パンクラス 5.26 新木場スタジオコースト:ISAO、マレガリエに判定勝ちし2階級制覇達成。小川徹&摩嶋一整、元王者に完勝
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2019年5月26日(日) 新木場スタジオコースト
レポート&写真:井原芳徳
◆本戦
第10試合 メインイベント パンクラス・フェザー級統一チャンピオンシップ 5分5R
×ナザレノ・マレガリエ(ブラジル/チーム・タバレス/王者)※初防衛戦
○ISAO(NEVER QUIT/暫定王者、元ライト級王者)
判定0-3 (太田46-49/山崎47-48/大藪47-48)
※ISAOが第8代王者に
マレガリエはアルゼンチン生まれブラジル育ちの33歳。UFC1戦1敗、ベラトール4戦1勝3敗を経て16年からパンクラスに上がり、高谷裕之とガイ・デルモに判定勝ちし、17年3月に田村一聖に1R裸絞めで一本勝ちし王座を獲得した。同年8月の初防衛戦で当時1位のISAOと初防衛戦を行う予定だったが、マレガリエの左膝の負傷で中止に。マレガリエは昨年、米国のPFLに上がり3戦1勝1敗1分。マレガリエ不在の昨年4月、暫定王座決定戦が行われ、松嶋こよみがグラウンド状態のISAOの顔面に膝を当てる反則を犯して失格となり、ISAOが暫定王者となっていた。ISAOはこの膝で左目の眼窩底骨折となり、3~4か月療養が続いた。前戦から約1年が経過し、ようやく王座統一戦が実現した。
1R、ISAOがサウスポー、マレガリエがオーソドックスに構え、お互い前手のフェイントをかけながら、インローを当てる。長期戦も意識してか、どちらも慎重だが、終盤、ISAOの左インローでマレガリエが少しバランスを崩す。記者採点はISAO。ジャッジは割れたが2者がISAOを支持する。
2R、マレガリエは圧力を上げ、パンチの手数も上げ、右ストレートを随所でヒットし主導権。ISAOはクリーンヒットはもらわず、左インローを返しているものの、全般に手数で劣る。記者採点はマレガリエ。ジャッジは割れ、2者がマレガリエを支持する。
3Rも同じ構図だが、ようやくお互い押し込んでテイクダウンを狙う場面も。大差は無いが、ISAOが終盤、左インロー、左ストレートのヒットを増やしてやや優位という印象。記者採点はISAOとしたが、マレガリエも当てている接戦のため、2名はマレガリエ、1名はISAOを支持する。
4R、ISAOが左ミドルを当てると、マレガリエは蹴り足をつかんで倒すが、すぐISAOはスタンドに戻す。この攻撃も有効だった模様で、ISAOがその後も左ボディ、インローをコツコツ当てていると、マレガリエは少し疲れが見え始め、攻撃が返せなくなり、出しても空振りが増える。記者採点はISAO。
5R、ISAOは序盤からインローを当てた後、組み付いてテイクダウンを狙う。マレガリエは突き放すが、ISAOが左インローを当てるたびにマレガリエがフラつくように。終盤、ISAOが押し込むと、マレガリエは一回転して足関を仕掛け起死回生を狙うが、ISAOは外し、最後は押し込み、離れて終了する。記者採点はISAO。合計46-49でISAO。ジャッジ2者は1点差ではあったが、3者ともISAOを支持し、ISAOが王座統一と2階級制覇を果たした。
ISAOは「どんな出方をされても最後まで集中することを意識しました。偏らず全部混ぜて削ろうと思いました」と試合を振り返り、今後については「終わったばっかりで考えていないですけど、じっくり考えたいです」とだけコメント。最後に「去年4月に怪我して長期欠場し、ここに戻れるか不安でしたけど、たくさんのサポートで勝つことができました。また強くなった姿で帰って来たいです」とアピールした。
第9試合 フライ級 セミファイナル 5分3R
