DEEP JEWELS 3.9 後楽園ホール:浅倉カンナ、前澤智を圧倒し判定勝ち。KINGレイナ・渡辺華奈、1Rで快勝し4月RIZIN参戦熱望
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AbemaTV presents DEEP JEWELS 23
2019年3月9日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第9試合 メインイベント 49kg契約 5分3R
×前澤 智(リバーサルジム立川ALPHA/DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)王者/48.6kg)
○浅倉カンナ(パラエストラ松戸/RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)トーナメント2017優勝/48.7kg)
判定0-3 (高本27-30/横田26-30/植松27-30)
DEEP JEWELSが13年にDEEP傘下になってからは初の後楽園大会で、JEWELS時代を含めれば10年12月17日大会以来となる。RIZIN効果でDEEP JEWLSの集客がアップし、新宿フェイス大会は超満員札止めが続いた。男子のDEEPも夜の後楽園でのケージ大会が定着し、今回は昼夜興行が実現した。
メインイベントの前澤×浅倉は、現在のDEEP JEWELSのトップ選手と、DEEP JEWELSで育ったRIZINのトップクラスの対戦となる。前澤は12月1日の新宿大会で、浅倉の練習仲間でもある黒部三奈からDEEP JEWELSアトム級王座を獲得した。マイクでは「大晦日、空いています」と、RIZIN参戦を熱望し、結局参戦できなかったが、今回の試合はそこにつなげるための大きなチャンスだ。開会式では選手を代表して挨拶を務め、昨日が国際女性デーであったことに言及し、女性格闘家の地位向上を訴えた。
浅倉は16~17年にDEEP JEWELSに上がり3戦3勝。17年8月のRIZIN女子スーパーアトム級トーナメント出場者決定戦で石岡沙織に判定勝ちし、最終的にトーナメントで優勝した。昨年大晦日のRIZINの女子スーパーアトム級初代王座決定戦で浜崎朱加に2R腕十字で一本負けし、今回は再起戦となる。
1R、スタンドの展開で、浅倉はサウスポーに構え、前澤はオーソドックスで時折半身にも構えつつ、右ストレート、右ボディを当てる。浅倉は圧力を強めてスピードのあるタックルを仕掛けてテイクダウンを奪う。前澤が立ってもすぐ押し込んで右のパンチを連打し、タックルで倒す展開を繰り返す。前澤も首相撲で膝を連打する場面もあるが、主導権を浅倉に握られ続ける。
2R、浅倉は1分足らずで胴タックルを決めて上に。その後も1R同様に立たれても押して倒しを繰り返す。中盤過ぎ、前澤が足を掛けて倒して、すぐさま下から腕十字を仕掛ける場面もあったが、浅倉はすぐ対処して脱出し、終盤は押し込んでパンチを当てる展開を続ける。
3R、前澤の右ミドルをつかみ、浅倉が倒し上に。金網に背中をつけさせつつ、パウンドを連打し、裸絞めも狙う。離れてもすぐ押し込み、コントロールを続ける。中盤過ぎにも同じようにパウンドと裸絞めで攻め続ける。前澤も必死に抵抗してスタンドに戻し、会場を沸かせるが、浅倉も体力を切らさず攻め続けグラウンドに引きずり戻して、パウンドを当て続け終了。浅倉が前澤を圧倒し判定勝ちした。
浅倉は「負けてから初戦で、一本取りたかったですけど、前澤選手、強かったです。浜崎さんに負けて一からスタートし、また成長を見てもらいたかったです」と、安堵の表情で話した。KINGレイナや渡辺華奈のように4月21日のRIZIN横浜アリーナ大会出場のマイクアピールはしなかったが、バックステージでは「勝ってから言うことを考えていませんでした。今は試合を積んでいきたいです」「(浜崎に)負けたのは経験差なので」と話し、もっと注目を浴びたいというよりも、もっと強くなりたいという理由で、1か月半の間隔での試合にも前向きな姿勢を示した。
第8試合 セミファイナル 68kg契約 5分3R
