参戦した理由も、武尊君と一緒にベルトを取るということだったので、ここで優貴が参戦してくれたので、フライ、バンタム、フェザーで3本ベルトを並べたいですね。
（次の試合について）そうですね。たぶん次は統一戦になると思いますけど、時期とかは全然決まっていなくて、ONE側と話をして決まっていくんじゃないかなと思います。
（次が統一戦でもいい？）はい。大丈夫です。リベンジしなきゃいけない相手ももちろんいるんですけど、でもまず暫定取れたんで、次は統一戦やりたいなって僕は思ってます。
（ONEに初参戦する与座へのアドバイス）コーラを飲みすぎないことですね（笑）。コーラ大好きなんで。僕のセコンドの時もタイでどこ行くにもずっとコーラを飲んでました。