シュートボクシング 9.23 後楽園ホール(レポ):笠原弘希、OFG SBマッチでギロチンで一本勝ち。笠原友希・山田虎矢太・佐藤執斗、1R KO勝ちし他団体勢・強豪との対戦熱望
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SHOOT BOXING 2023 act.4
2023年9月23日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
笠原弘希、OFG SBマッチでギロチンでタップアウト勝ち
第10試合 メインイベント オープンフィンガーグローブマッチ 64kg契約 3分3R(無制限延長R)
○笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級(62.5kg)王者・元スーパーフェザー級(60kg)&フェザー級(57.5kg)王者)
×ネイサン・ドライデン[Nathen Dryden](英国/コンテンダージム/アンディ・サワー・ファイトチーム/ISKA&CPFF英国王者)
2R 1’04” タップアウト (フロントチョーク)
通常のキックボクシングに立った状態でのサブミッション・投げ技も加えた「シュートボクシング(SB)」では、オープンフィンガーグローブ(OFG)マッチを4月の後楽園大会でスタートした。笠原三兄弟の長男・弘希は4月大会でOFGマッチに初挑戦し、ランボー・モーラッタナバンディット(タイ)に判定勝ちし、今回も続けてOFGマッチを行う。前日計量の会見では「最近できたRISEのOFGのベルトを獲りいにいってもいい」とも話していた。
ドライデンはキック23戦18勝5敗の26歳。SBのエースだったアンディ・サワーの推薦で初来日した。
1R、ドライデンはサウスポーからの左ミドル、ローを当てるが、弘希は圧をかけ続け、組んで膝を連打してから投げを狙う。蹴り足をつかむ場面も多く、OFGのため足をつかみやすそうだ。中盤以降は左ミドル等で手数を多く攻め、終盤にはギロチンを狙いながら膝も当て主導権を握る。記者採点は弘希。ジャッジ1名が弘希につけ、2名はイーブンとする。
2R、弘希が変わらずパンチと膝を当て、ドライデンを苦しめる。すると終盤、組みの展開でギロチンチョークを仕掛ける。そのまま絞め上げると、ドライデンがタップし、弘希の一本勝ちとなった。
マイクを持った弘希は「シュートボクシングには絞めもあるぞってことで」とアピールし「62.5に相手がいなんで65に上げます。来年にでも日本最強トーナメントやりませんか?11月14日の(後楽園)大会に出場しますんで応援お願いします。SBを引っ張って、格闘技界でトップになる自信があります」と話した。
笠原友希が1R KO勝ち「K-1王者でもRISE王者でも受けて立ちます」
第9試合 60.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○笠原友希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級(60kg)王者・元フェザー級(57.5kg)王者)
×シンダム・サンライズジム(タイ/サンライズジム/元ラジャダムナン認定バンタム級王者)
1R 2’43” KO (左ローキック)
笠原三兄弟の次男・友希は昨年6月のTHE MATCHでKrushスーパーフェザー級王者・中島千博に判定勝ちしたが、9月のSB後楽園大会では常陸飛雄馬に3R TKO負け。12月のRISE+SB合同大会では石月祐作に、2月大会ではTAaaaCHANに、4月大会ではタイ人のポームロップに判定勝ちし3連勝中だ。前日計量後の会見ではRISEのチャンヒョン、K-1のレオナ・ペタスとの王者対決に意欲を示していた。
シンダムは元ラジャダムナン認定バンタム級王者。スック・ワンキントーンでリク・シッソーに敗れ、3月には元NJKFスーパーフェザー級王者の梅沢武彦に判定勝ちし、8月11日にはTAaaaCHANに判定勝ちしている。
