ONE 4.6 ルンピニー：5連続フィニッシュ勝利なるか？手塚裕之「下の代とやらない秋山さんは全然“セクシー”じゃねえ」「これ勝ったら次タイトルマッチ」

　ONE Fight Night 21（4月6日（土）タイ・バンコク・ルンピニースタジアム）に出場する手塚裕之がバンコク入りし、4月3日、オンラインでの取材に応じた。今大会には日本から内藤大樹も加えた2選手が出場する。出場予定だった三浦彩佳は、ジヒン・ラズワンの負傷欠場により試合中止となっている。大会の模様はU-NEXTで午前10時より生中継される。手塚は第3試合、内藤は第4試合の予定だ。（写真 (C)ONE Championship）

MMA　ウェルター級（83.9kg）　5分3R
手塚裕之（ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC／元パンクラス・ウェルター級王者）
ヴァミール・ダ・シウバ［Valmir Da Silva］（ブラジル）

　手塚は34歳。15年にパンクラスでプロデビューし、19年6月に高木健太に勝利しウェルター級暫定王者に（後に正規王者に）。19年10月からONEに上がり、20年10月にムラド・ラマザノフに判定負けした。だが以降は4連勝・4連続フィニッシュ勝利中で、21年10月にアギラン・ターニに2R TKO勝ち、22年1月にエドソン・マルケスに3R左フックでTKO勝ち、昨年10月にジン・テホに1R腕十字で一本勝ち、今年2月17日にアブラーオ・アモリムも1R腕十字で一本勝ちしている。ダ・シウバとは2月の試合で戦う予定だったが直前に変更となっていた。
　ダ・シウバはMMA 12戦9勝（8KO/1一本）3敗の28歳。ブラジルの大会で経験を積んだ後、22年からONEに上がりONE戦績3戦1勝2敗。ゼバスチャン・カデスタムとイシ・フィティケフに1Rで敗れたが、テホには2Rフロントチョークで一本勝ちしている。テホ戦ではフィニッシュに至るまでに左フックや右ローを効かせていた。

タイに着いた手塚裕之は内藤大樹のセコンドのために来た鈴木博昭と一緒に練習した 写真提供は手塚

――　タイにはいつ着きましたか？
手塚　（インタビューの前日の）火曜の夕方ぐらいに着きました。（練習含め）半年で4回ぐらい来てるんで、慣れたような感じです。栃木から東京に行くぐらいの感覚で来ています。

――　前回直前でできなくなったヴァミール・ダ・シウバと対戦が決まりましたけど、改めてどんな気持ちですか？
手塚　前回できなかったのが流れちゃったのが、しっかりすぐ組まれたんで良かったです。相手も打撃結構振ってくるんで、それに合わせてカウンターもこっちも入るし、いい試合になるんじゃないですかね。こっちもフィニッシュ率は高いし、盛り上がる試合になるかなって思ってます。

――　前回研究してやったトレーニングをまた繰り返した感じですか？
手塚　特に彼だからっていう対策があるわけじゃないんですけど、自分の強みを出せば全然勝てる相手だと思って、今までやってきたことをさらに練り上げてきたって感じです。

――　どのあたりですか？
手塚　全体的にレベルアップしてるんですよね。打撃も寝技もなので全部ですかね。

――　最近の練習の環境は？
手塚　基本的には自分のガレージを改装したTGFCというところで地元の仲間とやってるのと、寝技に関しては梅田恒介さんが週に一回練習を教えに来てくれて、一緒に練習したりしています。打撃は堀口恭司選手の師匠の長男の二瓶（卓郎）さんが宇都宮で弘仁会という空手道場をやられてまして、そこで空手をやって、ボクシングジムにも週一回、墨田区にあるNEO BOXING STYLEに通っています。あとはムエタイも地元の宇都宮でZEROっていうところに行っています。たまにCARPE DIEM柔術で竹浦（正起）君だったり、橋本（知之）さんのところに出稽古行っています。色んなところで、できるものを吸収して、自分のジムで総合にどうやってアジャストできるのかっていう風に作ってる感じなんですけど、全体的にレベルが上がって、ここ2戦は一発も顔触らせずに勝てています。

――　今は1Rの腕十字のフィニッシュが2試合続いていますけど、そこに至る色んな技術も磨かれて、本当はもっと色々できて、3R勝負でも全然いける手応えがある？
手塚　そうですね。もちろんフルラウンドやろうと思えばできますし、腕十字ももっと早い段階で極めにいけば極めていけるんですけど、十字って失敗したときに上を取られてしまうので、ちゃんと（ラウンド終了の）10秒前とか20秒前にパスガードして狙うようにしてて、そのリスク管理とかもちゃんと考えてやっています。次も狙えたら狙います。相手も対策をしてくるんだろうけど、対策されるようでは必殺技じゃないんで。

