パンクラス 6.28 ニューピア(レポ):オタベク・ラジャボフ、木下尚祐を3R三角で仕留めフェザー級暫定王者に。栁川唯人との統一戦へ。神谷大智、粕谷優介に2R TKO勝ちしバルボーザのライト級王座挑戦権獲得

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PANCRASE 363
2026年6月28日(日)東京・ニューピアホール
レポート&写真:井原芳徳
オタベク・ラジャボフ、木下尚祐を3R三角で仕留めフェザー級暫定王者に。栁川唯人との統一戦へ
第11試合 メインイベント パンクラス・フェザー級暫定王者決定戦 5分5R
○オタベク・ラジャボフ[Otabek Rajabov](タジキスタン/TAJMMAF GYM/1位)
×木下尚祐[しょうすけ](リバーサルジム横浜グランドスラム/2位)
3R 2’48” 三角絞め
※ラジャポフが暫定王者に
昨年12月にキルギス出身のカリベク・アルジクル ウールを1R KOしフェザー級王者となった栁川唯人が、5月28日開幕のROAD TO UFCに参戦することを理由に、1位のタジキスタン人・オタベク・ラジャボフと2位の木下尚祐による暫定王者決定戦が組まれた。なお、栁川はRTU初戦で敗退しており、パンクラスに戻れば暫定王者との王座統一戦に臨む流れとなりそうだ。
パンクラスはアルジクル、ミドル級王者のコシム・サルドロフら、中央アジアの新鋭を積極的に招へいしており、23歳のラジャボフもその一人だ。ラジャボフはパンクラスも協力するIMMAF主催アマチュアMMA世界大会で2度優勝。アマで11連勝後、プロでも5連勝中。24年7月のパンクラスでプロデビューし髙城光弘に3R裸絞めで一本勝ち。12月の2戦目で田嶋椋との試合が組まれたが、ラジャボフはバンタム級リミットを0.95kgオーバーし試合中止。昨年4月・6月、ロシアでの試合で勝利。9月のパンクラスではフェザー級で7位の遠藤来生に1R TKO勝ち。12月、Ryoをに1R TKO勝ちし、フェザー級でも強さを存分に発揮している。
木下は29歳。ZSTで17年にプロデビューし、21年からDEEPにレギュラー参戦し、24年11月からパンクラスに初参戦し、小森真誉に判定勝ち。昨年3月、遠藤来生に判定勝ちし、7月に敢流に判定勝ち。今年3月の横浜大会ではシン・ジェヨンに判定勝ちしパンクラス4戦全勝だ。
寝技勝負を制したのはラジャポフだった。1R、ラジャボフが開始から前に出て、左ジャブ、右ボディを当て、タックルを仕掛けると、金網際で倒してバックマウントを奪う、木下はその先を許さず、返して上になり、金網際で押さえる。終盤、スタンドに戻り、金網際で組みの状態が続く。ラジャボフが背後からしがみつき続けて終わる。記者採点はラジャボフ。
2R、ラジャボフがタックルを仕掛けて倒し、バックマウントを奪う。ラジャボフは時折パウンドを当てて裸絞めを狙うが、極めに至らず、パウンドも力強さは無く、木下は防御に徹して終える。途中、木下のセコンドからも「このラウンドいいから」という声が飛び、3R以降に勝負を懸けようとしているようだ。記者採点はラジャボフ。
3R、木下がタックルを仕掛け、金網際でラジャボフの腕をつかみつつ、足を相手の足に絡めて組み付くが、ラジャボフは振りほどいてバックマウントを奪う。木下はその先を許さず、体をひねって上を取り返し、場内は湧き上がる。だがラジャボフは下になりながら、すぐに足を登らせ、三角絞めを極める。ラジャボフは下から両腕で木下の片足も巻き込んで、逃げられない状態で三角を仕掛けており、最後は木下の腕が脱力したところで、梅田レフェリーがストップ。ラジャボフがフェザー級暫定王者となった。
