Krush 4.28 後楽園ホール(レポ):稲垣柊、9連勝4連続KO勝ちでスーパーライト級王者に。岩尾力、復帰2戦連続1R KO勝ち「Krushのベルトを狙う」
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Krush.148
2023年4月28日(金) 後楽園ホール
レポート:井原芳徳 写真提供:(C)K-1
第9代Krushスーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメントは稲垣柊が3戦KO勝ちで制覇
第2試合 準決勝 3分3R(延長1R)
×塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
○小嶋瑠久[るーく](ARROWS GYM)
判定0-3 (西村28-30/豊永28-30/岡田28-30)
1月のKrush.145で開幕した「第9代Krushスーパー・ライト級(65kg)王座決定トーナメント」の準決勝と決勝が今大会で行われた。一回戦は4試合とも30代と20代の対戦構図となり、順当に好調の20代勢が初戦を突破していた。
塚本は川島康佑、小林孝彦、齋藤紘也、松岡翔大相手に4連勝し、トーナメント一回戦で大野祐志郎に判定勝ち。小嶋は寧仁太・アリ、不可思、林健太相手に3連敗していたが、1月の一回戦では松本篤人に判定勝ちすると、11月に死去した弟の良羽将(らうす)の遺影を抱えて喜んでおり、弟のためにもベルト奪取を目指す。
試合は高いレベルの相手とこれまで戦ってきた小嶋が差を示す内容に。1R、前進する塚本に対し、小嶋がステップで距離を取りながら、右のカーフキック、ローキックを随所で的確に当てる。塚本は終盤、バランスが崩れ、ロープをつかんで倒れるのを免れる場面も。記者採点は小嶋。だが小嶋は塚本の膝にローを当ててしまう場面があり、右足を引きずってコーナーに戻る。
2R、小嶋は最初は右ローを出していたが、途中からパンチ主体に切り替え、ボディにパンチを散らしつつ右フックとアッパーを当て、塚本を下がらせる。記者採点は小嶋。
3R、小嶋が前に出て塚本をコーナーに詰めてパンチと膝を連打する。だが塚本もパンチと膝をお返し。小嶋は左まぶたを腫らすように。塚本も鼻血を出し消耗する。記者採点はイーブン。合計28-30で小嶋。ジャッジ3者も同じ採点で小嶋を支持し、小嶋が決勝に進んだが、3試合後の第5試合終了後、小嶋にドクターストップがかかり、塚本が決勝に進ことが発表された。
第3試合 準決勝 3分3R(延長1R)
○稲垣 柊[しゅう](K-1ジム大宮チームレオン)
×寺島 輝[ひかる](TANG TANG FIGHT CLUB)
2R 2’45” KO (2ダウン:左ストレート)
稲垣は東本央貴に3R左ストレートでKO勝ちし7連勝中。寺島は蓮實光に判定勝ちしている。試合は稲垣が勢いの差を示す内容に。1R、長身の稲垣がサウスポーで構えプレッシャーをかけ、時折左ミドルを当てるが、まだ攻撃が少ない。寺島も時折右ミドルを返す。終盤には稲垣が右の三日月蹴りを連打するが、まだ均衡が崩れない。記者採点はイーブン。
2R、稲垣がプレッシャーを強めると、寺島が左右のパンチを振って来たが、稲垣は左ストレートを合わせる。稲垣は左ミドル、ロー、ストレートの攻撃数を増やす。すると終盤、稲垣が左のテンカオを当ててから、すぐに左ストレートにつなげると、もらった寺島の片膝がマットにつき、豊永レフェリーはダウンを宣告する。すると稲垣は左ストレート、膝を立て続けに当ててから、左ストレートをさらに当て、再びダウンを奪う。トーナメント準決勝までは2ノックダウン制のため、稲垣のKO勝ちとなった。
第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
×FUMIYA(E x F)※ポゴナ・クラブジムから所属変更
○佑悟[ゆうご](Lion Gym/KPKBウェルター級王者)
1R 2’19” 反則勝ち
両者は昨年7月のKrushで対戦し、FUMIYAが3R KO勝ちしている。再戦となったが、FUMIYAがサウスポーの佑悟に対し、右のバックハンドブローを当て佑悟をKOする。最初は芹沢レフェリーがKOを宣告したが、映像による検証の結果、前腕部が鼻に命中していることが判明し、梅木レフェリーはFUMIYAの反則負けとアナウンスした。
第10試合 メインイベント 決勝 3分3R(延長1R)
○稲垣 柊[しゅう](K-1ジム大宮チームレオン)
×塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
1R 2’30” TKO (レフェリーストップ:パンチと膝の連打)
※稲垣が王者に
小嶋は準決勝のダメージが大きくドクターストップがかかり、ルールにより塚本が決勝に上がった。塚本もダメージが大きく、稲垣のワンサイドゲームに。
1R、開始すぐにサウスポーの稲垣に対する塚本の右の膝蹴りがローブローとなり一時中断する。塚本はガードを固めながら前に出て来るが、稲垣はステップでかわしつつ、左のストレート、ローを的確に当て続け主導権を握る。さらに右ストレート、左アッパーも自在に当て、着実にダメージを与える。すると終盤、稲垣が左ボディを当てて塚本をコーナーに詰めてから、パンチと膝をまとめると、塚本のダメージが大きいと判断した豊永レフェリーがストップした。