○KINGレイナ(FIGHT CLUB 428/67.25kg)
×上田真央(フリー/67.6kg)
1R 0’25” KO (右ストレート)
レイナは8月のRIZINでケイトリン・ヤングに判定負けし、12月のDEEP JEWELSではジュディー・ルイスに判定勝ちしている。試合後のマイクでは大晦日のRIZIN参戦を熱望したが叶わず、その無念を今年一発目の試合にぶつける。対する上田は昨年まで大阪府警に勤務していたが、レイナを倒すために退職したといい、12月大会のSP(セミプロ)ルールの試合で判定勝ちしている。レイナ同じく柔道をベースとする。
試合はレイナが圧倒する展開に。1R開始すぐ、レイナが前に詰め、右ストレート、フックを連打。上田も抵抗してパンチを返すが、レイナはパンチを止めず、金網に詰めて右を連打し、上田をノックアウトした。
レイナは「初めて後楽園に立って、私の応援は180人ぐらい来ました。今日、パンチでのKO勝ち、皆さんどうでしたか?ありがとうございます。4月にRIZINがあると思うんですけど、皆さん、見たいですか?」とアピール。榊原氏に文明堂のカステラをプレゼントすると、榊原氏も「久しぶりの一本だね。お客さん、4月見たいですか?スタッフと相談して考えます」と、前向きな回答をした。
第7試合 フライ級(56.7kg) 5分3R
○渡辺華奈(FIGHTER’S FLOW/57.1kg)
×ガン・スミン(韓国/ROAD FCアップグジョンジム/56.55kg)
1R 4’33” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
大晦日のRIZINやれんのか!での杉山しずかとの再戦で秒殺KO勝ちした渡辺華奈。今回はMMAでは初の国際戦だ。スミンはROAD FCライト級王者クォン・アソルの弟子だ。
1R、スタンドで渡辺が左のミドル、ローを当てつつ、組み付いてテイクダウンを繰り返すが、すぐスミンも立ち続ける。終盤、スミンが前に出てパンチを振るうと、渡辺は左ストレートをもらってしまうが、再びパンチで出て来たタイミングで足を引っ掛けて倒すと、サイドポジションを奪い、両足で相手の腕を挟んで押さえ込んで、左のパウンドを何発も当て続け、レフェリーストップ勝ちした。
マイクを持った渡辺は「榊原代表、4月空いているので良かったらよろしくお願いします」と、RIZIN出場を熱望した。
第6試合 アトム級(47.6kg) 5分3R
○富松恵美(パラエストラ松戸/元DEEP JEWELSストロー級暫定王者/47.75kg)
×青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘/48.0kg)
2R 4’46” 裸絞め
富松は6月のDEEP JEWELSのパク・ジョンウン戦、8月のDEEPのパク・シウ戦と、韓国の選手に2連敗中。青野は17年12月のMMAデビュー戦こそ敗れたが、以降の昨年3試合はいずれも判定勝ちし、元暫定王者と一戦に辿り着いた。
1R、青野が開始すぐから片足タックルを仕掛けて、金網際でコントロールを続けるが、富松は中盤過ぎに下からの三角絞めと腕十字でチャンスを作る。
2Rも執拗に青野が組み付いてくるが、終盤、金網に押し込まれた状態で、富松がアームロックを仕掛けながらグラウンドに引きずり込み、マウントを奪う。パウンドを連打し、バックマウントに移行すると、体を伸ばして裸絞めを極めてタップを奪い、富松が連敗脱出に成功した。
第5試合 アトム級(47.6kg) 5分2R
×佐藤絵実(毛利道場/47.75kg)
○アム[スワナン・ボーンソーン/Suwanan Boonsorn](タイ/ターントンジム/46.7kg)
1R 0’34” 裸絞め
佐藤はDEEP JEWELSで青野ひかる、古瀬美月から一本勝ちし、プロ修斗の大阪と山口の試合でも勝利し4連勝中。対するアムは初参戦の22歳。ムエタイで12年にWPMF、13年にWMCの世界王座を獲得。ブラジリアン柔術の青帯、古流柔術・柔道・伝統空手をベースとする「ヨーロピアン柔術」で黒帯を持つ。MMAでも2勝1敗の戦績を残し、昨年8月のパンクラスで華DATEを圧倒したローマ・ルックブンミー(タイ)に腕十字で一本勝ちしている。
