スック・ワンチャイ・ムエタイスーパーファイト 4.23 名古屋国際会議場(レポ):福田海斗、RWSにも出場のガイパーに翻弄され判定負け。TAKERU・伊藤勇真・佐藤執斗が地元で豪快KO勝ち
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Suk Wanchai MuayThai Super Fight(スック・ワンチャイ・ムエタイスーパーファイト)vol.8
2023年4月23日(日) 愛知・名古屋国際会議場イベントホール
レポート:井原芳徳
第2部
第4試合 メインイベント IMSA(国際ムエタイスポーツ協会)世界フェザー級王座決定戦 3分5R(インターバル2分)
○ガイパー・ポーヴィセットジム[Gaipar Por.Wisetgym](タイ/元True4Uスーパーバンタム級王者)
×カイト・ウォーワンチャイ[福田海斗](キング・ムエ/IMSA世界スーパーバンタム級王者、元True4Uスーパーフライ級&バンタム級王者、元WPMF世界&プロムエタイ協会フライ級王者)
判定3-0 (ソンマイ49-48/ナルンチョン49-47/49-47)
※ガイパーが王者に
ガイパーはタイの大手プロモーション・ペッティンディーのメインを担う21歳。昨年12月のラジャダムナン・ワールドシリーズ(RWS)でのチアップカートとの激闘で名を上げた旬のファイターだ。コロナ対策の入国規制が緩和されたタイのムエタイシーンでの巻き返しを目指す福田にとって絶好の相手といえよう。しかし今大会は37万人の登録者数を誇るタイのムエテッド789Youtubeチャンネルを通じて生中継されたこともあって、ガイパーはしっかり星を取りに行く。
1Rは静かな探り合い。お互い蹴りを時折当てるがまだ深追いはしない。2R、どちらも攻撃の頻度を上げる中で、中盤からガイパーの左フックが当たりだす。福田はガイパーのミドルを度々つかむが、ガイパーはすぐ引き抜いてその先の攻めを許さない。最後はガイパーが組んで膝を連打し、やや好印象で終える。
勝負所の3R、ガイパーは序盤から組んで右膝を当ててから、離れるとすぐ右ストレートもヒット。福田は後方に下がり、印象を悪くする。その後もガイパーは組んで膝を当て、離れれば前蹴りで突き放し、主導権を維持する。福田はガイパーの右ミドルをつかんでから右ボディを当てる場面もあるが、ガイパーはひるまず、福田は流れを変えられない。ガイパーがポイントを取る。
4R、ガイパーは変わらず前蹴りで突き放し、首相撲になれば膝を当て、崩しも度々絡め、福田を翻弄する。点差を広げるラウンドに。
最終5R、福田は必死に前に出てパンチを振う。福田がガイパーのボディにパンチを連打する場面もあるが、ガイパーはクリンチや崩しでうまく寸断し、逆転を封じて終了。ガイパーが逃げ切る形で判定勝ちした。
第3試合 IMSA世界ヘビー級王座決定戦 3分5R(インターバル2分)
○コントゥアラーイ・JMボクシングジム[Kontualai JM boxinggym](タイ/MXムエエクストリーム94kg王者、ボクシング元WBCアジアクルーザー級王者&元ABFアジアウェルター級王者)
×実方宏介(真樹ジムAICHI/元Bigbangヘビー級王者)
2R 2’29” TKO (左ローキック)
※コントゥアラーイが王者に
コントゥアラーイはタイの護符刺青“サック・ヤン”を全身に施し、タレントとしても人気だという選手。OFGムエタイのMXムエエクストリームやボクシングでタイトルを獲得しており、試合ではテクニシャンぶりを発揮する。
1R、小柄なコントゥアラーイは巨漢の実方に対し、物怖じせずサウスポーからの左のオーバーハンドフックをヒット。左ローを絡め、右フックを放って組んでから左膝も当て、左フックから左ボディにもつなげ、巧さを印象付ける。
