Bigbang 6.18 後楽園ホール(レポ):安保璃紅、3年半ぶりリングもWSRの齋藤紘也に判定負け。藤村大輔、初のタイトル獲得。里見柚己の“相方”龍斗、左ハイでKO勝ち
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Bigbang 統一への道 其の46
2023年6月18日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
安保璃紅、3年半ぶりリングもWSRの齋藤紘也に判定負け
第9試合 65kg契約 3分3R
×安保璃紅[りく](フリー/元Krushスーパー・フェザー級王者)※team ALL-WINから所属変更
○齋藤紘也(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
判定0-3 (西村28-29/少28-29/和田28-29)
安保瑠輝也の弟・璃紅は25歳。17年にレオナ・ペタスに勝利し、5戦全勝でKrushスーパー・フェザー級(60kg)王者となる。だが以降は苦戦し、19年11月のK-1第3代フェザー級(57.5kg)王座決定トーナメント一回戦のジャオスアヤイ戦でKO負けして以降は怪我などの影響でブランクが続いた。昨年7月のKrushでライト級(62.5kg)で復帰戦が組まれたが、試合2日前の減量中に体調を崩しドクターストップがかかっていた。今回はさらに1階級上のスーパー・ライト級相当の65kg契約での再起戦が組まれた。対する齋藤はKrushを主戦場とし5戦4勝(3KO)1敗の23歳。璃紅にとっては信頼回復の第1歩となる試合で、ひとまず前日計量はクリアできたものの、65kgはさすがに重すぎたか?まだキャリアの浅い齋藤に押される展開に。
璃紅のセコンドには以前の所属先だったteam ALL-WINの吉岡ビギンがつく。1R、長身の齋藤がウィラサクレック(WSR)ジムの選手らしく、ムエタイスキルを活かし、左右のテンカオ、前蹴り、ミドル等で積極的に攻める。だが次第に璃紅が圧力を強め、左右のボディを効かせ、終盤には右フックを強打して、齋藤を追い詰める。記者採点は璃紅。
しかし2R、序盤から齋藤がパンチと膝のラッシュで璃紅をスリップさせ先手。中盤、璃紅もパンチを返すが、終盤は齋藤が左右の膝を当てて挽回し、やや優位で終える。パワー差が如実に現れる展開となり、璃紅の消耗が激しい。記者採点は齋藤。
3Rも齋藤が前に出て、随所で膝を強打しやや優位。中盤こそ璃紅は右ローを返すが、最後は齋藤が膝主体で前に出て、璃紅を押し倒す場面も作る。記者採点は齋藤。合計28-29で斎藤。ジャッジ3者も同じ採点で、齋藤が璃紅に判定勝ちした。敗れた璃紅は四方に頭を下げリングを降りた。
藤村大輔、ジョージに圧倒TKO勝ちし初のタイトル獲得
第13試合 メインイベント2 Bigbangスーパーウェルター級タイトルマッチ 3分3R
×ジョージ(T.G.Y(谷山ジム大和支部)/王者)※初防衛戦
○藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者)
2R 2’32” TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
※藤村が王者に
ジョージは21年11月のスーパービッグバンで松下大紀に判定勝ちし、Bigbangスーパーウェルター級王座を獲得。昨年6月大会では喜多村誠と引き分け、11月のスーパービッグバンでは城戸康裕に2R KO負けしている。今回はベルトを懸け初防衛戦を行った。
対する藤村は昨年Krushで森田奈男樹にKO負けし、夜叉猿に判定勝ち。4月のBigbangでKONZISI BADBOYに勝利し、ジョージの王座への挑戦権を獲得した。
試合はKrushでの経験豊富な藤村がジョージを圧倒する内容にに。1R、開始すぐから藤村がジョージをコーナーに詰め、パンチとローを何発も当て圧倒する。終盤、攻め手が緩み、ジョージもパンチを返すが、藤村はブロックし、最後も攻めて終える。記者採点は藤村。
2R、ジョージが時折パンチをまとめるが、1R同様に藤村は難なく防御すると、ジョージをコーナーに詰めてパンチを当て続けてから、右の膝蹴りでジョージのアゴを突きあげダウンを奪う。ジョージは立ち上がるがダメージが大きく、変わらず藤村がパンチと膝を当て続け、ジョージが防戦一方となったところで、松田レフェリーがストップした。
プロ25戦目・34歳で初のチャンピオンベルトを巻いた藤村は、故郷静岡から来た応援団に感謝を述べ「このベルトの価値を上げていきたいです」とアピールした。
