ONE 10.27 ルンピニー（レポ）：北野克樹、ONE初戦はトルコ出身選手から肘打ちでダウン奪い判定勝ち

ONE Friday Fights 38
2023年10月27日（金）タイ・バンコク・ルンピニースタジアム

レポート：井原芳徳　　試合写真：(C)ONE Championship

第4試合　ムエタイ　フェザー級（70.3kg）　3分3R
○北野克樹（誠至会／WPMFインターコンチネンタル・WBCムエタイ日本・チャクリキインターコンチネンタル・スーパーライト級王者、元NJKF同級王者）
×ハリル・キュトゥクチュ［Halil Kutukcu］（オランダ/トルコ）
判定3-0

北野克樹（中央）

　北野はNJKF加盟ジム・誠至会に所属する27歳で大阪出身。戦績34戦24勝10敗。ムエタイ大会のBOMで昨年12月と今年4月の2大会を通じて行われた「Road to ONE JAPAN ムエタイ日本トーナメント」のウェルター級（66.68kg）に参加し、与儀竜也（WMC日本ウェルター級王者）、引藤伸哉（ムエサイアムイサーン・ウェルター級王者、元WMC日本＆WPMF日本同級王者）に判定勝ちし優勝した。今回がONEでの初戦となる。なお、Road to ONEトーナメントは4階級で行われ、北野は優勝者のうち2番目のONE参戦で、最初に乗り込んだスーパーライト級優勝者の鈴木真治は9月8日のONE Friday Fights 32でスーブラック・トープラン49に2R KO負けしている。
　キュトゥクチュはトルコ系のオランダ人で31歳。タイのタイガームエタイに所属する。戦績46戦36勝9敗1分。北野同様ONE初参戦だ。

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— ONE Championship (@ONEChampionship) October 27, 2023

　1R、北野は開始すぐから左ミドル、右ローを当て、キュトゥクチュは右と左のフックを当てる。中盤、北野は左ミドルのヒットを増やす。終盤、北野の左ミドルをキュトゥクチュはキャッチしてからパンチを振うが、そのまま首相撲になると、北野がスペースを作って左肘打ちを当ててダウンを奪う。その後も北野が左ミドルを当てるが、キュトゥクチュはダウンのダメージは小さい様子で、前に出て右フックを返す。記者採点は10-8で北野。

　2R、北野は左ミドル、右カーフを随所でヒット。またもキュトゥクチュは左ミドルをキャッチし、首相撲となるが、今度はキュトゥクチュは肘を警戒してすぐに突き放す。中盤、北野は左ハイ、左右のミドルを当て、体格で勝るキュトゥクチュは前に出続け左右のフック、左ボディを細かく返す。終盤、お互い攻撃が減るが、キュトゥクチュはプレッシャーをかけ続け、北野は下がりながら少し息が荒くなっている。記者採点は左ハイ等の的確さで上回った北野だが、ヒット数に大差はないため、前に出続けて終盤押し気味だったキュトゥクチュが取った可能性もある。

　3R、キュトゥクチュは前に出続け、随所でパンチを当てる。北野は息が荒い状態が続き、攻撃が減り、クリンチで休む場面が増える。キュトゥクチュが逆転しそうな流れとなり、場内は湧くが、北野が逃げ切る形で終える。記者採点はキュトゥクチュ。合計29-27で北野。ジャッジ3者とも北野を支持し、北野がONE初陣を白星で飾ったものの、最後はヒヤヒヤさせられる展開だった。