ジャパンキック 11.26 後楽園ホール(レポ):吉成名高、タイ人選手を2R左ハイでKO。タイで「12月に大きな試合を控えている」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム錦糸町
最強のムエタイで最高の“美Body”を目指す!初心者の方、女性の方、大歓迎。見学無料!
ジャパンキックボクシング協会 KICK Insist 17
2023年11月26日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
吉成名高、タイ人選手を2R左ハイでKO「12月に大きな試合を控えている」
第13試合 メインイベント3 52.5kg契約 3分5R
○名高・エイワスポーツジム[吉成名高](エイワスポーツジム/ラジャダムナン認定フライ級王者、プロムエタイ協会・WPMF世界・BOM同級王者、WBCムエタイ・ナイカノムトム・スーパーバンタム級王者、元ルンピニー&ラジャダムナン認定ミニフライ級王者、元WBC・IBF・WMCムエタイ世界同級王者)
×ルンサックノーイ・シットニワット(タイ/元ムエサイアム・スーパーフライ級王者)
2R 0’25” KO (左ハイキック)
名高は7月のBOM渋谷大会でラジャダムナン認定フライ級王座を獲得し、タイ人以外では初となるラジャダムナン2階級制覇に成功。バンコクのラジャダムナンスタジアムでの8月のRWSでは、同級5位のルンヴィッタヤーを終始圧倒して4R TKO勝ちし同王座を初防衛した。9月のRWSではラオス人のスーウィチャイを1R中盤に肘でKO。10月1日のBOM横須賀大会ではタイ人のチョンデンに左ミドル一撃でわずか48秒でTKO勝ちし、連勝を25に伸ばした。現在はラジャの3階級制覇を目標に掲げ、スーパーフライ級王座奪取を見据え、フライ級よりも重い体重での試合を続けている。
名高は昨年11月のジャパンキック後楽園大会にも出場し、タイ人のチャイチャナーを2R左膝蹴りでKOし、大きなインパクトを残しており、2年連続で11月の大会のメインイベンターを務める。
対するルンサックノーイはONEで活躍しているタワンチャイとミニフライ級で対戦し勝利した実績がある。戦績120戦90勝30敗。名高は今回の試合発表直後のXに「12月の大一番に向けて決して落とすことのできない試合です。国内での試合は年内最後になると思いますので、ぜひお越しください」と投稿しており、年末のタイでの大一番を示唆していた。
1R、両者サウスポーで構え、名高は左ハイを度々放つが、ルンサックノーイはブロックし続ける。ルンサックノーイは攻撃が少ないも、左ミドルを返す。だが名高は蹴り足をつかんで崩す場面も随所で作る。記者採点はイーブン。
2R、開始早々はお互い変わらず見合う状態が続くが、名高のセコンドについた中川夏生会長から「ギア上げろ」という声が飛ぶと、すぐ試合が動くことに。名高はルンサックノーイの左ミドルの蹴り足をつかんでバランスを崩させると、左ハイをルンサックノーイのアゴにクリーンヒットする。ルンサックノーイは真後ろに倒れてダウンし、ピクリとも動けず、名高のKO勝ちとなった。
完勝の名高はマイクを持つと「ルンサックノーイ選手、凄い上手い選手でしたが、最高のフィニッシュができて良かったです。12月に大きな試合を控えているんですけど、じきに発表されると思うんで、今年最後の僕に注目してください」と話し、改めてタイでの大一番を示唆した。
ピンサヤーム、永澤サムエル聖光を追い詰めるもドロー
第12試合 メインイベント2 61.4kg契約 3分3R
△永澤サムエル聖光(ビクトリージム/WMOインターナショナル&WBCムエタイ日本統一ライト級王者、元ジャパンキック同級王者)
△ボム・ピンサヤーム(タイ/BOMスポーツジム大分/BOMスーパーフェザー級王者、元HOOST CUP日本ライト級王者、元MA日本フェザー級王者、元ルンピニー認定バンタム&スーパーバンタム級王者)