1R、友希はサウスポーで構え、慎重ながら左ロー、ミドルを随所でヒット。シンダムのミドルを空振りさせてから左ローを当てる場面も。すると中盤、左ボディと左ローを立て続けに当ててダウンを奪う。シンダムはうずくまったまま動けず、友希のKO勝ちとなった。
マイクを持った友希は「相手も結構日本で試合をしていて強い選手だったんですけど、久々にKOできて良かったです。僕、滅茶苦茶強くなっているんで、K-1のチャンピオンでもRISEのチャンピオンでも受けて立ちます」とアピールした。
山田虎矢太が12連勝「鈴木選手、志朗選手、金子選手、玖村選手に全然負ける気がしない」
第8試合 58kg契約 3分3R(無制限延長R)
○山田虎矢太[こやた](シーザージム/SB日本スーパーバンタム級(55kg)王者)
×パク・ヒョンウ(韓国/キム・ジェ国際エックスジム/韓国MAX FCフェザー級1位)
1R 0’35” KO (左フック)
山田ツインズの弟・虎矢太は2月大会で植山征紀を5R KOしSB日本スーパーバンタム級王者に。6月大会ではタイ人のタンワレック・ルックサウンを1R左ボディでKO。11戦11勝(8KO)の快進撃を続ける。
ヒョンウは18戦9勝(3KO)9敗の19歳。昨年7月のPRO-KARATEDO達人Neo大阪大会で笹木一磨に1R KO負け。11月のシュートボクシング愛知大会では内藤凌太に2Rにローでダウンを奪われ判定負け。8月27日のKrushでは壬生狼一輝と対戦し、1R終盤に左ボディをもらいKO負けし、1か月弱の間隔で早くも次の試合に臨む。
1R、開始すぐから虎矢太が前に詰め、左フックを主体にパンチを当て続けて主導権を握る。ヒョンウは左フックをもらい続けて早くもダメージが大きく、虎矢太がコーナーに詰めて左フックでダウンを奪うと、すぐさまヒョンウ陣営がタオルを投入した。
マイクを持った虎矢太は「他団体で55kgの4強と言われている鈴木(真彦)選手、志朗選手、金子選手、玖村選手に全然負ける気がしないので、自分無しで55kgのトップを決めないでほしいです。ゆくゆくはその4強を倒してSBが一番強いんだと見せたいです。次戦11月14日の後楽園ホールが決まっていますので楽しみにしてください」とアピールした。
佐藤執斗、5連続KO勝ち「もっと強い選手と戦いたい」
第7試合 オープンフィンガーグローブマッチ 53kg契約 3分3R(無制限延長R)
○佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ/SB日本バンタム級(52.5kg)王者)
×松岡宏宜[ひろき](HKAジム/KOSスーパーフライ級王者)
1R 1’00” TKO (コーナーストップ:左ハイキックでダウン後)
※松岡が計量1.3kgオーバー。ファイトマネー50%没収。1R減点1。佐藤が勝利した場合のみ試合成立
佐藤は6月大会でのサンチャイ・TEPPENGYM戦でOFGマッチを経験し、2R KO勝ちし現在4連勝・4連続KO勝ち中だ。
松岡は兵庫在住でRISEを主戦場とし、7月のRISE大阪大会で数島大陸に判定負け。9月に入ってOFGマッチに意欲を示す投稿をXでしているとSBからのオファーが舞い込み、12日に試合が発表された。とはいえ急きょ試合が決まったせいもあってか、上記のとおり前日計量ではオーバーしてしまう。
1R、開始すぐから佐藤が左ハイ、ミドル等を矢継ぎ早に放って先手を取り、パンチの打ち合いでも優位に立つと、松岡の左ストレートのカウンターで左ハイキックを首筋にクリーンヒットする。松岡がダウンすると、松岡陣営がすぐにタオルを投入し、佐藤のTKO勝ちとなった。
マイクを持った佐藤は「もっといい試合がしたかったんですけど、相手選手の計量オーバーもあって、不甲斐ない内容になってしまいました。でも僕は5連続KO勝利です。SBチャンピオンとしてOFGでも普通のグローブでも、もっと強い選手と戦いたいです。海人選手や笠原兄弟、山田兄弟に続いて、僕の名前も覚えていってください」とアピールした。
海人、11.14 後楽園で再起戦。GLORYのランカーとの試合を希望