○小川 徹(TRIBE TOKYO M.M.A/5位)
×マモル(シューティングジム横浜/7位・元王者、元修斗世界フェザー級(60kg)& バンタム級(56kg)王者)
判定3-0 (太田30-27/山崎30-27/大藪30-27)
小川は昨年12月大会で上田将竜と対戦し、2R右ハイキックでKO負けして以来の試合。ここ2年は白星と黒星を繰り返す状況だ。マモルは5月29日で42歳に。17年8月に仙三相手に王座防衛に失敗し、続く昨年7月には小川の後輩・若松佑弥に2R TKO負けを喫している。両者ともタイトル戦線で踏みとどまるためにも正念場となる。
1R、サウスポーの小川がジャブや頭を振ってのフェイントを駆使しながら、左フック、ミドル、ローを随所で当て続けて主導権を維持する。マモルは前に出るが、小川は回ってかわし続ける。マモルは時折右ローを返すが、攻撃が少ない。
2Rも基本的に同じ構図で、マモルはダメージ自体は小さいものの、小川が蹴りとパンチを当て続け、主導権を維持する。
3R、後の無いマモルは少しパンチを当てるようになり挽回したが、中盤以降、小川も手数を上げ、左ストレート、ミドル、テンカオで数度マモルをひるませ、点差を広げ判定勝ちした
第8試合 フェザー級 5分3R
×田村一聖(KRAZY BEE/5位、元王者)
○摩嶋一整(毛利道場/Rebel FC王者)
3R 3’41” 肩固め
摩嶋と第1試合の坂野周平は、中国を中心に開催されているケージMMA大会・Rebel FCでタイトルを獲得している選手(パンクラスと提携しているキック大会のREBELSとは無関係)。最近はRebel FCの大会が延期が繰り返され、両選手もブランクができてしまい、今年初ファイトは揃ってパンクラスとなった。摩嶋にはUFC出場経験もある元パンクラス王者でランカーの田村一聖との試合が用意された。
1R、摩嶋が序盤の片足タックルから押し込むと、テイクダウンを狙いながらバックを狙い続け、中盤以降は裸絞めを狙い続け攻勢を維持する。
2Rも最初のタックルで摩嶋が倒すと、1分足らずでバックマウントを奪い、裸絞めを極めかける。田村は間一髪で防御し、外して上になる。だが目立った攻撃は出せず、摩嶋が脱出すると、終盤も上になって終える。
3Rも摩嶋が序盤からタックルで上になると、金網際でじっくりポジションを動かし、マウントを奪い、パウンドを当てて鼻と左まぶたから出血させ、最後は肩固めでタップを奪い完勝した。
第7試合 ウェルター級 3分3R
○近藤有己(パンクラスイズム横浜/元ミドル級・ライトヘビー級・無差別級王者)
×郷野聡寛(GRABAKA)
判定3-0 (山崎30-27/太田29-28/大藪29-28)
両者は2001年12月の横浜文化体育館大会での「東京・横浜VSGRABAKA 3対3対抗戦」で対戦し、近藤が3R TKO勝ちし、郷野を病院送りに。06年大晦日のPRIDE男祭りでの再戦では、判定1-2で郷野が勝利している。現在、近藤は43歳、郷野は44歳だ。
1R、近藤がサウスポーに構えて圧力をかけ、郷野はガードを下げながら金網伝いに右に回りかわし続ける構図が続く。近藤は終盤にかけて左インローを増やすが、郷野が全般に右フック、右ミドル等のヒット数で上回る。さすがに30歳前後の頃に比べると二人とも動きのキレは落ちるが、らしさは随所で印象づけるファイトに。
2Rも同じ構図だが、近藤の左ロー、ミドルのヒットが増え、少し郷野がバランスが悪くなる場面も。郷野も右フック、右ボディを随所で強打し、大差はつけさせない。
3Rも同じ構図で、近藤のローで郷野の足が流れる場面があり、やや近藤の好印象か。だが郷野のパンチで近藤も右まぶたから出血している。
記者採点は2Rと3Rに近藤につけ29-28で近藤。ジャッジ3者も近藤につけ、近藤が3度目の対戦を制し、2勝1敗とした。
