DEEP JEWELS 5.25 ニューピアホール(レポ):HIME、計量オーバーの重田ホノカに2R一本勝ち。奥富夕夏、栗山葵をケージレスリングで圧倒し判定勝ち
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DAYS Presents DEEP JEWELS 49
2025年5月25日(日)東京・ニューピアホール
レポート&写真:井原芳徳
HIME、計量オーバーの重田ホノカに2R一本勝ち
第8試合 49kg契約 5分3R
○HIME(毛利道場)
×重田ホノカ(THE BLACKBELT JAPAN/パンクラス女子フライ級3位・元王者)
2R 3″00″ 腕ひしぎ三角固め
※重田が計量1.75kgオーバー。重田は減点3からのスタートとなりHIMEが勝利した時のみ公式記録となる。
HIMEは38歳。21年3月にプロデビューし、22年3月に49kg契約で大島沙緒里と対戦し判定勝ち。23年2月にはストロー級で万智に1R一本負け。9月の49kg契約でのパク・シウ戦も判定負け。昨年5月には58kgまで上げ、中井りんと対戦し、3Rギロチンで一本負けした。実力者相手に負けが続いたが、昨年9月の彩綺とのストライカー対決では、壮絶な打ち合いの末に判定勝ちし、DEEP JEWELSトップクラスの実力を示した。
重田は21歳。23年4月のプロデビューから5戦パンクラスで戦い、昨年3月、端貴代に判定勝ちし女子フライ級王者となるが、7月の初防衛戦でベテランの杉山しずかに1Rフロントチョークで一本負けし王座から陥落すると共に、プロ初黒星を喫した。それ以前の5月のDEEP JEWELSでの中井りんの王座防衛戦の相手の栗山葵の欠場が発表された際には、重田が対戦に名乗りを上げたことでも話題になっていた。
HIMEと重田の試合は3月23日のDEEP JEWELS 48で組まれていたが、重田が練習中に左膝を負傷したため中止となっていた。重田の適性体重はフライ級より1階級下のストロー級(52.2kg)で、今回はさらに軽い、RIZIN女子スーパーアトム級と同じ49kg契約だが、重田は計量で1.75kgもオーバーしてしまう。
1R、重田がタックルを仕掛け、立った状態で背後からしがみつくと、ジャーマンスープレックスで倒し、バックマウントを奪う。ここは体重差が出たか。HIMEは脱出したが、立たれても重田はしがみつき、ダースチョークを狙う等攻め続ける。記者採点は重田。
2R、重田はタックルを仕掛けるが、HIMEは倒されずに耐えて、金網際で潰してマウントを奪い、流れを変える。HIMEはパウンドを当て続け、バックマウントからもパウンドを連打し追い詰める。重田は防戦一方に。HIMEは中盤ながらも早くも腕十字を仕掛けて勝負に出る。HIMEは三角絞めに移行し、腕も極めて鉄槌を当て追い詰める。重田はタップしなかったが最後は植松レフェリーがストップした。
マイクを持ったHIMEは「得意分野じゃない寝技で進化を見せられたと思います。打撃だけじゃないHIMEを見せられてホッとしています。重田選手はパンクラス出身で、私はDEEPの選手だと誇りに思って、背中に背負って戦ったつもりです。DEEP JEWELSがどれだけ楽しくて、どれだけ強くて、いい選手の集まりだというのを、この試合をもって見せられたと思います」とアピールした。
バックステージでHIMEは、1R投げられた際、パワー差を感じたかと聞かれ「想定内でした」と振り返り、今後について「やっぱ上の大会に出てみたいですね。DEEPも大好きですけど、RIZINとかで自分の強みをアピールして、いろんな上の大会に出れたら理想です」と話した。
奥富夕夏、栗山葵をケージレスリングで圧倒し判定勝ち「相撲をMMAに落とし込めた」
第7試合 58kg契約 5分3R
×栗山 葵(SMOKER GYM)
○奥富夕夏(リバーサルジム新宿Me,We)
判定0-3 (中原27-30/橋本27-30/松宮27-30)
栗山は23年の熊谷麻理奈戦、斎藤百瑚戦、昨年3月のMANAと、3連続で左フックを駆使しKO勝ち。5月に中井りんのフライ級王座に挑戦予定だったが、右膝の靱帯の断裂により欠場。手術を経て今年4月の地元大阪大会で1年ぶりに復帰し、鈴木“BOSS”遥を打撃で追い詰め判定勝ちしている。
奥富は小学生の時から現在までアマチュア相撲の全日本大会で活躍する選手。DEEP JEWELSのアマチュアで5戦5勝し23年4月にプロMMAデビューし5戦3勝1敗1無効試合。昨年3月大会での斎藤百湖戦は、斎藤の計量オーバーにより、試合は行ったがノーコンテストに。7月のONEフライデーファイツでファイニー・メスキータに1R裸絞めで一本負けして以来のMMAの試合となる。その間にグラップリングや柔術の試合をしていた。
1R、栗山がサウスポーでプレッシャーをかけ続け、奥富の右ミドルのタイミングで放った左インローが足払いになり、奥富が後ろにスリップする。栗山は上からパウンドで追撃しようとしたが、奥富はすぐ片足タックルでしがみつく。奥富は金網に沿って逃げる栗山を捕まえたまま倒そうとし続ける。最後、奥富がようやくバックを取り、裸絞めを狙って終える。記者採点は奥富。
2R、奥富がタックルでテイクダウンを奪い、金網際で押さえる。奥富は栗山に立たれても組み付き、倒してパウンドを当てる展開を繰り返し、栗山をケージレスリングで圧倒する。記者採点は奥富。