1R、佐藤が先手必勝とばかりにパンチと蹴りを連続で出して前に出るが、アムが組み付くと、簡単に倒してそのままマウントに。少しパウンドを当てて背中を向けさせると、裸絞めを極めタップアウト。一番得意なムエタイを出す前に完勝すると、金網によじ登って大喜びした。
第4試合 55kg契約 5分2R
×藤森祥子(Brightness/54.8kg)
○奈部ゆかり(HMC JAPAN/54.8kg)
2R 2’42” 裸絞め
1R、離れれば藤森のパンチが当たるが、すぐ奈部が組み付いて首投げを決め、グラウンドで押さえる展開が繰り返され、終盤には奈部がグラウンドパンチで追い詰める。2Rも奈部がグラウンドに持ち込むと、じっくりとポジションを移動し、最後はバックマウントから裸絞めを極め快勝した。
第3試合 55kg契約 5分2R
×アミバ(AACC/56.0kg→54.95kg)
○赤林檎(フリー/54.7kg)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)
1R開始すぐ、赤林檎が左ストレートを当ててから、背後に素早く回ってバックマウントを奪い、裸絞めを狙い続ける。終盤、アミバが上になるが、赤林檎は下から三角絞めを狙い、主導権を維持する。アミバは右まぶたを腫らし、インターバルにドクターチェックを受ける。2R、アミバは再三組みに行くが、赤林檎が潰して上になり続けて反撃を封じ判定勝ちした。
第2試合 ミクロ級(44.0kg) 5分2R
○玉田育子(AACC/元VALKYRIEフライ級王者/43.9kg)
×マドレーヌ(メルヘン王国#FIGHTTEAMミチバ/43.95kg)
判定3-0 (20-18/20-18/20-17)
玉田が15年9月のVTJでの浅倉カンナ戦以来3年半ぶりに復帰。現在51歳だ。1R、さすがにパンチへの反応は落ちたか?スタンドの打ち合いでマドレーヌの右ストレートをもらった玉田だが、組み付くと、金網際でオンブになり、そのままグラウンドに持ち込み、バックキープして裸絞めを狙い続ける。2Rは玉田がテイクダウンを奪った後、マドレーヌが返して上になるが、玉田が下から三角絞め、腕十字を仕掛けて度々追い詰め判定勝ちした。
第1試合 49kg契約 5分2R
○あい(KRAZY BEE/48.85kg)
×國保小枝(和術慧舟會船橋道場/47.90kg)
1R 1’08” TKO (レフェリーストップ)
AbemaTV「格闘代理戦争3rdシーズン」に出演し、大晦日のRIZINやれんのか!で川村虹花にTKO勝ちした、あいがDEEP JEWELSに初参戦。國保は12月のDEEP JEWELSのアマチュアマッチでANJUと引き分けている選手だ。
あいが1R開始間もなく、サウスポーで圧力をかけ、右の大振りのフェイントからの左ストレートをアゴにクリーンヒットさせてダウンを奪う。あいは上から強烈な右のパウンドを当て続けると、植松レフェリーがストップした。マイクを持ったあいは「課題の打撃を少しは見せることができたでしょうか。見せることができて良かったです」と話した。
オープニングファイトト第2試合 ミクロ級(44.0kg) 5分2R
×にっせー(総合格闘技道場闘心/43.8kg)
○KOTORI(格闘空手勇拳会/42.15kg)
判定0-2 (18-20/19-19/18-20)
昨年9月のDEEP JEWELSのアマチュアで引き分けた両者がプロで再戦。KOTORIが長時間下になり、時折パウンドを浴びるが、三角絞め、洗濯バサミ、肩固めといった多様な技で積極的に極めを狙い続けて判定勝ちした。
オープニングファイト第1試合 SP(セミプロ)ルール(ヘッドギアなし) フライ級(56.7kg) 3分2R
○清水美貴子(T-BLOOD)
×藤田翔子(リバーサルジム新宿Me,We)
判定3-0 (20-18/20-17/20-18)
藤田はRIZINで那須川天心と戦った藤田大和の姉が、昨年9月のアマの試合で一本負けしている清水と再戦。清水が寝技でマウントを度々奪い、三角絞めなどでも追い詰め続け完勝した。