Road to ONE:2nd 一夜明け談話(1) 後藤丈治「『言い訳や負け惜しみを堪えてやるべきことをやる』というリリックが響いた」、工藤諒司「椿選手に腕の錦鯉が絡んでいたんですけど…」
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新型コロナウイルスの感染拡大で、全国に緊急事態宣言が出される中、ONE Championship、ABEMA、TRIBE TOKYO M.M.A、修斗プロモーターのサステインが協力し、4月17日(金)に会場非公開・無観客で開催した「Road to ONE:2nd sponsored by ABEMA」。感染防止対策で大会はマスコミにも非公開だったが、一夜明けた18日、全6試合で勝利した4選手に電話インタビューを行った。今回の記事ではMMAの2試合で1Rで快勝した、TRIBE所属の後藤丈治、工藤諒司のコメントをお届けする。(写真:(C)Road to ONE Executive Committee ※試合動画はABEMAビデオで視聴可能です)
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後藤丈治「同じ北海道出身のTHA BLUE HERBの『言い訳や負け惜しみを堪えてやるべきことをやる』というリリックが響いた」
第4試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
×祖根寿麻(ZOOMER/元修斗環太平洋バンタム級王者)
○後藤丈治(TRIBE TOKYO M.M.A)
1R 3’58” フロントチョーク
――後藤選手は主戦場のパンクラスではまだノーランカーですが、祖根選手は修斗の元環太平洋王者で、RIZINにも2度出場しています。今回の後藤選手の勝利は番狂わせと言っていいでしょう。一夜明けた今の感想を聞かせてください。
後藤「本当に、試合に勝てたことはうれしいですし、まず、こういう状況にも関わらず、試合ができたことが良かったと思います」
――序盤からバッティングがあって、後藤選手が倒れました。
後藤「最初はパンチをもらったのかなと思ったんですけど、パンチは見えていて、何もらったんだろう?って感じでした。その前に祖根選手に自分がパンチを当てていて、効いているのがわかったんで、気持ち的には早く再開してもらって行きたいなって思っていたんですけど、セコンドの長南(亮)さんから『1回待て』と指示をいただいたので、しっかり回復しました」
――バッティングで頭がクラクラする感じとかは?
後藤「直後はあったんですけど、その後はそこまで気にしなかったです」
――再開後、祖根選手が距離を詰めて来て、テイクダウンを狙って、後藤選手が一瞬倒される場面もありました。
後藤「チームメイトと練習していたので、想定はしていた展開です」
――祖根選手に試合前にインタビューをしたら、「テイクダウンとかも全然たぶんできちゃうなと思いますね。結構差はあると思います」と話していました。
後藤「テイクダウンをされても、すぐ立つ練習をしていたので、心配はしていなかったです」
――実際組まれてどうでした?
後藤「組んでいる側も疲れる動きがあると思うので、このまま続けば、いつか離れるなって感じで思っていました。あとは際(きわ)の所で打ってくるなと思っていて、そこだけ警戒しながらって感じでした」
――実際に離れたら、後藤選手の右、左のパンチが連続で当たっていましたけど、一番手応えがあったのは?
後藤「自分、毎試合なんですけど、これで倒しているって感覚があまり無くて、気付いたらどれかで倒れているって感じです。『左狙おう、バチン』って感じは無くて、『あ、左、当たった…かな、右…効いたかな?』って感じでした」
――祖根選手のフラつく感じもしっかり見えていた?
後藤「はい。ただ、これまでの試合でああいう場面で詰め過ぎて組まれたことがあったので、ゴリゴリ詰めず、しっかり(距離を取りながら)当てて行って、ダメージを溜めて、倒しきろうってイメージでした。それが(若松)佑弥さんがめっちゃ上手いんですよ」
――祖根選手がダウンして、苦し紛れの感じでタックルに来たところで、ニンジャチョークが極まりました。
後藤「同じ年齢の(石井)逸人と一緒に練習して繰り返してやっていました。逸人とは全然キャラとかは違うんですけど、仲良くしています。お互いに『俺ら違うよね』って認識し合いながらやってます」
――後藤選手は北海道大学卒で、彼は対照的にヤンチャといいますか。
後藤「ちょっとイッちゃってる部分はありますね(笑)」
――とにかく、若松選手、石井選手といった、同僚との練習成果がフィニッシュにつながったということですね。無観客大会で、独特の雰囲気でしたが、そこはどうでした?
後藤「あんまり気にならなかったですね。それよりも、相手選手のセコンドが、僕が札幌にいた時の試合のセコンドについていただいたことのある方なんですよ。自分のこと(=技術)もバレていたので、やりにくさはありました。でも、あの時とは違うぞって気持ちもありましたね」
――去年の春に北海道大学を卒業して、上京してTRIBEに移籍して1年間、練習と実戦を積み重ねた一つの到達点だったかと思います。
後藤「やっと、ここまで来れたかというより、これからやっと始まるなってところに立てた感じがあります。チームメイトたちが、人生懸けて格闘技をやっている方たちがいっぱいいる中で、早く少しでも追いつきたいと思っているので、俺も殺戮軍団の中でやっていくぞって気持ちが強まりました」
――会長の長南さんといえば現役時代は「殺戮ピラニア」の愛称がついていて、今のTRIBEでも若松選手が「リトル・ピラニア」の愛称がつけられています。あとは錦鯉ファイター(工藤諒司)とか、何かと魚と縁がある感じです。他の選手もキャラが濃いですが(笑)、後藤選手はどういう方向性になりそうですか?