ラジャボフがチームメイトやパンクラス首脳陣に感謝を述べた後、正規王者の栁川がケージに登場し、ラジャポフと握手した。栁川は「オタベク、おめでとう。フェザー級に2本ベルトはいらない。どっちが強いか勝負しよう」と呼びかけ、ラジャポフも「もちろんです」と答えた。
神谷大智、粕谷優介に2R TKO勝ちしバルボーザのライト級王座挑戦権獲得
第10試合 コーメイン ライト級次期挑戦者決定戦 5分3R
×粕谷優介(CROWN/3位)
○神谷大智(BRAVE/5位)
2R 3’39” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
3月の横浜大会でハファエル・バルボーザが雑賀“ヤン坊”達也に2R TKO勝ちしライト級王者となり、その挑戦者を決める一戦が組まれた。
粕谷は36歳。UFCで2戦経験後、17年からパンクラスに参戦し、19年9月のライト級暫定王者決定戦でサドゥロエフ・ソリホンに敗れる。23年12月のライト級王者挑戦者決定戦では雑賀“ヤン坊”達也に判定負け。24年4月、久米鷹介に判定負け。9月、ホン・ソンチャンに1R TKO勝ち。昨年3月、ハファエル・バルボーザに2Rダースチョークで一本負けしたが、直前にバルボーザのグラウンド状態での頭部への膝蹴りの反則で3分ほどインターバルがあった。12月、ISAOに2R裸絞めで一本勝ちし、8年越しのリベンジを果たした。
神谷は27歳。22年のパンクラスでのデビューから 芳賀ビラル海、天弥ら相手に4連勝した後、昨年5月にROAD TO UFCに参戦したが、キム・サンウクに敗れ、キャリア初黒星を喫した。12月のパンクラスでは、柔道仕込みの投げで松岡嵩志の右腕を破壊し2R TKO勝ち。今年3月大会では葛西和希に判定勝ちした。
1R、両者サウスポーで構え、ロー、パンチを時折当て、均衡状態が続く。すると終盤、粕谷の右の三日月蹴りがさく裂し、神谷はうずくまって後退する。粕谷は金網際でがぶって押さえて追撃しようとする。だが神谷は立って腰投げで倒すと、金網際で上から押さえ、最後はサイドバックからパウンドを当て続け、攻勢を印象付ける。記者採点は神谷だが割れても不思議ではない。
2R、神谷が序盤からタックルで倒し、金網際で背後から押さえてコントロールするが、粕谷は返して上になる。粕谷はハーフガードで押さえる。神谷が下から足関を狙うと、お互い激しく上下の入れ替わる展開が続く。だが中盤過ぎ、神谷が最終的に上になると、マウントを奪い、パウンドを当て続けていると、粕谷が抵抗できなくなり、金子レフェリーがストップした。
神谷は「(粕谷は三日月蹴りで)吐きそうでした。前の試合に比べたら成長できました。劣勢でも逆転できると見せられました。粕谷選手にはMMAを教えられました。粕谷選手に感謝します」と試合の感想を述べ、ライト級王者・バルボーザへの挑戦に向けてのコメントを求められると「俺は(粕谷に反則の)グラウンドの膝じゃなく、ルールに則って勝った。おい、バルボーザ、お前、震えて眠っとけ。ガンバッテ」とアピールした。
眞藤源太が一本勝ち「いじめられっ子の濱田(巧)君、いじめたい」
第9試合 フライ級 5分3R
×谷村泰嘉[たいが](禅道会総本部/パラエストラ八王子TEAM TIGER/3位)
○眞藤源太(ボンサイ柔術/6位)
3R 4’25” ニンジャチョーク
谷村は23歳。20年からパンクラスに上がり、22年5月に大塚智貴にフロントチョークで勝利して以降、秋葉太樹との試合が2度組まれたが、怪我等の影響で欠場が続く。昨年5月の大阪大会で3年ぶりに復帰し、秋葉と対戦したが判定負け。今年3月の横浜大会では菅歩夢に1Rアナコンダチョークで一本勝ちし、大会のベスト一本賞にも選出された。