判定1-0 (29-29/29-28/29-29)
永澤は7月の新宿大会の夜の部のトリを務め、ケンナコーン・ダブランサラカム(タイ/True4Uライト級7位)を2R左ローキックでKOして以来の試合。
ピンサヤームは数多くの日本の強豪と対戦してきた43歳のベテラン。ライト級相当まで体重を上げて戦う。
1R、ピンサヤームはスピードのある右ストレート、左ミドルを当てる場面もあるが、体格で勝る永澤の右ローをもらうと少し嫌そうな様子を見せる。永澤は右ローを打ちつつ、終盤には左の奥ローを増やし、じわじわピンサヤームを削る。
2R、ピンサヤームがギアを上げ、右ミドルを強打し続け、右ハイ、左ミドル、右ストレート、左ジャブ等を絡めるやや優位に。だが永澤は執拗に左奥ローを当てつつ、左ジャブ、右ストレートを当て続け、終了間際のパンチの打ち合いでは右ストレートを当て、ピンサヤームをひるませる。記者採点は僅差だが永澤。
3R、開始時にピンサヤームはマウスピースを付けておらず、セコンドも探す事態となり、30秒ほど遅延してスタートする。ピンサヤームはダメージの回復時間を得る形になったが、ペナルティのアナウンスはなく試合はスタートする。永澤は執拗に左ローを当てるが、ピンサヤームは耐え、左ミドル等を返し続ける。するとピンサヤームは終盤、右ストレートをクリーンヒットし、左フックも当て、永澤は腰が落ちる。さらにピンサヤームがパンチラッシュで永澤を下がらせ、右フックで倒すが、少白竜レフェリーはダウンと認めない。その後もピンサヤームが永澤をパンチで追い詰め終了する。
記者採点は8-10でピンサヤーム。最後の倒れた場面はダウンとすべきと判断した。合計28-29でピンサヤーム。ジャッジは1者が永澤を支持し、2者はイーブンでドローとなった。ピンサヤームが勝ちという雰囲気だったため、ドローと発表されると、場内はどよめき、ピンサヤームに対して拍手が起こった。
瀧澤博人、タイ人選手を攻めあぐね判定負け
第11試合 メインイベント1 57.5kg契約 3分3R
×瀧澤博人(ビクトリージム/WMOインターナショナル・フェザー級王者、元新日本バンタム級王者)
○ペットタイランド・モーラチャパットスリン(タイ/元WBC&IBFムエタイ世界スーパーフライ級王者、True4Uスーパーフライ級&バンタム級王者)
判定0-2 (椎名29-30/仲29-29/少29-30)
瀧澤は7月の新宿大会の昼の部のトリを務めコンコム・レンジャージムに判定勝ち。試合後のマイクでは「11月に夢の足掛かりになる試合をお願いします」とアピールし、スーパーフライ級~バンタム級でWBC・IBF・True4Uのタイトルを獲得しているペットタイランドとの試合が組まれた。ペットタイランドの戦績は100戦75勝23敗2分。
1R、ペットタイランドがじりじり前に出て、瀧澤が回って距離を取る構図が続く。ペットタイランドのほうが右ミドルを当て続け、瀧澤は右ローを当てるが攻撃がほとんど出ない状態が続く。とはいえペットタイランドもまだ攻撃をまとめるほどにはならず慎重だ。記者採点はイーブン。
2R、ペットタイランドは圧力を強め、右ハイ、ミドルを当て、瀧澤を脅かす。瀧澤は攻撃は増えないものの、随所で右ローを当て、ペットタイランドを少しずつ削る。記者採点はイーブン。
3R、瀧澤はようやく前に出るようになり、右ストレート、ローを当てる。だがペットタイランドは回って距離を取りつつ、右ロー、ミドルをコツコツ当て続け、トータルの攻撃数では上回り終了する。記者採点はペットタイランド。合計29-30でペットタイランド。ジャッジは1者がイーブンだが、2者が順当にペットタイランドを支持し、ペットタイランドの判定勝ちとなった。
睦雅、健太を切り裂きTKO勝ち
第10試合 セミファイナル 64kg契約 3分3R
○睦雅[むが](ビクトリージム/ジャパンキック・ライト級王者)
×健太(E.S.G/元WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者、元NJKFウェルター級&スーパーウェルター級王者、元Krushスーパー・ウェルター級王者)
