ジャパンキック 11.20 後楽園ホール(レポ):吉成名高、初の聖地後楽園でタイ人選手を2R KO。永澤サムエル聖光、モトヤスック、藤原乃愛、睦雅もタイ勢に勝利
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ジャパンキックボクシング協会:KICK Insist 14 ~VICTORY GYM 25th Anniversary Event~
2022年11月20日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
吉成名高、初の聖地後楽園でタイ人選手を2R KO「エイワスポーツジムは本物を目指している」
第11試合 ダブルメインイベント2 52kg契約 3分5R
○名高・エイワスポーツジム[吉成名高](エイワスポーツジム/タイ国プロムエタイ協会・WPMF世界・BOMフライ級王者、WBCムエタイ・ナイカノムトム・スーパーバンタム級王者、元ルンピニー&ラジャダムナン認定ミニフライ級王者、元WBC・IBF・WMCムエタイ世界同級王者)
×チャイチャナー・ウォーヴィセットジム(タイ/タイ・ムエサイアムイサーン・ミニマム級&ライトフライ級王者)
2R 0’46” TKO (レフェリーストップ:左膝蹴り)
大会名のとおり今回は主催のビクトリージムの25周年記念大会。ビクトリージム主催の「KICK Insist」シリーズでは現役のルンピニー・ラジャダムナン王者のタイ人選手を招へいする等、日本キック界伝統の対ムエタイ路線を主軸としてきたが、今回は両スタジアムで王座獲得実績のある吉成名高がジャパンキックに初参戦し、タイ人選手と対戦した。
吉成はフロイド・メイウェザー対朝倉未来のボクシングエキシビションマッチで話題を呼んだ9月25日の「超RIZIN」さいたまスーパーアリーナ大会での、バンダサック・ソー・トラクンペット戦で1R TKO勝ちして以来2か月間隔の試合。前回も肘有りだったが、今回は首相撲の制限も無い伝統的なキックルールのため、吉成のテクニックがより自由に発揮される。吉成は後楽園ホールでエキシの経験はあるが、公式戦は今回が初。“格闘技の聖地”で吉成の試合が堪能できる滅多にない機会となった。なお、吉成は3週間後の12月11日のBOMでの空龍[くうりゅう]戦も控えている。
吉成のセコンドには、前日のONEシンガポール大会に出場し判定勝ちしたばかりの品川朝陽がつく。1R、吉成はサウスポーで構えてプレッシャーをかけ続け、右ローを散らしつつ、随所でスピードのある左ミドル、ハイを当てる。チャイチャナーはかろうじてブロックしているが、苦しい状況が続き、自分の蹴りはほどんと当てさせてもらえない。記者採点は吉成。
すると2R、吉成が開始すぐ、左ボディストレートを当てて下がらせてから、左インロー一発でダウンを奪取。チャイチャナーは立ったがダメージが大きい様子。吉成は右ボディ、左ミドルを連打し、さらに左ハイでコーナーにまで下がらせると、左ボディフック、左膝蹴りを立て続けに当て、チャイチャナーをマットに沈めた。
マイクを持った吉成は「昨日、後輩の朝陽がONEで勝つことができて、刺激もらいました。僕は3週間後に試合を控えていて、同じジムの竜哉、士門も試合します。僕たちエイワスポーツジムは本物を目指しているんで、僕も他の選手もみんな応援してほしいです」とアピールした。
永澤サムエル聖光がTKO勝ち。ラジャダムナン出場へ
第10試合 ダブルメインイベント1 62.5kg契約 3分5R
○永澤サムエル聖光(ビクトリージム/WMOインターナショナル・WBCムエタイ日本統一・ジャパンキック・ライト級王者)
×コムキョウ・シットポーチョーウォー(タイ/タイ・ムエサイアム・パーカン・スーパーフェザー級王者)
3R 1’52” TKO (レフェリーストップ:右ストレート)
永澤は7月の新宿大会でタイ人選手に判定勝ちし、WMOインターナショナル・ライト級王座を獲得して以来の試合。
1R、長身のコムキョウに対し、永澤が終始プレッシャーをかけ、随所で左右のローを当てる。終盤にはコムキョウがバランスを崩すように。記者採点は永澤。
2R、コムキョウは前に出て来るが、永澤は中盤から左右のローを当ててコムキョウをふらつかせ、圧をかけ返す。すると終盤、左フックで2度のダウンを奪い、コムキョウを追い詰める。記者採点は10-7で永澤。
すると3R中盤、永澤は圧をかけ続け、ローと左ボディを効かせてから、ワンツーで右ストレートをクリーンヒット。コムキョウが累計3度目のダウンをすると、すぐさま松田レフェリーがストップした。なお、試合後、永澤が来年、ラジャダムナンスタジアムで試合をすることが発表されている。
第9試合 セミファイナル3 70kg契約 3分3R
○モトヤスック(治政館/WMOインターナショナル・スーパーウェルター級王者、元ジャパンキック・ウェルター級王者)
×シュートン・ヨーユットムエタイジム(タイ/WMOインターナショナル・ミドル級王者、元パタヤスタジアム認定フェザー級王者)
判定3-0 (松田30-27/仲30-27/椎名29-27)
