DEEP JEWELS 9.8 ニューピアホール(レポ):万智、K-1でKANAと戦ったマンフレディを2R肩固めで下し“MMAアイドル”宣言。HIME、彩綺との壮絶打撃戦制し判定勝ち
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DAYS Presents DEEP JEWELS 46
2024年9月8日(日)東京・ニューピアホール
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)DEEP事務局
万智、K-1でKANAと戦ったマンフレディを2R肩固めで下す
第9試合 ストロー級 5分3R
○万智(フリー)
×スーリ・マンフレディ[Souris Manfredi](フランス/レイジ・ファイトチーム)
2R 2’43” 肩固め
万智はMMA 6戦4勝2敗の21歳。柔道をベースとし、DEEPのアマチュアで経験を積み、22年11月にプロMMAデビュー。HIME、キム・ユジョンらに1R一本勝ちし、昨年10月のRIZIN名古屋大会では修斗女子スーパーアトム級世界王者の渡辺彩華に判定勝ち。昨年11月のDEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦では松田亜莉紗に判定2-3で惜敗。その後、松田が暫定王座を返上し、5月の暫定王者決定戦では強豪のパク・シウ相手に健闘するも判定1-4で敗れた。
マンフレディは36歳。キックボクシングで40戦以上のキャリアがあり、WBCムエタイの世界ランキングにも入り、22年6月のK-1女子大会ではメインイベントでのKANAのK-1王座戦の挑戦者に抜てきされ、右アッパーを効かせる場面もあったが、3Rに左ハイでKOされた。ミャンマーラウェイのWLC(WORLD LETHWEI CHAMPIONSHIP)のタイトルを獲った実績、ベアナックルボクシングのBKFCで3戦2勝(2KO)1敗の試合経験もある。シャードッグのデータではMMA 9戦4勝5敗。昨年3月のONE Friday Fightsでは、SARAMIや桐生祐子に勝っているキム・ソユルと対戦し、1R終盤にギロチンチョークで敗れている。
試合は万智が徹底して寝技で勝負し一本を取ることに。1R、万智はサウスポーで構え、左ハイを放つと、マンフレディの腕に当たるが、そのまま倒れて、今成正和のように足をつかんでグラウンドに引きずり込み、ヒールフックを仕掛ける。万智は対処されると、素早く展開を切り替え、体を起こしてパスガードしてバックを取りに行く。万智は背後から足4の字ロックでしばらく捕獲する。中盤過ぎに立たれるが、万智は再び倒してバックマウントに戻す。残り1分を切ると、またも立たれるが、万智は足を掛けて倒し、金網際でパウンドを少し当てて終える。記者採点は万智。
2R、万智は序盤から組み倒し、バックを狙うと、金網際でマンフレディに立たれる。だが万智は脇を差して倒しながら、そのままサイドで押さえて肩固めを仕掛け、マウントポジションを奪う。マンフレディ陣営のすぐ近くだが、万智は押さえてパウンドを当てて嫌がらせをしつつ、再び肩固めを仕掛けると、これがガッチリと極まり、マンフレディがタップした。
マイクを持った万智は「2連敗中で、勝った感覚を忘れて、不安もあったんですけど、有言実行できて良かったです。いつも応援して下さる皆さん、練習してくださる皆さん、ありがとうございます。先週DEEP(サマーフェスティバル)のカラオケ大会で優勝したんですけど、“MMAアイドル”として、どっちの活動もできるんで、お仕事待ってます」とアピールした。
HIME、彩綺との壮絶打撃戦制し判定勝ち
第8試合 49kg契約 5分3R
○HIME(毛利道場)
×彩綺(フリー)
判定3-0 (石川30-27/松宮30-27/橋本30-27)
HIMEは21年3月にデビューし、ケイト・ロータスと藤田翔子に連勝後、本野美樹には敗れたものの、22年3月に49kgまで体重を落として大島沙緒里と対戦し判定勝ち。9月には同じく49kg契約で桐生祐子をわずか37秒でKOした。昨年2月大会ではストロー級で万智に1R一本負け。9月の49kg契約でのパク・シウ戦も3Rともポイントを取られ判定負け。今年5月には58kgまで上げ、中井りんと対戦し、距離を取っての左ジャブで中井を手こずらせたが、3Rギロチンで一本負けした。負けは続いているものの、DEEP JEWELSの上位勢の一人という評価は変わらないだろう。
