ONE Championship 4.8 シンガポール:ONE王座に挑戦、元UFC王者・デメトリアス・ジョンソン「ベルトの種類が変わってもマインドセットは変わらない」|ABEMAで木曜午前9:30~生中継
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ONE Championship「ONE on TNT I」(4月8日(木)シンガポール・インドアスタジアム)でONE MMA フライ級王者のアドリアーノ・モラエスに挑戦する元UFC同級王者・デメトリアス・ジョンソンの、大会2日前の記者会見での談話が、ONEから届いた。大会の模様は8日午前9時30分よりABEMA格闘チャンネルにて生中継される。(写真:(C) ONE Championship)
――これまで輝かしいキャリアを積んできて、今ONEのタイトルに挑戦しますね。「チャレンジだ」と、心底感じることって今でもありますか?
DJ 全てがチャレンジだって感じているよ。34歳でいること、格闘技を長くやっていること、毎日トレーニングをすることも。それにアドリアーノ・モラエスを相手に戦うことは決して簡単なことではないし。挑戦だよ。この階級では身体が大きくてリーチの長い選手だし、この試合ではトラブルを避けながらどう距離を取っていくことができるかもチャレンジだね。自分のキャリアの一部分ってだけじゃなくて、僕は父親でもあり、3人の子どもを学校に行かせないといけないし、僕にとっては何でもチャレンジだと思うね。
―― 身長の差は気にしていますか?多くの対戦相手はデメトリアス選手よりも身長が高かったと思います。
DJ 北米で戦っていた時もみんな高かったね。最近の相手で言うと(若松)佑弥も、和田竜光も高かった。アドリアーノ・モラエスも細かい身長までは分からないけど高いよね。アメリカで戦ってて、身長で戦っているのか?で、今はアジアにいてみんな俺より身長が高い。でも俺は階級で戦っている、フライ級で。それはアメリカでもここでも同じさ。
―― 135ポンド(61.23 kg)の選手と言えば、ドミニク・クルーズ選手とも試合しましたね。彼の最近の試合は見ましたか?その印象をお聞かせください。
DJ いい感じに動いていると思った。スタイルは変わらず、ヘッド・ムーブメントが多く、フットワークに拘り、今も試合できていて、健康的に見えるから、良かったです。アナリストとしても成功していて、格闘家は短い間の中でお金が稼げるから、未だに頑張っているということは本当に素晴らしいことだ。
――世界最強であったとしても、デメトリアス選手は、自分自身に対する一番の批評者であると思います。総合格闘技において、どこを改善したいと感じていますか?
DJ 全部かな。総合格闘技では常に上達できる部分はある。試合するのと、練習するのは、全く違う。個人的に、もう少しパンチを活用したい。立ち技では、一瞬の隙間の中で打撃を利用しなければならない。グラウンドなら、相手の体力と体重の移し方などで分かる。立ち技では、一瞬の間を見つけ出さなければならない。
――負ける恐怖に追われことはありますか? “オクタゴン”に入ったら、怖いですか?
DJ いや。彼、”オクタゴン”って言ったよね(笑)“オクタゴン”の中には一生入らないよ(編集部注:オクタゴンは八角形のケージに対するUFCの登録商標のため、UFCには上がらないという意味)。まあでも、俺には”負ける”と言うより、パフォーマンスだね。最後、セフードに負けた時は、自分の中では一番良かったパフォーマンスだった。毎回試合する度に、負けるかどうか悩まない。負けることはこの競技の一部だ。俺も負けたことはあるし、何も変わっていない。世間から”世界最強”と言われても、それも周りの考えだ。自分は、努力していると分かっているし、フライ級トップであること、ただただ頑張って練習し続けているだけのことだ。負けなどにはこだわらない。
――個人のプラットフォームを利用しながら、社会問題に関して声をあげることはしますか?特に米国で起きていることについて。それとも、総合格闘技のみでSNSを利用していますか?
DJ 総合格闘技だけだね。自分のSNSは自分の為だけだ。一人一人の個人的な意見など、自分のSNSでシェアすればいい。俺の信念などに対しては、別に聞かれたら答える。何か言い間違えたら、直ぐにアンチが来るからね。
――アドリアーノは”アンダードッグ”と考えられていますが、デメトリアス選手から見て彼の強みは何だと思いますか?
DJ 彼の持っているグラップリングスキルは素晴らしいと思う。この階級ではすごく背の高い選手でリーチも長い。バックをとってチョークを極めてきた。逆に自分は背が低く、和田はバックを取ってトライアングルを狙ってきた。それを解くのに3分使ったよ。和田からダメージを受けていないが、フィニッシュを狙う時間がなくなったな。
――モラエス選手はこの試合に向けて、トラッシュトークを言っていました。彼のそう言う面は少し意外だと思いますが、今までのトラッシュトークとどう比べますか?
