NJKF 11.30 後楽園ホール:大田拓真、馬渡亮太からダウン奪い判定勝ちしS1ジャパン55kg王座獲得。健太、韓国の20歳との戦いは血だるまドロー
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NJKF 2019 4th
2019年11月30日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 メインイベントIII 63.5kg契約 3分3R
△健太(E.S.G/WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)
△チョ・ギョンジェ(韓国/MAX FC -65kg級1位)
判定0-1 (和田29-29/少28-29/竹村29-29)
ONE Championshipを主戦場とする健太は、6月の後楽園でジョー・セイシカイを2R KOして以来となる、所属団体NJKF出場。対戦相手のギョンジェは31戦27勝(18KO)4敗の20歳。健太も出た昨年11月のシュートボクシングのS-cup65kg世界トーナメント一回戦で、海人に1R 2ダウンでTKO負けしている。健太は海人に準決勝で敗れたため、戦う可能性のあった選手だ。ギョンジェは7月のHEATで石田勝希に判定勝ちし、9月のNJKF大阪大会では中野椋太に判定勝ちしている。
1R、サウスポーのギョンジェに対し、健太は右ストレートを当て、少しひるませる。ギョンジェはすぐ持ち直し、右ローを出し続ける。健太はある程度ローをカットし、終盤には逆に右ローを増やす。
2R、ギョンジェは首相撲勝負に切り替え、膝のヒットを増やす。健太も膝を返し続け、随所で崩しも決めるが、若いギョンジェの馬力を封じきれない。
すると3R、ギョンジェは手応えをつかんだか?開始すぐから組み付き、左肘を連打。すると健太は右まぶたを切られて血だるまになりドクターチェックが入る。試合再開後、健太は必死に前に出てパンチを振るうが、ギョンジェも蹴りを返し続け、健太の反撃を封じる。
記者採点は1Rは健太、2Rと3Rはギョンジェにつけ28-29でギョンジェ。ジャッジは1者がギョンジェを支持し、2者はイーブンでドローに終わった。健太は年内最後のNJFK後楽園のメインを白星で飾ることができなかった。
第9試合 メインイベントII S1ジャパントーナメント55kg決勝戦 3分5R
○大田拓真(新興ムエタイジム/WBCムエタイ日本統一フェザー級王者)
×馬渡亮太(治政館ジム/タイ・チェンマイスタジアム認定バンタム級王者、元ジャパンキック王者)
判定2-0 (竹村49-47/和田48-48/中山49-47)
※大田が王者に
タイの大手プロモーター、ソンチャイプロモーションが認定する「S1」の日本王座を決めるトーナメントは、55kgと65kgの2階級が行われ、各4選手が参加。優勝者にはS1の世界タイトルマッチやIBFの世界ランキング入りといったチャンスが与えられる。
20歳の大田は9月の1回戦で岩浪悠弥に判定勝ち、19歳の馬渡は知花デビットに判定勝ちしている。
1R、長身の馬渡が、左のジャブ、前蹴りでフェイントをかけつつ、右のミドル、ローを当てる。大田も右の蹴りを返す。まだお互い攻撃は少ない。記者採点イーブン。
2R、少しずつ馬渡が蹴り数を増やすが、大田もパンチを多めに攻撃を返し続ける。すると終盤、馬渡のガードが少し下がった隙を突き、大田が右のミドルを変化させてのハイを当てダウンを奪い、試合を一気に動かす。記者採点は10-8で大田。
3R、挽回を狙う馬渡が圧力を強め、左ミドル等を当てるが、大田も随所で左ボディ、左フック等を返し、流れを作らせない。記者採点はイーブンで中間集計30-28で大田。ジャッジはここまで29-28が2名、30-27が1名で3者とも大田。
4R、馬渡が前に出続け組んでの膝やテンカオを増やし、やや優位に。大田も随所で膝を返し、崩しを決めるが、馬渡も最後に崩しを決め、主導権を握らせない。記者採点は馬渡。
5R、馬渡は前に出続け、随所で膝とミドルを当てる。大田は下がる時間が長くなり、馬渡は腕を振って挑発する。終盤、馬渡が右の前蹴りで大田を吹き飛ばし、攻勢を印象づける。記者採点は馬渡で、合計48-48のイーブン。
馬渡の追い上げが光ったが、大田が逃げ切る形で、ジャッジ2者に支持され判定勝ちした。試合後の大田は、この日NJKFバンタム級王座を獲得しWMC日本同級との二冠になった弟の一航と共に記念撮影した。
第8試合 メインイベントI S1ジャパントーナメント65kg決勝戦 3分5R
×畠山隼人(E.S.G/NJKFスーパーライト級王者)
○中野椋太(誠至会/NJKFウェルター級王者)
2R KO (パンチ連打)
※中野が王者に
畠山は9月のトーナメント一回戦で栄基に判定勝ち。中野は決勝からの登場だ。1R、両者まだ慎重だが、前に出ようとする畠山から距離を取り、中野が左右の蹴りを随所で当てる。終盤には左ミドルの2連打からの左前蹴りでスリップさせる。
2R、一気に試合が動く。畠山が左ボディを当てると火が付いたか?中野は圧力を強め、ボディと顔面にパンチをお返しすると、畠山がダウンする。畠山はダメージが大きく、中野がロープに詰めてパンチを連打して棒立ちにしたところで少レフェリーがストップした。