後藤「僕はサウナ好きなんで。生き物じゃなくて、そこを押し出したい気持ちもあります。…あんまり(個性が強く無くて)アレですけど(苦笑)」
――東京都から休業要請がサウナにも出され、銭湯に併設のところ以外は閉まったりしていますが、コロナを巡る状況についてはどう思っていますか?
後藤「選手も関係者も、試合があるのか不安で大変だったりしたと思うんですけど、同じ北海道出身のTHA BLUE HERB(ザ・ブルー・ハーブ)というヒップホップのグループの「孤憤(こふん)」という曲に、『北の本物は言い訳や負け惜しみを堪えてやるべきことをやるんだよ』というリリックがあって、それがめっちゃ響いていて(歌詞の参照リンク)(Spotify)。俺も本調子が出せないから負けたとか言ったらダメだなと思いながら、やるべきこと、勝つことに集中して、取り組みました」
https://youtu.be/kOkRHoKelwc?t=270
――緊急事態宣言は5月6日までですが、延長される恐れもありますし、その先も色んな規制が続くでしょう。次の試合もまだわからない状況ですが、今後に向けての意気込みを聞かせてください。
後藤「世界に強い選手がまだまだいっぱいいますけど、強くなったと認められるにはまだまだ足りないので、自分のことを認められるためにも、強い選手を片っ端から倒して行けるように、日々積み重ねて行きます」
――今回、修斗の元環太平洋王者を倒したわけですから、パンクラスが再開すればランカーとの絡みもあるでしょうね。
後藤「相手は強ければ強いほどいいです」
――去年2月のラウェイ後楽園大会の前日会見で初めて後藤選手を取材して、あの時は相手の韓国の選手の計量失格で試合が無くなったんですけど、あれから1年ちょっとで、パンクラスとRoad to ONEで5連続一本・KO勝ちです。後藤選手がこういう状況になるとは思いませんでした。
後藤「ラウェイ、懐かしいですね。あの後も(昨年12月のパンクラスでの)キルギス人選手との試合が前日で無くなって、外国人選手との試合はこれまで100パーセント無くなっているんですよね。今回はコロナの影響で直前までわからなかったので、試合があって良かったです」
――まあ、試合に備えた練習やハラハラを含め、全部経験と考えていくしかないんでしょうね。なおさら今の時代状況だと、どの選手もそうなっちゃうんでしょうけど。
後藤「こんな時に格闘技ができて、本当に良かったです」
――ハハハ、凄いなぁ。
後藤「もう、いつ試合できるかわからないんで。楽しいなぁ」◆◆◆
工藤諒司「椿選手に僕の腕の錦鯉が絡んでいたんですけど…」
第3試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
○工藤諒司(TRIBE TOKYO M.M.A)
×椿 飛鳥(トライデントジム)
1R 2’59” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
(参照:工藤の試合前インタビュー)
――勝利から一夜明けての、率直な気持ちをお願いします。
工藤「まず、試合を開催してもらって、それで勝つことができて、本当に安心というか、良かったって思います」
――試合は最初から工藤選手のペースで行けたと思います。
工藤「最初、様子を見ていたんですけど、肩固めで極めたかったですね。椿選手も粘って、若干ポジションが甘かったです。椿選手に僕の右腕の錦鯉が絡んでいたんですけど…」
――ああ、「錦鯉ファイター」として、そういうテーマが(笑)。錦鯉のタトゥーが増えていたことに、師匠の長南亮さんも昨日気付いたとツイートされていました。
工藤「前腕の裏の部分で、試合までみんなに内緒にしていたんですよ。練習中もずっと長袖のラッシュガードを着ていたんで、長南さんも知らなくて、試合まで楽しみに取っておこうと思いました」
――肩固めは外れてスタンドに戻りましたが、すぐにパンチラッシュで追い詰めることができました。
工藤「極まらないなと思い始めて、頭を切り替えました。詰めたら相手が下がって嫌がったので、もう行こうと思いました」
――これでONEのトライアウト相当の試合で3連勝です。
工藤「4戦目があったとしても、勝つだけなんで。とりあえず、試合が決まってくれればいいかなって思いますね」
――こういう状況だと、次がわからないですよね。弛まず、練習はちゃんとしていくしかないと。
工藤「そうですね」
――あと、大会自体、独特の雰囲気でしたが、無観客に関しては、ONEウォリアーシリーズで1試合経験していますから、近いといえば近いんですかね?
工藤「でも、関係者の方がみんな防護服を着て、金網の周りにたくさんいて、不思議な感じでしたね」
――今後に向けての思いを聞かせてください。
工藤「今までと変わりなく、練習をやって、試合が組まれたら、それに向けてやっていく感じで。1戦1戦落とせないんで、大事に戦いたいです」◆◆◆
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