Krush 8.5 後楽園 一夜明け会見:木村“フィリップ”ミノル、公開プロポーズは「もっとツンツンしてもらいたかった」。篠原悠人、ライト級挑戦にも意欲
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Krush.91(8月5日(日)後楽園ホール)の一夜明け会見が6日、東京・大久保のGENスポーツパレスで行われた。主催者から届いた記事より、Krushウェルター級(67.5kg)タイトルマッチで王者・塚越仁志を1R KOした木村“フィリップ”ミノル、スーパー・ライト級(65kg)タイトルマッチで王者・中澤純に判定1-2で勝利した篠原悠人のコメントをお届けする。
新ウェルター級王者・木村“フィリップ”ミノル、チャンピオンとし所信表明
「挑戦していく姿勢は変えずに、そこにベルトを防衛することをプラスアルファしてやっていく」
ダブルメインイベント第2試合で塚越仁志にKO勝利し、第6代Krushウェルター級王座に就いた木村”フィリップ”ミノル。一夜明け会見では「まずはベルトの実感よりも、1Rから塚越選手が仕掛けてきたのもあって、短い時間でしたけど2人の間で激しい攻防がありました。そこを乗り越えたことが大きいと思うし、塚越選手の気迫を受け止めて勝ったことでホッとした気持ちが大きいです」と塚越に勝てたことへの安堵感を口にする。
そして「試合が終わってずっとベルトを持っていました、誰かにベルトを取られたくないんで(笑)。人と写真を獲る時にベルトを渡しても、すぐに戻してもらいましたし、寝る時もベルトを抱えて寝ました(笑)。そうやって色んな気持ちを思い返しながら(ベルトのことを)考えていました」とベルトと共に一夜を過ごしたという。
今回は木村にとって約4年ぶりのKrush王座挑戦で「僕はいつも計量前に軽くジョギングして水抜きして体重を落とすんですけど、今回は自宅から上京してすぐの頃に住んでいた家や当時よくミーティングしていた場所を巡ったんですよ。そしたら自然と涙が出てきました。僕にとっては普通のことなんですけど、周りからすると変わっている行動をしていたみたいなんで、今思うと気負っていたのかなと思います」。
しかし試合当日になれば「会場入りから集中しきった状態で何も怖くなかった。タイトルマッチはメンタル的にいつもと違っていて、それで結果が出なかったけど、今回はそれと向き合おうと思いました。本当は逃げ出したかったですけど、集中力がすごくて『リングは俺のもの』だと思いました。塚越選手が仕掛けてきたときも冷静で、普段塚越選手がやらないことをやってきたので『塚越選手、乱れてるな』と思ったくらい冷静でした」と冷静沈着に戦うことができたと振り返る。
試合後、恋人のアイカさんにリングで公開プロポーズして会場を沸かせた木村。「僕が4年前に山崎選手にKO負けしたのは20歳になったばかりの時で、目の前で山崎選手の公開プロポーズを見せられて、一瞬にしてすべてを失う怖さを勉強しました。もしかしたらそういう悔しい想いは塚越選手よりも経験してきたかもしれないし、だからこそ勝負どころの斬り合いを制することが出来たんだと思います。彼(塚越)は僕にない武器をたくさん持っていますけど、今回は最初から心理戦だったと思います」と過去の悔しさが勝利につながったと語る。
また「試合に勝つまでは勝ってどうするかは周りに言わなかったんですけど、彼女のアドリブの弱さにびっくりしました(笑)。実は前から『公開プロポーズされたらどうする?』と聞いていて、その時は『Krushのベルト一本じゃ断る』と言われていたんですよ。でもいざそうなったら僕に押されてOKだったので、もっとツンツンしてもらいたかったです(笑)」と笑いを交えて公開プロポーズの裏側を明かした。
ここから始まるチャンピオンとしての試合に向けて「挑戦していく姿勢は変えずに、そこにベルトを防衛することをプラスアルファしてやっていく。挑戦を続けながら、責任感ある防衛戦やっていきたい。例えば怪我の状態もあるけど(6月のK-1で対戦が流れた)メルシック・バダザリアン選手ともベルトをかけてやりたい」と話す木村。会見に同席した宮田充プロデューサーも「破天荒なところが木村くんの良さ。ベルトを巻いたからと言って、そこが消えてほしくないし、僕たちも消そうとは思いません。これから一番いい道を考えていきたいし、K-1 JAPAN GROUPとして木村くんがベルトを巻いたことをプラスにしていきたい」と期待の言葉を寄せた。
改めて最後に木村は「ようやくスタートを切ることができました。僕は新しい挑戦もするし、防衛もしていきます。今の僕のスタイルがトップ選手に通用することが分かったので、それを信じてやります。僕は今のチームキングスがすごく好きで、チームのおかげで勝てたと思っています。チームのメンバーに刺激を与えたいし、僕とチームキングスのみんなを応援してください」とファンにメッセージ。“無冠の帝王”を返上し、破壊の帝王となった木村のこれからに注目だ。
なお宮田プロデューサーはタイトルを失った塚越についても言及。「塚越くんは今34歳。今後のことはシルバーウルフの大宮司進会長とゆっくり話をしながら、塚越選手の気持ちを聞いてみたいなと思います。彼もKrushの歴史を作り、価値を上げる戦いを見せてくれたファイターです。また次があるときにはみなさん応援してほしいと思います」と語っている。
新スーパー・ライト級王者・篠原悠人、中澤純との試合を振り返る&ライト級へのチャレンジも宣言!