稲垣はトーナメント3戦全てKO勝ち、さらに9連勝・4連続KO勝ちでKrush王座を獲得した。ベルトを巻きマイクを持った稲垣は「トーナメントが決まって、俺がK-1に乗り込んでいくとか大口叩いていたんですけど、今日の2試合でまだまだそのレベルじゃないと感じたので、さらに強くなって、K-1スーパー・ライト級王者の大和哲也選手とと戦えるように、これから大きな舞台で戦っていきたいと思います。これからも(兄・澪との)稲垣兄弟よろしくお願いします。今日、妹が誕生日で、今日は妹のために戦ったので、みなさん拍手お願いします。これからもK-1ジム大宮、K-1の舞台で戦っていくので応援よろしくお願いします」とアピールした。
ライト級では古宮晴が元王者の瓦田脩二に判定勝ち
第9試合 セミファイナル ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス/元Krush王者)
○古宮 晴(昇龍會/K-1甲子園2021 -65kg優勝)
判定0-3 (西村29-30/箱崎29-30/岡田29-30)
瓦田は昨年2月に篠原悠人に判定負けし、4月に大沢文也に判定負けしKrushライト級王座から陥落し、10月には昇也に延長戦の末に判定負けし3連敗中。2年前のK-1甲子園を制した古宮は昨年、下村泰平と龍之介に判定勝ちしプロ4連勝で、元Krush王者との試合が巡ってきた。
1R、古宮が圧力をかけ、右のカーフやローをヒット。防御はされるが右フックや左ハイも絡め積極的に攻める。記者採点は古宮。
2R、古宮は変わらず積極的に右フック、ロー、左ハイ等を出す。なかなか攻撃の出なかった瓦田だが、終盤になるとようやく左ストレート、左右のボディ、左膝を返し、最後は古宮を少し下がらせて終える。記者採点はイーブン。
3R、瓦田が序盤から前に出て左膝、ストレート、右ボディ等をヒットする。だが中盤から古宮も右ロー、左インローを返していると、瓦田は少しバランスを崩すように。終盤、瓦田も左ボディをお返しするが、古宮も必死にパンチと蹴りを返し続け、手数では上回る状態で終える。記者採点はイーブン。合計29-30で古宮。ジャッジ3者も同じ採点で、古宮が判定勝ちで元王者から白星を奪った。
岩尾力、復帰2戦連続1R KO勝ち「Krushのベルトを狙う」
第8試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
×愛瑠斗[えると](健成會)
○岩尾 力[ちから](POWER OF DREAM/元WINDY MUAYTHAIバンタム級王者)
1R 0’55” KO (左ボディフック)
岩尾は同じPODの武居由樹と同世代の新鋭として注目されていたが、バイク事故で重傷を負い長期間戦線離脱した。リハビリを経て昨年8月のKrushで約5年ぶりに復帰し、小倉尚也に1R左ミドルの連打からの左ボディフックでKO勝ちした。復帰2戦目も21歳の愛瑠斗を圧倒する内容に。
1R、前に出て来る愛瑠斗に対し、岩尾が右ロー、左ミドルで応戦すると、左の三日月蹴りをクリーンヒットし、30秒足らずで早くもダウンを奪う。岩尾は左のテンカオでさらに愛瑠斗を倒す。さらに愛瑠斗の倒れ際の顔に左膝を当てると、流れの中の攻撃だったが、箱崎レフェリーはダウンは無効と判断し、岩尾に注意1を出す。とはいえ再開後も流れは変わらず、岩尾が左三日月と左ボディフックの連打で再びダウンを奪ったところでレフェリーがストップした。客席で見ていた武居も拍手して喜んだ。マイクを持った岩尾は「今年バンバン試合して、Krushのベルトを狙おうと思います」と宣言した。
第7試合 クルーザー級(90kg) 3分3R(延長1R)
×ANIMAL☆KOJI(TEAM ANIMAL)
○山口翔大(TEAM 3K/RKS&AJKNクルーザー級王者、JFKO全日本フルコンタクト空手道選手権’18 ’19重量級優勝)
判定0-2 (箱崎28-30/豊永28-30/岡田30-30)
第6試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×キリルアン・チョーハーパヤック(タイ/チョーハーパヤックジム/元ラジャダムナン認定バンタム級1位)
○石田龍大(POWER OF DREAM/K-1甲子園2019 -60kg優勝)
判定0-3 (山根29-30/豊永29-30/岡田29-30)
第5試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○目黒翔大(優弥道場)
×赤田功輝(ALONZA ABLAZE)
判定2-1 (山根29-30/西村30-29/島村30-29)
第4試合 バンタム級(53kg) 3分3R(延長1R)
×松本 陸(TAD)
○黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
4R 判定1-2 (梅木9-10/岡田9-10/山根10-9)
3R 判定1-0 (梅木30-30/岡田30-29/山根30-30)
プレリミナリーファイト第2試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
×坂本寿希(リーブルロア/元KROSS×OVERスーパーバンタム級王者)
○今村流星(KINGS)
2R 1’34” KO (左フック)
プレリミナリーファイト第1試合 フライ級 3分3R
―永谷龍希(K-1ジム五反田チームキングス)
―吉村 匠(TAD)
中止 (永谷の頭部に「くも膜嚢胞(のうほう)」の疑いがありドクターストップ)