なお、第6試合終了後、11月14日の後楽園ホール大会の開催と、海人の出場が発表された。海人は「(8月に)オランダでのGLORYのタイトルマッチで負けました。でもあきらめていないです。ファンの皆さんに力をもらって、負けてからも挑戦して欲しいと言ってもらえたのでリベンジしに行きます。GLORYのライト級の5位にランキングさせてもらったので、4位から1位を倒せばまたチャンピオン挑戦できると思います。11月14日、GLORYのランキングに入っている人と試合させてほしいです。GLORYでもRISEでも、どこのリングでも戦いに行きます。僕に期待して欲しいです」とアピールした。
シーザー会長は「ヨーロッパの相手がいい。海人には歯ごたえのある相手がいいでしょうね。体に大きい選手に勝てていないので」と話している。元々11月のSBはGROUD ZEROかS-cupのビッグイベントを計画していたが、「大きな会場を当たっていたけど無いんで、後楽園で中身の濃い試合を組みます。対抗戦もいいですね」と話した。終盤戦で勝利した主力勢が揃って他団体勢や強豪との対戦を希望しており、その意向がどの程度反映されるか注目だ。
第6試合 オープンフィンガーグローブマッチ 65.5kg契約 3分3R(無制限延長R)
○イモト・ボルケーノ(グラップリングシュートボクサーズ/SB日本スーパーライト級(65kg)王者)
×樋沼朝光(RIKI GYM)
判定3-0 (津山30-25/北尻30-25/若林30-25)
イモトは6月大会でMMA選手の芦田崇宏とOFGマッチを行う4R判定勝ち。今回もMMAの樋沼と対戦した。
1R、長身のイモトに対し、樋沼はサウスポーで低い構えから飛び込んで左フックを当てるが、イモトもストレートを返す。終了間際、イモトがパンチの連打と飛び膝をまとめやや好印象で終える。記者採点はイモト。
2R、イモトが序盤のパンチラッシュから前方への投げでシュートポイント1を獲得。中盤にはコーナーに詰めてのパンチ連打でダウンを奪い、点差を広げる。その後もイモトがパンチ主体で樋沼を追い詰める。
3R、イモトが度々左右のパンチを当て優位を維持する。樋沼は口から出血しながらも最後まで耐え終了。イモトが大差をつけ判定勝ちした。
第5試合 オープンフィンガーグローブマッチ 62kg契約 3分3R(無制限延長R)
×奥田啓介(ANIMAL☆PLANET/BLUE DOG GYM)
○金ちゃん(K-Style)
1R 2’27” KO (右ストレート)
プロレスラーの奥田は6月の銀・GSBとのOFGマッチで2R TKO負けし、OFGマッチに再挑戦した。1R、開始すぐから奥田が後方への投げでシュートポイント2を奪う。だがパンチの打ち合いの中で金ちゃんが右フックを当ててダウンを奪う。奥田はその後も後方への投げを2度決め、合計6ポイントに達するが、金ちゃんは右フックで立て続けに2度ダウンを奪いKO勝ちした。敗れた奥田は「もう一回やらせてください」と絶叫した。
第4試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R(無制限延長R)
×村田義光(シーザージム/SB日本ウェルター級1位)
○都木航佑[たかぎ こうすけ](キャピタルレイズ fighting GlaNz/元KROSS×OVER KICK -67.5kg級王者)
判定0-3 (竹村28-29/若林27-30/津山28-30)
1R、都木がプレッシャーをかけ、右ローを時折当てつつ、中盤には右フックを強打する。村田も終盤に膝を返すが、手数で差をつけられるラウンドに。記者採点は僅差で都木だがイーブンの可能性はある。
2R、都木が変わらず前に出て、随所で右ローとストレートを当てる。村田は攻撃が返せないが、都木もクリーンヒットは乏しく、決定的な差を印象付けるような攻撃は出せない。記者採点は都木だがイーブンの可能性はある。
3R、村田も左ストレートを強打する場面があったが、その後続かず、都木が右ストレート等のヒットで上回りやや優勢。都木は投げをトライし続け、終了間際には前方への投げを決めてシュートポイント1を奪う。記者採点は10-9で都木。合計30-27で都木。ジャッジ3者も1~3点差で」都木を支持し、都木が判定勝ちした。