モトヤスックは9月の後楽園大会でタイ人選手を2R左フックでKOし、WMOインターナショナル・スーパーウェルター級王座を獲得。今回はWMO王者対決となる。
1R、階級が上の王者ながら小柄なシュートンは、足を開き気味に重心低めで構え、プレッシャーをかけて右フックをヒット。モトヤスックのガードの上からでもお構いなく当て、モトヤスックの右ミドルもつかみつつ右フックを当て、主導権を握る。記者採点はシュートン。
2R、シュートンの圧力が落ちると、モトヤスックがややプレッシャーをかける側に回り気味になり、中盤以降、左ボディ、右ストレートが随所で当たるようになり好印象を残す。記者採点はモトヤスック。
3R、モトヤスックは度々右ストレートを当て、シュートンを苦しめると、終了間際に右ストレートでダウンを奪い、はっきり差をつけ判定勝ちした。記者採点は合計29-27でモトヤスック。
第8試合 セミファイナル2 72.6kg契約 3分3R
○光成(ROCK ON/ジャパンキック・ミドル級王者)
×匡志YAMATO(大和ジム/WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王者)
判定2-0 (少30-29/松田30-28/椎名29-29)
1R、体格で勝る光成は右ミドル、ローを当てる場面もあるが、基本的にパンチ主体。だが匡志は距離を取り、大半のパンチを当てさせない。匡志も右ローを随所で返すがまだ慎重だ。
2R、光成は蹴りの比重を上げ、ややヒット数で上回る。匡志も左フック、ミドルを連続で返す等、随所で攻撃を返しており、はっきりした差をつけさせない。
3R、光成は右ミドルを随所で当て、匡志も組めば膝を当てるが、お互いなかなかまとめきれず終了。あまり差の無い内容のまま終わったが、ジャッジ2者は光成を支持し、光成の判定勝ちとなった。
藤原乃愛、ミドル連打でタイ人選手に判定勝ち
第7試合 セミファイナル1 女子46kg契約 3分3R
○藤原乃愛(ROCK ON/ミネルヴァ・ピン級王者)
×チョンプー・コーラットスポーツスクール(タイ/アマチュアムエタイ48kg世界王者)
判定3-0 (松田30-27/少30-28/桜井30-28)
高校3年生の藤原は7月と9月の試合で、タイ人選手を左のミドル・三日月蹴りでKOし、8戦7勝1分の快進撃を続ける。最近はTikTokをスタートし、パンチングマシーンで遊ぶ動画に10万以上のLikeが付く反響を呼んでおり、今後一般層にも名前が浸透しそうな可能性も秘めている。
1R、藤原は前に詰めて来るチョンプーに対して左ミドル、左右の前蹴り等を当て続ける。だがチョンプーは右ミドルを返しつつ、度々コーナー、ロープまで詰めて首相撲で膝を当てる。藤原は連打でもらってしまい印象が悪い。記者採点はチョンプー。
2Rも基本的に同じような構図となるが、チョンプーの膝のヒットが減り、藤原の右ミドルのヒットが増え、藤原が若干優位に。記者採点は藤原。
3R、藤原は執拗に左ミドルを連打。チョンプーも時折膝を返すが疲れが目立つように。終盤、藤原は残りの体力を使い切らんとばかりにミドル、前蹴りのヒットを増やし、最後はコーナーに詰めてのパンチの連打で追い詰め終了。記者採点は藤原。合計29-28で藤原。ジャッジ3者も藤原を支持し、藤原が判定勝ちした。
第6試合 62kg契約 3分3R
○睦雅[むが](ビクトリージム/ジャパンキック・ライト級1位)
×チャナペット・GTジム(タイ/GTジム/元ルンピニー認定フライ級5位)
3R 1’29” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
チャナペットが左ミドル、組んでの膝を何発も当て、睦雅を圧倒していたが、3R中盤、睦雅が右肘でダウンを奪い逆転。チャナペットのダメージが大きく、睦雅がパンチの連打でチャナペットを棒立ちにしたところでレフェリーがストップした。
第5試合 51.5kg契約 3分3R
○細田昇吾(ビクトリージム/ジャパンキック・フライ級1位、元スックワンキントーン同級王者)
×TOMO(K-CRONY/NJKFフライ級5位)
判定3-0 (30-28/30-29/30-28)
第4試合 フライ級 3分3R
○西原茉生(治政館)
×明夢(新興ムエタイジム)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第3試合 フェザー級 3分3R
×勇成E.D.O(E.D.O)
○石川智崇(KICK BOX)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第2試合 52.5kg契約 3分3R
○甲斐喜羅(ビクトリージム)
×カズキ・シッソー(トースームエタイシンジム)
判定2-1 (30-29/28-29/29-28)
第1試合 ライト級 3分3R
×隼也JSK(治政館)
○岡田彬宏(ラジャサクレックムエタイジム)
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)