第7試合 セミファイナル 59kg契約 3分3R
○MOMOTARO(OGUNI GYM/元WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者)
×琢磨(東京町田金子ジム/元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者)
判定3-0 (中山30-28/少30-27/宮本30-27)
MOMOTAROは9月のONEベトナム大会で元ルンピニー王者のシントンノーイを41秒でKOしNJKF凱旋。今回の相手・琢磨には、デビュー4年目の13年2月と13年9月に判定負けしている。
1R、MOMOTAROがサウスポーに構え、回って距離を取りつつ、左ストレート、バックハンドブロー、ハイを当て、組めば右肘を当て、琢磨の額を切り裂き、ドクターチェックに持ち込む。再開後も肘、バックスピンキック、ハイ等を自在に当て圧倒する。
2RもMOMOTAROがパンチ、膝、バックブロー等を随所で当てて主導権を維持するが、1Rよりも有効打が減ってしまう。3RもMOMOTAROが優勢だが、より攻撃が減ってしまう。完勝ながら2R以降は盛り上がりに欠ける試合となってしまった。
勝利者インタビューでMOMOTAROは「次、ONEで試合が決まっているので、世界の強い奴らと戦っても負けないよう、日本人の強さを見せたいです」と宣言した。
第6試合 NJKFバンタム級王座決定戦 3分5R
×日下滉大(OGUNI GYM/NJKFバンタム級1位)
○一航(新興ムエタイジム/NJKFバンタム級3位、WMC日本王者)
判定0-3 (少49-50/宮本47-49/和田47-49)
1R、両者慎重だが、サウスポーの日下に対し、一航が単発ながらも左ボディ、左右のストレート等を随所で的確に当てて、やや優位に試合を運ぶ。記者採点は一航。
2Rもお互い慎重で、クリンチも増えるが、中盤から日下が右ジャブを突きながら左ローのヒットを増やし、パンチも連打で当てる場面を作り、やや優位になる。記者採点は日下。
3Rも日下が左ロー、ミドルを当て続けるが、一航はひるまず、終盤には右ロー、ミドルを返し、差をつけさせない。記者採点はイーブンで中間集計29-29。ジャッジはここまで2名が29-29、1名が30-30とつける。
4R、お互いロー、ミドル、膝のヒットを増やし、一歩も譲らぬ展開が続く。若干、一航の攻撃が多く、蹴り足をすくって倒す場面も多く、やや好印象だ。記者採点は一航。
すると5R、一航が圧力をかけ続け、右ローで日下をひるませ、右ミドルも当て、崩しも度々決め主導権を握る。日下は左ミドルで一航を吹き飛ばす場面もあったが、攻撃が減ってしまう。記者採点は一航。合計47-49で一航。ジャッジも4R以降優位だった一航を支持し、一航が2冠を達成した。
一航は「今回は高校生最後ということで、絶対勝つぞと思って練習してきたので、勝ててうれしいです。レベルの高い試合を組んでいただいて、一歩一歩上がっていきたいです」と話した。
第5試合 ミネルヴァ スーパーバンタム級タイトルマッチ 3分3R
○☆SAHO☆(闘神塾/王者)
×浅井春香(Kick Box/1位、J-GIRLSフェザー級王者)
判定3-0 (竹村30-29/和田29-28/少30-28)
※☆SAHO☆が防衛
両者は17年2月に対戦し☆SAHO☆が判定勝ちしている。1R、パンチ主体の攻防で、浅井が中盤まで単発の右フックをうまく当てていたが、後半は☆SAHO☆がパンチの連打をまとめ、やや優位になる。記者採点は☆SAHO☆。
2R、☆SAHO☆はやや慎重になるが、中盤に右フックをクリーンヒットし、浅井を下がらせ優勢に。だが終盤は浅井の圧に対し回る状態が続き、攻撃が減ってしまう。記者採点は浅井で中間集計は19-19。ジャッジはここまで19-19、20-19、20-19で2名が☆SAHO☆を支持している。
3R、お互いなかなかはっきりした攻撃が出せず、クリンチが増えたが、終盤、☆SAHO☆がパンチを増やし、やや優位に。記者採点は☆SAHO☆で合計29-28で☆SAHO☆。ジャッジ3ぢゃも☆SAHO☆を支持し、☆SAHO☆が判定勝ちし王座防衛を果たした。☆SAHO☆は「これからは世界を目指したいです。女子のS-1も作って欲しいです」とアピールした。
第4試合 65kg契約 3分3R
×マリモー(キングジム/NJKFスーパーライト級4位)
○野津良太(E.S.G/NJKFスーパーライト級8位)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
第3試合 61kg契約 3分3R
△吉田凛汰朗(VERTEX/NJKFスーパーフェザー級7位)
△hayato(FOKAI JAPAN)
判定0-1 (29-30/29-29/29-29)
第2試合 58kg契約 3分3R
○向後宏昭(キングジム)
×将栄(team lmmotal)
1R 1’56” TKO (ローブローで将栄が試合続行不可能)
第1試合 66.3kg契約 3分3R
○宗方888(キングジム)
×謙(PITジム)
1R 2’43” KO (3ダウン:パンチ連打)