Krush 5.20 後楽園ホール(レポ):18歳の大鹿統毅、8戦全勝でフライ級王者に。19歳のスーパー・フェザー級新鋭・松山勇汰、岡嶋形徒を1R KO
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Krush.149
2023年5月20日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
18歳の大鹿統毅、プロ8戦全勝で第2代Krushフライ級王者に
フライ級(51kg)はK-1グループの男子で最も軽い階級として昨年作られ、昨年9月のKrush初代同級王座決定トーナメントでは、大久保琉唯が西林翔平と大夢に勝利し初代王者となった。だが176cmと長身でまだ18歳と若く成長中で、バンタム級(53kg)に階級を上げることになり、防衛戦をせず王座を返上した。今回、第2代王座を争う4選手も若く、山脇は21歳、大夢は20歳、大鹿と長野が18歳で、平均年齢は19.25歳だ。
第2試合 第2代Krushフライ級(51kg)王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R(延長1R)
×山脇飛翼[つばさ](K-1ジム心斎橋チームレパード/K-1甲子園2019 -55kg優勝)
○大鹿統毅[おおしか とうき](K-1ジム総本部チームペガサス/K-1甲子園2022 -55kg優勝)
1R 1’23” KO (2ダウン:パンチ連打)
山脇は去年のトーナメントに出場予定だったが怪我で欠場していた。21年12月に大夢に敗れており、昨年4月に石郷慶人と引き分けて以来の試合となる。
大鹿は昨年のK-1甲子園優勝者。かつては湘南格闘クラブに在籍し、プロではBigbang等で5戦全勝後、昨年12月のKrushでK-1グループのプロの試合に初登場し、西林翔平に判定勝ちしている。西林は昨年のトーナメントの初戦で大久保に判定負けしている選手。
1R、しばらく静かな立ち上がりだったが、大鹿がワンツーで放った右ストレートを、山脇のガードの隙間からクリーンヒットしダウンを奪う。山脇はブロックして大鹿のパンチラッシュを耐え続けたが、大鹿が左ボディも強打しつつ、顔面にパンチを当て続け、山脇は耐えられず再びダウンし、大鹿がわずか83秒でKO勝ち。無傷で決勝に進んだ。
第3試合 第2代Krushフライ級(51kg)王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○大夢[だいな](WIZARDキックボクシングジム)
×長野 翔[かける](K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
判定3-0 (岡田30-29/箱崎30-29/梅田30-28)
大夢は前回トーナメント決勝で大久保と延長戦の末に判定2-1で惜敗し、中村拓己プロデューサーも「チャンピオンにいつなってもおかしくない実力だった」と高く評価した。続く12月の試合では石郷慶人に判定勝ちしている。プロ戦績10戦8勝(4KO)2敗で優勝候補と言っていいだろう。
対する長野は名門シルバーウルフに所属し、K-1アマチュアで3度優勝し、昨年プロデビューして以来3戦とも判定勝ちしている。
1R、お互い右のカーフを打ち合い、左ジャブを絡めるが、その先には持ち込めず、まだ均衡は崩れない。2Rも同様で、両者クリンチも増えてしまう。
その中で消耗が激しいのは長野のほう。3R、大夢は右カーフを当てつつ、左右のフックのヒットを増やす。長野はクリンチが増え終盤には警告を受ける。なおかつクリンチの場面で押されて倒れる場面も多く印象が悪い。結局大夢が3R目にジャッジ3者から支持されポイント差をつけ判定勝ちした。
第1試合 第2代Krushフライ級(51kg)王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R(延長1R)
○橋本裕也(K-1ジム五反田チームキングス)
×石郷慶人(K-1ジム福岡チームbeginning/KPKBフライ級王者)
不戦勝(石郷が計量クリア後、体調不良を訴え、病院で縦隔気腫と診断され、ドクターストップがかかったため)
第10試合 メインイベント 第2代Krushフライ級(51kg)王座決定トーナメント・決勝 3分3R(延長1R)
