Road to ONE:2nd 一夜明け談話(2) 緑川創「King Of 硬派?見る人が見ればわかるんだなって(笑)」、HIROYUKI「同じ階級の選手たちは、首洗って待っとけ」
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新型コロナウイルスの感染拡大で、全国に緊急事態宣言が出される中、ONE Championship、ABEMA、TRIBE TOKYO M.M.A、修斗プロモーターのサステインが協力し、4月17日(金)に会場非公開・無観客で開催した「Road to ONE:2nd sponsored by ABEMA」。感染防止対策で大会はマスコミにも非公開だったが、一夜明けた18日、全6試合で勝利した4選手に電話インタビューを行った。今回の記事ではムエタイの2試合で勝利した、Monster Guns所属の緑川創、HIROYUKIのコメントをお届けする。(写真:(C)Road to ONE Executive Committee ※試合動画はABEMAビデオで視聴可能です)
Road to ONE:2nd 4.17 無観客大会:青木真也「負けたくねえ?なら、ずっと家にいろ」。後藤丈治、祖根寿麻を撃破。緑川創、工藤諒司、HIROYUKIが圧勝。44歳・宮田和幸が奮闘
緑川 創「King Of 硬派?見る人が見ればわかるんだなって(笑)」
第5試合 セミファイナル ムエタイ 72.5kg契約 3分3R
○緑川 創(Monster Guns/WKBA世界スーパーウェルター級王者、元新日本キックウェルター級王者)※藤本ジムから所属変更
×西川大和(西川道場)
判定3-0
(参照:緑川の試合前インタビュー)
――まずは一晩明けて、試合の感想をお願いします。
緑川「もう、倒したかったけど、倒せなかったなあと。若くて勢いのある相手ですけど、今までの経験の差を考えると、倒さないといけなかったですね」
――最初から緑川選手の右ローキックが効いていて、西川選手が時々構えをサウスポーにスイッチしていました。
緑川「ちょっと熱くなって、殴って倒してやろうってのが出てしまいました」
――ローや左ボディの手応えは?
緑川「感触のある攻撃もあるんですけど、単発で終わって、逃げられた時に攻めきれなかったです」
――西川選手の打たれ強さにも驚きました。まだ17歳なのに。
緑川「小さい頃から格闘技をずっとやっていると聞いていて、根性があって、将来が楽しみな選手と思います」
――ボクシンググローブよりも小さいオープンフィンガーグローブで戦った影響は?
緑川「そんなにないんですけど、もらった時に痛いなって。(脳に)効くというよりも、(顔の)表面的な痛さですよね。ONEの試合で顔がみんな傷だらけになるのを見ていて、実際やってみて、こんな痛いんだって思いました」
――戦っていて戸惑いは?
緑川「もらわないようにとは思っていたんですけど、躊躇するほどでは無かったです」
――自分のパンチを当てていて感触は?
緑川「殴りやすかったですけど、僕が当てきれなかった感じですかね」
――金網の中というのもいつもと違いました。
緑川「新鮮でした。悪い印象は無いですね」
――無観客だったり、コロナ対策が色々されていた大会でした。
緑川「こういう時期に運営してくれる皆さんも大変だったと思いますけど、選手たちやセコンドに、消毒とかに凄く気を遣ってくれて、その中で試合をさせていただけて良かったです。安心して試合できました。防護服の人達がいて、宇宙で試合をしているみたいでしたけど(笑)」
――あの絵はABEMAの生中継で見ていても、独特の空気感がありましたね。まあ、今回ほどの厳戒態勢とまではいかなくても、今後は無観客大会が増えて、スタンダードになるかもしれないですよね。
緑川「コロナはすぐには収束しないと思うので、その中でも数少ない興行で、無観客もあると思うので、その中の一つに出させていただいたのはありがたいです」
――HIROYUKI選手も勝って、新チーム「Monster Guns」としては初陣から2勝です。
緑川「2人でチームを作って、2人とも試合出させてもらって、勝つことができて良かったです。HIROYUKIが先に試合が終わって、パンチをもらって顔が腫れているところがあって、気を付けないとなと思いました」
――ABEMAの中継では、緑川選手のことを解説の大沢ケンジさんが「KOK」とか表現していました。
緑川「みんなからLINEとかSNSでKOKって書かれていて、何なんだ?って思って、試合の映像を見返したら、こういうことか?って」
――King Of 硬派、略してKOKらしいですよ。
緑川「見る人が見ればわかるんだなって(笑)」
――じゃあ今後はその路線でいきましょう(笑)。要するにキックボクシング最古のジムの目黒藤本ジム出身で、打倒ムエタイに向けて、強さにひたむきだというイメージで、King Of 硬派ってことのようです。
緑川「目黒ジムは(1月いっぱいで)無くなっちゃいましたけど、先輩たちを見て来たので、その遺志は継いでいきたいですね」
――目黒藤本ジムが閉鎖し、独立して、新チームの最初の試合が、緊急事態宣言が出た中での無観客試合というのも、象徴的なタイミングといいますか。時代の転換点というのも含めて。
緑川「ある意味、いいところで試合をさせてもらったんじゃないかという気持ちはあります」
――今後一生思い出に残りそうな試合ですよね。次の試合の予定はありそうですか?