第6試合 バンタム級 5分3R
×福島秀和(BLOWS/3位)
○春日井 寒天 たけし(志村道場/元HEATバンタム級&フライ級王者)
判定0-3 (太田28-29/山崎28-29/和田28-29)
福島は昨年12月大会で林大陽に3R裸絞めで一本勝ちし2連勝中。春日井は17年4月の翔兵戦で2R裸絞めで勝利して以来のパンクラス登場。昨年4月に若松佑弥と戦う予定だったが負傷欠場していた。以降はホーム大会のHEATで2試合し、3月2日の名古屋大会で清水俊一に1Rギロチンで一本勝ちしている。
1R、春日井が右フックを当て続け、左フックでダウンさせ、金網際で上になり、時折右のパウンドを強打する。福島は返して上になり、ハーフから肩固めを狙い続け、終盤にはバックを奪いかけるが、春日井は対処し上になって終える。
2Rはスタンドの打撃戦。春日井が随所で左ジャブ、右ストレート、左ミドルを叩き込む。福島もパンチを返すがヒットが少ない。ここまで春日井が2ポイントを取る。
3R、後の無い福島が圧力を強め、パンチのヒットを増やすが、1ポイントを取り返す程度の攻勢に留まり、春日井の判定勝ちとなった。
第5試合 バンタム級 5分3R
○大橋悠一(P’s LAB大泉/8位、ネオブラッドトーナメント2018同級優勝)
×ディションバイ・バキトベック[Duishobaev Bakytbek](キルギス/スポーツクラブ・アッティラ/WEF Globalバンタム級王者)
1R 0’41” TKO (レフェリーストップ:左フック→グラウンドパンチ)
大橋はいわゆる「ネオブラ優勝のご褒美マッチ」で、通常のランカーとの試合ではなく国際戦が用意された。バキトベックはMMA戦績6勝(1KO/4一本)1敗と一本率の高い選手で、1991年5月6日生まれの27歳(試合時は28歳)。アマレス、サンボ、キックボクシング、柔術の経験があるという。
両者サウスポーで、バキトベックに大橋が左のフックを当ててダウンさせると、背後からパウンドをラッシュし、一気に試合を終わらせた。
第4試合 バンタム級 5分3R
○米山千隼(マルワジム横浜)
×ジョーイ・ボーイ[Joey Boy](米国/スパイク22)
2R 1’43” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
米山はプロ10戦目で初の国際戦。今回、フェザー級からバンタム級に階級を落とす。ボーイはカイル・アグオンと同門の28歳。
1R、米山が右ローを軸足刈りにして倒すと、金網際でトップポジションをキープする。米山がパウンド、肘を当てつつ、肩固めやアームロックを狙い主導権を維持する。2Rも序盤から上になると、パウンドを連打してフィニッシュした。
第3試合 フェザー級 3分3R
○杉山和史(TURNING POINT MMA/HF/12位)
×川那子祐輔(秋本道場jungle junction)
1R 2’59” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、左右に動かない杉山に、川那子がパンチを当てた後、タックルで倒すが、おそらく杉山の右フックをもらったか?川那子が左まぶたをカットし出血する。ドクターチェックの後も杉山がパンチを強打し続け、川那子を金網際で倒すと、上から一気にパウンドラッシュで仕留めた。
第2試合 ストロー級 3分3R
○宮澤雄大(K-PLACE/11位)
×リトル(GUTSMAN)
判定2-1 (山崎30-27/大藪28-29/和田29-28)
宮澤とリトルは昨年8月大会で対戦し、リトルがわずか15秒でTKO勝ちしている。だが宮澤はランカーの前山哲兵を下して先にランキング入りする、ねじれ現象が起こっている。