里見柚己の“相方”龍斗、左ハイでKO勝ち
第12試合 メインイベント1 58kg契約 3分3R
○龍斗(team NOVA/Bigbangフェザー級王者)
×神田賢吾(ウィラサクレック・フェアテックス幕張)
2R 1’50” KO (左ハイキック)
龍斗は2月のKrushで岡嶋形徒に判定勝ちして以来の試合。今回、4月のBigbangのフェザー級王者挑戦者決定戦で神田賢吾を2RカーフキックでKOした田中聡と防衛戦を予定していたが、田中が怪我のため欠場し、約半月前のオファーで神田が龍斗と対戦することになった。神田は龍斗同様K-1 GROUPが主戦場で戦績13戦5勝(1KO)7敗1分。前日計量後の記者会見で、ノンタイトル戦となったことについて龍斗は「正直、モチベーションが下がりました。でも昨日、相方の里見柚己がタイトルマッチで勝ってモチベーションが上がりました」と話していた。
試合は龍斗がキレのある動きで神田を圧倒することに。1R、開始すぐから龍斗がプレッシャーをかけ続け、右のアウトロー、インローを当て続け、左のミドル、三日月蹴り、ハイも絡めて主導権を握る。神田も終盤に蹴りを返すようになるが攻撃数の差は縮まらない。記者採点は龍斗。
2R、龍斗は右ロー、左ミドルも当てつつ、右の膝蹴りを当てると、神田は後退する。龍斗は神田をコーナーに詰めてロー、膝を当て続ける。最後は左ミドルを効かせてから、左ハイをクリーンヒット。神田はダウンすると立ち上がれず、龍斗のKO勝ちとなった。
龍斗は「今日は父の日で、父親が見に来ています。相方の里見柚己もチャンピオンになって子供も生まれました。Bigbangチャンピオンとして強さを見せられたと思います。実は初のKO勝ちなんでぶっちゃけ泣きそうです。皆さんにもっと知ってもらえるよう頑張ります。自分とteam NOVAをよろしくお願いします」とアピールした。
大輝、プライチュンポンに手を焼くも判定勝ち
第11試合 67.5kg契約 3分3R
○大輝(ハリケーンジム/Bigbangウェルター級王者)
×プライチュンポン・YSSジム(タイ/YSSジム/IMCインターナショナル・スーパーウェルター級王者)
判定3-0 (椎名29-28/松田29-27/少29-28)
4月大会で野村太一に判定勝ちしウェルター級王者になった大輝は、1月大会で山際和希に判定勝ちしたタイ人選手・プライチュンポンとの一戦が用意された。プライチュンポンはK-1で野杁正明と安保瑠輝也に敗れ、NO KICK NO LIFEで緑川創に敗れている選手。K-1王座を目指す大輝にとって、今の力量を示すには絶好の相手だ。
1R、大輝はサウスポー主体で時折スイッチし、プライチュンポンはサウスポーで構える。じりじり詰める大輝に対し、プライチュンポンは左右のロー、カーフを的確に当てて大輝をふらつかせ、終盤には左フックも当てて優位に進める。記者採点はプライチュンポン。
2R、プライチュンポンは変わらずローを当てつつ、随所で左フックも強打する。大輝も左フック、アッパーを返し、当てる場面もあるが、大半はプライチュンポンにかわされてしまう。記者採点はプライチュンポンがやや優位だが僅差のためイーブン。
3R、プライチュンポンは疲れが目立ち出し、クリンチが増え、西村レフェリーからイエローカードをもらう。終了間際には蹴り足をつかんでパンチを当ててしまいイエローカードを再びもらい、累積でレッドカードとなり減点1を宣告される。プライチュンポンはコーナーを背負う時間が長くなるが、随所で左フックを当て、大輝の追撃を封じる。記者採点はイーブン。合計29-29でイーブン。ジャッジは3者とも1~2点差で大輝を支持し、大輝の判定勝ちとなった。
山際和希、最終ラウンドに差をつけ政斗下す
第10試合 67kg契約 3分3R
○山際和希(谷山ジム/元Bigbang&Krushウェルター級王者、Bigbang Explosionウェルター級トーナメント2022優勝)
×政斗(治政館/ジャパンキック・ウェルター級2位)
判定3-0 (西村30-29/松田30-28/少30-29)
4月大会で森本一陽に判定勝ちした山際は、ジャパンキックのランカー・政斗を迎え撃った。山際のセコンドには谷山ジムを離れた城戸康裕がつく。
1R、政斗が前に出てパンチを振るい、右ミドル等も絡める。山際は押し負けず、左右のミドルやパンチを返す。
2Rも似た構図で、政斗が積極的に前に出てパンチ、膝を当てるが、山際も随所で左ミドル、膝を当て、大きな炸裂音を響かせて印象を作る。記者採点はここまでイーブン。