3R、奥富はこれまで同様、片足タックルで倒し、動く栗山を金網際で押さえ続け、度々パウンドをまとめ圧倒したまま終了する。記者採点は奥富。合計27-30で奥富。奥富が判定勝ちした。
バックステージで奥富は「ジムの先輩が私よりも強い選手ばかりで、タックルをあきらめないとか、やられても下がらないとか、試合に全部出せたかなと思います。ジムの山北(渓人)選手とかがああいう試合をしてると思うんですけど、試合前にも山北選手の入場曲とかも聴いて(気持ちを高めて)いました」と話した。
普段は9時から18時まで仕事をし、退社後と休日に練習する日々で、奥富は「相撲は会社に援助してもらっているんですけど、格闘技は会社からしたら趣味っていう扱いになってしまうので、最悪怪我で入院とかしても、『仕事の方で奥冨さんが普段頑張ってるからしょうがないよね』って言われるくらい仕事を頑張っているところがあります」とのこと。
奥富は2週間前に相撲の試合をしたばかりで、Me,Weの山崎剛代表は今回の試合前に「相撲をやれ」とアドバイスしていたという。山﨑氏は「(奥富は)ここ2週間くらいでやっと変わったんですよね。パンチもよけなくていいから、全部頭で受けるくらいのつもりでいいし、壁レスも相撲だと思ってやれって言っていたのが、急にはまりました」と明かす。奥富も「今までは相撲の強みが足腰の強さぐらいしか生かしてなかったんですけど。相撲って最初の立ち合いから頭と頭でぶつかるのがOKなので、それができるんだったら、藤野(恵実)選手じゃないですけど、頭で拳を受けに行っていいって。やっと相撲をMMAに落とし込めたと思います」と話していた。
彩綺、SAAYAとの打撃戦制す
第6試合 49kg契約 5分2R
○彩綺(和術慧舟會HEARTS)
×SAAYA(VICTORY GYM)
判定2-1 (松宮○19-19/中原19-19○/橋本○19-19)
1R、彩綺がサウスポーから左ミドルを効かせ、左ストレートも当てて追い詰める。SAAYAも中盤、右ミドルとストレートを当てて前に出て反撃したが、終盤、彩綺が左膝蹴りを効かせて挽回し、左ストレート、ミドル等を当て続ける。
2R、彩綺がタックルで倒し、金網際で押さえるが、その先に持ち込めない。SAAYAがアームロックを狙うと、彩綺はスタンドに戻す。彩綺は前に出続け、打撃で優位を維持するが、時折右ストレートをもらってしまう。終盤には彩綺が左ストレートでひるませる場面も作り終了。記者採点は2Rとも彩綺で合計20-18で彩綺。ジャッジは意外にもポイントをSAAYAにも振り、スプリットとなったが、彩綺が判定勝ちした。
第5試合 54kg契約 5分2R
○横瀬友愛(BELVA)
×成本優良(POLAR GYM OSAKA)
1R 1’39” アームロック
横瀬はプロMMA1勝1敗で3戦目。1R、横瀬が序盤からテイクダウンを奪うと、サイドで押さえ、肩固めを狙ったり鉄槌を当てて追い詰めると、アームロックを極めタップを奪った。
第4試合 キックルール 60kg契約 3分2R
○エレナ[Elena](フランス/和術慧舟會HEARTS)
×ちゃんりな(Y&K ACADEMY)
2R 1’16” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
エレナはテコンドーを7年、キックボクシングを5年習い、昨年9月からHERATSでMMAの練習を始めたというフランス人。
1R、エレナが右ストレート、左右のミドルを休みなく当て続け、中盤には右と左のストレートの連打でダウンを奪う。
2R、エレナが左右のパンチで棒立ちにさせスタンディングダウンを奪う。最後はエレナが左右のミドル、パンチを当て続けたところでレフェリーがストップした。
第3試合 アマチュアSルール ストロー級 3分2R
×あきぴ(ABLAZE八王子)
○堀内美沙紀(FIGHT BASE都立大)
判定0-3
堀内は高校3年生から大橋ジムでボクシングを習い、自衛隊体育学校在籍時代の2022年のアマチュアの全日本選手権の女子バンタム級で優勝しオリンピックの強化選手にも選ばれたという注目株。1R、堀内が中盤から金網に押し込み、左手でつかみながら右のパンチを当て続けて苦しめると、倒してマウントを奪い、パウンドを当て続け圧倒する。2Rも堀内がスタンドで右ストレート、グラウンドでパウンドを当て、ダメージを与えて判定勝ちした。
第2試合 アマチュアSPルール 50kg契約 3分2R
×大井すず(和術慧舟會HEARTS)
○渡辺真央(POLAR GYM OSAKA)
2R 0’55” 腕ひしぎ十字固め
大井は元THE OUTSIDER王者で放送作家の大井洋一氏の娘で、日体大桜華高校時代にレスリングのインターハイで2連覇した実績がある。4月6日のDEEP大阪大会のアマチュア初戦では住村竜市朗の娘のセアリに判定勝ちしている。だが2戦目は柔術ベースの高校生・渡辺の寝技にやられることに。
1R、大井がタックルを繰り返し上になり、パウンドを当てるが、渡辺が下から足関を狙い、最後は三角絞めを仕掛けて追い詰め印象を作る。2R、またも大井がタックルで倒すが、渡辺は下から腕十字を極めて一本勝ちした。
第1試合 アマチュアSPルール ストロー級 3分2R
×和智美音(リバーサルジム立川ALPHA)
○山吹マリン(和術慧舟會AKZA)
判定0-3
山吹は21年大晦日のRIZINを見てMMAに興味を持ち、昨年春から格闘技を始めた大学生。2Rとも金網際での寝技で攻め続け圧倒し判定勝ちした。