彩綺は日本デビューする前はタイでムエタイを習っていたストライカー。3月大会で1R36秒左ストレート一撃でKOし、インパクトを残した。
ストライカー対決は激しい打撃戦となるが、総合力で勝るHIMEが一枚上手の展開に。1R、HIMEはオーソドックスで構え、彩綺はサウスポーで構える。彩綺が押し込むが、倒せずにいると、離れて左ストレート、ミドルを当てる。終盤、彩綺がプレッシャーをかけ、左ストレート、ミドルを変わらず当てるが、HIMEも左に回ってかわしつつ、随所で右ストレートを返す。最後、彩綺が左膝蹴りの後に右ミドルを当てるが、HIMEは蹴り足をつかんで倒し、右のパウンドを何発も当て、最終的にはいい形で終える。記者採点はHIME。
2R、彩綺は変わらず前に出て、左ミドル、ハイ、ボディを当てるが、HIMEも打合いで右ストレートを当て返し、強気の打撃戦を繰り広げる。すると中盤過ぎ、HIMEが前に出て来る彩綺に右ストレートをクリーンヒットし、彩綺をダウンさせる。彩綺はすぐ立つが、HIMEは前に出返して、怒涛のパンチラッシュで仕留めにかかる。終盤は一転して、金網際での押し合いで静かな展開が続く。最後、彩綺が首相撲から左膝と肘を当てるが、軽い反撃止まりですぐに終わる。記者採点はHIME。
3R、序盤は見合う状態が続いたが、中盤に入るとパンチの打ち合いとなり、彩綺の左ストレートが立て続けに当たる。するとHIMEは植松レフェリーに中断を要請し、レフェリーも承諾し、マウスピースを外し、マットに落ちた歯を拾ってセコンドに渡す。中断の妥当性の評価が分かれそうなシチュエーションだったが、彩綺は中断を容認し再開する。彩綺は左ミドル、ストレートを当てるが、HIMEは押し込んで追撃を封じる。終盤、離れると、疲労の溜まっているHIMEを彩綺が倒して上になるが、HIMEは金網際で足を登らせ三角絞めを極め、そのままリバースしてマウントを奪い、パウンドを連打して、またもいい形で終える。記者採点はHIME。合計30-27でHIME。ジャッジ3者も同じ採点でHIMEが判定勝ちした。
村上彩、得意の腕十字で桐生祐子から一本
第7試合 アトム級 5分3R
○村上 彩(フリー)
×桐生祐子(FourRhombus)
2R 4’49” 腕ひしぎ十字固め
村上は昨年9月、アム・ザ・ロケットに判定勝ちし元DEEP JEWELSミクロ級王座を獲得。5月の初防衛戦兼大島沙緒里のDEEP女子ミクロ級王座との統一戦では1R TKO負けしている。
桐生は3月大会でケイト・ロータスに1R左ストレートでKO負けして以来の試合。村上は前回より体重を上げ、桐生は下げての試合となる。
試合は村上が寝技スキルを存分に発揮する内容に。1R、村上が右ミドルを放つと、桐生は蹴り足をつかんで倒すが、柔術を得意とする村上が下から腕十字を狙うと、桐生は寝技勝負を嫌い、スタンドに戻す。すると村上は右フックで桐生をふらつかせ、打撃でも優位に立つ。中盤、村上が足を掛けて倒すと、パウンドを連打してから、バックで押さえて裸絞めを狙う。村上は振り落とされてからも、下から腕十字を狙う。村上はリバースしてサイドバックで押さえ、パウンドを当て、最後はヘッドシザースを仕掛けて終える。
2R、桐生がサウスポーからの左ミドルを放つと、村上は蹴り足をつかんで倒す。村上はバックを取り、裸絞めを狙うが、足のロックが不十分なため下に落とされる。だが1R同様、村上は下から腕や足を取って桐生を脅かし、リバースに成功する。村上はバックを取り、裸絞めを狙う等、寝技で主導権を握り続ける。最後は村上が腕十字を仕掛け、クラッチを切って伸ばしたところで植松レフェリーがストップした。
16際の知名眞陽菜がプロ2連勝
第6試合 ミクロ級(44kg) 5分2R
×山崎桃子(坂口道場一族)
○知名眞陽菜[まひな](DROP)※MAHINA 改め
判定0-3 (松宮18-20/石川18-20/橋本18-20)
山崎は3月大会でLIBBYに57秒右ストレートでKO負けして以来の試合。知名は16歳。今年3月に中学を卒業し、3月のプロデビュー戦で、ちびさいKYOKAを寝技で攻め込み判定勝ちしている。5月大会でも試合が組まれていたが、ジャカ季美香の負傷欠場により中止となっていた。