○大鹿統毅[おおしか とうき](K-1ジム総本部チームペガサス/K-1甲子園2022 -55kg優勝)
×大夢[だいな](WIZARDキックボクシングジム)
判定3-0 (西村30-29/箱崎30-29/梅木30-29)
大鹿はわずか83秒で無傷でKO勝ちし、大夢は3Rフルで戦っての1日2試合目となる、1R、大鹿が左ミドル、大夢は左インローと、お互い蹴り合いつつ、時折パンチも交錯する。まだ均衡は崩れない。記者採点はイーブン。
2R、大夢が前に出て、接近戦が増え、クリンチも増えるが、その中で大鹿が右ストレートを随所でヒットする。大夢は初戦の消耗の影響がここに来て出て来たか?攻撃があまり出せなくなる。記者採点は僅差だが大鹿。
3R、大夢は変わらず前に出て、クリンチは多いものの、2Rよりはパンチを当てるように。だが大鹿は変わらず右ストレートを当て続け、パンチの連打からの左ミドルも随所で決め、攻撃数で上回る状態を維持する。記者採点は大鹿。合計30-28で大鹿。ジャッジ3者は30-29で大鹿を支持し、大鹿が判定勝ちし、トーナメント優勝と王座奪取を果たした。ベルトを巻いた大鹿は涙を流しながらジムの梶原龍児トレーナーや家族に感謝の言葉を述べた。
19歳のスーパー・フェザー級新鋭・松山勇汰、岡嶋形徒を1R KO。王座取りに前進
第9試合 セミファイナル スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×岡嶋形徒 (K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
○松山勇汰 (TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO/K-1甲子園2020 -60kg優勝)
1R 1’56” KO (左ハイキック)
岡嶋は昨年3試合出場し、4月の國枝悠太戦では3Rに2ダウンを奪い判定勝ちしたが、倒れた國枝の頭を蹴ってしまう反則で試合が終わり、負傷判定という形だった。その後は稲垣澪、龍斗相手に連敗しており、久々にスッキリした勝利につなげたいところ。松山は19歳の注目株。20年のK-1甲子園を制し、21年12月のプロ3戦目で寺田匠相手にプロ初黒星を喫したが、昨年は目黒翔大、SOUL相手に連勝した。上位勢との対戦経験が豊富な岡嶋との試合につなげ、しっかり結果を残す。
1R、開始すぐから松山がサウスポーからの左ミドルを積極的にヒットする。岡嶋のガードが少しでも下がれば、左ハイも当てる。岡嶋も前進して右ストレート、右ミドルを返していたが、松山の勢いは落ちず。松山が右の後ろ上段廻し蹴りを当ててから、左の膝蹴りを岡嶋のボディに効かせると、岡嶋がパンチを振るった直後に左ハイをクリーンヒット。ダウンした岡嶋はダメージが大きく、梅木レフェリーがストップした。
マイクを持った松山は「そろそろタイトルマッチできるような選手を用意してください」とアピールした。バックステージでのインタビューでも「ベルトに近い選手とやって、勝ってベルトにつなげたい」と話した。中村プロデューサーは「ハイキックとか一発で切り落とすKOも彼の魅力でインパクトを残したと思います」と高く評価した。
第8試合 61kg契約 3分3R(延長1R)
×増井侑輝(真樹ジムAICHI/Bigbangスーパーライト級(63.5kg)王者)
○提髪和希 (K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1カレッジ2018 -60kg優勝)
1R 3’05” KO (左フック)
増井は友尊のドクターストップにより、大会1週間を切り緊急出場が発表された。提髪は安川侑己、MOMOTARO相手に2連敗中だ。1R、サウスポーの増井の左インローがローブローとなり中断する。再開後、お互い積極的に攻める中で、提髪が右ボディ、左フックを強打し、じわじわ増井を追い詰めると、終了間際に増井をロープ際まで下がらせると、左フックをクリーンヒット。増井はフラつき、箱崎レフェリーはダウンを宣告する。その後に倒れた増井は、立とうとしたがフラつき、レフェリーがストップした。
第7試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×堀井 翼 (K-1ジム五反田チームキングス)
○SEIYA (POWER OF DREAM)※MAD MAX GYMから所属変更
