Krush 5.18(夜)エディオンアリーナ大阪第2(レポ):アビラル・ヒマラヤン・チーター、小田尋久を2R KOしスーパー・ウェルター級王者に。村田健悟がデビュー以来7連勝。王座空位のフライ級は安尾瑠輝が吉川仁清に完勝
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Krush.175 ~in OSAKA~
2025年5月18日(日) エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)第2競技場
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)K-1
アビラル・ヒマラヤン・チーター、小田尋久を2R KOしスーパー・ウェルター級王者に
第10試合 メインイベント Krushスーパー・ウェルター級(70kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×小田尋久[じんく](TEAM3K/王者)※初防衛戦
○アビラル・ヒマラヤン・チーター[Abiral Himalayan Cheetah](ネパール/志村道場/挑戦者、HEATキックミドル級王者、ISKAインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王者)
2R 1’15” KO (右ストレート)
※アビラルが王者に
小田は22歳。新極真会で空手を習い、21年11月にキックデビューし、23年2月からK-1 GROUPに参戦。昨年2月のKNOCK OUTでは中島弘貴に延長(4R)判定勝ち。5月のKrush王座決定トーナメント準決勝では森田奈男樹に3R左フックでKO勝ちし、8月の決勝で璃久に判定勝ちし王者となる。10月のK-1大阪大会ではストーヤン・コプリヴレンスキーに延長判定負けしたが、ダウンを奪うなど健闘。今年2月のK-1では計量オーバーのデング・シウバに判定負け。海外の実力者との連戦で経験値を高め、地元大阪でKrush王座の初防衛戦に臨む。
アビラルは愛知在住の25歳。K-1 GROUPでは8戦3勝5敗と負け越しているが、敗れた相手は木村“フィリップ”ミノル、和島大海、ジョムトーン、ジョーダン・ピケオー、璃久と実力者揃いで、経験値なら小田を上回る。勝った3勝はいずれもKO勝ち。2月のK-1で白須康仁に3R TKO勝ちし、今回の王座挑戦につなげ、チャンスをものにする。
1R、小田がプレッシャーをかけるが、長身のアビラルは左ジャブで距離を取り、左ボディも当てる。すると終盤、小田の左ジャブのタイミングで、アビラルが伸びのある左ジャブを打ち下ろすように当て、小田をひるませ、アビラルが右ストレートでダウンを奪う。小田は負けじと前に出て左ボディを当てるが、アビラルは左ジャブ、アッパーを効かせ、左フックでまたもダウンを奪う。
2R、小田は必死にパンチを振い、当てる場面もあるが、ダメージの影響も合って力が乗り切らない。するとアビラルは右ストレートを立て続けに当ててダウンを奪う。アビラルは立とうとするが力が入らず、セコンドがタオルを投入したタイミングで、豊永レフェリーもストップした。
Krushのベルトを巻きマイクを持ったアビラルは「やっとK-1で結果出せたと思います。皆さんいつも応援ありがとうございます。最後負けたのはK-1大阪のエディオンアリーナで、引退しようと思いました。でもお父さん、館長、周りのみんな、引退するの止めてくれて、本当に感謝しています。これからマジで、ずっと言ってきたK-1チャンピオンに絶対になります」と話した。
近藤魁成が判定勝ち
第9試合 セミファイナル スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○近藤魁成(TEAM3K/K-1甲子園2017&2018 -65kg優勝)
×大利賢佑(team ALL-WIN)
判定3-0 (中野30-28/水谷30-29/豊永30-28)
近藤は勝ち負けを繰り返すような状況が続き、23年8月にFUMIYAにKO負け、昨年1月に塚本拓真に判定負けと初の2連敗を喫していたが、最近では昨年11月のKrush名古屋大会で不可思に判定勝ちしている。今回、同じ地元大阪のTEAM3K所属の小田尋久と共に、メインとセミの赤コーナーに立つ。
大利は兵庫出身。K-1アマチュアAクラス優勝を経て、22年のデビュー戦は児玉兼慎に判定負けしたが、以降は3連勝で、昨年10月のK-1大阪大会のプレリミナリーでは吉川諒に2R KO勝ちしている。
1R、近藤が左ジャブ、右ロー、カーフを随所でヒットする。大利は左右のフックを随所で当て、スイッチを繰り返し、近藤に連打を許さない。まだお互いヒットが少ない。記者採点はイーブン。
2R、大利がサウスポーからの左ミドル、ハイを放つが、近藤は打ち終わりに左フックを当ててひるませる。近藤は左ジャブ、ボディ、右テンカオ等を随所で的確に当てる。大利は攻撃がほとんど返せない。記者採点は近藤。
3R、開始直後に大利の左まぶたの腫れのドクターチェックが入るが、すぐ再開する。しかし近藤が細かくパンチを当てていると、大利の左まぶたからの出血が激しくなる。終盤、大利は逆転を狙って前に出続け、パンチと蹴りを放つが、近藤は交わし続け終了する。記者採点はイーブン。合計30-29で近藤。ジャッジ3者も近藤を支持し、近藤が判定勝ちした。
村田健悟がデビュー以来7連勝
第8試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○村田健悟(ALONZA ABLAZE)
×木塚勝樹(M-BLOW)