1R、金網際での押し合いが繰り返され、お互い膝を当てるが、テイクダウン等のその先にはつながらない。長時間押し込んでいるのは知名のほうだ。中盤過ぎに離れると、パンチの打合となり、知名が前に出て右ストレートを連打して好印象を作る。その後、知名が山崎を押し込み、膝を打ち合う展開が続いて終わる。
2Rも序盤から知名が押し込んで膝を当てるが、膠着すると福田レフェリーは早めにブレイクをかける。中盤にも同じ流れでブレイクが入る。その後も知名が押し込む展開を繰り返し終了。知名が2Rともポイントを取り判定勝ちした。記者採点は18-20で知名。
齊藤百湖が判定勝ちし2連勝
第5試合 60kg契約 5分2R
○齊藤百湖(リバーサルジム横浜グランドスラム)
×MANA(blooM)
判定3-0 (石川20-18/松宮20-18/橋本20-16)
齊藤は国士館大学柔道部時代に全国3位になった実績のある選手。1R、齊藤が押し込み続け、離れると左フックを効かせる。MANAのタックルを潰して上になり、パウンドを当てて印象を作る。最後にMANAはタックルで倒すがその先に持ち込めない。
2R、齊藤が中盤に足払いでテイクダウンを奪い、上で押さえ続けパウンドを当てる。終盤、齊藤は上四方からアームロックを狙い、トップに戻れば何発もパウンドを当てる。最後、MANAが下から腕十字を狙うが、齊藤は対処して鉄槌を連打して終了。齊藤が3者から支持され判定勝ちし、2連勝とした。記者採点は20-18で齊藤。
金原正徳の教え子・須田美咲がデビュー戦白星
第4試合 アトム級 5分2R
×LIBBY(韓国/SSABI MMA)
○須田美咲(リバーサルジム立川ALPHA)
2R 4’38” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
LIBBYは3月大会で山崎桃子を57秒右ストレートでKOして大きなインパクトを残し、再びDEEP JEWELSに登場した。前回はミクロ級で今回はアトム級に階級を上げた。須田は5月のセミプロルールの試合で1R勝利し今回プロデビュー戦。
1R、須田は首相撲からの膝蹴り、LIBBYは右ストレートを当てる。中盤、須田が払い腰でテイクダウンを奪い、すぐにサイドを取る。須田はマウントを狙うとハーフに戻されるが、師匠の金原正徳そっくりの動きで、肩固めのプレッシャーをかける。終盤、須田は体を起こしてパウンドを連打する。最後、LIBBYは下から三角絞めを狙うが、須田は防御しながら鉄槌を落とし続ける。
2Rも須田が払い腰で倒すと、金網際でハーフで押さえつつ、肩固めを仕掛ける。肩固めを2度トライし失敗するが、終盤、須田は立って猪木アリ状態にしてから、右のパウンドをクリーンヒット。さらにパウンドの連打で追い詰めて、再び肩固めを狙ってから、またもパウンドを連打したところでレフェリーがストップした。表彰後はセコンドについていた金原と記念撮影した。
第3試合 バンタム級 5分2R
×te-a(AACC)
○鈴木“BOSS”遥(SAI-GYM)
判定0-3 (松宮18-20/橋本19-19○/柴田18-20)
第2試合 アトム級 5分2R
○上瀬あかり(毛利道場)
×サラ(FIGHT BASE都立大)
1R 3’56” 腕ひしぎ十字固め
1R、上瀬が下からギロチン、腕十字を執拗に狙う。最初の腕十字は対処されたが、終盤、再び素早く腕十字を仕掛けて伸ばし切ると、最後は福田レフェリーがストップ。上瀬はこれで3試合連続一本勝ちとなった。
第1試合 フェザー級 5分2R
×超弁慶(ガムランナック)
○近藤セリナ(THE BLACKBELT JAPAN)
判定1-2 (福田19-18/植松17-20/橋本17-20)
※超弁慶はケージをつかむ反則で減点1
【オープニングファイト】
第3試合 アマチュアSルール フライ級3分2R
○あすか(blooM)
×一色栄里(THE BLACKBELT JAPAN)
判定3-0
第2試合 アマチュアキックルール ストロー級 1分30秒2R
○横江明日香(リバーサルジム立川ALPHA)
×須山はな(Roys GYM)
判定3-0
第1試合 アマチュアキックルール 49kg契約 1分30秒2R
○横瀬美久(BELVA)
×須山ゆな(Roys GYM)
判定3-0