2R 2’50” KO (右ストレート)
堀井は昨年10月、SATORU成合との激しい打ち合いの末にTKO勝ち。2月のKrushでは伊藤健人に3Rにダウンを奪われ判定負けしたが、終盤は巻き返し見せ場を作った。SEIYAは5連勝のあと4連敗と最近は苦戦し、21年9月に鈴木孝司に延長判定負けして以来の試合。兵庫から上京し名門のPOWER OF DREAMに移籍し再浮上を図る。
1R、お互い積極的に攻める中で、SEIYAの右フックのタイミングで、堀井が右の飛び膝を合わせて顔面にクリーンヒットしてダウンを奪う。その後も堀井が圧をかけ続け、ガードを固めるSEIYAに右ボディフック、膝を当て続け優位を維持する。
だが2R、SEIYAが開始すぐ左ハイを当て、その後も左右のカーフを堀井の前足に当てていると、堀井の圧力と手数が落ちる。SEIYAはボディと顔面へのパンチも絡め、じわじわ堀井を削る。クリンチも増え、終盤に三浦レフェリーが両者に注意を出し、再開した直後、SEIYAが右のカーフを当ててから、すぐに左の飛び膝を堀井の顔面にヒットする。不意打ちを食らった堀井はコーナーに後退し、SEIYAが追いかけて右ストレートを当ててダウンを奪う。堀井は急いで立つが、フラついてしまっため、レフェリーがストップした。
移籍初戦を制しマイクを持ったSEIYAは「こっからが本当のスタートなんで、1からのつもりで精進します」とアピールした。
第6試合 スーパー・ヘビー級 3分3R(延長1R)
×丸山公豊[なおと] (宮田ジム/元KPKB&激突ヘビー級王者/126.25kg)
○木村太地 (TEAM RHAPSODY/98.55kg)
判定0-3 (箱崎27-29/梅木27-29/三浦27-30)
1R、木村が右ロー、ミドル等の手数でやや上回る状態を続け、終盤に左フックでダウンを奪う。
2R、序盤は木村の攻勢だが、中盤、丸山が右フックを効かせ、ローでも木村をフラつかせて倒すが、西村レフェリーはダウンと判断せず。終盤、木村がパンチを当て返し、一進一退の攻防に場内は沸く。
3R、木村優勢の流れが続き、パンチの手数で上回り終了し、ポイント差を広げ判定勝ちした。
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○佑典[ゆうすけ] (月心会チーム侍)
×宮崎勇樹 (FLYSKY GYM/元MA日本フェザー級王者)
4R 判定3-0 (岡田10-9/三浦10-9/西村10-9)
3R 判定1-1 (岡田28-30/三浦30-27/西村30-30)
宮﨑がサウスポーの佑典に圧力をかけ続け、お互い随所でミドルキックを当てるが、なかなかその先につながらず3Rに突入する。それでもほぼ五分だったが、終盤、宮崎の右ミドル、右フックがやや目立つ状態で終了する。
ジャッジは佑典陣営の近くに座った三浦氏が佑典に全ラウンド付け、宮崎陣営の近くに座った岡田氏が宮﨑を2点差で支持し、中間の位置に座った西村氏がイーブンとつけ、3者とも解釈が大きくバラつく形で1-1となり延長へ。
延長Rも接戦が続き、宮崎の右フック、ミドルのヒットがやや目立ったようにも思えたが、随所でパンチを返した佑典をジャッジ3者とも揃って支持し、佑典の判定勝ちとなった。
第4試合 58.5kg契約 3分3R(延長1R)
○立基[りき] (K-1ジム目黒TEAM TIGER)
×林 眞平 (SOLARE KICKBOXING GYM)
3R 0’30” KO (右カーフキック)
立基が右カーフキックを効かせ、2Rには右のボディ狙いの膝も当て続けて林を削り、終盤に右カーフでダウンを奪う。すると3R、右カーフでダウンを奪い、さらに右のカーフの連打で林を棒立ちにさせたところで、箱崎レフェリーがストップした。
プレリミナリーファイト第2試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
○松本和樹 (T-GYM)
×下村泰平 (K-1ジム総本部チームペガサス)
2R 2’54” KO
プレリミナリーファイト第1試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R
○水上陽生(ポゴナ・クラブジム)
×オカハン・バラ[OCathain Barra](アイルランド/リーブルロア)
2R 0’38” KO