ポッシブルK、基山幹太との死闘制す
第3試合 63kg契約 3分3R(無制限延長R)
×基山幹太(BELLWOOD FIGHT TEAM/SB日本ライト級(62.5kg)1位)
○ポッシブルK(K’GROWTH/SB日本ライト級(62.5kg)2位)
4R 1’15” KO (左フック)
3R 判定1-0 (津山29-29/和田30-28/若林29-29)
基山は6月大会での伊藤空也とのOFGマッチで判定勝ちし、今回は通常グローブでの試合。ポッシブルKは4連勝中。1R、サウスポーの基山に対し、ポッシブルKはスイッチを繰り返しつ左ローを強打し続ける。基山は中盤まで攻撃が少なかったが、終盤には左フック等のパンチのヒットを増やして巻き返す。
2R、ポッシブルKはカカト落としのフェイントをからめつつ、細かくパンチとローを当てるが、基山も左フック、左ローを随所で返し、お互い譲らない展開に。
3R、ポッシブルKが雄たけびを上げてパンチを振るえば、基山も声を上げ、お互い激しく打ち合い、場内を沸かせる。基山の左ストレートの強打がやや目立ったものの、はっきり差のつかないまま終わる。ジャッジは1者のみ30-28で基山につけたが、2者は29-29のイーブンで延長へ。
4R、開始すぐ、基山が立て続けに左ストレートを当てると、ポッシブルKが右まぶたをカットしドクターチェックを受ける。レフェリーはパンチによる有効打と判断する。だが再開後、パンチの打ち合いになると、ポッシブルKがカウンターの左フックを当ててダウンを奪う。基山は立ったもののダメージが大きく、ポッシブルKが再び左フックで倒すと、基山はうつぶせで倒れ、すぐさまレフェリーがストップ。場内はメインイベント並みに大盛り上がりとなった。
第2試合 スーパーウェルター級(70kg) 3分3R(無制限延長R)
○RYOTARO(龍生塾/元ACCELミドル級王者)
×風間大輝(橋本道場/SB日本スーパーウェルター級5位)
判定3-0 (竹村29-24/津山29-24/若林29-24)
1R、RYOTAROが左ボディを度々強打しつつ、左フック、ジャブにもつなげる。終了間際には右フックでダウンを奪う。
2R、RYOTAROが変わらずパンチで攻める。風間も次第にカウンターでパンチを返すようになり、終了間際に払い腰で投げてシュートポイント1を獲得する。だが直後、RYOTAROがパンチラッシュからの右フックでまたもダウンを奪う。
3R、RYOTAROがまたも右ストレートでダウンを奪う。風間は打ち合いで当て返し、投げも狙い続け、観客を驚かせたが、逆転ならず。RYOTAROが判定勝ちした。
橋本道場の支部「WINGS橋本道場」がシュートボクシング協会加盟
休憩開けのシーザー武志・SB協会会長がリングインする恒例の「シーザータイム」では、埼玉県所沢市の「WINGS橋本道場」のシュートボクシング協会加盟が発表された。「WINGS橋本道場」はINNOVATION加盟ジムで東京都福生市にある橋本道場の支部。リングに登場した橋本敏彦会長は「シーザー会長の熱烈なラブコールを受け続けていました。そこの選手でシュートボクシングの発展に微力ながら協力できればと思います」と説明した。風間大輝がSBのプロでレギュラー参戦しているだけでなく、アマチュア・ジュニアの選手もSBの大会で活躍していることがきっかけとなったようだ。今後も引き続き本部の橋本道場はINNOVATIONの加盟ジムとして活動する。
第1試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R(無制限延長R)
○手塚翔太(Sublime guys・GONG-GYM坂戸/SB日本スーパーフェザー級1位)
×キム・チョンヨン(韓国/鳥致院東洋ジム)
2R 1’13” TKO (コーナーストップ:右ローキック)
1R開始すぐから、2階級分ほど体の大きい手塚が圧力をかけ続け、右ロー、左ボディ等を的確に当て続けて圧倒する。2Rも圧倒し、右ローキックでダウンを奪ったところで、チョンヨン陣営からタオルが投入された。