――　竹浦さんとかとの柔術の練習が極め方に活きているところも結構あるんですか？
手塚　ありますね。パスガードだったり、極めに至るまでの過程もそうですけど。柔術はこの間茶帯になったんですよ。あと1個で黒帯だっていうことで、柔術をやっていて楽しいです。ストライカーだと世間的には思われてると思うんですけど、最近は寝技も楽しくて、どっちでもフィニッシュできるのが強みかなと思ってます。

最近の手塚裕之のセコンドには岡田遼がついている

――　最近セコンドについている岡田遼選手ともトレーニングはされているんですか？
手塚　岡田さんとは一緒にCARPE DIEMに一回行ってそのときにやったぐらいで、実際に一緒に練習とかはほぼやらないですね。ただ彼はフットワークが軽くて、同年代で、セコンドもすごい冷静な声がけしてくれるんで、10月に頼んでから連続で頼むようにしていて、良くしてもらってるんで、感謝しかないです。

――　練習はしなくても、作戦を立てたりアドバイスをしてくれる？
手塚　そうですね。本当に分かってくれてるというか。性格とかも含め、こういうところでちょっと焦っちゃうから、ここで落ち着けとか、そういう技術面だけじゃなくて、精神的な面でもサポートしてくれる。いい声がけしてくれるんで、本当に助かってます。賢いですよね。

――　今回もセコンドはつかれる？
手塚　そうですね。

昨年10月の勝利後のインタビューでの手塚裕之

――　前回一本勝ちしてもマイクも持たせてもらえず、ボーナスも出なかったですけれど、次こそは本当にボーナスを獲得したい？
手塚　インタビューはさすがに欲しいですよ（苦笑）

――　次もフィニッシュできれば5連続フィニッシュになりますけど、その先はタイトルマッチとか考えていますか？
手塚　もう（タイトルマッチでも）いいんじゃないですかね。でもタイトルを取っちゃったら、いっぱい試合できなくなっちゃうんじゃないかっていうのもあって。タイトルを取ってもガンガン試合したいです。クリスチャン・リーが今チャンピオンだけど、彼もたぶん2年近く試合してないと思うんで、戻ってくるって噂も聞きましたけど、戻るとしたらライトだと思うんで、そしたら返上してもらうか、暫定王座戦でカデスタムとやってもいいですし、これ勝ったら次いいんじゃないでしょうかね。日本大会とかもありますし。青木真也と秋山（成勲）さんは、とりあえずもう、どけ、と。ニュージェネレーションだ、と。

――　1月の日本大会の前の秋山選手への対戦要求は完全に無視されました。
手塚　あっちはやるとリスクがあると思っているのか、勝てないと思っているのか、わからないですけど。俺だったらやっぱり、去る前に下の代とやって、やられて、新陳代謝するのがカッコいいと思うんで、全然“セクシー”じゃねえなって思いました。

　　
――　今回の相手のヴァミール・ダ・シウバは打撃戦でブロッキングをしますが、そういう選手にもしっかり当てたい？
手塚　ブロッキング対応するんであればそこにボディが入るし、タックルも入るし、逆にやりやすいんですよ。ヘッドムーブとか距離で避ける相手のほうが全然やりにくいです。結構ブラジルスタイルってパンクラス時代から何回もやってて、それが得意なんですよ。全然打撃でも優位に立てると思いますし、打撃でフィニッシュも全然あり得ると思いますし、3連続腕十字で勝っても面白いなって思うんで。チャンスあればテイク（ダウン）もしますし、もしテイク失敗したとしてもレベルチェンジとかしたときにフェイクにすごい引っかかるだろうし、万が一もらったりしてピンチに陥るようなことがあったとしても、そこから挽回して極めたりするぐらいの自信はあります。

――　タイでの練習では（UFCヘビー級王者の）ジョン・ジョーンズのセミナーを受けられたりもしましたが、どうでしたか？
手塚　やっぱ会えたのはすごい良かったですね。セミナー自体はどこまで本当の技術を教えてくれたかわかんないですけど、マインド的なところですね。個別に1分間インタビューの時間をもらえて、あなたみたいにグレートな存在になるにはどうしたらいいですか？って聞いたら「自分より強いファイターを見て、勤勉にしっかりノートを取ったりしているファイターが上に行く」みたいなことを言ってて、それはすごい響いたんです。こんな人もそういうとこから入ってるというか、地道な感じがわかりました。

ジョンジョーンズに強さの秘訣聞いたら. 『偉大なファイターを見て、盗めるところをノートに全て書き出せ』って言ってた。
21歳から36歳の今まで15年間トップに君臨し続ける男は超勤勉だった。 pic.twitter.com/OuaOJ3n7L5

— 手塚裕之 HIROYUKI TETSUKA (@Hiro_tgfc) February 21, 2024

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