DJ 彼のキャリアはあまり詳しくないが、試合に向けてどのような態度で準備して行くか知らない。トラッシュトークは経験している、まあでも、ジョン・ドッドソンぐらいかな。
――このフライ級にはたくさんのコンテンダーがいますね。フライ級でベルトを取ったら次のステップとして、バンタム級のジョン・リネカーとの対戦とかは頭の中にありますか?
DJ 僕とジョン・リネカーはかつて同じ団体の同じ階級で戦ってきたね。でも彼は僕のチームメートのビビアーノに勝てるとは思わないし、それに僕はビビアーノと戦うことに興味はないかな。
――ONEチャンピオンシップのニュースを見ているとビビアーノの復帰も近いのかなと思いますが。どうですか?
DJ 月に最低でも3回くらいしか会話しないから、彼が変わらず調子良くやっているのかあまり分からないけど、彼は41歳になるよね。良い選手だ。彼も次の試合を楽しみにしていると思うよ。ジョン・リネカーの次の対戦相手のことはよく知らないけど、彼が勝てば対戦するだろうし。彼はいつでもオファーが来るのを待っていると思うよ。
――何度か試合が延期されたようですが、そのことについて一言お願いします。
DJ フラストレーションは感じたが、それは自分でコントロール出来ることではないから仕方がなかった。最初は去年、中国で試合するはずだった。それからジャカルタに変更された。そして2月にまた変更され、最終的に4月に試合することになった。モヤモヤな気持ちはあったが、ただただ、自分の目的に集中し続けてきた。早く試合したいね。
――ジョンソン選手のONEでのキャリアといえば、これまでもエディ・アルバレス選手と同じカードに組まれていました。そして今回もそうですね。エディ選手の試合について、どんな展開になると思いますか?
DJ 僕はいつまでもエディの味方だ。彼のファンでもあるし、キャリアを長年見てきた。UFCのライト級チャンピオンになった時も覚えているし、ONEデビューで、ナシューヒンを相手にタフなアプセットを経験し、フォラヤンに勝って復帰した。そして、今回はユーリ・ラピクスに挑戦。今までと違うのは、他の選手と同じ隔離生活、その中で身体を動かし続けるのが課題だ。エディの相手も、今までのライト級より身体が大きい選手と戦っている。155ポンド(70.30kg)で身長のある選手と試合し、いろいろ新鮮だ。ユーリ・ラピクス戦が楽しみだ。
――2012年の9月からタイトル保持者として9年間ずっと挑戦を受けてきたと思います。今回は、タイトル防衛ではなく挑戦者として試合をしますが、特に精神面で鍛えてきたことなどはありますか?
DJ 何も変わらないよ。3ラウンドの試合ではなく5ラウンドの試合に向けて準備してきたってこと以外は何も変わらない。ベルトの種類が変わってもマインドセットは変わらない。ただ試合が違うってだけさ。
――ONEのベルトを獲るのは、自分のレガシーにおいて、またはデイナ・ホワイト(UFC代表)に証明するためにどれだけ重要ですか?
DJ そんなのは一切関係ないよ。ONEは俺のスキルを認めている。試合で充分見せた、俺はただやるべきことをやる。デイナ・ホワイトに見せること、証明することなんて一切ないさ。
――アドリアーノ・モラエス選手についてお聞きしたいのですが、彼はアメリカ内ではさほど有名な選手ではなく、何となくここのMMAコミュニティでは過大評価されている気もするのですが、毎度、次の試合の方がレベルが高くタフだと仰るジョンソン選手からすると、モラエス選手は何番目くらいの選手だと想定しますか?
DJ 彼はレベルが高いよ。彼は僕の次の最大なチャレンジであることに変わりない。彼がアメリカで知られていないのは、アメリカに向けて戦ってきていないからでしょう。僕の名前がアメリカやアジアで知られているのはそれに向けて戦って、そうキャリアを積んできたから。俺は毎度フィニッシュを狙い、それで自分の名前の評価を上げた。
――数年前よりも良い場所にいると思いますか?
DJ もちろん、そうだ。UFCではやれることは全てやり切ったと思う。もう少し達成しても良かったなと思うのは、2階級でチャンピオンになること。それか、PPVをより多く売ることだね。その2つだけ、UFCでのキャリアを今振り返って、出来たかもしれないね。最終的には、向こうの方から俺の条件に賛成できなかったから、今ここに立っていて、新しい団体でタイトル戦を向かうってことだ。
――セフードと2回試合し、未だに決着が付かなかったというのを気にしていますか?
DJ いや、そんなことはない。
――ONEチャンピオンシップの最近のSNSで投稿された動画で、ジョンソン選手が「ワールドグランプリのベルトは自身の”クラウンジュエル”だ」と仰っていたと思います。 今回のONEフライ級チャンピオンベルトを獲ったら、グランプリのベルトより高く評価しますか?