「最後までしっかり集中を切らさずに戦えたことが良かった。スーパー・ライト級のベルトを保持しつつ、ライト級で自分がどれだけいけるかも試してみたい」
ダブルメインイベント第1試合で王者・中澤純とのスプリット判定にもつれ込む接戦を制して新スーパーライト級王者となった篠原悠人。一夜明け会見では「試合のペースも3Rを考えて戦って、最後までしっかり集中を切らさずに戦えたのが良かったかなと思います」と中澤戦を振り返る。
さらに篠原は「K-1甲子園を-65kgで獲って、その流れでプロでも-65kg(ス―パー・ライト級)でやってきたんですけど、いつも減量が2~3kgしかない。色んな相手とやってきましたけど、相手の身体が大きく感じるし、みんなもっと減量してやっているのでライト級(62.5kg)に落として、自分がどれだけいけるか試してみたいと思う」とKrushのベルトを保持しつつ、ライト級へのチャレンジにも意欲を見せる。
これを聞いた宮田プロデューサーは「Krushに上がる場合は原則(スーパー・ライト級の)防衛戦になりますが、例えばK-1であればライト級だったり、海外だったら63.5kgでやってみるのもいいのかなと思います」と篠原のライト級挑戦を後押しする意向を示した。
◆篠原悠人
「去年このベルトを獲るつもりでトーナメントに挑んだんですけど、そこで中澤選手に負けてから、このベルトのことだけを考えてずっと練習・試合をしてきました。そこから5連勝して、昨日はリベンジという形でベルトを獲れたんで良かったかなと思います。(試合後はどのように過ごした?)タイトルマッチということをあまり気負い過ぎずに戦おうと意識していたので、獲った後もあんまり実感が沸かないですね。
(試合が終わった後の周りの反応は?)やっぱりいつもの試合よりみんなおめでとうと言ってくれたり、影響は大きかったですね。(勝敗を分けたポイントは?)試合をペースも3Rを考えて戦ってたんで、今までだったら自分から行っていたところもペースを考えてやって、最後までしっかり集中を切らさずに戦えたのが良かったかなと思います。
(一晩経ってチャンピオンとしての気持ちは出てきた?)そこまで変わらないですけど、チャンピオンになったらこれからの試合で責任も問われてくると思います。そこはしっかり受け止めて、これから試合をしていきたいと思います。
(どんなチャンピオンを目指す?)スーパー・ライト級は選手が多いし、強い選手も多いと思うんで。その中でKrushのベルトを巻けたことは大きいと思います。でもずっと言ってきたことですが、ここからスタートだと思うので、ここからチャンピオンとしてKrush・K-1でもっと活躍していけたらいいなと思います。
(今後の試合について)K-1甲子園を-65kgで獲って、その流れでプロでも-65kg(ス―パー・ライト級)でやってきたんですけど、いつも減量が2~3kgしかない。色んな相手とやってきましたけど、相手の身体が大きく感じるし、みんなもっと減量してやっているのでライト級(62.5kg)に落として、自分がどれだけいけるか試してみたいと思います。(ファンのみなさんへのメッセージは?)Krushのベルトを獲ってからがスタートやと思っていたんで、こっからチャンピオンとしてKrush、K-1でもっと活躍していけるように、もっと強くなるんで応援よろしくお願いします」
篠原のKrushスーパー・ライト級王者としての試合はもちろん、ライト級へのチャレンジがどうなるかも注目だ。
なお宮田プロデューサーはタイトルを失った中澤についても言及。「試合後の中澤くんはショックを感じていましたが、タフな精神力がある選手です。これまでも敗れたあとにカムバックして良い試合をしてくれたので、次の試合もすぐに決めたいと思います」と語っている。