3R、さすがに政斗は圧力が落ちて来ると、山際がステップして回りながら、左右のミドルのヒットを増やし、パンチも絡め優位に。政斗はパンチの空振りが続き攻撃が当てられなくなる。記者採点は山際。合計30-29で山際。ジャッジ3者も1~2点差で山際を支持し、山際が判定勝ちした。
小巻海斗&峯大樹が王座挑戦権獲得
第8試合 Bigbangスーパーバンタム級王座挑戦者決定戦 3分3R(延長1R)
○小巻海斗(真樹ジムAICHI)
×蘭丸(team AKATSUKI)
判定3-0 (西村28-26/椎名28-26/和田28-27)
1R、蘭丸が序盤から左右のミドル、ボディ狙いの右前蹴りをコツコツ当ててから、右のストレートを当ててダウンを奪う。その後も同様の攻めで優位を維持する。
2R、小巻が左ミドルを絡めつつ、右のアウトロー、インローを当て続けると効き目を発揮する。終盤、蘭丸はスリップすると、立つのが遅れ、松田レフェリーからダウンを宣告される。だが蘭丸も最後はパンチと右ハイを当て巻き返す。
3R、蘭丸がパンチを当て続け、小巻は苦しむ。だが小巻は中盤、ロープ際に詰められた際、カウンターの右フックを当ててダウンを奪い、点差を突き放す。蘭丸はパンチを当てて必死に反撃し場内を沸かせるが、小巻が耐えきり終了し、判定勝ちした。
王座挑戦権を獲得した小巻は「こんな試合じゃタイトルマッチで勝てないので、もっと練習して仕上げてきます」と話した。王者・一航は「小巻選手、パワーも迫力もあって凄い面白い試合でした。自分はもっと成長して差をつけます」とアピールした。王座戦は年内の大会で行われる予定だ。
第7試合 Bigbangバンタム級王座挑戦者決定戦 3分3R(延長1R)
×鈴木太尊(谷山ジム小田原道場)
○峯 大樹(若獅子会館/RKSバンタム級王者)
4R 判定0-3 (松田7-10/椎名7-10/和田7-10)
3R 判定0-1 (松田29-30/椎名29-29/和田29-29)
1R、離れた距離の攻防の後、クリンチになることが多く、鈴木が最後に右膝を当てる場面もあるが、まだ均衡状態。峯は随所で左ミドル、インローを当てる、
2Rになると、峯の左ボディのヒットが増え、終盤には左フック、右ストレートもさく裂し、やや好印象か。鈴木は攻撃が減る。
3R、鈴木が右膝、ストレート、ローのヒットを増やし巻き返す、峯は左ボディ等の攻撃の頻度が下がる。ジャッジは1者が峯を支持したが、2者がイーブン。王座挑戦者決定せのため延長へ突入する。
延長R、峯が左ボディを当てていると、バテた様子の鈴木がクリンチを繰り返し、少白竜レフェリーから再三注意を受ける。少はレッドカード2枚の減点2を宣告される異例の状態に。峯は最後まで左ボディ等を当て続け、優位を維持して判定勝ちし、王座挑戦権を獲得した。
試合後には王者・板橋武留もリングインし「もうちょっと打ち合って欲しかったです。倒してわからせます」と峯を挑発した。
琢磨、フリー初戦は判定勝ち
第6試合 61kg 契約 3分3R
○琢磨(フリー/元WBCムエタイ日本スーパーフェザー級王者)※東京町田金子ジムから所属変更
×仲川広汰(Ten Clover Gym)
判定3-0 (30-25/30-25/30-25)
琢磨は所属先の東京町田金子ジムが5月末に閉鎖してからの初戦。セコンドには変わらず同ジム勢がつく。
1R、琢磨が開始すぐに前に詰め、右ストレートを当ててダウンを奪う。その後も低く構えて脱力した状態から右ストレート、左ボディ、右ローを的確に当て優位に進める。
2Rも琢磨が同様の攻撃で主導権を維持し、右ローを当て続けてから、終了間際にまたも右ストレートでダウンを奪う。3Rもパンチ、ローを自在に当てて優位を維持し判定勝ちした。
第5試合 67.5kg契約 3分3R
○梅村直希(湘南格闘クラブ)
×田上“DARUMA”健太(K-1ジム蒲田チームアスラ)
判定3-0 (28-26/28-27/28-26)
第4試合 フェザー級 3分3R
○竹添翔太(インスパイヤードモーション)
×大澤匡弘(STRIKEs GYM)
判定3-0 (30-28/30-27/30-27)
第3試合 特別試合 2分2R
○相馬勇悟(G-1 TEAM TAKAGI)
×YUKI(務所族)
判定3-0
第2試合 フェザー級 3分3R
○夏気(TEAM RHAPSODY)
×石崎優佑(BATTLE FIELDチームJSA)
判定3-0 (30-28/30-27/30-28)
第1試合 フェザー級 3分3R
○春暉(ドラゴンテイル)
×柴田清哉(ROAD MMA GYM)
判定2-0 (30-30/30-29/30-29)