2R TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる額のカット)
睦雅は3月にジャパンキック・ライト級王者となり、7月の新宿大会の夜の部で、タイ人のペットルンを左ボディで70秒KOし、この大会のMVPに選ばれた。今回で19戦目だ。
健太は113戦65勝(21KO)41敗7分のベテラン。7月のNO KICK NO LIFEでは、5年前に引き分けたタップロンを1R右ハイキックでKO。10月22日のスック・ワンキントーンではセーンアティット・ワイズディーを1R終盤に右フック一撃でKO。久々の“月1健太”状態となりつつ好調もキープしている。
1R、睦雅が開始すぐから右ロー、左ミドル、左右のストレート等を積極的に当て続けて主導権を握る。終盤、健太もようやくパンチ、ローを返すようになるが、最後、睦雅が左の縦肘、崩しからの膝といった攻めで、差を印象付け終える。記者採点は睦雅。
2R、開始すぐから健太が右フックのパンチを当て挽回しかけるが、睦雅は左の縦肘で健太の額を切り裂くことに成功する。睦雅はパンチ、ローを当て続け、健太も左フックを返し、どちらも譲らぬ攻防を繰り広げるが、終盤、健太のドクターチェックが入るとストップがかかり、睦雅のTKO勝ちとなった。
第9試合 52kg契約 3分3R
×細田昇吾(ビクトリージム/ジャパンキック・フライ級1位、元スック・ワンキントーン同級王者)
○西原茉生(治政館ジム/ジャパンキック・フライ級2位)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)
1R、細田がオーソドックス、西原がサウスポーで構え、慎重に見合う状態が続く。終盤、西原の左ハイがさく裂し、最後も左肘とストレートを当て、やや優位に。2Rもお互い慎重だが、西原の左ミドルがやや目立つ状態が続く。3Rも西原が左ミドルを当て続ける。ようやく最後に細田のパンチが当たり出すが、時間切れとなり、西原が判定勝ちした。
第8試合 67kg契約 3分3R
○正哉(誠真ジム/ジャパンキック・ウェルター級1位)
×Hiromi(拳心館/NKBウェルター級5位)
1R 0’31” TKO (左フック)
第7試合 ウェルター級 3分3R
○政斗(治政館ジム/ジャパンキック・ウェルター級2位)
×我謝真人(E.D.O/ジャパンキック・ウェルター級4位)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第6試合 ライト級 3分3R
○古河拓実(KICK BOX/ジャパンキック・ライト級4位)
×林 瑞紀(治政館ジム/ジャパンキック・ライト級5位)
2R 2’57” TKO (3ダウン:右フック)
古河がサウスポーの林に対し、右ミドルを強打し続け、2R終盤に右ハイでダウンを奪う。林のダメージは大きく、その後も古河が右フックでダウンを2つ重ねTKO勝ちし、プロデビュー以来の連勝を5に伸ばした。
第5試合 56.5kg契約 3分3R
○勇成(Formed/ジャパンキック・フェザー級4位)
×石川智崇(KICK BOX)
2R 2’20” TKO (右フック)
第4試合 フライ級 3分3R
×花澤一成(市原ジム)
○阿部温羽(チーム・タイガーホーク)
判定0−3 (28−30/29−30/29−30)
第3試合 ライト級 3分3R
○岡田彬宏(ラジャサクレック・ムエタイジム)
×勇(OU-BU GYM)
判定3−0 (30-28/30-28/30-28)
第2試合 ライト級 3分3R
×菊地拓人(市原ジム)
○隼也JSK(治政館ジム)
判定0-2 (29−29/29−30/28−29)
第1試合 ミドル級 3分3R
△白井大也(市原ジム)
△久保英輝(MIYABI)
判定1-1 (29−29/30−29/29−30)