ONE 5.3 ルンピニー（レポ）：ジャパンキック王者の睦雅、ONE初戦は2R KO勝ちし150万円ボーナス獲得。NJKFの谷津晴之は判定勝ち。RIZINで2連勝の後藤丈治は3R逆転一本負け
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ONE Friday Fights 61
2024年5月3日（金）タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
レポート：井原芳徳 写真：(C)ONE Championship
ジャパンキック王者の睦雅、ONE初戦は2R KO勝ちし150万円ボーナス獲得
第5試合 ムエタイ 137ポンド（62.14kg）契約 3分3R
×カビラン・ジェレバン［Kabilan Jelevan］（マレーシア）
○瀬戸睦雅［むが］（ビクトリージム／ジャパンキックボクシング協会ライト級（61.23kg）王者）
2R 1’29” KO
睦雅はONE初参戦。昨年度のジャパンキックボクシング協会のMVP選手で同協会のライト級王者。日本でのリングネームは睦雅。昨年7月のジャパンキック新宿大会では、タイ人のペットルンを左ボディで70秒KOし、11月の後楽園大会では健太を肘で切り裂き2R TKO勝ちし、今年3月24日の後楽園大会では在日タイ人選手のパランラックに2R左ボディでKO勝ちし7連勝中、4連続KO勝ち中だだ。対するジェレバンはONE Friday Fights 3戦2勝1敗の24歳。
1R、小柄なジェレバンが前に出て積極的にパンチを振い、睦雅の蹴りをすくってパンチを放つ場面も多い。終盤、ジェレバン首相撲で膝を連打するように。睦雅は右ローや左の縦肘を返すが攻撃が少ない。体格で勝る分攻撃をもらってもひるまないが印象は悪い。記者採点はジェレバン。
2R、蹴りの応酬から始まり、睦雅はコツコツと右ローを当てつつ、組みの展開では左肘も当てる。それでもジェレバンは前に出続けるが、中盤、睦雅は突き放しつつ左の肘を当ててから右フックにつなげると、ジェレバンが動きが止まる。すると睦雅はこのチャンスを逃さず、左右のパンチを3連打して棒立ちにさせてから、右ストレートをアゴに当ててダウンを奪う。ジェレバンはなんとか立ち上がったものの、フラつしており、すぐさまオリヴィエ・コスト・レフェリーがストップした。
FIRE DEBUT Muga Seto unloads on Kabilan Jelevan for a big KO!#ONEFridayFights61 | Live Now
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勝利者インタビューで睦雅は「瀬戸睦雅です。名前を覚えて帰ってください」と話し、35万バーツ（約150万円）が授与されると発表されると「皆さんありがとうございます。気分はハッピーです」と、満面の笑みを浮かべて話した。
NJKFの谷津晴之は判定勝ち
第3試合 ムエタイ 119ポンド（53.98kg）契約 3分3R
×アントン・サルチャク［Anton Salchak］（ロシア）
○谷津［たにつ］晴之（新興ムエタイジム／NJKFフライ級（50.8kg）1位）
判定0-3
谷津はニュージャパンキックボクシング連盟（NJKF）フライ級1位で、昨年9月には同級王者の優心に挑戦し引き分けている。同門の太田拓真・一航兄弟に続いてONEに乗り込んだ。サルチャクはONE初参戦の28歳。
1R、谷津は果敢に右フック、ストレートを放ち、サルチャクは左フック、右ロー、ミドルを返す。終盤にはサルチャクの回転技のタイミングで、谷津が左前蹴りを当てて突きとばし、テクニシャンぶりを発揮する。最後、谷津がカウンターの右フックも当てる。記者採点は谷津。
2R、谷津は右ミドルを的確に当て続け主導権を握る。終盤、谷津は右ミドルを効かせててサルチャクを下がらせるように。記者採点は谷津。
3R、序盤にサルチャクが左フックを立て続けにヒットして挽回する。中盤にはサルチャクは右ストレートもヒット。とはいえクリンチが多く、パンチの後に攻撃がつながらない。谷津もひるむことなく攻め続け終了する。記者採点はサルチャク。合計28-29で谷津。ジャッジ3者も谷津を支持し、谷津が判定勝ちした。