DJ それは、グランプリに対する感謝だね。成し遂げたこと。若いころ、学生だったころ、グランプリを見続けた。家に帰ってDVDでクロコップを見たり、ヴァンダレイ・シウバを見たり、ジョシュ・バーネットを見たり、皆、グランプリを駆け上がっていた。まだプロになっていなかった頃は、DREAMのグランプリでビビアーノを見ていたり、ずっとグランプリに憧れていた。グランプリの魅力は、選手がどれだけ人気かは関係なく、階級のトップ16選手を集め、ただただ強い選手が勝ち抜く。チャンピオンになるためには、全員に勝たなければいけない、っていう形式が好きだ。グランプリではなければ、選手が人気であれば連敗していてもタイトルに挑戦できる。木曜日にフライ級のベルトを獲ったとしても、グランプリのベルトは一生俺の”クラウンジュエル”だ。
――この試合は、MMA史上最も大きなフライ級試合になると思いますが、いかがでしょうか。
DJ 当然自分にとっても、とても貴重な試合だ。もしフェザー級のグランプリがあって、僕の身体がそれに対応できるほど健康で、さらにチャトリ(・シットヨートンONE代表)が僕をそこに入れてくれるなら、まあ誰がそこにいるかによるけど。多分できると思う。でも、ビビアーノからベルトは取りたくない。PRIDE無差別級グランプリで桜庭和志を見ていたりして、グランプリは本当に好きだ。じゃないとただ次の試合を待つだけ。トーナメント表で誰が参戦するか、誰か勝っていくか、いろいろ楽しい。
――総合格闘家の中では、自分をどう評価しますか?
DJ いつも言うが、引退したら、子どもに”俺は軽量級の中では史上最強だった”と伝えるつもりだ。
――TNTで生配信することになり、シンガポールでは午前で試合するとなります。時差の違いの影響をいかがでしょうか?
DJ 午前中に戦う方がいい。試合する為だけにやってきて、アメリカのタイム・ゾーンのままで生活している。例えば、昨日のCTスキャンが午後2時だったが、アメリカの午後11時ごろだったから、身体がクタクタだった。毎日午前8時ごろに練習していて、アメリカの時間にできるだけ合わせているよ。
――アドリアーノ・モラエス選手が勝利したら、彼は2つの団体で史上最強の一人と呼ばれると思いますか?
DJ 難しいね。俺も、”どうして俺のことを史上最強と呼ぶんだ”とたまに聞くんだ。それは”6年間、圧倒的に勝って来たから”とよく言われる。モラエスのキャリアを見ると、彼はベルトを取って、失って、また勝って、また失って、また勝ったのだ。チャンピオンでいる間でも負けている。格闘技ファンの意見にもよるし、彼もアメリカのアスリートと対戦していないから分からない。
――家族とはZoom(ビデオ電話)で話していますか?
DJ 話しているよ。イースターを祝って、元気そうにしているね。
――135ポンド(61.23 kg)の階級は強い選手が多いです。現在、他団体でタイトルを持っている選手たちの中で、一番タフな相手は誰でしょうか?(ONEルールでピョートル・ヤンを含む)
DJ 恐らくピョートル・ヤンだね。すごいストライキングだよ。ユニークなファイトスタイルだ。前に出て、コンビーションを利用し、スピードもあって、テイクダウンのディフェンスも優れている、そしてパワーも持っている選手だ。
――久しぶりに試合するのは、楽しみにしていますか?ONEがアメリカでライブ配信となるので、格闘技ファンはONEについて新しいことを知ってくれると思いますか?
DJ とても楽しみにしている。TNTで試合の中継があるのは楽しみだ。色んな選手が参戦し、見所もたくさんあるよ。
――この試合に向けて、練習する期間が長かったと思います。それはジョンソン選手のアドバンテージになるでしょうか?
DJ まあ、そうかな。コロナ期間でも練習したし、できなかった時は休んだ。
――気になることは何かありますか?
DJ ないね。最終的には家族を支えるためにこれをやっている。
対戦カード
【メインカード】(午前11:00開始)
第6試合 メインイベント ONE MMA フライ級タイトルマッチ 5分5R
アドリアーノ・モラエス(ブラジル/王者)
デメトリアス・ジョンソン(米国/1位、ONEフライ級GP’19優勝、元UFCフライ級王者)
第5試合 コーメインイベント(セミファイナル) MMA ライト級 5分3R
エディ・アルバレス(米国/元UFC&ベラトール・ライト級王者)
ユーリ・ラピクス(モルドバ/2位)
第4試合 ムエタイ 61.5kg契約 3分3R
ロッタン・ジットムアンノン(タイ/ONEムエタイ・フライ級王者)
ダニエル・ウィリアムス(オーストラリア)
【リードカード】(午前9:30開始)
第3試合 MMA ウェルター級 5分3R
タイラー・マグワイア(米国)
レイモンド・マゴメダリエフ(ロシア)
第2試合 キックボクシング フェザー級 3分3R
チンギス・アラゾフ(ベラルーシ/元K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級(70kg)王者)
エンリコ・ケール (ドイツ/ K-1 WOLD MAX 世界トーナメント’13優勝)
第1試合 MMA ヘビー級 3分3R
オマール・ケイン(セネガル)
パトリック・シミッド(スイス)
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