眞藤は25歳。3月大会でボンサイ柔術移籍後初の試合に臨むも、岸田宙大に1R三角絞めで一本負けし3連敗中だ。
1R、眞藤が押し込み、膝を放ったタイミングで谷村が倒して上になる。だがすぐに眞藤は足を登らせ、三角絞めを極めて追い詰める。眞藤は「ポペガー」と叫ぶが、その隙に谷村はパウンドを当てて極めを緩め、しばらく耐えてから脱出する。最後、谷村は上から鉄槌を当てるが、強打は打てず終わる。記者採点は眞藤。
2R、谷村がタックルで倒してまたも上になるが、膠着し、小池レフェリーがブレイクする。終盤、眞藤が軽めながらも右ストレートを当てると、谷村はダウンしてしまう。谷村はすぐ立ち、最後は眞藤を金網に押し込むが、倒せず終わる。記者採点は眞藤。
3R、谷村がタックルを繰り返すが、眞藤は切り続け、膝や肘を当てる。すると終盤、谷村のタックルを眞藤が切り、がぶった状態からニンジャチョークを極めてタップを奪った。
眞藤はは連敗を3でストップ。勝利者インタビューで眞藤は「いじめられっ子の濱田(巧)君、いじめたいです。ベルトまで駆け上がりたいです」とアピールした。
氏原魁星、反則響き寺岡拓永とドロー
第8試合 ストロー級 5分3R
△氏原魁星(ボンサイ柔術/4位、2025年ネオブラッドトーナメント(NBT)同級優勝)
△寺岡拓永(ROAD MMA GYM/6位、2023年NBT同級優勝)
判定0-0 (28-28/28-28/28-28)
氏原は21歳。24年2月のプロデビュー戦で勝利後、4月の2戦目で寺岡拓永に判定負けし、7月に秋葉太樹に2R TKO勝ち。昨年のネオブラッドトーナメント・ストロー級では、一回戦で裸絞め、準決勝でアームロックで1R一本勝ちし、11月の決勝で渋井宏行に判定勝ち。今年5月4日の試合は対戦相手の野田遼介が計量オーバーした上に棄権し、試合中止となっていた。今回、寺岡へのリベンジを目指す一戦が早速組まれた。
寺岡は29歳。23年の昨年のネオブラッドトーナメント・ストロー級で優勝したが、以降は24年2月に氏原に判定勝ちした以外は4戦とも敗れており3連敗中。昨年6月、飯野タテオに判定負けしてから1年ぶりの試合となる。
1R、氏原がパンチを連打して詰め、飛びついてギロチンを仕掛けて引き込み、すっぽ抜けると、すぐに腕十字を狙う。寺岡は対処し、金網際で上になり続ける。氏原は下から足を登らせつつ、時折肘や鉄槌を当てる。だが残り40秒、氏原がまだグラウンド状態の寺岡の顔面を蹴り上げる反則を犯し、中断する。寺岡は右目にもらったため痛そうにし、ドクターチェックが入る。氏原は減点1となる。同じ体勢で再開するが、お互い攻撃が無く終わる。記者採点は氏原だが減点があるため9-9に。
2R、氏原はタックルで倒し、マウントからパウンドを連打し、バックに回って執拗に裸絞めを狙う。セコンドのホベルト・サトシ・ソウザのアドバイスを聞きながら極めようとするが、なかなか極まらず、最後は腕十字を狙うが時間切れに。記者採点は氏原。
3R、氏原は投げに失敗して下になり、寺岡が金網際で押さえ、時折パウンドを当てて印象を作る。一旦立った後も同じ展開が繰り返される。最後、氏原が下から腕十字を狙うが、寺岡が防御して終える。記者採点は寺岡。合計28-28でイーブン。ジャッジ3者も同じ採点で、ドローとなった。
畠山祐輔、パンクラス初戦は元フェザー級1位の亀井晨佑に2R TKO勝ち
第7試合 フェザー級 5分3R
×亀井晨佑[しんすけ](パラエストラ八王子/元1位、2018年NBT同級優勝)
○畠山祐輔(ボンサイ柔術)
3R 3’50” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