伊賀道凌平は判定負け
第2試合 ムエタイ 143ポンド（64.86kg）契約 3分3R
○ミン・チョー・サー［Min Kyaw Za］（ミャンマー）
×伊賀道［いがどう］凌平（Stage Kickboxing Gym）
判定3-0
伊賀道はムエタイの経験もある元プロボクサーの29歳。ミンはONE初参戦の22歳。
1R、サウスポーの伊賀道に対し、オーソドックスのミンが右ミドルを当てているが、次第に伊賀道も右フックを返すように。だが全体的にはミンが右フック、ミドル、ハイの積極性で上回る。
2Rもミンはパンチ、右膝、ミドル等で積極的に攻め、ボディ狙いのパンチも絡めていると、伊賀道は口が開いて下がるようになり、終盤にはミンが左のボディフックでダウンを奪う。
Min Kyaw Za with a NASTY body shot knockdown #ONEFridayFights61 | Live Now
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3R、ミンはボディ狙いのパンチとミドル主体で攻め続け、左フックも絡め、伊賀道を圧倒する。ミンが判定勝ちした。
RIZINで2連勝の後藤丈治は3R逆転一本負け
第1試合 MMA バンタム級 5分3R
○イリアス・エジエフ［Ilyas Eziyeu］（ベラルーシ）
×後藤丈治（TRIBE TOKYO MMA）
3R 3’01” 裸絞め
後藤は修斗の元バンタム級ランカーで、魚井フルスイング、ダイキ・ライトイヤー、加藤ケンジといったRIZIN出場経験者にも勝利。昨年はRIZINで2戦し、6月の故郷札幌大会ではトレント・ガーダムに、10月の名古屋大会では日比野“エビ中”純也に、いずれも2Rツイスターで一本勝ちしているが、その後は試合機会が無かった。対するエジエフはMMA 6戦5勝1敗、ONE Friday Fights 1戦1勝の22歳。
試合は後藤が健闘したが、体格で勝るエジエフのレスリングに手を焼く展開に。両者サウスポー。1R、エジエフがプレッシャーをかけ、片足タックルを仕掛けると、後藤は飛びついてギロチンチョークを仕掛ける。一瞬極まったかに見えたが、まもなく外れ、エジエフは上から重みのある左のパウンドを落とす。後藤は脱出するが、引き続きエジエフがタックルでしがみつき、抱え上げて倒す。終盤、スタンドに戻り、エジエフの左ストレートで後藤は一瞬片膝をマットにつくが、すぐスタンドに戻る。残り30秒、後藤も左ロー、左ストレート、右ジャブ、左ロー、左ボディを立て続けに当てるが、エジエフをひるませることはできない。
2R、後藤は左ボディ、左ロー、右ミドルを的確に当て続ける。エジエフは1Rよりも勢いが落ちるが、中盤にはまたもタックルで倒してコントロールし、組みの展開ではパワー差を発揮する。終盤、後藤は離れ、パンチを当てるが、残り1分を切ると、またもエジエフがタックルからコントロールを続け、主導権を奪い返す。最後、後藤が離れて左フックを当てるが、すぐにゴングが鳴る。
Starting STRONG Ilyas Eziyeu survives a knockdown to submit Joji Goto in Round 3!#ONEFridayFights61 | Live Now
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すると3R、後藤がエジエフの左フックのカウンターで左フックをクリーンヒットし、ダウンを奪う。倒れ際には左ストレートもヒット。すると後藤はがぶって押さえてから、パウンドではなくギロチンチョークを仕掛けるが、これが裏目に。極まりは浅く、スタンドに戻り、エジエフは後藤をロープに押し込みながら、ダメージを回復させる。中盤過ぎに離れると、エジエフはタックルを仕掛けて倒し、上と背後でコントロールする。エジエフも消耗が激しいが、後藤もつかまり続けるうちに消耗してしまう。すると後藤はコーナー際でロープの外に逃げる行為を繰り返し、エジエフが背後から裸絞めを極めタップを奪い逆転一本勝ちした。