1R、リトルはパンチの空振りが続いたが、終盤に左右を当てて宮澤をひるませ、その後もラッシュを続け優位に。2R、宮澤がグラウンドでコントロールを続け、終盤には右フックでリトルを一瞬ダウンさせ挽回する。3Rは宮澤が長時間ケージ際のレスリングでコントロールを続けやや優位に試合を運ぶ。記者採点は2Rと3Rが宮澤で29-28で宮澤。ジャッジ2者も宮澤を支持しリベンジに成功した。
第1試合 バンタム級 3分3R
○坂野周平(マルワジム横浜/Rebel FC王者)
×花レメ紋次郎TK(総合格闘技道場コブラ会)
判定2-1 (和田28-29/大藪29-28/山崎29-28)
花レメは4年ぶりの試合に。その間、仕事で中国に渡り、昨年から東京に転勤し、リバーサルジム新宿Me,Weで練習し、2月には柔術の試合に出ていた。
1R、坂野が右ストレートを花レメの首元にクリーンヒットしたが、花レメがタックルで倒し、上から押さえ続けて挽回する。2Rはお互い攻めあぐねるが、終盤に花レメがテイクダウンを奪い、若干優位か。3R、花レメが右フックでダウンさせるが、坂野がアームロック、腕十字を狙い続け後半は優位に。記者採点は1Rと2Rに花レメにつけ29-30で花レメ。ジャッジの難しいラウンドが続き、判定2-1で坂野が勝ったが、すぐ首を振り、花レメと健闘をたたえ合った。
第11試合 ライト級 3分3R
○友實竜也(ゼロ戦クラブ)
×山本雄希(Y&K MMA)
判定3-0 (29-28/29-28/30-27)
第10試合 フェザー級 3分3R
○渡辺謙明(パラエストラ東京)
×加藤泰貴(ロデオスタイル)
1R 1’25” KO (スタンドパンチ)
第9試合 バンタム級 3分3R
○前田浩平(GRABAKA)
×宮川 峻(リバーサル東京スタンドアウト)
判定3-0 (30-27/30-26/30-27)
第8試合 バンタム級 3分3R
×工藤修久(禅道会小金井道場)
○関原 翔(リバーサル東京スタンドアウト)
判定0-3 (26-30/26-30/28-29)
第7試合 バンタム級 3分3R
○後藤丈治(TRIBE TOKYO M.M.A)※P’s LAB札幌から所属変更
×聖王DATE(Team DATE)
3R 2’59” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ)
第6試合 第25回ネオブラッドトーナメント一回戦 フェザー級 3分3R
×齋藤拓矢(ALLIANCE)
○葛西和希(マッハ道場)
3R 2’59” 肩固め
第5試合 第25回ネオブラッドトーナメント準決勝 バンタム級 3分3R
×永井佑虎(CAVE)
○平岡将英(KRAZY BEE)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第4試合 第25回ネオブラッドトーナメント準決勝 バンタム級 3分3R
×山本敦章(パラエストラ千葉)
○上野惇平(ハイブリッドレスリング八戸)
判定1-2 (28-29/29-28/28-29)
第3試合 第25回ネオブラッドトーナメント準決勝 フライ級 3分3R
○赤崎清志朗(香取道場)
×下田洋介(和術慧舟會総本部)
2R 2’52” TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチ)
第2試合 第25回ネオブラッドトーナメント準決勝 フライ級 3分3R
○猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)
×三澤陽平(ALLIANCE)
判定3-0 (29-28/30-27/30-27)
第1試合 第25回ネオブラッドトーナメント準決勝 ストロー級 3分3R
―御代川敏志(パラエストラ八王子)
―川端康太(ALLIANCE)
中止 (川端が体調不良で試合を辞退し、御代川が決勝に進出)