2R、コントゥアラーイは左前蹴り、フックを当てつつ、ローも絡めると、ローが効き目を発揮し、実方はサウスポーに切り替えるように。コントゥアラーイはそれでも左フックを当て、組めば長身の実方の足に膝を当てる。さらに実方がサウスポーを維持すると、コントゥアラーイはオーソドックスにスイッチし、右インロー、フック、インローと右の攻撃を立て続けに当ててダウンを奪う。実方はなんとか立ったがオーソドックスに戻り、コントゥアラーイはサウスポーからの左ローを連打すると、実方は顔をしかめながらダウンし、直後に実方陣営からタオルが投入された。
第2試合 フェザー級 3分5R
×パーンペット・ファイタームエタイ[Panphet Fighter Muaythai](タイ)
○TAKERU(GET OVER/WBCムエタイ日本統一フェザー級8位)
3R 3’03” TKO (左ボディフック)
1R、TAKERUはサウスポーで構え、長身でオーソドックスのパーンペットにプレッシャーをかけ続ける。パーンペットは詰められると組んで来るが、膝の応酬でもTAKERUは五分で渡り合う。
2Rも首相撲の場面が多く、TAKERUは膝を返すものの、パーンペットの崩しが度々決まるようになり、TAKERUはやや印象を悪くする。
3R、パーンペットが前に出続け、組めば崩しを決める場面もあるが、TAKERUはステップでかわし、組まれる場面が減るように。組まれてもTAKERUは膝の打合いを長時間続けて渡り合うと、パーンペットは消耗したか?中盤からはTAKERUがプレッシャーをかける側に回るようになる。するとTAKERUは左ミドルをヒット。さらに自ら組みに行くかのように前進しながら、左ボディをパーンペットに当てると、不意を打たれたパーンペットはダウンする。パーンペットは腹を押さえてうずくまり続け、レフェリーがストップし、TAKERUのKO勝ちとなった。
第1試合 56.1kg契約 3分5R
×スーパーテン・ソージットパッタナー(タイ)
○ユウマ・ウォーワンチャイ[伊藤勇真](キング・ムエ/元WPMF日本フライ級王者)
1R 1’19” TKO (パンチ連打)
1R、両者サウスポーで構え、軽い蹴りの応酬がしばらく続いたが、ユウマが詰前に出てパンチを連続で振るい、左フックを当てると、スーパーテンは早くもダウンする。スーパーテンはダメージが大きく、ユウマがパンチを連打してスーパーデンを棒立ちにさせたところで、宮本レフェリーがストップ。場内は大盛り上がりとなった。
第1部
第8試合 メインイベント IMSA世界女子フェザー級タイトルマッチ 2分5R
○マリエ・ヘインツ[Marie Heinz](ルクセンブルク/王者)
×KAEDE(LEGEND GYM/5位、ミネルヴァ・スーパーバンタム級5位)
判定3-0 (ソンマイ49-48/シーン49-47/ノッパデッソーン49-48)
※ヘインツが防衛
1Rから首相撲の多い展開となるが、まだ均衡は崩れず。2Rも組みの展開が多く、その中でKAEDEがヘインツの右ミドルをつかんでの右ストレートや右バックハンドブローを巧く絡めるものの、まだヘインツを追い詰めるほどにはならない。
3R、ヘインツは右ミドルを当て続ける。KAEDEは蹴り足をつかむ場面が多いが、その先に持ち込めず印象を悪くする。4R、ヘインツの左右のミドルのヒットがこれまでより増加し、KAEDEは受けに回っている印象が強くなる。
5R、KAEDEは反撃を狙って前に出てパンチを当てる場面もあるが、ヘインツはミドル、膝を返して抵抗を続け終了。ヘインツが1~2点差を維持し判定勝ちした。
第8試合 セミファイナル ライト級 3分5R
○テーパブット・シンコウムエタイジム[Thepbut](タイ/新興ムエタイジム/スック・ワンキントーン世界ライト級王者、元タイ7Ch.スーパーフェザー級王者)
×HIRO YAMATO(大和ジム/WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者、S1日本同級王者、元NJKF同級王者)
1R 1’47” TKO (左膝蹴り)