判定3-0 (箱崎30-28/水谷30-28/豊永30-27)
村田は大阪出身でプロデビューから6連勝(4KO)の注目株。対する木塚はKrush初参戦・8戦4勝(2KO)4敗の24歳。
1R、村田がプレッシャーをかけ、右カーフ、ミドル、ハイを当て先手を取る。長身の木塚は回り続けつつも、時折スイッチし、随所で左ミドルを返す。最後、村田が左ボディ、フックを振うが、木塚はかわし続ける。記者採点は村田だが、まだイーブンもありうる。
2R、変わらず村田はプレッシャーをかけ続ける。なかなか強打が打てなかったが、終盤、左フック、アッパー、右ハイが当たり出し、右三日月を効かせてから、パンチをまとめて追い詰める。記者採点は村田。
3R、村田は150人近く来た応援団の声援を聞きつつ、圧力をかけ続け、随所でパンチを当て続ける。木塚は防戦が続き、ほとんど反撃できず終わる。記者採点は村田。合計30-27で村田。ジャッジ3者も村田を支持し、村田が判定勝ちし、デビュー以来の連勝を7に伸ばした。
王座空位のフライ級は安尾瑠輝が吉川仁清に完勝
第7試合 フライ級(51kg) 3分3R(延長1R)
○安尾瑠輝[りゅうき](K-1ジム心斎橋チームレパード/元DEEP☆KICK -51kg王者)
×吉川仁清[じんせい](WIZARDキックボクシングジム)
判定3-0 (30-26/30-26/30-26)
大夢が王座を返上し空位となったフライ級戦線で、安尾が存在感を示す一戦に。1R、吉川は随所で右カーフやストレートを当てるが、安尾が左ジャブ、右ロー等を当て、終盤には手数を上げ吉川を少し下がらせる。ジャッジは3者ともイーブンとする。
2R、安尾は1R終盤の流れ通りに左ジャブを連打しつつ、手数を上げて行くと、ロープを背負った吉川のアゴに右の飛び膝蹴りを当ててダウンを奪う。安尾は吉川をコーナーに詰め、左ジャブ、右ストレートを当て、吉川は頭がのけぞる。だが吉川は攻めて来る安尾に対し、左と右のパンチを立て続けにヒット。吉川は左ボディを当てると、安尾は後退する場面もあったが、最後は左ジャブを連打して持ち直し、一進一退の展開となる。
3R、序盤こそ吉川は互角の展開を繰り広げるが、中盤、安尾は右飛び膝をきっかけにパンチの手数を上げる。終盤、吉川も前に出るが、安尾がカウンターの左フックを当てて、またもダウンを奪う。最後、吉川が耐え終了。安尾が大差をつけ判定勝ちした。
フェザー級は初参戦の竹添翔太が判定勝ち
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×啓斗(team ALL-WIN/元DEEP☆KICK -57.5kg王者)
○竹添翔太(インスパイヤードモーション/元Bigbangフェザー級王者)
判定0-3 (28-30/28-29/28-30)
竹添は兵庫出身で地元関西でKrushに初参戦し、高いスキルと豊富なスタミナを印象付ける。1R、竹添は前に出て、左ミドル、ジャブ、右アッパー、ストレートを自在に当て、主導権を握る。ラウンド終盤になっても途切れずパンチや蹴りを出し続ける。記者採点は竹添。
2R、啓斗は前に出て反撃を狙うが、竹添は左ミドルを何発も当て続け、啓斗は右腕と脇腹が赤くなる。中盤からは啓斗のパンチを竹添がかわし、左ジャブも随所で当てるように。。記者採点は竹添。
3R、啓斗は挽回を狙って圧を強めると、パンチ、ボディへの膝のヒットを増やし、ようやく流れを変える。だが竹添は下がりつつも、右アッパー、左ミドルをお返し。最後、啓斗は左右のフックを振ってガムシャラに前に出続け、場内を沸かせるが、竹添はかわし続け終了。記者採点はイーブン。合計28-30で竹添。ジャッジ3者も竹添を支持し、竹添が判定勝ちした。
第5試合 スーパー・ウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
○海斗(LEGEND GYM)
×杉若 怜(WIZARDキックボクシングジム)
2R 0’10” KO (左ストレート)
※海斗が計量200gオーバーし減点1、ファイトマネーの20%を対戦相手に譲渡、杉若8オンス・海斗10オンスのグローブハンデ
第4試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)
×井上大和(TOKEN GYM)
4R 判定3-0 (10-9/10-9/10-9)
3R 判定0-0 (30-30/30-30/30-30)
第3試合 女子フライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
×麻央(K-1ジム心斎橋チームレパード)
○美伶(WARRIOR OSAKA)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)
第2試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×新太[あらた](TEAM ONE/RKSスーパーライト級暫定王者)※K-1ジム心斎橋チームレパードから所属変更
○中野大輝(TAD/全日本空手道連盟全日本体重別選手権2023男子個人組手-67kg準優勝)
4R 判定0-3 (9-10/9-10/9-10)
3R 判定1-0 (29-28/28-28/28-28)
※3R右ストレートで中野に1ダウン
第1試合 ミドル級(75kg) 3分3R(延長1R)
○夜叉猿[やしゃざる](力道場静岡/IPCC日本スーパーミドル級王者、KROSS×OVER KICKミドル級王者)
×戦熊[たくま](team ALL-WIN/ジャパンカップキックボクシング・ミドル級王者)
2R 2’24” KO (3ダウン:右フック)