緑川「一応決まっていて、それも無観客でやるみたいですけど…」
――やっぱりそういう流れなんですね。あと、試合が無くなりましたけど、3月のRISEのサモ・ペティ戦も期待されていたカードでした。当分外国人との試合は難しそうですが。
緑川「たぶん今年いっぱいは難しいと正直思っている部分もありますし、今年で終わればいいんですけど、何もかも読めないですね」
――僕らマスコミも大会1個1個が貴重になっていく感じがします。なので、なるべく選手の声を拾い続けて行きたいと思って、大会前後の取材に緑川選手にも協力していただきました。最後に、今後に向けての意気込みを聞かせてください。
緑川「色んな意味で、今回の試合で気が引き締まりましたし、いい経験になりましたし、自分の交友関係の範囲でも、今回の試合で盛り上がってくれていたんで、こういう気持ちを大切にして、もっといい試合が見せられるように、もっとやらないとなって思っています。自粛もしないとけないですけど、できる限り自分のパフォーマンスを上げられるように頑張りたいです」
――試合があれば、チケットを仲間が買ってくれて、激励賞を受け取る、みたいな流れがありますけど、そういう収益構造も変わってきますよね。格闘家のスポンサーだと飲食店が多いですけど、そこで働いている人達は、激励賞どころじゃねえよってなるでしょうし…
緑川「そんな中でも協力してくれる人達はありがたいですね。助け合いじゃないですけど、知り合いのお店を使ってあげたいなと思います」◆◆◆
HIROYUKI「同じ階級の選手たちは、首洗って待っとけ」
第1試合 ムエタイ ストロー級(56.7kg) 3分3R
○HIROYUKI(Monster Guns/新日本キックバンタム級王者)※藤本ジムから所属変更
×ポン・ピットジム(タイ/PITジム/元オームノーイ・フライ級8位)
2R 1’33” KO (パンチ連打)
(参照:HIROYUKIの試合前インタビュー)
――完勝と言っていいと思います。一晩明けて今の感想を。
HIROYUKI「まず、急なオファーで受けてくれたポン・ピットジム選手に感謝の気持ちを伝えたいです。新たな1戦目で緑川先輩と共に勝つことができて、いい船出になったと思います」
――相手の情報はどれほどありましたか?
HIROYUKI「過去に重森陽太選手や山田航暉選手がやっていたのがわかりました(※これまでのリングネームポン・OZジム、ポンチャン・OZジム、ポン・ブレイブジム等)。色んな選手からやったことがあると連絡いただいて、どんなファイトスタイルか教えてもらいました」
――序盤からHIROYUKI選手が、右のミドル、ローを上手く当てていました。
HIROYUKI「対サウスポーのセオリー通りに戦えたと思います。距離の取り方が上手くて、見過ぎた部分もあったんですけど、2Rからは距離感をつかめました」
――2Rに右肘でダウンを取った時の手応えは?
HIROYUKI「当たったなって感じで、気付いたら倒れていました」
――その後は一気にパンチラッシュでKOできましたね。
HIROYUKI「いつもなら見ちゃうんですけど、セコンドの小野寺力さんに、右ストレートでまとめろと言われて。新しい自分を見せられたかと思います。今後につながる勝ち方ができたかなと思うので、とりあえずホッとしています」
――無観客大会で、独特の雰囲気でしたね。会場が静かなので、セコンドの声も届きやすかったと思います。
HIROYUKI「セコンドの声はいつも聞こえるようにしているので、特に聞きやすかったってのは無かったんですけど、蹴りが当たった時とか、カットされた時のゴツッって生々しい音を感じて、いつもなら痛くないですけど、ああ痛いなあって感じるところもあって、ちょっと生々しい感じでしたね。特別に緊張する感じは無かったんですけど、雰囲気がいつもと違って、そういう経験も経て、この試合をして良かったなと思える日も来ると思います。無観客でしたけど、ABEMAでも結構視聴者がいたと聞いていますので、HIROYKIという名前を色んな人に知ってもらう機会になって、良かったなと思います」
――会場の雰囲気はどうでしたか?
HIROYUKI「消毒とか換気をマメにしていて、スタッフの人達は防護服を着て、しっかりしていて凄いなって思いました。無観客とはいえ、人が集まるので対策をしていて、安心して試合ができましたね」
――今後の意気込みをお願いします。
HIROYUKI「今回は減量が無くて、いつもより重い体重でしたけど、適正体重はスーパーフライからバンタムで、これからも国内のトップ選手をどんどん倒して、HIROYKIは強いなってのを世に知ってもらいたいので、そこに向かって練習を怠らず頑張ろうと思います」
――チームの先輩の緑川さんも勝ちました。
HIROYUKI「2連勝ということで、もっと2人で伸ばして、2人とももっとメジャーなところで戦いたい思いはありますね。とりあえず、同じ階級の選手たちは、首洗って待っとけ、って感じです」
――いいですね。どんどん言ってください。コロナ以前だと、こういう挑発的なメッセージはわりとよくありますけど、大会が減って、会見やプレスリリースも減った今、聞くと、何か不思議なうれしさや安心感が沸いてきます。急に決まった試合であわただしかったと思いますが、試合前後のインタビュー取材、ありがとうございました。
HIROYUKI「またよろしくお願いします」◆◆◆
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