地元愛知での試合だったHIROだったが、精彩の感じられない試合に。1R、テーパブットがサウスポーで構え、序盤から組んで左膝を当てると早くも効き目を発揮し、左のボディ狙いの前蹴りを当てるとHIROはダウンする。さらにテーパブットが左膝蹴りを連打し、HIROが再びダウンしたところでレフェリーがストップした。
第6試合 65kg契約 3分5R
○パランラック・FELLOWジム(タイ)
×梅田勇一(BLITZ/INNOVATIONウェルター級王者)
判定3-0 (ノッパデッソーン49-48/ソンマイ49-47/ナルンチョン49-47)
第5試合 58kg契約 3分5R
○デッチャイヤー・ペッティンディーアカデミー(タイ)
×勇志(テツジム/NKBフェザー級3位)
判定3-0 (宮本49-46/ソンマイ48-47/ノッパデッソーン48-47)
第4試合 バンタム級 3分5R
×ノーンガティン・シットポージョーウォー[Nhongkratin Sit.Projorwor](タイ)
○佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ/シュートボクシング日本バンタム級王者、MAX FCフライ級王者、WMC I-1 51kg&54kg級王者)
3R 1’22” TKO (3ダウン:右ストレート)
1R、前に出るノーンガティンに対し、佐藤は左前蹴り主体で抵抗するが、ノーンガティンも右ストレート、右肘で脅かす。2Rも似たような構図が続き、終盤は首相撲の展開が増えるが、まだ佐藤も対抗できている。
すると3R、佐藤が左の顔面狙いの前蹴りを2連続で当ててから、組んで来るノーンガティンを突き放し、左のボディ狙いの前蹴りからの右ストレートでダウンを奪う。さらに佐藤は左の顔面狙いの前蹴りで2ダウン目を奪い、最後は右ストレートでノーンガティンをマットに沈めた。
佐藤のKO勝ちにつなげる技術自体は見事で、文句なしの試合内容だった。だがノーンガティンは3月26日のスック・ワンキントーン後楽園ホール大会で老沼隆斗に飛び後ろ回し蹴りでKO負けし、今大会にタイから来日予定だった選手の怪我により、急きょ代役出場していた。頭部にダメージを負ってのKO負けから1か月未満の試合間隔のため、安全面への配慮が十分だったのか気になってしまう試合だった。
第3試合 52.5kg契約 3分5R
○サンデー・UEFAブーンデックシアン[Sunday Boomdeksian](タイ/オームノーイ認定フライ級王者)
×老沼隆斗(STRUGGLE/元REBELS-REDスーパーフライ級王者)
判定3-0 (48-47/48-47/48-47)
サンデーはムァンコーンの代役で出場。サンデーは4月9日のBOMで竜哉・エイワスポーツジムに3RボディフックをもらってKO負けしている。主催者はサンデーの起用について「本来であれば2週間後の試合は認められないが、ボディへの攻撃であったことからブーンデックシアンジム側も本人も再度の出場を強く希望。ジムメイトであるムァンコーンの代わりとして出場することとなった」と説明している。
1R、サンデーは開始すぐから圧力をかけるが、老沼は距離を取り続け、左右のロー、前蹴り、ミドル、右ストレート等を随所で当てる。
すると2R、老沼が右ローを連打すると、効き目を発揮しダウンを奪うことに成功する。サンデーはローを嫌って必死に前に出て組もうとするが、老沼は突き放し、ロー、パンチ、バックスピンキック、右ハイを当て続ける
3R、サンデーは執拗に前に出て組み付いて膝を当てる。老沼はダメージこそ負わないものの、バックステップで逃げ続けるうちに少しずつ疲労の色が濃くなり、最後は崩して倒され印象を悪くする。4R以降もサンデーが執拗な組み膝と崩しで主導権を維持し判定勝ちした。
第2試合 ジュニア 36.5kg契約 2分5R
○ヨードペットエーク・UEFAブーンデックシアン(タイ)
×新美龍我(新美道場)
3R 1’31” TKO
第1試合 ジュニア 35kg契約 2分5R
○ヨードペットトー・UEFAブーンデックシアン(タイ)
×多田透馬(GET OVER)
3R 1’59” TKO