亀井は29歳。18年のネオブラッドトーナメント・フェザー級で優勝し、19年は2連敗し。21年から22年にかけ、三宅輝砂、中田大貴に連勝したが、22年7月、透暉鷹とのフェザー級暫定王者決定戦で4R裸絞めで一本負け。23年4月、パン・ジェヒョクに判定勝ちしたが、9月のフェザー級王者決定戦では新居すぐるに2R一本負け。12月には平田直樹に判定負けした。ヘルニア等の怪我の影響で休養し、2年半のブランクを経て復帰する。
畠山は29歳。朝倉未来1年チャレンジに参加して注目を集め、DEEPを主戦場とし9戦5勝4敗。昨年3月、狩野優に2R TKO負けし、それから1年3が月ぶりの復帰戦でパンクラスに初登場した。
1R、畠山がタックルを繰り返し、2度目のタックルで引き込んで下になる。亀井は少しだけパウンドを当てる。膠着状態が続くと、梅田レフェリーがブレイクする。終盤、亀井が右ハイを空振りし、畠山がタックルで倒して上になる。畠山はマウント、バックと移行し、パウンドと肘を当て続け、優位を印象付ける。記者採点は畠山。
2R、畠山が亀井を金網に押し込むが、亀井は突き放し、パンチと肘を当て反撃する。だが中盤、畠山がタックルで倒し、バックマウント、マウントでコントロールし、随所でパウンドを当てる。終盤、畠山がパウンドのヒットを増やし、腕十字を狙うが、まだ余力のある亀井は対処し、上になって終える。記者採点は畠山。
3R、畠山は開始間もなくからタックルで倒して上になり、ハーフで押さえる。中盤にはマウントを奪い、バックマウントからパウンドを当て続けていると、梅田レフェリーがストップした。
畠山は「DEEPから移籍してきて参戦したばっかりなので、今日の試合で顔と名前覚えてください。今日は“ポペガー”できなかったんですけど、一本取るスキルは持っているんで、上位勢を極めていきます」とアピールした。
第6試合 ウェルター級 5分3R
○武者孝大郎(マスタージャパン東京)
×萱沼[かやぬま]徹平(フリー)
2R 2’50” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
萱沼は元プロボクサーで今回がMMAデビュー戦。1R、萱沼が時折、武者を金網際に詰めてパンチを連打するが、武者はブロックして耐え、タックルで倒し、パウンドを連打する。萱沼は右頬が腫れ、インターバル後にドクターチェックが入る。
2R、萱沼は右カーフを当てる。だが武者が左ジャブを当て、萱沼は右目が見えにくくなっていそうだ。すると萱沼のパンチに合わせ、武者がタックルで倒すと、背後から押さえ、パウンドを数発当てたところで萱沼が戦意喪失し、レフェリーがストップした。
プレリミナリーファイト
第5試合 ライト級 5分3R
×下山楓人[ふうと](CUTE)
○宮本 樹(ゼロ戦クラブ)
2R 4’13” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第4試合 バンタム級 5分3R
○千種純平(パンクラス大阪稲垣組)
×鈴木勇太朗(DOBUITA)
1R 1’12” 裸絞め
第3試合 バンタム級 5分3R
○増田怜央(THE BLACKBELT JAPAN)
×村社[むらこそ]泰河(CAVE)
1R 2’36” ニンジャチョーク
第2試合 バンタム級 5分3R
×貫井義規(OOTA DOJO)
○近藤悠真(NO FACE GYM)
判定0-3 (27-30/28-29/28-29)
第1試合 フライ級 5分3R
―大野友哉(THE BLACKBELT JAPAN)
―前川 慧(HIDE OUT)
中止 (前川が減量中に緊急搬送のため前日計量を欠席)







































